法廷帳簿とは?種類や保存期間などを一挙に解説【2024年最新版】
事業者を問わず、作成・保存・管理が義務付けられている法廷帳簿(法定帳簿)に関する基礎知識や法定三帳簿それぞれの概要、保存期間などについて分かりやすく解説します。法廷三帳簿を作成・管理する際の注意点、おすすめの作成・管理方法なども合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連ページ】
社会保険労務士にかかる費用・相場感や、あなたの目的別に社会保険労務士事務所をお探しいただけます。
労務相談に強い社会保険労務士事務所一覧
社会保険労務士に依頼する際の費用・相場
法廷帳簿とは
法廷帳簿(法定帳簿)とは、従業員数などに関係なく各事業者が原則、適切に作成・管理・保存しておくべき以下3つの書類を指します。
1.労働者名簿
2.賃金台帳
3.出勤簿(タイムカード)
これら3種類の帳簿はまとめて「法定三帳簿」と呼ばれますが、作成・管理・保管しない場合、帳簿の提出を拒否した場合、虚偽の記載を行った場合などには法令に則り、処罰の対象となるため注意が必要です。
労働者名簿
労働者名簿とは、労働基準法第107条で以下のように規定された法廷帳簿の1つです。
『使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。※』
※出典:労働基準法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049)
また、本法令では労働者名簿内の記載事項に変更があった場合、「遅滞なく訂正しなければならない」と定められています。なぜなら、労働者名簿には人事や労務関連の業務に欠かせない情報が集約されており、労働者名簿に記載されている情報が常に正しくなければ適正な処理に支障をきたすからです。
賃金台帳
賃金台帳とは、労働基準法第108条で以下のように規定された法廷帳簿の1つです。
『使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。※』
※出典:労働基準法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049)
前述の労働者名簿と同じく、賃金台帳には従業員の賃金(給与)計算に用いられるや支払い状況を記載するため、追加情報が発生した際には速やかに記載する必要があります。なお、賃金台帳の対象となるのは「事業所で働くすべての従業員」ですが、日雇い労働者や経営者と一体の立場にあるような者については除外される場合があります。
出勤簿
出勤簿とは、前述の2つの法廷帳簿とは異なり、労働基準法で直接的な名称こそ登場しないものの、実際には以下に記す第109条に含まれています。
『(記録の保存)
第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。』
※出典:労働基準法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049)
出金簿は上記の「賃金その他労働関係に関する重要な書類」に該当し、厚生労働省のガイドラインではさらに詳細に事業者に対する出勤簿関連の規定を定めています。具体的には、タイムカードなどを利用して各従業員の労働時間や休憩時間などを管理するのが一般的です。
法廷三帳簿の保存期間
法廷帳簿(法廷帳簿)は作成・管理・保存が義務付けられており、違反した場合は罰則の対象となります。また、保存について従来は「3年間保存しなければならない」ルールでしたが、2020年4月に施行された「労働基準法の一部改正」により保存期間が3年から5年に延長されたため、経過措置終了後は5年間保存しなければなりません。
保存期間起算日は法廷帳簿ごとに異なり、「労働基準法施行規則第56条」で以下のように規定されています。
『法第百九条の規定による記録を保存すべき期間の計算についての起算日は次のとおりとする。
一 労働者名簿については、労働者の死亡、退職又は解雇の日
二 賃金台帳については、最後の記入をした日
三 雇入れ又は退職に関する書類については、労働者の退職又は死亡の日
四 災害補償に関する書類については、災害補償を終わつた日
五 賃金その他労働関係に関する重要な書類については、その完結の日※』
※出典:労働基準法施行規則(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322M40000100023_20220401_504M60000100049)
法廷三帳簿の作成・管理方法
法廷帳簿は、労働基準法および労働基準法施行規則、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」内で帳簿ごとの記載項目や様式を明確に規定しています。そのため、これらの規定に則り必要な項目を記録するとともに、労働者名簿は変更の都度、賃金台帳は給与支払いの都度速やかに更新する必要があります。
また、出勤簿についても日々の記録が必要なため、属人的な作業に頼り過ぎるのではなくシステムを活用するのがおすすめです。
「自社にあった会社が見つからない」「会社選びに時間が割けない」とお悩みの方は、お気軽に「アイミツ」にお問い合わせください。数ある社会保険労務士事務所からあなたの要望にあった会社をピックアップして無料でご紹介いたします。
作成・管理に不安があるなら社労士への相談がおすすめ
法廷帳簿については、労働基準法や厚生労働省のガイドラインに詳細が記載されているものの、専門的な用語が多いこともあり「自社で完全に内製化するのは不安」という方もいらっしゃるでしょう。
そもそも違反すると罰則を受けるので、ノウハウが不十分な状態で法廷帳簿の作成・管理・保存を進めるのは危険です。不安を感じる方は人事労務の専門家である社労士(社会保険労務士)などの専門家に相談することを検討してみると良いでしょう。
【まとめ】法廷三帳簿作成を成功させるには?
法廷帳簿は人事・労務関連の手続きに欠かせない書類であり、法律で作成・管理・保存が義務付けられています。また、違反した場合は罰則の対象となるので、経験がない方や不安を感じている方は社労士などの専門家に一度相談してみると良いでしょう。
アイミツでは、社労士の情報を多数取り揃えており、お客様のお悩みや要望をヒアリングした上で条件に合う社会保険労務士事務所を無料で複数ご紹介可能です。事務所選びでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
【相談前にまずは会社一覧を見たいという方はこちら】
労務相談に強い社会保険労務士事務所一覧
【費用感を知りたいという方はこちら】
社会保険労務士に依頼する際の費用・相場
社会保険労務士事務所探しで、こんなお悩みありませんか?
-
一括見積もりサイトだと
多数の会社から電話が・・・ -
相場がわからないから
見積もりを取っても不安・・・ -
どの企業が優れているのか
判断できない・・・
PRONIアイミツなら
発注先決定まで
最短翌日
- 専門コンシェルジュが
あなたの要件をヒアリング! - 10万件の利用実績から
業界・相場情報をご提供! - あなたの要件にマッチした
優良企業のみご紹介!