箔押し加工のデザインを考えるときのポイントや注意点を解説【2024年最新版】

「箔押し加工」を印刷物に施せば、高級感や華やかさを演出できます。箔押し加工に用いる「箔」は、種類が豊富に存在するため、使い方によってはオリジナル性があるデザインや、模様を表現できるでしょう。 この記事では、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「PRONIアイミツ」が、箔押し加工の概要やデザインを考えるときのポイント、注意点について解説します。

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箔押し加工とは、プレス機を用いながら、金や銀などの箔を、熱と圧力で用紙に転写する特殊印刷のことです。古典的な印刷方式でありながら、複雑なデザインも表現可能であり、紙製品の他にレザークラフトやプラスチック、ビニール製品といった、広範囲で活用できる点も特徴と言えるでしょう。箔押し加工は、通常のインク印刷とは異なる質感と重厚感を併せ持つため、高級感を演出できるメリットがあります。ベースのカラー印刷に箔押し加工を上乗せすることで、豪華かつ繊細な冊子・ノベルティに仕上げられるでしょう。箔押し加工の箔には、金・銀などのメタリック系の他に透明箔、ツヤ箔、顔料箔、ホログラム箔などの豊富な種類があり、大小さまざまな印刷物への幅広い表現を可能としている点も魅力です。

箔押し加工を自身でデザインするときは、以下の点を注意することで、印刷した際のズレやカスミなどの失敗を防げるでしょう。具体的なポイントは以下の通りです。

・線の幅を太くする
・抜き幅を取る
・折り目から離れた場所にする
・入稿前にサイズを測る

以下でそれぞれ詳しく解説します。

箔押し加工において、デザインした文字や絵柄の線が細すぎる場合は、転写が上手くいかず文字が潰れてしまったり、かすれてしまったりするケースがあります。線の幅は、制作する印刷会社によって規定が異なりますが、一般的には最低値でも1mm以上の太さが必要です。規定サイズよりもなるべく太めに設定することで、後々のトラブルを回避できるでしょう。万が一、文字の潰れやかすれが起きそうな場合は、線の太さ以外にもフォントを変更することで解決できる可能性があります。

箔押し加工において、インクが乗らない隙間部分である「抜き幅」を広めに取ることも、文字や絵柄の潰れを防ぐのに効果的です。抜き幅は最小でも1mm以上を規定値としている制作会社が多いため、デザインする際は文字同士の間隔を空けるようにしましょう。仮に、画数の多い漢字や細緻な図柄を用いる場合は、十分な抜き幅を確保するために、サイズを大きく配置する必要があります。また、フォントの種類によっては文字が潰れやすく、再現性が低くなる可能性があるため、デザインの仕様に合った抜き幅に調整することが大切です。

箔押し加工において、折り目がある冊子や紙袋に箔押しするのであれば、折り目部分への印刷を避けることをおすすめします。折り目と箔が重なっている部分に転写すると、印刷物が剥がれやすくなってしまうためです。そのため、箔押しの位置が多少ずれることも考慮しつつ、折り目付近に十分な余白が生まれるように、デザイン制作を行うことが大切。

箔押し加工において、データ入稿の際は箔押しサイズを正しく測り、用紙内に収まっていることを確認しましょう。箔押し範囲の測定方法は、文字や絵柄を長方形の四角で囲んだ上で、縦×横の総面積を算出します。

【箔押しサイズの計算方法】
（例）縦6cm×横10cmの箔の場合
6cm×10cm＝60平方センチメール

斜めデザインの面積を算出する際は、斜め向きに長さを測らず、対角線の四隅を繋いだ長方形の縦横を掛けるように計算しましょう。また、線の幅が太い場合は、線の内側ではなく外側を測定する必要があります。

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箔押し加工のデザインを考案する際は、印刷会社の規定に則ったデザインに収まらなければ、想定外の不具合が生じる恐れがあります。以下では、箔押し加工における注意点について、詳しく見ていきましょう。

箔押し印刷は、フィルム状になった箔をハンコのように熱と圧力でプレスするため、加工を施した裏面に凹凸が生じるケースがあります。特に、箔面積が広いベタや大きなデザインの場合は、裏面の仕上がりが想定と違う場合もあるでしょう。そのため裏面の凹凸や擦れが気になる人は、安定した強度がある上質紙や、クッション性の高い厚手のマット紙を採用することで、仕上がりのイメージのズレを回避できます。また細かなデザインの箔押しは、シンプルな絵柄に比べると、潰れたり剥がれたりしやすくなるため、事前に印刷会社へ確認しておきましょう。

箔押し加工は、通常の印刷作業とは別工程となり、フルカラー印刷の後に実施します。加工の特性として、1～2mm程度のズレが生じる場合があることをあらかじめ理解しておきましょう。特に、文字の縁取りといった印刷の境目に箔押しをする際は、位置がずれる恐れが高くなってしまいます。そのため、印刷と箔押しがなるべく重なるように絵柄をデザインすると、多少ズレが生じても隙間が目立たず、見た目の影響は少なく済むでしょう。

箔押し加工において、ディティールにこだわった繊細なデザインの再現は難しく、高価かつ納期が長くな場合があります。印刷会社では、デザイン上の規定を設けているところが多く、仮に複雑なパターンで見積もりを依頼する際は、オプション料金が適用されるでしょう。また、サイズよっても、価格や納期が異なるため、印刷会社へ事前に確認することをおすすめします。

箔押し加工の費用は、箔の種類やベタの面積、デザインの細かさ、作業工数などによって変動します。箔の中でも、金箔や銀箔などの金属素材はそれほど高くありませんが、より高度な技術を必要とするホログラム箔は、他の箔と比べて高額になりやすいでしょう。一方で、箔押しの面積を広く取らず、デザインをワンポイントにすることで、費用を抑えることも可能です。また、箔押し加工は、職人の豊富な経験とノウハウが必要であり、最適な印刷物に仕上げるために定価を決めていない印刷会社も存在します。そのため、料金表を設定せずに、案件ごとの参考価格を提示するケースがあることを理解しておきましょう。

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金・銀箔を用いた印刷加工の方法である箔押しは、インクによる印刷に比べて視覚効果が高く、印刷物に高級感を持たせたい際に適しています。しかし、箔押し加工のデザインデータを作成する際は、文字の線幅やサイズ、絵柄の再現性などに注意しなくてはなりません。
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