社会保険を脱退する条件とは?提出が必要な書類も解説【2024年最新版】
社会保険は、対象となる従業員が被保険者の資格を喪失した場合、脱退手続きを行う必要があります。社会保険が脱退となるケースや脱退時の手続きについて、知識を整理しておきたい方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、BtoB受発注サービス「アイミツ」が、社会保険への加入義務・脱退(資格喪失)となる条件・脱退時の提出書類と提出先・被保険者資格喪失届の提出時の注意点について詳しく解説していきます。
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社会保険への加入は法人の義務
社会保険とは、企業で働く労働者の生活の保障をするための公的保険制度のこと。主に厚生年金保険・健康保険の2つの制度を総称して社会保険と呼んでおり、怪我・病気・障害・死亡・加齢・出産といった万が一の事態が起こった際にも、労働者の生活を安定させることを目的としています。
社会保険への加入は法令により義務付けられており、労働者を雇用する会社は本人の意思に関わらず社会保険への加入手続きを行わなければなりません。一部例外として、労働者を雇用しない個人事業主・常時雇用している従業員が5人以下の個人事業主は社会保険の適用事業所とはみなされないため、加入義務は免除されます。
社会保険の脱退(資格喪失)対象となるケース
社会保険は資格を喪失したら脱退しなければならないため、資格喪失の条件について把握しておく必要があります。どのような場合に資格喪失となるのか確認しましょう。
従業員が退職するとき
社会保険の脱退手続きが必要となる最も多いケースが、従業員の退職による資格喪失です。社会保険脱退に必要な書類を従業員に提出してもらい、脱退の手続きに関しては全て会社側で行う必要があります。
退職等による資格喪失年月日は、退職日の翌日となります。
従業員が社会保険の適用外になったとき
社会保険には、1週間の所定労働時間・1ヶ月の所定賃金など、保険の種類ごとに加入の条件が定められています。退職時でなくとも、勤務時間や雇用形態の変更等により従業員が社会保険の対象者でなくなった場合は、会社側は資格喪失の届出を行う必要があります。
従業員が資格喪失年齢になったとき
従業員が加入している各種社会保険が資格喪失年齢に達した場合は、会社は資格喪失の届出を行う必要があります。厚生年金保険は70歳の誕生日前日が資格喪失日、健康保険は誕生日の当日が資格喪失日です。加入している社会保険の種類によって資格喪失日が異なる点に留意しておきましょう。
従業員が死亡したとき
従業員が死亡した際にも社会保険の対象者ではなくなってしまうため、社会保険脱退の手続きを会社が行う必要があります。死亡による資格喪失日は、死亡日の翌日です。死亡した従業員に扶養家族がいる場合には、扶養者の健康保険証も回収しておく必要があります。
従業員数が5名以下になったとき
個人経営で社員数が常時5名未満の事業所に対しては、社会保険の加入が義務付けられていないため、退職等により社員数が5名未満となった場合には、以下の条件を満たすことで意図的に社会保険を脱退することが可能です。
・被保険者の3/4以上が脱退に同意
・事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受ける
上記要件を満たせば、社会保険の強制適用事業所ではなくなることができます。因みに社員数常時5名未満の事業所が社会保険適用事業所となるには、事業主が自主的に申請を行い、任意包括適用事業所となる必要があります。
社会保険の脱退時に提出が必要な書類・提出先
ここでは、社会保険の脱退時に必要な書類と提出先について解説します。スムーズに手続きを済ませるためにもご確認下さい。
被保険者資格喪失届
社会保険の資格を喪失する際には、社会保険被保険者資格喪失届(厚生年金保険被保険者資格喪失届)を作成します。従業員が社会保険資格を喪失する際に必要となる書類で、日本年金機構のホームページから用紙をダウンロードし、以下のような内容を記入してください。
・事業者情報
・被保険者情報
健康保険組合に加入している場合は、各健康保険組合のホームページから用紙をダウンロードし、同じく必要な項目を記入します。
添付書類
社会保険喪失手続きの際には、対象者の状況に応じて以下のような添付書類も用意する必要があります。
■協会けんぽに加入している会社の場合
・従業員本人・扶養者の健康保険被保険者証
・交付されている場合は高齢受給者証・健康保険特定疾病療養受給者証・健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証を回収して添付
■60歳以の従業員を再雇用している会社の場合
・退職日が確認できる書面(退職辞令・就業規則等)の写し
・定年再雇用の事実が分かる雇用契約書の写し
・退職日・再雇用日に関係する事業主の証明書
■各健康保険組合に加入している会社の場合
・年金事務所への添付書類は不要
・各健康保険組合への保険証の返却
原本が必要となる添付書類も多いため、忘れずに従業員から回収しておくことが重要です。
提出先
社会保険脱退時の書類の提出先は、管轄の年金事務所か事務センターとなります。会社が健康保険組合に加入している場合は、上記とは別途管轄の組合へ社会保険喪失届の送付が必要となります。
提出期限
社会保険被保険者資格喪失届の提出には、期限が設けられています。
・社会保険
資格喪失の事実発生から5日以内
・雇用保険
被保険者資格喪失日の翌日から10日以内
雇用保険とは提出期限が異なるため、混同しないように注意しましょう。
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被保険者資格喪失届を作成・提出する際の注意点
社会保険の被保険者資格喪失届の作成・提出にあたっては、いくつか注意すべき点があります。1つずつ確認していきましょう。
社会保険の資格喪失日が異なることもある
社会保険の資格喪失日は、原則として事実があった日の翌日です。例えば、退職の場合は退職日の翌日が資格喪失日となります。しかし、年齢により社会保険の資格を喪失する場合は、厚生年金保険と健康保険とでは資格喪失日が異なるため、手続きを行う際には留意しておく必要があります。
・厚生年金保険
70歳の誕生日前日に資格を喪失。
・健康保険
75歳の誕生日当日に資格を喪失。
両者では資格喪失の年齢が異なる点にも留意しておきましょう。
従業員の家族の追加・除外手続きが必要
もしも従業員の家族に扶養の追加や除外があった場合には、会社で手続きを行わなければなりません。「健康保険被扶養者 ( 異動 ) 届 国民年金第3号被保険者関係届」を作成・提出しましょう。
保険証を紛失している場合は手続きが必要
社会保険の被保険者資格喪失の手続きを行う際に、従業員が健康保険証を紛失してしまっている場合もあります。この場合は、別途健康保険被保険者証回収不能届を添付して手続きを行い、健康保険証の回収ができない旨を申請する必要があります。
社会保険の脱退手続きは社労士に依頼するのがおすすめ
社会保険制度は馴染みのない方には複雑難解であり、手続きを誤ると法令違反や従業員とのトラブル等を招くリスクもあるもの。そのため、社会保険の脱退手続きを行うにあたって懸念がある方や、手続きを行う余力がない方は、社会保険労務士に依頼するのがおすすめです。
社会保険の専門家である社会保険労務士へ依頼すれば、現行の社会保険制度に則った手続きを確実に行ってもらうことができます。また、社会保険に関するさまざまなアドバイスをもらうこともできるでしょう。
社会保険労務士の費用相場
社会保険労務士との契約には、大きく2つの契約方法があります。顧問契約は毎月継続して社会労務関連の仕事全般を行う契約です。労働保険・社会保険諸法令に基づいた書類の作成、ならびに提出代行を中心に、人事労務に関する相談やアドバイス、細かな指導や情報提供などをメインに行います。
一方、労務手続き+相談業務がセットになったのが、通常の顧問契約です。また社労士事務所によっては顧問契約を個別に分けているところもあります。労務手続きのみ、あるいは相談業務のみという場合には、包括的なプランと比較して30~50%ほど費用を抑えられるでしょう。
社労士は依頼内容や従業員数などによって報酬が変わるので、「依頼前に社会保険労務士の費用相場についてもっと詳しく知りたい!」という方は、以下の記事をチェックしてください。
【まとめ】社労士選びでお悩みならアイミツへ
社会保険脱退の対象となるケースから、脱退時の書類・提出先・注意点について解説してきました。従業員の退職等で社会保険の資格喪失となった場合は、必ず脱退の手続きを行う必要があります。手続きが滞ると、従業員の退職後の生活に支障をきたしたり、会社側も誤って保険料を請求されたりといったリスクがあるため、迅速かつ確実に手続きを済ませておくことが重要です。
社会保険脱退に関して懸念がある場合は、社会保険労務士へ任せるのがおすすめ。社労士選びでお悩みの際には、アイミツにご相談ください。
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