パート・アルバイトの有給取得条件とは？【2024年最新版】

一定の要件を満たした社員には有給休暇を付与しなければなりませんが、パートやアルバイトにも有給休暇は必要なのでしょうか？この記事では、社会保険労務士など、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、パート・アルバイトが有給取得できる条件をご紹介。後半は有給の付与日数や有給取得時の注意点についても詳しく解説していきます。

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有給休暇の正式名称は「年次有給休暇」で、一定の要件を満たす労働者は誰でも取得できます。雇用形態に関わらず要件を満たせば有給取得対象となり、パート・アルバイトでも有給の取得は可能です。有給は基本的に1日単位で取得しますが、会社によっては半日や時間単位での有給取得も可能です。

なお従業員が有給取得希望を出したときに拒否して、賞与を減らすなど、会社が従業員の不利益になる行為をすることは法律で禁じられています。

パート・アルバイトでも有給休暇の取得は可能ですが、無条件に付与されるわけではありません。有給休暇取得には以下の2点の条件があります。

・6ヵ月以上継続勤務をしている
・全労働日の8割以上出勤をした全労働者

パートやアルバイトであっても6ヵ月以上継続勤務し、8割以上出勤していれば有給取得は可能です。付与される日数は労働時間や出勤日数、勤務年数などで変動します。

パートやアルバイトでも一定の要件を満たせば有休を取得できますが、以前は事業主が従業員に有休を取得させる義務はありませんでした。しかし有給休暇の取得は低調であったことから、働き方改革関連法案を基に2019年4月から「年間5日の有給休暇取得の確実な取得」が法律によって義務付けられました。

法律で有給取得させる義務が生じるのは「有給休暇が10日以上付与される労働者」です。年次有給休暇管理簿の整備不足や年5日の有休が取得できない場合には罰則規定や罰金が設けられています。アルバイト・パートであっても週3日、4日程度勤務する場合は対象に含まれるため、該当する従業員が在籍している場合には注意が必要です。

有給休暇が年間10日以上付与される労働者に年5日有給を取得させないことは労基法第39条第7項の条項に違反し、労働基準法違反の罰則を定めた労基法第120条の罰則規定により30万円以下の罰金になる恐れがあります。また、労働者の請求した時季に有休を取得させなかった場合は、労基法第39条（第7項を除く）違反、労基法第119条の罰則規定により、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金になる恐れがあります。なお、使用者が時季指定を行うことを就業規則に記載してなかった場合も労基法第89条の条項に違反し、労基法第120条の罰則規定により30万円以下の罰金になる恐れがあります。

有給休暇が取得できるパート・アルバイトは6ヵ月以上継続勤務をしていることと、全労働日の8割以上出勤をしていることが条件です。有給付与日数は勤務年数によって異なります。継続勤務年数が長くなるほど付与される有給日数は増えていきます。

勤務年数：付与日数
0.5年：10日
1.5年：11日
2.5年：12日
3.5年：14日
4.5年：16日
5.5年：18日
6.5年以上：20日

ただし、週の所定労働時間が30時間未満かつ、週の所定労働日数が4日以下の場合は付与される有給日数は上記よりも減ります。所定労働日数と所定労働時間が減るほど取得可能な有給日数も少なくなるため注意が必要です。

有給休暇には労働基準法によって有効期限が2年と定められています。2年以内に取得しない場合は有休が消滅してしまうので要注意です。しかし、2年以内であれば有給は繰り越しができるため、新しく有給が付与されても昨年度分の未消化の有給については繰り越し取得が可能です。

例えば、勤続6.5年以上の人は有給休暇20日付与されますが、昨年度有休を取得しなかった場合は、本年度に最大40日有給取得できます。ちなみに退職するときに退職日が決まっている場合は残りの有休をすべて使い切ることも可能です。

有給休暇の本来の目的は「労働者の心身のケア」であり、有給の買取はその趣旨に反することから原則として禁止されています。しかし、以下の3つに該当する場合には、使いきれなかった有給休暇を買い取ることが可能です。

・退職時に未消化の場合
・時効により有給が消滅してしまう場合
・法律で定められているよりも多い日数の有給が付与されている場合

なお、有給休暇を買い取るかどうかの判断や、買取価格については企業ごと異なります。実際に有休を買い取る段階になったら、詳細については勤務先に問い合わせをしてください。

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最後に、パート・アルバイトの有給休暇取得における注意点について解説します。

年次有給休暇における「基準日」とは雇用した日から6ヵ月後の日のことです。しかし、パート・アルバイトなどは随時募集しているため、雇用した日がバラバラになってしまうことから、事務処理の都合上、全労働者の基準日を統一する企業もあります。基準日を変更する場合は、労働基準法の規定により本来の基準日よりも前倒して有休を付与しなければなりません。基準日の変更は有給の付与日数の計算に関わるため注意が必要です。

有給休暇の付与は全労働日の8割以上出勤していることが条件で、出勤率が8割に満たなかった年度は有給休暇が付与されません。しかし、出勤率が8割に満たない年も継続勤務年数に含まれるため、翌年度8割以上出勤した場合、前年度も勤務年数にカウントして有給休暇日数が計算されます。有給休暇を計算する際にはこの点には特に要注意です。

社会保険労務士との契約には大きく２つの契約方法があります。

顧問契約は毎月継続して社会労務関連の仕事全般を行う契約です。労働保険・社会保険諸法令に基づいた書類の作成、ならびに提出代行を中心に、人事労務に関する相談やアドバイス、細かな指導や情報提供などが主な業務です。労務手続き＋相談業務がセットになったのが、通常の顧問契約です。

また社労士事務所によっては顧問契約を個別に分けているところもあります。
労務手続きのみ、あるいは相談業務のみという場合には、包括的なプランと比較して30～50%ほど費用を抑えられるでしょう。

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パートの有給条件について解説しました。パート・アルバイトでも一定の要件を満たせば有給休暇が付与されます。現在は、従業員に年5日の有給休暇を取得させることが義務付けられており、違反した場合は罰則もあるため注意が必要です。

有給計算は複雑なので、社内で完結するのが難しい場合は社会保険労務士に相談するのがおすすめです。社会保険労務士へのご依頼で何かお困りのことがあればアイミツまでお問い合わせください。

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