ROASとは?CPA・ROIとの違いも解説【2024年最新版】
重要なマーケティング活動である広告の運用においては、さまざまな指標を用いて費用対効果を測定し、改善に活かすことが重要です。近年、Web広告の普及や技術の進化により、あらゆるデータの収集が容易になったことで、その傾向はより顕著になりました。費用対効果を測定する指標はいくつも存在しますが、そのうちの1つがROASです。
そこでこの記事では、営業・バックオフィスなど、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、ROASとは何かといった基礎知識から、CPA・ROIとの違いやメリット・デメリット、さらにはROASを改善するためのポイントや運用の注意点まで詳しく解説します。
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ROASとは?
はじめに、ROASとは何か、ROASの計算方法を紹介します。
ROASとは何か
ROAS(Return On Advertising Spend)は、広告の費用対効果と訳され、投じた広告費に対する売り上げの割合を表す指標です。売り上げによる広告費用の回収率とも言えます。ROASが高いほど、売り上げに貢献する効果的な広告であるということを示すため、広告を入札する際の価格設定や予算配分を検討する際の、判断材料として活用されます。
ROASの計算方法
ROASの計算方法は、以下のとおりです。
ROAS(%)=広告による売上額÷広告費×100
例えば、広告による売上額が600万円で、広告費が200万円だった場合のROASは、以下の計算式で求められます。
ROAS(%)=600万円÷200万円×100=300(%)
つまり、投じた広告費1円当たり、3円の売り上げが計上されたことになります。
ROASの目安
ROASの可否を判断する目安として、少なくとも投じた広告費は回収できているという100%を1つの基準とする考え方があります。ただし、売り上げを計上するには広告費以外の原価が存在するため、ROASが100%を超えているからといって、必ずしも利益が出ているとは限らないことに注意が必要です。そのため、粗利を考慮に入れた下限ROASを目安として考えることをおすすめします。
例えば、粗利率が50%の場合、100万円の売り上げに対して粗利は50万円となりますが、下限ROASは、利益を出すために、この粗利額(=50万円)を広告費の上限とする考えに基づいたものです。つまり、
下限ROAS(%)=100万円÷50万円×100=200(%)
となり、粗利率が50%の場合、利益を出すためには、ROAS=200%を目指すべきであると判断できます。
CPAとの違い
CPA(Cost Per Acquisition、もしくはCost Per Action)は、顧客獲得単価と訳され、コンバージョン(成果となるユーザーのアクション)獲得1件当たりの広告費用を指します。CPAの計算方法は、以下のとおりです。
CPA(円)=総広告費÷獲得したコンバージョン数
CPAでは、一般的にユーザーからの資料請求やお問い合わせなどをコンバージョンとして扱い、それらを1件獲得するためにかかった広告費用を把握するために利用します。そのため、コンバージョンが直接売り上げに反映しない、あるいは反映までに相応の時間を要する場合でも費用対効果を測定できる指標です。つまり、ROASが売り上げに焦点を当てた指標であるのに対し、CPAはコンバージョンに焦点を当てた指標であると言えます。
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ROIとの違い
ROI(Return On Investment)は、投資利益率あるいは投資収益率などと訳され、投資額に対する利益の割合を表す指標です。ROIの計算方法は、以下のとおりです。
ROI(%)=利益額÷投資額×100
ROASが売り上げに焦点を当てた指標であり、100%を超えているからといって必ずしも利益が出ているとは限らないのに対し、ROIは利益に焦点を当てた指標であるためマイナスにならず0%より大きければ利益を生んでいるものと判断できます。売り上げと利益のどちらを重視するかなどの戦略によって、適切に使い分けることが重要です。
ROASのメリット・デメリット
上述したCPAやROIを始め、効果測定のためのさまざまな指標がある中で、ROASを活用するメリットやデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。以下より、ROASのメリット・デメリットについて解説します。
メリット
ROASにより、広告が売り上げに貢献しているかどうかを、明確な数値によって把握することが可能です。ROASの高低によって、当該広告への投資を増やすなど、より注力するのか、あるいはクリエイティブを修正するなど、改善を図るのかといった次の戦略や具体的なアクションが判断できます。
また一般的に、企業内であれば過去の売り上げや今後の売り上げ予測などは比較的入手しやすいため、ROASによってスピーディに今後の方向性が判断できるというメリットもあります。
デメリット
ROASは売り上げに焦点を当てた指標であり、単独では実際に利益が出ているかどうかを把握できません。ROASの数値がどれだけ高くとも原価などほかの要素が存在するため、利益がプラスになっているとは限らないからです。そのためROASのみをあらゆる判断の材料とするようなことは避け、状況によってROIなどほかの指標も併せて活用し、費用対効果を総合的に分析することをおすすめします。
ROAS運用に適している業種・業態
ROAS運用が適しているのは、ECサイトなど、売り上げ発生に至るユーザーのアクションが、すべてWeb上で完結する業種・業態です。リスティング広告・SNS広告といった広告の効果を、売り上げに結び付けて考えることが可能だからです。
一方で、リアル店舗の運営がメインの場合などは、広告効果と売り上げを結び付けるのが難しいケースが多いため、ROAS運用は適さないと言えます。また資料請求や問い合わせなど、売り上げが直接発生しないコンバージョンに重きを置いている場合も、売り上げに焦点を当てた指標であるROASを活用した費用対効果の測定は困難です。
ROASを改善するためのポイント
ROASは、売上額を広告費用で割ることによって算出されます。そのため、ROASを改善するためには、売り上げと広告の双方に対する施策が必要です。以下より、ROASを改善するためのポイントについて、解説します。
CVR(コンバージョン率)を改善する
ROASを改善するポイントの1つに、CVR(コンバージョン率)の改善があります。CVRとは、サイト訪問者がどれだけコンバージョンしてくれたかを割合で示す指標です。CVRが高まることにより、売り上げに繋がるコンバージョン数も必然的に多くなると考えられるため、結果として売り上げが増加し、ROASが改善される可能性があります。
CVR改善の施策には、CTA(行動喚起)の強化や、EFO(問い合わせフォーム最適化)、LPO(ランディングページ最適化)などがあります。
購入単価を上げる
購入単価、すなわち顧客が1回の購入で支払う金額を上げることも、ROASを改善するポイントです。同じコンバージョン数であっても、購入単価が高いほうが売り上げが増加するため、結果としてROASが改善される可能性があります。購入単価を上げるための施策には、関連する商品の追加提案や、付加価値の拡充、まとめ買い推進などがあります。
リピート購入率を上げる
過去に購入歴を持つ顧客が再び商品やサービスを購入する割合を示す、リピート購入率を上げることも、ROASの改善に繋がるポイントです。また、リピート購入を増やしながらさらに商品やサービスへのロイヤリティ(愛着や信頼)を醸成できれば、将来にわたって購入し続けてくれる可能性が高まり、ますます継続的な売り上げの増加が期待できます。
リピート購入率を上げるための施策には、ポイント制などリピート購入を促進する仕組みの導入や、付加サービスの拡充、多様な接触チャネルの構築などがあります。
クリエイティブを改善する
バナーのデザインやキャッチコピーなどクリエイティブを改善し広告の品質を向上させることが、ROAS改善に貢献します。ターゲット設定などほかの運用が適切であっても、そもそもの広告自体が低品質であれば、商品やサービスの価値をユーザーに訴求できず、購入などのコンバージョンや売り上げの増加に繋がりません。ターゲットの意図やニーズにマッチしているか、興味・関心を喚起する内容になっているかなど、クリエイティブの改善は継続的に実施する必要があります。
ターゲティングを最適化する
広告が適切なターゲットに届いていなければ、広告によるコンバージョンや売り上げの増加は期待できません。そのためROAS改善のためには、ターゲティングを定期的に見直し、最適化することも重要なポイントの1つです。
広告の種類によっては、性別・年齢・居住地などの基本属性はもちろん興味関心やライフスタイル、Web上での行動履歴まで、ターゲットの条件に含められるものもあります。それらを活用し、的確なターゲットに広告を届けることが大切です。
PDCAを回し効果改善する
広告の運用においては、継続的な効果測定と分析のフィードバックにより、ブラッシュアップを続けることが重要です。その結果、広告の品質向上やターゲットの最適化が実現しROASの改善に繋がります。
広告の種類によっては、ターゲット設定を始め予算配分や入札単価など、広告を適切に配信するための詳細な調整が可能です。定期的な効果測定によって、それらを継続的に見直す必要があります。
ROAS運用の注意点
ROASを適切に活用するには、前章で解説したポイントだけではなく注意点にもしっかり目を向ける必要があります。以下より、ROAS運用の注意点について解説します。
ROASだけに頼りすぎない
前述したとおり、ROASは売り上げに焦点を当てた指標であり、利益を始めとするほかの数値やそれらに対する効果は把握できません。そのため、売り上げだけでなく総合的な費用対効果を測る場合には、ROIやCPAなどほかの指標も併用する必要があります。広告の運用を始めとするマーケティング活動においては、その効果を測るためのさまざまな指標が存在するため、ROASだけに頼りすぎることなく適切な指標を組み合わせながら活用することが重要です。
数値は定期的に更新する
状況が変化するスピードが速い昨今のビジネス環境において、長きにわたって固定された数値を判断の材料に利用することは非常に大きなリスクです。そのため、ROASの算出に用いる売上額を始め、鑑みる際の対象となる過去データなど、関連する数値は定期的に更新し、可能な限り最新のものを活用する必要があります。陳腐化した数値を用いてROASを算出しても意味がないばかりか、誤った判断をくだす要因にもなりかねません。
Web広告の費用相場
続いて、Web広告を外注した際にかかる費用相場をご紹介します。
<Web広告の種類> | <費用相場> |
動画広告 | 10円〜/1再生 |
アフィリエイト広告 | 3万~5万円 |
Twitter広告 | クリック課金:24~200円 1クリックインプレッション課金:1,000表示ごとに400~650円 |
Instagram広告 | クリック課金:40~100円 1クリックインプレッション課金:1,000回表示ごとに500~1,000円 |
Facebook広告 | クリック課金:100~200円 1クリックインプレッション課金:1,000回表示されるごとに100~500円 |
LINE広告 | クリック課金:24~200円 1クリックインプレッション課金:1,000回表示ごとに400~650円 |
TikTok広告 | 起動画面広告(インプレッション課金型):1,000回表示ごとに770円 |
Web広告の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は、料金シミュレーターをご利用ください。
【まとめ】ROASを理解し、目的に合ったWeb広告会社を選ぼう
以上、ROASとは何かといった基礎知識から、CPA・ROIとの違いやメリット・デメリット、さらにはROASを改善するためのポイントや運用の注意点まで解説しました。本記事を参考に、ROASを意識した広告運用を実現しながら、ぜひビジネスを成功に導いてください。
なおROASを始め、さまざまな指標を活用した効果的な広告運用を依頼する会社の選定にお悩みの際は、ぜひアイミツをご利用ください。ご要望をお伺いした上で、それに見合った会社を複数ご紹介します。お気軽にご相談ください。
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