物流倉庫・運送業界で役立つ資格17選【2024年最新版】
物流倉庫にはさまざまな資格を持つプロフェッショナルが働いています。運営に必要不可欠な資格から、製品クオリティを保つための梱包技術。そして搬出コストの削減などを目的とした、物流倉庫の事業最適化にまつわる資格が数多くあります。この記事では、物流倉庫に関する資格についてご紹介していきます。現場・管理層・国際物流まで、各有資格者が物流倉庫でどのような業務に携わるのかについても解説しますので、ぜひあわせてご参考にしていただければ幸いです。
物流倉庫の基礎知識・業務の流れ・種類については以下の記事で詳しくまとめているので、こちらもチェックしてください。
物流倉庫において資格を持った方が良い理由
物流業界でも海外に生産拠点を持つ企業が増えるなど、グローバル化が進みつつあります。保管や荷役・流通加工から情報管理までさまざまな役割が求められており、さらにそれぞれの工程では専門性のある知識や経験も必要です。
そこで、専門性を持つ証明となるのが、物流倉庫で役立つ数々の資格。なかには国家資格も含まれており、各業務の効率改善のために有資格者を重視する企業も少なくありません。
そのため、物流業界への転職を検討している方にとっては、物流倉庫向けの資格を所有しているだけで優遇されるというメリットがあります。また、企業としても有資格者がいれば業務クオリティの保証にもつながるでしょう。物流倉庫向けの資格を取得することは、双方にとってメリットがあると言えます。
現場で役立つ資格4選
まずは物流業界向けの資格として、倉庫勤務の現場で役立つ資格を4つご紹介します。
自動車運転免許(中型・大型・大型特殊・けん引)
物流倉庫の現場では、一般車両を除いた自動車運転免許の資格が重宝されます。中型・大型・大型特殊・けん引といった特殊車両操作に必要な自動車運転免許は、物流倉庫で大いに役立つ資格です。
自動車運転免許は「国家資格」であり、各都道府県や免許試験会場、指定の教習所などで取得する必要があります。試験会場で直接受験すれば特殊運転免許の取得に掛かる費用を抑えられるものの、その手法では平均的合格率があまり高くないのが実情です。
そのため、物流倉庫向け資格の取得を考えている場合は、各講習を受けたうえで資格取得を目指すのがベスト。講習費用が必要になってしまうものの、合格率が高くなるため、総合的な費用を安く抑えられるとも言えます。
フォークリフト運転技能者
物流倉庫やヤードでの荷役作業、運送に関わる仕事にはフォークリフト免許が必要になります。フォークリフトを使う場面は非常に多く、免許資格を持っているかどうかで、物流倉庫で携われる範囲が広がります。
1トン以上のフォークリフト運転技能者資格を取得するには技能講習を受ける必要があるものの、比較的短い期間で物流倉庫向けの資格を獲得できることから人気を集めているようです。
フォークリフト運転技能者の資格は「最大積載量1トン未満/以上」のフォークリフトを運転できる技能者という「国家資格」です。難易度はそれほど高くないと言われているため、物流倉庫ではまず取得しておきたい資格の1つでしょう。各都道府県労働局安全課にて資格を取得することが可能です。
危険物取扱者
化学工場や石油貯蔵タンク向け物品など、一定量以上の危険物を物流倉庫で取り扱うには危険物取扱者の資格が必要になります。危険物の取り扱いや点検、保全監督といった行為が可能になる「国家資格」です。
ガソリンなどの石油製品をはじめとする「燃焼性の高い危険物」を取り扱う物流倉庫では必ず危険物取扱者の有資格者が必要となります。一定量以上の危険物を管理する現場では、危険物取扱者の有資格者を置くことを義務付けられているため、企業・人材ともに需要の高い資格と言えるでしょう。
消防試験研究センターにて資格を取得できますが、危険物取扱者には甲種・乙種・丙種の3種があり、それぞれ難易度や取り扱える危険物が異なります。
包装管理士
包装管理士は物流倉庫に求められる技術のなかでも、さまざまなシーンで重宝される資格の1つです。物流業界では精密機器を取り扱うこともあり、商品に傷が入らないよう丁寧な梱包技術が求められています。
できる限り低コストで傷をつけることなく商品を運搬するためにも、梱包作業は非常に大切な技術です。そのため、包装管理士の有資格者は物流倉庫において特に重要な役割だと言えます。
包装管理士は民間資格で、認定する機関は日本包装技術協会。国家資格ではないため、公的な証明にはなりませんが、資格を取得するだけでも評価は高まります。受験者は高校卒業以上の基礎学力を持った22歳以上が対象で、受験タイミングは年に1度しかありません。
資格 | 資格内容 | 種類 | 特筆事項 |
---|---|---|---|
自動車運転免許(中型・大型・大型特殊・けん引) | 特殊車両操作が可能に | 国家資格 | |
フォークリフト運転技能者 | 物流倉庫やヤードでの荷役作業、運送 | 国家資格 | 短期間で取得可能 |
危険物取扱者 | 一定量以上の危険物を扱う現場で重宝 | 国家資格 | |
包装管理士 | 精密機械における包装で重宝 | 民間資格 | 年に一度のみ試験開催 |
管理・マネジメントに役立つ資格8選
次に、管理・マネジメントのシーンで役立つ、物流業界向けの資格を8つご紹介します。
倉庫管理主任者
倉庫管理主任者は、物流倉庫の運用に必須な役割です。倉庫業法改正に伴って設けられ、倉庫業の営業には倉庫管理主任者の選任と、定められた業務を課すことが義務付けられています。倉庫管理主任の主な業務内容は「倉庫の運営・管理、火災や労災の未然防止」など。実務経験があれば有資格者以外が担当することもあります。
民間資格ではあるものの、倉庫管理主任者を選定するための要件の1つとして設けられているため、物流倉庫の現場では有資格者が必要です。一般的な「試験」はなく、実務経験がない人でも講習を修了すれば倉庫管理主任者の資格を取得することが可能。また、物流倉庫で3年以上の実務経験を積んでいる人であれば、倉庫管理主任者資格を取得するために受講する必要はありません。
物流経営士(物流コンサルタント)
物流コンサルタントとして、物流倉庫で働く際に役立つ資格が物流経営士です。トラック運送事業の経営者向けの資格とされており、経営の基礎や物流の方向性について学ぶことで資格を取得できます。
全日本トラック協会で取得できる民間資格であり、講習ではITスキルやマネジメント能力についても学ぶことが可能です。受講生同士で交流も深められるため、ヒューマンネットワークの構築によるビジネスチャンスの拡大も望めるでしょう。
運行管理者(貨物)
運行管理者(貨物)は、主に「物流倉庫を支えるドライバー」を管理する資格です。運行管理者制度により、車両数に応じて運行管理者を配置することが義務付けられています。物流倉庫の管理・マネジメントの面においても、有資格者が必要となる国家資格です。
業務内容は、過労などによる事故の発生を防ぐために、勤務時間や休憩施設の保守管理、ドライバーの健康状態チェックなど、運行者の監督がメイン。「運行管理の実務経験が5年以上、講習(基礎含む)が5回以上」という条件を満たせば、書類の提出だけで運行管理者資格者証を取得できます。
しかし、資格を持たずに実務経験を積むことは容易ではないため、運行管理者試験センターより行われる「運行管理者試験」を受験することがほとんどです。
ロジスティクスオペレーション 2級・3級
ロジスティクスオペレーションとは、物流倉庫内の荷役や梱包、輸送といった業務の管理者向け資格です。3級では包装や保管管理、国際輸送といった業務に携わる係長などのリーダークラス、2級では課長など中堅マネージャークラスが想定された公的資格です。
物流倉庫向け資格のなかでも、ロジスティクスは管理分野における唯一の公的資格であり、雇用者・事業者ともに需要の高い資格です。試験制度を導入しているうえ、受験制限もないため、誰でも資格を取得できるチャンスがあります。
ロジスティクス管理 2・3級
ロジスティクス管理は、物流倉庫における管理や運営に携わる公的資格です。企画から販売ルート、センターシステムなどの運営把握など、管理・マネジメントに従事する方向けの資格となっています。
3級は現場知識を持つ係長クラス、2級はマネジメントを含めた課長などの中堅クラスを想定し、雇用者・事業者ともに需要の高い資格です。
資格取得方法は受験形式で、こちらもまた受験条件は設けられていないため、誰でも資格を取得できるチャンスがあります。
物流技術管理士
物流技術管理士は、物流システムの設計や管理などの「物流倉庫の流れ」を効率化させるために重要な民間資格です。物流倉庫の総合的なマネジメント技術を学ぶため、幅広い知識を身に着けられます。
資格を取得することで、物流全体を熟知することが可能です。そのため、業務の最適化や物流コストの削減など、スムーズな物流を実現するためのスキルが身につきます。受験をするには物流の実務経験(2年ほど)あるいは「物流技術管理士補」の資格が必要です。
また、資格を取得するまでにグループディスカッションや試験、受講が必須ですが、合格率は70%前後とそれほど低くはありません。グループディスカッションでは異なる役職の人と意見交換ができるため、受講者の成長にもつながるとされています。
ロジスティクス経営士
ロジスティクス経営士は、経営視点からロジスティクスの役割を見直し、戦略の立案などを行います。新たな事業やサービスをはじめるうえで、各機能を総合的にデザインするといった物流倉庫の運営戦略に携わるために必要な民間資格です。
受講するには、「ロジスティクス関連の実務経験(5年ほど)がある部長職ならび幹部候補」、あるいは「物流技術管理士、または国際物流管理士の資格を持ち、3年以上の実務経験がある幹部候補」としての実績が必要です。
グリーンロジスティクス管理士
グリーンロジスティクス管理士は、地球環境に配慮した物流倉庫運営のアプローチ方法を学ぶための資格です。資材リユースによるCO2削減など、省エネ活動のグリーンロジスティクスを推進する民間資格となっています。
JILSによる資格認定講座を受講し、試験やレポートの提出によって定められた基準をクリアすることで資格の取得が可能です。
資格 | 資格内容 | 種類 | 特筆事項 |
---|---|---|---|
倉庫管理主任者 | 倉庫の運営・管理、火災や労災の未然防止 | 民間資格 | 一般的な試験ではなく講習 |
物流経営士 | トラック運送事業の経営者向けの資格 | 民間資格 | |
運行管理者(貨物) | 運行者の監督 | 国家資格 | 運行管理の実務経験が5年以上、講習(基礎含む)が5回以上という条件を満たせば、書類提出だけで取得可能 |
ロジスティクスオペレーション | 物流倉庫内の荷役や梱包、輸送といった業務の管理者向け資格 | 公的試験 | |
ロジスティクス管理 | 管理・マネジメントに従事する方向け | 公的試験 | |
物流技術管理士 | 物流の流れ効率化を担う | 民間資格 | |
ロジスティクス経営士 | 物流倉庫の運営戦略 | 民間資格 | 受講に際し条件あり |
グリーンロジスティクス管理士 | 地球環境に配慮した物流管理運営 | 民間資格 | 受講には基準を満たす必要性あり(レポート提出など) |
国際物流に役立つ資格5選
最後に、物流業界のなかでも、国際物流に役立つ資格を5つご紹介します。
通関士
通関士は輸出入などの代理人として、税関に対して各種手続きを行うために必要な国家資格です。独立が難しいため、通関士資格を持つ人のほとんどは商社や通関業者に勤務しています。
日本で唯一の貿易に関する国家資格となっており、輸出入による効率的な物流ラインを設けるためには欠かせない資格です。そのため、国際物流倉庫で求められる資格のなかでも非常に重要な役割を担っています。
受験資格は特に設けられておらず、年に1度の試験に合格すれば通関士になることが可能です。ただし合格率は10%ほどとなっており、取得難易度が高い資格だと言えます。
通関業務に従事しているなど、特定の業務経験があればいくつかの試験項目が免除されるため、試験対策として実務経験を積むことを選択する方も少なくありません。
貿易実務検定
貿易実務検定は広く知られている民間資格で、学生から貿易・産業の管理者まで、幅広い受験者層を持っています。物流倉庫をはじめ、一部の貿易産業では「貿易実務検定そのもの」を採用プログラムに組み込むこともあります。
貿易実務検定にはA級・B級・C級と3つのスキルレベルが設けられており、試験内容は貿易実務に関する知識や英語力など。B級以上では「貿易マーケティング」も加わり、実務経験や専門的用語も含めた英語力など、一定の知識が求められます。
海技士
海技士とは、大型船舶に職員として乗務する際に必要な国家資格です。航行区域や乗船する船の大きさによって、海技士として求められる資格の種類が異なります。
免許区分は「航海」「機関」「通信」「電子通信」の計4種類です。さらに航海・機関は1級~6級、通信は1級~3級、電子通信は1級~4級とランク分けされています。
受験には、年齢や一定の乗船歴など区分ごとに設けられた条件があり、筆記・口述による試験をクリアすることが必要です。
国際航空貨物取扱士
国際航空貨物取扱士は、国際航空を使った貨物の運送に関するさまざまな手続き業務を行うための国際資格です。資格保有者は輸送にかかる運賃計算やスケジュールの作成をはじめ、航空貨物に関する各作業に従事します。
国際航空貨物取扱士の資格を取得するには「IATAディプロマ試験」に合格する必要があり、実施されているコースは「基礎(Ⅰ)コース」「危険物(M2)コース」の2つです。試験は英語ベースで進むため、一定の英語力は欠かせません。また、危険物(M2)コースの資格取得者は「危険物資格更新(MR)コース」により2年ごとに資格を更新する必要があります。
国際物流管理士
国際物流管理士は、国際物流に関するマネジメント能力や、専門知識を学んだ人が取得できる民間資格です。貿易物流に関係する資格で、国際物流に携わる人材の育成を目的に行われています。
資格取得には、年に一度行われる認定講座の受講と2年以上の実務経験が必要です。レポートの提出などさまざまなカリキュラムを経て、試験に合格すれば晴れて有資格者となります。
講座は平日に行われることも多いため、勤務先の理解と支援が必要となるでしょう。
資格 | 資格内容 | 種類 | 特筆事項 |
---|---|---|---|
通関士 | 税関に対し各種手続きを行う | 国家試験 | 合格率10%と難易度高い |
貿易実務検定 | 貿易に関する実務や英語力 | 民間資格 | |
海技士 | 大型船舶に職員として乗務するのに必要 | 国家試験 | 筆記+口述試験 |
国際航空貨物取扱士 | 国際航空を使った貨物の運送に関するさまざまな手続き業務を行う | 国家試験 | 英語ベース |
国際物流管理士 | 貿易物流に関する資格 | 民間資格 | 2年以上の実務必要 |
物流倉庫の費用相場
物流倉庫にかかる費用相場をご紹介します。
項目 | 費用相場 |
倉庫保管料 | 坪単価4,000円~7,000円 |
入庫料・ピッキング料 | 1個あたり10円〜30円 |
検品料 | 1個あたり10円〜100円 |
梱包料 | 段ボールの場合150円〜300円 |
配送料 | 400円〜1,200円 |
物流倉庫の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。
まとめ
物流倉庫で必要とされる資格にはさまざまな種類があり、各分野のプロフェッショナルによって物流業務が成立しています。必須ではない資格だとしても、有資格者が在籍しているかどうかで「物流倉庫としてのクオリティ」を推し量れるのは言うまでもありません。
そのため、輸出入をはじめ、製品を保管するための物流倉庫をお探しの場合は、各資格者の在籍を確認することが大切です。
「物流倉庫の良し悪しを見分ける方法がわからない!」という方はぜひアイミツへご相談下さい。ご条件に沿っておすすめの物流倉庫を複数ピックアップしてご紹介いたします。
物流倉庫についての記事は以下からご確認ください。
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