印刷方法の種類と特徴|分類別に印刷方法一覧を紹介【2024年最新版】
印刷物を発注しようと考えているものの、「種類が多すぎてどの印刷方法で依頼すればよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では印刷方法の種類と特徴を徹底解説! それぞれの印刷方法がよく使用される場面もご紹介するので、印刷物の発注でお困りの方はぜひご覧ください。
印刷方法の種類と特徴
印刷方法は、大きく有版式と無版式の2種類に分けられます。有版式とは、刷版(さっぱん)と呼ばれる版にインクをつけて、スタンプのように転写する印刷方法です。有版式には複数の種類があります。一方の無版式は、刷版を使用しない印刷方法。インクやレーザーを使用して、プリンターから文字や画像を直接印刷する方式です。印刷方法によって印刷の仕上がりも異なるので、目的に合わせた方法を選択する必要があります。
有版式
先述のとおり、有版式は刷版に付着させたインクを印刷面に転写する印刷方法です。印刷の仕組み上、インクの色数と同じ数の刷版を用意する必要があります。有版式の主な印刷方法は、以下の4種類です。
・凹版印刷
・凸版印刷
・平版印刷
・孔版印刷
刷版の表面には、凹凸や小さな穴があけられており、印刷方法ごとに刷版の構造に違いがあります。有版式のそれぞれの特徴やどのような印刷によく使用されるのかを解説しましょう。
凹版印刷
凹版印刷(おうはんいんさつ)は、表面に凹凸がついた刷版を使用する印刷方法です。凹版印刷は、刷版表面の「凹」の部分にインクを付着させる印刷方法。溝の部分にインクを染み込ませるので、インクがかわにくく、大量の印刷物を作成するときなどに使用されます。溝の深さを調整すれば、印刷の濃淡の調整も可能です。繊細な色の変化を表現できるので、画像などの印刷によく用いられます。
凸版印刷
凸版印刷(とっぱんいんさつ)も凹版印刷と同様に、表面に凹凸がついた刷版を使用します。凸版印刷は、刷版表面の盛り上がった「凸」の部分にインクを付着させて、印刷面に転写する印刷方法です。スタンプをイメージすると仕組みが分かりやすいでしょう。凸版印刷の特徴は、鮮明な印刷物を作成できる点です。転写時に印刷面へ適切な圧力をかけると、コントラストの高いくっきりとした文字や画像を印刷できます。
平版印刷
平版印刷(へいはんいんさつ)は、油が水をはじく性質を利用した印刷方法です。平版印刷では、表面に凹凸のない平らな刷版を使用します。刷版のインクを付着させたくない部分にあらかじめ水を染み込ませておき、刷版の表面に油性インクと塗布。水を染み込ませていない部分に付着したインクを転写する仕組みです。ほかの有版式の印刷方法と比べて刷版を作成するのが容易なため、新聞やチラシなどの大量印刷によく用いられます。
孔版印刷
孔版印刷(こうはんいんさつ)は、小さな穴のあいた刷版を使用する印刷方法です。刷版の微細な穴から出したインクを印刷面に転写します。孔版印刷の特徴は、幅広い材質に印刷できる点です。紙だけではなく、合成樹脂や金属、プラスチックなど、さまざまな材質に印刷できます。ほかの有版式印刷では難しい曲面への印刷も可能です。近年では、プリント回路や計器盤などの印刷にもよく用いられています。
無版式
無版式はその名のとおり、刷版を使用しない印刷方法。オフィスや家庭でよく見かけるプリンターも無版式です。無版式では、PCなどで作成したデジタル組版データを使用します。無版式には、インクジェットとレーザー、静電気、熱転写などの方法があり、オフィス用の複合機ではインクジェットやレーザーが主流です。無版式では刷版の作成が不要なため、少部数でも低コストかつ短期間で印刷物を作成できます。
【印刷方式別】印刷方法の種類一覧
印刷方法にはさまざまな種類があり、用途や特徴もそれぞれ異なります。印刷物を発注する際は、目的に合わせた印刷方法で依頼することが大切です。印刷方式別によく使用される印刷方法の種類をご紹介しましょう。
活版印刷
活版印刷は、活字組版を使用する凸版印刷の一種。活字組版とは、文字や数字、記号などを1文字ずつ彫った活字と呼ばれるハンコのような部品を組み合わせた刷版です。活字を並べて文章を作成します。古くから使用されている印刷方法で、近年では採用されるケースは少ないです。本来は、活字組版を使用する印刷方法を指す言葉でしたが、広義の凸版印刷を指す言葉として使用されることも。現在では、活版印刷独特の風合いを活かしたいときなどに利用されます。
オフセット印刷
オフセット印刷は、平版を使用する有版式の印刷方法です。刷版から印刷物に直接インクを転写するのではなく、インクを一度ブラケットと呼ばれるドラム状の部品に転写してから印刷します。オフセット印刷は、多くの商業印刷機に採用されている印刷方式。インクが印刷面にくっきりと転写されるので、写真やイラストを鮮明に印刷できる点が特徴です。大量印刷した際のコストを削減できるメリットもあります。
スクリーン印刷
スクリーン印刷は、スクリーンと呼ばれる布状の版を使用する印刷方法です。スクリーン印刷では、インクが出ないよう不要な部分に膜を作ります。スクリーンを枠に張った状態でインクを広げて、スクリーンを印刷面に押しつけてインクを転写する仕組みです。スクリーンの材質にはナイロンやステンレスなどが用いられます。孔版印刷の一種であり、衣類や電子回路など、幅広い工業製品の印刷に使用されている印刷方法です。
オンデマンド印刷
オンデマンド印刷とは、高品位のプリンターを使用する無版式の印刷方法です。オンデマンド(On demand)とは、「要求に応じて」という意味があります。オンデマンド印刷では、レーザープリント方式の印刷機を使用するケースが多いです。刷版が不要なので少部数でも低コストで印刷でき、印刷用のデータがあればすぐに印刷できます。必要なときに、必要な数量を印刷できる点がオンデマンド印刷の特徴です。
グラビア印刷
グラビア印刷は凹判印刷の一種で、ドラム状の版を使用します。版と印刷面を密着させる圧胴の間に印刷物をとおして、インクを転写する仕組みです。版の耐久性が高く、大量の印刷に対応できます。凹部分の深さや形状でインクの量をコントロールできるため、繊細な濃淡を表現できる点がグラビア印刷の特徴です。高画質写真の印刷や美術書などの印刷に使用されます。紙だけではなく、フィルムやビニールへの印刷も可能です。
フォーム印刷
フォーム印刷とは、輪転印刷機を使用する印刷方法です。輪転印刷機とは、ドラム状の版を回転させて、インクを高速で転写する印刷機。以前は凸版印刷方式の輪転印刷機が用いられていましたが、現在ではオフセット印刷方式が主流です。輪転印刷機では、トイレットペーパーのようなロール紙を使用します。主に請求書や明細書など、ビジネスで使用される伝票の印刷に採用されている印刷方法です。印刷だけではなく、折り目やミシン目も入れられます。
シール印刷
シール印刷とは文字どおり、シールやラベルを印刷することです。そのため、一口にシール印刷といっても、印刷物の材質や用途に応じて、さまざまな印刷方法が使用されます。一般的なシール印刷では、凸版印刷やスクリーン印刷などが用いられるケースが多いです。シール印刷用では、台紙とのり、素材、表面加工の4層構造の用紙がよく使用されます。用紙に複数のシールを印刷する場合は、抜き加工も施します。
フレキソ印刷
フレキソ印刷は、ゴムや樹脂製の版を使用する凸版印刷の一種です。版に柔軟性の高い素材を使用しているため、凹凸のある印刷面にも綺麗にインクを転写できます。ダンボールや布への印刷によく用いられる印刷方法です。使用できるインクの種類が多く、人体への害が少ない水性インクを使用した印刷にも対応。食品や医薬品のパッケージの印刷にも用いられます。版の制作コストが比較的低い点も特徴です。
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【印刷分野別】印刷方法の種類一覧
印刷の分野は、用途や目的に応じて以下の5種類に分類できます。
・事務用印刷
・商業印刷
・証券印刷
・出版印刷
・包装印刷、その他特殊印刷
それぞれの印刷分野の特徴や取り扱う品目などをご紹介しましょう。
事務用印刷
事務用印刷とは、企業や官公庁、教育機関などの事務に使用される印刷物を扱う分野です。事務用印刷の取り扱い品目は、事務用品と事務伝票、ビジネスフォームに分けられます。事務用品とは、名刺や封筒、はがきなどの事務に使用する印刷物です。事務伝票とは、請求書や納品書、複写式伝票などの伝票類を指します。ビジネスフォームは、ミシン目やパンチなどの加工を施した伝票や回答用紙などの印刷物です。
商業印刷
商業印刷は、商品の宣伝やサービスの案内などの事業活動に用いられる印刷部を扱う分野です。商業印刷の取り扱い品目は、宣伝用印刷物と業務用印刷物の2種類に分けられます。宣伝用印刷物とは、パンフレットやチラシ、カタログなどの販促やプロモーションに使用される印刷物。見た人の印象に残るよう視覚効果の高さが重視される傾向にあります。一方、業務用印刷物は、社員や関係者に情報を伝達するための印刷物。社内報やマニュアルなどが業務用印刷物に該当します。
証券印刷
証券印刷とは、金銭の代わりとして使用する印刷物や信用の証明に用いられる書類などを取り扱う分野です。取り扱い品目は、証券類とカード類の2種類に分けられます。証券類とは、商品券やイベントチケット、株券などの印刷物です。偽造防止のために、透かし加工などを施します。カード類とは、クレジットカードやキャッシュカードなどの印刷物。印刷面の偽造防止はもちろん、磁気カードには暗号化が施されています。
出版印刷
出版印刷とは、出版社や新聞社が発行する出版物を扱う分野です。主に書籍や雑誌、新聞などを扱います。文字情報の割合が多い参考書や小説、画像が多くを占める画集や写真集など、幅広い出版物を扱うため、さまざまな印刷技術が求められる分野です。出版印刷は、定期出版と不定期出版の2種類に分類できます。定期出版では主に週刊誌・月刊誌などの雑誌、不定期出版では新書などの書籍を扱います。
包装印刷、その他特殊印刷
包装印刷は、ダンボールやパッケージ、包装紙など、商品の包装に使用される印刷物を扱う分野です。包装印刷は、さらに紙器・包装用と軟包装用、その他包装用の3つの分野に分けられます。紙器・包装用ではパッケージや化粧箱、軟包装用ではフィルム類などを印刷。どちらにもあてはまらない包装用品は、その他包装用に分類されます。箔押しなどの特殊な加工が必要な印刷は、その他特殊印刷として扱われるのが一般的です。
印刷方式の選び方
印刷を依頼する際は、発注したい印刷物に適した印刷方式を選ぶことが重要です。用途や目的に合わせた印刷方式を選択しなければ、コストが無駄になってしまう恐れも。それぞれの方法の特徴を考慮して、印刷方式を検討しましょう。有版式で印刷するには、刷版を作成するための費用が必要です。少部数の印刷では、1部あたりのコストが割高になることも。印刷のクオリティとコストのバランスも考慮した上で、印刷方式を選びましょう。
【まとめ】印刷方法の種類を理解して印刷会社を選ぼう
印刷方法の種類と特徴をご紹介しました。それぞれの特徴を理解し、自社が求める印刷物に適した方法を選ぶことがコストや質の面でも重要です。一括見積もりサービス「アイミツ」では、印刷会社を無料でご紹介しています。最短で翌日には見積もりの受け取りが可能!印刷物の発注先をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。自社にノウハウがなくとも、経験豊富な印刷会社であれば、安心して依頼できるでしょう。アイミツではご要望を伺った上で、条件に合う印刷会社を無料で複数社ご紹介可能です。会社選びでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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