パウチ加工とは?ラミネート加工との違いも解説【2024年最新版】
パウチ加工とは、印刷物をフィルムで包んで、熱圧着する加工方法のことです。用紙を密閉するため、水や汚れから印刷物を保護し、劣化を防ぐ効果が期待できます。ラミネート加工と混同されることもありますが、機能や仕上がりに違いがあります。
この記事では、パウチ加工がどのような加工なのかを解説するほか、ラミネート加工との違いについてもご紹介。また、パウチ加工が向いている用途や印刷会社に加工を依頼した場合の費用相場も解説します。
パウチ加工とは
パウチ加工とは、ポリエチレン製の透明なフィルムで印刷物を包み込む加工方法です。印刷物を裏表の両面からフィルムで包み込み、熱を使って圧着します。印刷物を密閉するため、水で濡れても印刷物が傷むことはありません。パウチ加工では、印刷物を包み込んで熱圧着するため、フィルムによって厚さが増します。
また、フィルムを裏表から圧着する際に数mmのミミができます。加工後は印刷物のサイズよりも若干大きくなるのを留意しておきましょう。紙などの柔らかい印刷物にパウチ加工を施した場合、硬くなるため丸めて保管するのは難しいです。パウチ加工は、屋内用のポスターや飲食店のメニューなどによく利用されます。
ラミネート加工とは
ラミネート加工とは、印刷物の表面に透明なフィルムを貼り付ける加工方法です。フィルムの接着には熱を使わずのりを使用するため、コールドラミネートとも呼ばれています。ラミネート加工に用いられるフィルムは、つやのあるタイプとないタイプの2種類。つやのあるフィルムを使用すると色鮮やかに仕上がるため、広告ポスターなどの人目を引くためにラミネート加工を施すケースも多いです。
つやなしタイプは、落ち着いた雰囲気に仕上がるため、高級感を演出したいときなどに向いているでしょう。紫外線による劣化を防ぎ、印刷物の耐久性を向上させるために、ラミネート加工を施すこともあります。紫外線に晒される場所に設定する印刷物には、UVカット効果のあるフィルムを使用することが多いです。
パウチ加工とラミネート加工の主な違い
パウチ加工とラミネート加工には、防水性や耐衝撃性、UV耐性などの機能面での違いがあります。また、加工後の仕上がりや見た目にも違いがあるため、用途や設置場所に合わせた加工を選ぶことが大切です。
防水性
ラミネート加工が用紙の片面にフィルムを接着する加工であるのに対し、パウチ加工は用紙を両面から包んで密閉する加工です。ラミネート加工では、フィルムを貼り付けた面の防水性は高まります。しかし、フィルムのない面は用紙がむき出しであるため、防水性はありません。また、湿度が高い環境や水がかかりやすい場所では、用紙とフィルムの間に水が入り込んでしまうこともあります。
パウチ加工では用紙を完全に密閉するため、用紙の両面の防水性が高まります。ラミネート加工でも耐水用紙を使用すれば、防水性を高めることが可能ですが、濡れることが前提の印刷物には、パウチ加工の方が向いていると言えるでしょう。
耐衝撃性
パウチ加工とラミネート加工は、どちらも用紙の表面をフィルムで覆うため、擦れには強いです。しかし、加工方法によって耐衝撃性の有無に違いがあるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。ラミネート加工で使用するフィルムは薄いため、加工によって強度が高まることはありません。加工後も曲がりやすく、シワが入ることもあるため、強度が求められる用途にはあまり向いていません。
一方、パウチ加工では、印刷物を両面から挟んで熱圧着するため、加工後は厚みが増します。また、圧着したふちの部分が硬くなるため曲がりにくくなり、耐衝撃性も向上します。耐衝撃性や強度が求められる用途には、パウチ加工の方が向いていると言えるでしょう。
UV耐性
UV耐性は、使用するフィルムによって異なります。パウチ加工やラミネート加工に用いるフィルムには、紫外線の透過を抑えた製品もあります。パウチ加工やラミネート加工で防水性を高めたとしても、紫外線によって印刷物の色褪せや変色が進み、劣化することもあります。紫外線は日光だけではなく、蛍光灯でも発生するため、設置場所に合わせたフィルムを選ぶことが重要です。
屋外や日当たりの良い場所に設置する印刷物には、UVカット効果のあるフィルムを選びましょう。UVカットフィルムには、光沢を抑えたマットと光沢を加えたグロスの両方があります。印刷物の種類や用途に合わせて、光沢の有無を使い分けることも可能です。
見た目・加工面
パウチ加工では、フィルム同士をふちの部分で圧着するため、印刷用紙よりも数mmほど、仕上がりが大きくなってしまいます。ラミネート加工では、片面にのみフィルムを接着するため、パウチ加工のようなふちはできません。
また、パウチ加工・ラミネート加工ともに、使用するフィルムの種類によって見た目が異なります。グロスフィルムを使用すると、イラストや写真などを鮮やかに仕上げられます。一方、マットフィルムを使用すると落ち着いた雰囲気や高級感を演出できるでしょう。フィルムの種類はラミネート加工用の方が多く、さまざまなものを利用できます。ホログラムなどの特殊なフィルムを利用すれば、オリジナリティの高い印刷物を作成することが可能です。
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選べる表面の加工
印刷会社によって対応している表面加工に違いがありますが、マット加工とグロス加工の2種類を選択できる会社が多いです。表面加工によって仕上がりも大きく異なるため、加工による違いを把握しておきましょう。
マット加工
マット加工は、加工面の光の反射を抑える加工方法です。照明や日光など、常に光がある場所に設置する印刷物によく利用されています。マット加工では、マットフィルムを用いて印刷物の表面を加工します。照明や日光による印刷物の反射を抑えたい場合や、落ち着いた雰囲気に仕上げたい場合は、マット加工を選択するとよいでしょう。大判ポスターなど、もともと光沢のある印刷物の反射を抑える目的で、マット加工を施すこともあります。
グロス加工
グロス加工は、加工面をツヤツヤに仕上げる加工方法です。グロスフィルムを用いてグロス加工を施すと、加工前よりも印刷物の彩度が上がり、色鮮やかに仕上がります。グロス加工を利用すれば、イラストや写真など、作品を鮮やかに見せることが可能です。アート作品との相性も良い加工方法と言えるでしょう。一方で、強い光がある場所に設置する場合は、反射によって印刷物が見えにくくなることもあるため注意が必要です。
パウチ加工を選ぶべきシーン
ラミネート加工とは異なり、パウチ加工では用紙をフィルムで包み込むため、耐水性や強度が向上します。したがって、パウチ加工は、濡れる可能性がある用途や強度が求められる用途に向いていると言えるでしょう。
飲食店のメニュー
飲食店のメニューには、パウチ加工がおすすめです。パウチ加工の特徴は、用紙を密閉する点。濡れたり汚れたりすることが想定される用途に向いています。飲食店のメニューは、飲み物をこぼしたり、油が付着する可能性が高いです。汚れたメニューをそのまま使用すると、店舗の清潔感が損なわれ、集客に影響することも。
飲食店では、パウチ加工で印刷物を保護したほうがよいでしょう。また、パウチ加工を施しておけば汚れてしまっても水拭きできるため、同じメニューを長く使用できます。
店内用ポスター
屋内であっても紫外線によって、印刷物の色褪せや変色が進みます。特に窓際などの直射日光に長時間さらされる場所に印刷物を設置する場合は、紫外線対策が必要です。店内用ポスターにUV耐性のあるフィルムを使用すれば、紫外線による劣化を遅らせて、ポスターを長持ちさせることができます。
また、グロスフィルムを使用すれば、用紙の鮮やかさが増すため、ポスターが来店した顧客の目に留まりやすくなるでしょう。
繰り返し貼り付けするチラシやポスター
パウチ加工は、繰り返し貼り付けするチラシやポスターにもおすすめです。無加工のチラシやポスターを繰り返し貼り付けていると、しわや擦れによって徐々に傷んでいきます。見栄えも悪くなっていくため、繰り返し利用できる回数にも限界があるでしょう。
パウチ加工を施すと印刷物の強度が増し、曲げや擦れにも強くなるため、貼り付ける際や剥がす際に用紙を痛めずに済みます。そのため、より長く同じポスター・チラシを使い続けることが可能です。
パウチ加工の料金相場
パウチ加工を印刷会社に依頼する場合は、印刷費用と加工料金がかかります。印刷会社にもよりますが、印刷込みのパウチ加工料金を提示している場合と、印刷と加工を分けて提示している場合があるため注意しましょう。
印刷費用の算出方法
印刷費用は、以下の方法で算出されるのが一般的です。
印刷費用=基本料金+(通し単価×最低通し数を超えた通し数)×版数
基本料金は、印刷の準備に必要な作業や最低通し数未満の印刷に充てられる費用です。印刷会社では最低通し数を設定しているケースが多く、最低通し数を超えると、追加で費用がかかります。最低通し数未満の依頼であれば、発注する枚数にかかわらず、基本料金は変わりません。
また、近年、多くの印刷会社で採用されているオフセット印刷では、1色ごとに版を用意しなければなりません。通常、フルカラーで印刷する場合には4色の版が必要です。そのため、印刷に使用する色が多くなるほど、印刷コストも増加します。
パウチ加工の場合は印刷料金+加工料金
パウチ加工を依頼する場合は、先述の印刷費用に加えて加工料金がかかります。パウチ加工の料金は、サイズによって異なります。厚さが100ミクロンのフィルムで、100枚発注した場合の1枚あたりの平均的な相場は以下のとおりです。
・名刺サイズ:50~90円
・B5サイズ:140~180円
・A5サイズ:100~180円
・A4サイズ:140~240円
・B4サイズ:200~370円
・A3サイズ:230~480円
使用するフィルムの厚みによってもパウチ加工の費用は変化します。標準的な厚みは100ミクロンです。厚手タイプでは150~200ミクロンのフィルムが用いられ、標準的なフィルムよりも若干費用がかかります。
【まとめ】パウチ加工に対応できる印刷会社をお探しの方はアイミツへ
パウチ加工の概要やラミネート加工との違いを解説しました。パウチ加工は飲食店のメニューや繰り返し貼り付けするポスターなどにおすすめの加工方法です。しかし、パウチ加工に対応している印刷会社は数が多く、「どこに発注すべきか迷う」という方もいるのではないでしょうか。
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