筆界特定とは？必要な費用やメリット・デメリットを解説【2024年最新版】

この記事では、司法書士事務所や弁護士事務所など、さまざまな分野の発注先を比較検討できる「アイミツ」が、筆界特定の概要や手数料について解説します。メリットやデメリットもご紹介するので、ぜひご覧ください。

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筆界特定とは、土地の境界を明確化するための行政手続です。土地や建物などの不動産を売却するには、売却する物件と隣接する物件の境界を明確にしておかなければなりません。しかし、境界をめぐって、隣接する土地の所有者とトラブルになってしまうこともあります。そこで、隣接する土地との境界をめぐる紛争の予防・早期解決を目的に筆界特定制度は創設されました。
筆界特定は以下の流れで進められます。
1.申請
2.却下事由の有無を調査
3.公告・関係人に対する通知
4.意見聴取・事実調査
5.筆界特定
6.公告・関係人に対する通知
筆界特定制度を利用すれば、裁判よりも少ない負担で筆界を明確にできます。

筆界特定は、対象となる土地を管轄する法務局または地方法務局へ申請しなければなりません。
筆界特定申請書と添付書類を法務局に提出すると、却下事由に該当しないかチェックされます。却下事由として、申請権限を持たない人による申請や申請書類の不備など、12項目が定められており、手数料が未納付の場合も却下事由に該当するので注意しましょう。
申請が受理されると、隣接する土地の所有者を含む関係者に通知。筆界特定が始まった場合、申請人・関係者は、意見書や資料を提出することも可能です。資料・意見書が提出された場合も、関係者に通知されます。

筆界特定の申請人になれるのは、登記簿に土地の所有者として登録されている人や対象となる土地の相続人です。通常は、登記簿の名義人が申請します。未登記の土地の筆界を特定する場合も、所有者が申請しなければなりません。共有名義で所有している土地の場合、共有者全員での申請はもちろん、共有者の1人が単独で申請することも可能です。単独で申請した場合も、ほかの共有者が意見を述べることや資料を提出することが許されています。

筆界特定の申請は、土地の所有者が実施するのが基本です。しかし、専門家に手続きを代行してもらうこともできます。代理人になれる職種は以下のとおりです。
・弁護士
・認定司法書士
・土地家屋調査士
代理人に手続きを依頼する際は、委任状が必要です。委任状には、委任する手続きの内容を具体的に記載しなければなりません。また、申請手数料の算定基準に定められた基礎となる金額が140万円を超える場合、司法書士には依頼できないので注意しましょう。

筆界特定の手数料は、固定資産課税台帳に登録されている土地の価格をもとに算定基礎額を算出し、算定基礎額ごとに定められた金額を手数料として納付します。算定基礎額の算出方法は以下の通りです。
算定基礎額＝（申請人の土地価格＋相手方の土地価格）÷2×0.05
表の計算式のXは、算定基礎額を切り上げ単位で切り上げた金額です。

筆界特定では、対象となる土地の図面を作成します。しかし、正確な図面を作成するには測量を実施する必要があるため、筆界特定を申請するには測量費用も用意しておかなければなりません。測量費用は、50万～80万円前後かかるケースが多いです。ただし、筆界特定の対象となる土地が広大なケースでは測量に時間を要するため、さらに費用がかかる場合もあります。
申請時点では、正確な測量費用が分からないケースも。測量費用が確定していない場合は、概算額を予納する必要があるでしょう。

筆界特定の手続きを代理人に依頼した場合、代理人に支払う報酬も用意しておく必要があります。報酬の金額は、おおむね10万～20万円前後。代理人に手続きを任せると、申請人自身で手続きした場合よりもコストはかかりますが、事前に測量を済ませておけるのがポイントでしょう。あらかじめ専門家による測量を実施しておけば、測量費用の予納が不要になる場合も少なくありません。
ただし、申請前に実施した測量結果を筆界特定に利用できるかどうかを判断するのは、筆界特定登記官です。情報が不十分であれば、測量が必要になる可能性もあるので注意しましょう。

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先に解説したように、筆界特定は裁判を実施せずに筆界を明確化するための制度です。手数料や測量費用、代理人への報酬はかかりますが、裁判で争った場合と比較すると、低コストで筆界を明確にできます。
加えて、裁判では多くの資料を用意しなければなりませんが、筆界特定は裁判よりも少ない資料で実施できます。裁判と比べて、手続きの負担を軽減できると言えるでしょう。代理人に手続きを依頼すれば、自身の時間を割く必要もありません。
また、裁判は結果が出る前に長い期間が必要なケースも多いですが、筆界特定の結果が出るまでの期間は、おおむね6ヵ月～1年前後。裁判よりも短い期間で筆界を特定できる点もメリットです。

裁判と比べると筆界特定の手続きは簡単ではあるものの、申請人自身が手続きを実施する場合、相応の手間がかかるデメリットもあります。慣れていない人にとっては大きな負担になる可能性もあるでしょう。
また、筆界特定の結果に相手が納得しなかった場合、境界確定訴訟で争わなければならない可能性も。訴訟になった場合は、裁判によって最終的な筆界が決定されます。筆界特定だけで筆界が確定するとは限らず、裁判の結果によっては、自身が望んでいたような筆界にならないこともあるでしょう。境界確定訴訟になれば、筆界特定の費用に加えて、裁判の費用もかかります。場合によっては、筆界特定と裁判の両方の費用がかかる可能性がある点はデメリットといえるでしょう。

今回は、筆界特定の概要や必要な費用について解説しました。裁判よりも手間はかからないとはいえ、筆界特定の手続きは簡単ではありません。スムーズに筆界特定を進めたい場合には、専門家に任せたほうがよいでしょう。
もしも筆界特定を依頼する司法書士選びでお悩みの場合には、ぜひアイミツにお問い合わせください。

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