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キャンドゥー株式会社|マネジメント研修の実績・事例
オンライン&リアル 2型同時開催リーダーシップ体感研修

大手企業(メーカー)様からご依頼いただいたマネジメント研修の実績・事例についてご紹介します。

業務内容

制作物ジャンル
  • マネジメント研修
業界
  • メーカー(その他)
金額
費用公開なし
納期
2日間
出典:大手企業(メーカー)

実績情報

クライアント
大手企業(メーカー)
請負業務
現状分析/企画立案/教材作成/研修実施
■ ポイント
・共通の目的で、対面研修とオンライン研修を同時並行で開催した
・受講生によって受講形式を選択可能とした
・オンライン研修でもインタラクティブな体感型ワークを取り入れた
・リアル研修ではコロナ対策を十分に行った

■ 経緯
2020年8月中旬に「実践知リーダーシップ研修」を2日間に渡って実施した。
本研修は、大手企業の選抜型長期研修の一環として位置付けられており、弊社が担当することは今年で3年目となる。本研修の目的は、社会イノベーションを実現するのに不可欠なリーダーシップを実践から学習することであり、対象は選抜された若手中堅社員となる。

新型コロナウイルスは地域によって状況が異なるため、大企業の場合とりわけ事業部単位で個別に対応を定めていることが多い。
本研修でも、出張可否などは所属部所や受講時の周辺状況によって制限があると想定されたため、計画段階からオンラインとリアル型の二本立てとし、選択によってどちらの形式でも受講可能とした。

同時開催を企画する際に重要な選択肢が存在した。それは、リアルで進行する研修のさなかにオンラインが参加するといった混合形式とするか、またはそれぞれを完全に独立したスタンドアローンのプログラムとするかである。
今回の研修は長期スケジュールの中で後半に位置することもあり、メンバー間の融和よりも今後個々人がイノベーターとしてリーダーシップを発揮できるようになることに焦点を当て、受講形式に合わせて効果を最適化したプログラムづくりを行い、オンライン・リアル同日程での相互独立型となった。
形態は違うがその目的は同一である。


■ 目的
過去3年間リアル対面形式は実績を積んでいるため、その延長線に沿ってコロナ対策を万全に行いつつ実施した。
リアル形式は、「同じ空間を共有することができる」という最大の特性による場所・現物の共有を活かした設計となり、最終課題は”つくば”という都心にはない広大な空間を活用した演習で締めくくられる。
実施方法としては、合宿型であるため、受講生の様子を見ながら時間は比較的自由に活用することができる。(→効果の最大化を重視)

オンライン形式は全体の長期研修内において弊社部分としては初めてであるが、しかしオンラインであってもリーダーシップを体感から学べるような学習形式を考案した。
オンラインはもはや参加者にとっては慣れ親しんだ環境ということもあるため、いきなり「ものづくり」をオンライン上で行うチャレンジ課題を実施し、結果すっかりオンラインが板に付いている様子の参加者を飽きさせることなく研修へと引き込めた。
実施という観点からは、オンラインは在宅で受講する都合から家庭生活に配慮する必要がある。そのため9:30~17:30の限られた時間で受講できるタイムスケジュールとなり、かつ、延長を防ぐためにもあらかじめ余裕をもった設計を行った。→(時間効率を重視)

■ 第一日目

--午前--
リアルはつくば駅集合となっており、本長期研修が既に開講から3か月が経過しているのにも関わらずオンラインを主としていたため、駅前にて初めての対面であった。しかし満足に言葉をかわす暇はなくホテルまでの送迎は分乗で行われた。コロナ対策のため座席横一列あたり一人とし、声を張らないよう、また別の車両とも会話ができるように、トランシーバーで自己紹介が行われた。
会場のホテルに参加者が到着した頃、オンラインではいきなりPCの前に紙とハサミ等の道具を準備するように伝えられていた。第一プログラムの始まりである。実際の現物を共有できなくとも、同時多発型ものづくりを行うことによって、協働という要素を含めた活動が成立し、連携やアイデアの共有といった個々人のリーダーシップや行動様式が表出した。
この活動でのリーダー役は、「未知の事象の場合、リーダーはある程度プレイヤーにならなければ、現場に寄り添うことができない。(イノベーションという文脈においてはリーダーもプレイヤーになるべし)」という学びを得たと事後に発表している。また、「リモート下では、個人作業で仕事が成り立ってしまうことが多いため、意識的に横の連携を取らなければチームワークは皆無となる。」というオンラインならではの気づきもあった。
いっぽうリアルの第一プログラムは、思考傾向の把握と共有である。今回の研修を前に、思考傾向を数値化する診断テストを全参加者に受講してもらっていた。結果から自らの長けているところや偏り、またストレス耐性やイノベーターとして有用な思考傾向を理解してもらうことが目的である。同時にこれは、同じ空間を共有することで互いの人となりを知りやすいという、リアル対面型の別側面からの恩恵を引き出せる機会となる。
座席間にパーテション(注コロナ対策の一環)はあるにせよ、配布した自らの結果をその透明な隔て越しに見せ合う姿は映画の1場面のようで印象的であった。

--午後--
昼食休憩を挟んでオンラインでも診断テストの結果共有を行った。こちらはより濃密になるように5~6名の小グループ単位でブレイクアウトルームに分け、同意のもとで各人の結果を一覧化し、仲間との違いや特性に対して各ルーム担当のファシリテーターからフィードバックを行った。
この思考傾向の解説と理解についてはオンラインとの親和性が非常に高いため、リアル形式より多くの時間を用いて一層深い学びを得てもらう構成とした。
そのころ、現実の物を共有できるリアルでは実践を重視したリアルものづくりプログラムに入っていた。
これまでの運営経験とリーダーシップ理論に裏打ちされた、目的や条件の違う課題にいくつか連続して取り組んでもらったのだが、ここではリーダーとしての特性と同時に、イノベーターとしての源泉となるパッションがより重要になる。
一例だが、最初の課題では「子供の頃だったらきっと楽しいと思えただろう設計図(ある参加者のプレゼンした言葉)」が他の参加者から支持を集め、実際に作成されることになった。
また別の課題で、「釣り師」という意味の異名をもつ参加者が、課題の納期時刻、つまり自チームの制作物が間に合わない(=失格となる)リスクが迫るにつれて、はた目にも明らかに焦り出し、つい運営側が手助けをしてしまいそうな切実さがかえってメンバーたちの力とチームワークを引き出すこともあった(期限数秒前に納品完了となった)。
翌日に向けてオンラインでは翌日の課題が提示され、空白の時間も有効に活用した。またリアルでもものづくり最後の課題が翌朝に持ち越されることとなった。

■ 第二日目

--午前--

一晩持ち越された課題は、どちらも同じ”飛行物体”が関連するものであった。リアルでは豊富な材料から制作を行い、オンラインでは緊急事態におけるリーダーの意思決定とチームの合意形成がテーマとなった。
リアルにおいては、魅力的なVisionを掲げるというリーダーシップが一つの重要な要素となり、また、オンラインではコンテキスト(状況や文脈ひいては時流につながるもの)について、解釈と決断という戦略レベルリーダーシップが試される。
相互の成功失敗は影響しないが、結果としては双方とも大きな学びを得ることとなった。オンラインでの期限ラスト一分の決定について悔いも交えつつ考察された「合意形成、意思決定を行う際は、社会的視点(パブリックに説明できるか)が必要であり、主観だけではいけない」という観点などは社会イノベーションに通じる気付きではないだろうか。
昼食を前にリアルでは最終課題としてフィールド活動を行った。つくば市営施設の広い敷地を許可のもとで活用した演習は、二日間の課題が凝縮される結果となった。また、ある参加者の、一見言葉や表情からは読み取りにくいが、実はチームのために息を切らせ額に汗して目的地にたどり着いたときの献身的な姿は、リアルでなければ表出し得なかった一面であろう。なお、フィールド活動後、すぐに入浴休憩時間が設けられた。

--午後--

最終日の午後は、リアルの各参加者は、一連の実践活動を通した経験について、それぞれペーパーに落とし込んで学びを定着するための時間を過ごした。一方オンラインでは最後の活動を行った。オンライン最終演習は、伝えたい思いやコンセプトをメタ化してストーリーに埋め込む、といういわばメタものづくり活動である。
リーダーシップとしてはVisionへの巻き込み力が問われ、長期研修のアウトプットとしてプレゼンテーションを行う良い予行演習ともなる。
結果、自分たちのプレゼンのコアメッセージが勘違いされるという事態も起きた。その体験によって「他者にVisionや想いを伝えるためには、コアメッセージを明確にし、相手が受け取りやすいチャンネル(オンラインならば視覚)を活用した訴えかけが必要」という、不本意な結果による学びがあった。


■ 二日間を終えて
リアル、オンラインとも、当初の学習目標であった気づきは達成された。終わりにあたって参加者の最後の言葉を抜粋したい。

リアルの参加者
「自分の特性に気付かされた、と同時にすぐに思い通りには変わらないので少しずつ変えていくべきだと気づくことができた。」

オンラインの参加者
「他者から発想をもらうことが多かったので、今後テーマのチームでも横の連携をますますとっていきたい。」

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