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営業代行の契約書を徹底解説!契約書の種類から記載事項までを紹介【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

営業代行会社へ業務を依頼する際に、例外なく必要となるのが契約書の作成です。
業務内容や期間、報酬額などを明文化して双方が納得した上で契約を締結するのは、円滑に業務を進めるだけでなく、トラブルを回避するという意味でも重要な要素だといえます。

反対に、記載すべき項目に抜け漏れのある契約書では、万一の場合に大きな損害につながる可能性も否定できません。

そこで本記事では、営業代行における契約書の種類から記載すべき項目、契約締結時の注意ポイントなどをわかりやすく解説します。営業代行会社の活用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

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営業代行とは

営業代行とは、文字どおり企業の営業活動を代行するサービスのことで、営業に関する業務の一部、あるいはすべての業務の依頼が可能です。決して新しいサービスではありませんが、営業リソースが十分に確保できていないスタートアップ企業や小規模事業者が増加していることもあり、市場規模の拡大が続いています。

営業代行会社のスタッフはさまざまな業種・業界での経験をもつプロフェッショナルが多く、「即戦力となる営業スタッフがすぐに確保できる」というのが営業代行を利用する最大のメリット。自社で営業スタッフを育成するのは理想ではありますが、時間とコストがかかる上に、その間に商機を逃してしまう可能性もあるでしょう。

また、経験豊富な営業スタッフを新たに採用するという手段もありますが、その場合もコストが発生する上に「自社にマッチする」という保証はありません。

営業代行を依頼する際にはもちろん報酬が発生しますが、給与や福利厚生費といった固定費は不要。社員として新たに営業スタッフを雇用するよりも、営業代行会社を利用した方がトータルコストが抑えられるというケースが大半です。

代行と代理・委託・派遣の違い

「業務代行」と近しい言葉に「代理」や「委託」「派遣」などがありますが、契約書を作成する際はこれらの意味をきちんと理解した上で正しく使用することが求められます。

(1)「代行」と「代理」の違い

代理とは本人に代わって法律行為を行うことを指すもので、民事事件では弁護士は「弁護人」ではなく「代理人」と呼ばれます。一部の例外を除き、弁護士以外が代理人になることは法律上で認められていません。
一方で、代行は法律行為に該当しない活動の際にも使われるもので、営業は法律行為ではないため「営業代理」ではなく「営業代行」となります。

(2)「代行」と「委託」の違い

業務プロセスの一部、あるいはすべてを代行することを指す業務代行は、実は法律上は正式な契約形態ではありません。業務代行の契約をするためには、代行会社との間で業務委託契約を締結することになります。

業務代行は「業務を代行する行為」を指すものであり、業務委託は「業務を代行するために結ぶ契約形態」ということです。

(3)「委託」と「派遣」の違い

契約形態としては、業務委託契約のほかに派遣契約が一般的です。両者の違いは「指揮命令権がどこにあるか」で、人材派遣の場合は派遣先の企業に指揮命令権がありますが、業務委託の場合は受託者が自身の裁量で業務を進めていきます。

営業代行を利用する際の流れ

依頼する営業代行会社や業務の内容によって細かな違いはあるものの、営業代行を利用する際の流れは「問い合わせ→打ち合わせ・提案→契約というのが一般的です。

しかし、それ以前に重要となるのが「営業代行会社の選定」。ひとくちに営業代行会社といっても多くの会社があり、それぞれが異なる強みを武器に事業を展開しています。そのため、自社が営業代行に求めることを明確にした上で、そのニーズを満たせる会社を選ぶ必要があります。はじめて営業代行を利用するという場合は、複数の会社から見積もりをとるようにしましょう。

その次は、依頼の候補先の営業代行会社と打ち合わせを行います。このとき営業代行会社は、目標売り上げや営業する商品・サービスに関する詳細をヒアリングし、それをもとに営業戦略プランを立案します。また、実際に営業活動を担当するスタッフと顔合わせをするケースも多いようです。

提案された営業戦略プランの内容に問題がなければ、営業代行会社との間で契約を締結し、業務を開始しましょう。その後は定期的に成果報告が受けられるので、必要に応じて営業戦略の見直しを行います。

営業代行の契約の種類

次に営業代行の契約の種類を解説します。契約の種類によって責任の範囲や報酬の支払い方法が変わるため、それぞれの違いを把握した上で契約を結びましょう。

業務委託契約

業務委託契約とは、「どのような内容の業務を」「どのような金額で」「いつまでに完成・納品するのか」など、会社間もしくは会社と個人の間で結ぶ契約です。営業代行会社を契約を締結する場合は、依頼側の会社との間で業務委託契約を締結します。

営業活動を担当するスタッフは依頼企業とは雇用関係になく、スタッフの勤務時間や時間外労働、休暇などに対して依頼企業には責任がないため労働基準法も適用外となります。労務管理に関する責任はすべて営業代行会社側にあるということです。

そうした責任がない代わりに、依頼企業には営業スタッフへの指揮命令権もありません。依頼企業による指示は法律で禁じられているわけではありませんが、営業スタッフに訴えられてしまった場合には責任が生じる可能性が生まれます。トラブルを避けるためにも、営業スタッフへの指示は控えましょう。

また、営業スタッフは依頼企業に業務の進捗を報告する義務もないので、それらの共有を希望する場合は業務委託契約書にその旨を明記してください。

請負契約

請負契約とは、業務開始前に成果物の定義と納期を定め、依頼主は成果物に対して報酬を支払う契約形態です。主に建設工事やITシステム構築、ソフトウェア開発、ホームページ制作などで用いられており、民放では「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」とされています。

成果物の完成責任は業務を請け負った側に発生するため、納品後の成果物に不備・不具合があった場合には、修正対応しなければなりません。

準委任契約

近しい契約形態に「委任契約」がありますが、こちらは法律行為に対してとられるもので、弁護士や税理士、会計士などに業務を依頼する際に用いられます。法律行為以外の業務は「準委任契約」となります。

準委任契約は事実行為を委任する契約形態で、業務や行為の遂行に対して報酬の支払いが発生するものです。営業代行のほかには、コンサルティングやシステムエンジニアへの業務依頼などの際に用いられます。

大きな特徴としてあげられるのは、何らかの事情で納期までに成果物が完成しなかった場合でも、契約上では責任を果たしたことになること。納品物に不具合があったとしても受託側に修正の義務はありません。しかし、業務・行為に対しては受託側に責任があるので、契約期間中にも関わらず業務を行わなかった場合には債務不履行に該当します。

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業務委託契約書の印紙

業務委託契約書は印紙税法の「第2号文書(請負契約の契約書)」に該当し、契約を締結する際には印紙税が発生するため、収入印紙を契約書に貼付して印紙税を納めます。

業務委託契約書に記載されている契約額が1万円以下であれば印紙は不要ですが、営業代行の契約で発生する金額が1万円以下とは考えにくいので「営業代行の契約書には収入印紙の貼付が必須」と考えましょう。

なお、業務委託契約に貼付する収入印紙の額面は、契約金額によって変動するので注意が必要です。金額ごとの具体的な額面は以下となります。

契約金額 印紙税額
契約金額の記載なし 200円
100万円以下 200円
100万円超・200万円以下 400円
200万円超・300万円以下 1,000円
300万円超・500万円以下 2,000円
500万円超・1,000万円以下 1万円
1,000万円超・5,000万円以下 2万円
5,000万円超・1億円以下 6万円
1億円超・5億円以下 10万円
5億円超・10億円以下 20万円
10億円超・50億円以下 40万円
50億円超 60万円

継続する請負契約で契約金額の記載のないものは、法律上で「第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)」に該当し、印紙税額は一律で4,000円となっています。

また、課税文書に該当しない非課税文書・不課税文書にあたる契約書の場合は、印紙の貼付は不要です。収入印紙の必要な契約書・収入印紙の必要ない契約書は内容によって総合的に判断されるので、迷った場合は専門家へアドバイスを求めてもよいでしょう。

業務委託契約書に記載する内容

営業代行の業務委託契約書に記載する内容は、法律で決められているわけではありません。しかし、業務委託契約書に必要な事柄を記載することでトラブルを回避できるため、さまざまな項目を盛り込む必要があります。

営業代行に関する業務委託契約書に必ず記載すべき項目は、主に以下となります。

1.タイトル(例:営業代行業務委託契約書)
2.契約の目的
3.委託する業務の内容
4.権利義務の帰属先
5.委託業務の遂行方法
6.報酬と支払時期(報酬の形態)
7.諸経費
8.損害賠償
9.営業代行の実施報告

もっとも重要なのが「委託する業務の内容」と「報酬」についてです。たとえば、テレアポの業務委託契約書の場合は、委託する業務内容を「テレアポ業務」といったように記載する方もいるのではないでしょうか。しかし、テレアポ業務にはさまざまな作業があるため、1つひとつの業務を洗い出した上で明文化する必要があります。

「電話による顧客開拓」と項目を設け、「(1)営業戦略の企画の提案」「(2)営業の対象となる企業のリスト作成」「(3)リスト内の企業へのアプローチ」などの順序に沿って、業務の内容・範囲を明確に記載することで、トラブル回避にもつながると考えられます。
営業代行業務の進捗状況の共有を希望する場合は、「営業代行実施後の報告書の作成・提出」といった内容を盛り込みましょう。

報酬についてもできる限り細かに明記する必要があります。営業代行の料金体系は、毎月決まった金額を支払う「固定報酬型」と、成果に応じて金額が変動する「成果報酬型」の2種に大きく分かれます。固定報酬型は成果のなかった月であっても支払いが発生するのに対して、成果報酬型ではアポイント獲得件数などに応じて報酬を支払うことになるので、場合によっては予算を大幅にオーバーする可能性も。自社のニーズに合った形態を選んでください。

また、業務委託契約書のフォーマットはさまざまなwebサイトで公開・提供されていますが、それをそのまま使用するのはおすすめできません。個別の業務内容に即した契約書でなければ、トラブルが発生した際に損害を受けることになることも考えられます。

営業代行会社へ依頼する業務の範囲と報酬は、もっともトラブルになりやすい部分です。契約書を一から作成する場合は、業務の範囲と報酬を中心に弁護士や司法書士などの契約書の専門家による確認を行うことをおすすめします。

営業代行契約を結ぶ際に注意すべきポイント

最後に、営業代行契約を締結する際に、注意すべきポイントを解説します。

報酬の対象となる業務を決める

営業代行では、市場調査や架電リスト作成からアポイントメント獲得、商談、既存顧客のフォローなど幅広い業務の依頼が可能です。そのため、事前に依頼する業務を明確にしなければ両社の間に齟齬が生じがちになるでしょう。

たとえば、テレアポ業務を依頼する場合は、「トークスクリプトの作成から依頼するのか」「トークスクリプトは自社で用意し、架電だけを依頼するのか」では業務の進め方だけでなく報酬額も大きく変動します。
トークスクリプトを自社で検討されている方は、作り方のポイントを纏めた記事をご確認ください。

「決して安くない報酬を支払ったものの、思うような成果が得られなかった」といった事態を避けるためにも、「営業代行会社に依頼する業務の内容」と「自社で行う業務の内容」は契約書にもきちんと記載することが大切です。

経費の扱い方を決める

営業活動を行う際には、通信費や交通費といった経費が発生するケースがあります。こうした経費の取り扱いについても、「報酬に含めるのか」もしくは「実費を依頼企業が支払うのか」などを営業代行会社と協議の上で決定し、契約書に記載するようにしましょう。

費用については、どうしても契約金額や成果報酬に目が行きがちですが、経費も含めて検討しなかった場合には想定よりも高額な費用が必要になることも。また、営業代行では損害賠償に関するトラブルも少なくないので、その場合の責任の所在もしっかりと記載してください。

業務をどのように進めるのかを確認する

営業代行を利用するということは、営業代行会社に業務を請け負ってもらうということです。営業代行会社のスタッフと雇用契約を結ぶわけではないので、営業活動は営業代行会社やスタッフの裁量で進められます。

そのため、依頼企業は具体的な業務の方法についてはタッチできません。営業代行会社の担当スタッフへ直接指示を出す権利もないのです。

とはいえ、すべてを営業代行会社へ任せてしまうのが危険であるのも事実。万が一、営業代行会社のスタッフが大切な顧客とトラブルを起こしたら責任をとるのは依頼企業となるため、スタッフを監督・指導できる仕組みを構築する必要があるでしょう。あわせて、業務の進捗状況や進め方を共有してもらう仕組みづくりも大切です。

納品物・期限を決める

成果報酬型の場合はアポイント獲得数や制約数など、納品物が設定しやすい一方で、固定報酬型の営業代行を利用する場合は工夫が必要です。

固定報酬型は毎月の予算が限られている場合に便利なサービスですが、明確な成果物がわかりにくいという側面も。中には「納品物を設定しない」という方もいるのではないでしょうか。
しかし、納品物を設定しない場合は「費用だけがかかって何の成果にもつながらなかった」といった事態に陥る危険性もあるので、契約書に納品物の内容と納期を具体的に明記することをおすすめします。

固定報酬型の納品物としては、架電リストや業務報告書、商談に使用するプレゼン資料などが考えられるでしょう。また、契約書には納品された物をいつまでに確認するのかを示す「検収期間」も必ず記載してください。

固定報酬とインセンティブ報酬の区別を明確にする

成果に応じて固定額に報酬が加算される契約形態を「インセンティブ報酬契約」といいます。この契約形態を用いる場合には、「固定報酬」と「インセンティブ報酬」を契約書に明確に記載する必要があります。区別をはっきりさせずに契約を結ぶと、トラブルにつながる可能性もあるので注意が必要です。

契約書には「固定報酬〇〇円+インセンティブ報酬」と明記することで、計算ミスや支払い漏れといったトラブルが回避できるでしょう。また、インセンティブ報酬の詳細についても「アポイント獲得1件あたり〇〇円」「制約1件あたり〇〇円」といった形で必ず記載してください。

営業代行の費用相場

営業代行の費用相場をご紹介します。

営業代行平均費用の相場
種類 費用
固定報酬型 日当2.5万円~3万円
成果報酬型 1アポ1.5万円~2万円
複合型
(固定・成果報酬)
固定:25~30万円
成果報酬:案件による

営業代行の費用相場をご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターのご利用をおすすめします。

まとめ

本記事では、営業代行を利用する際に必要となる「業務委託契約書」に盛り込むべき内容や、契約書の作成時に注意すべきポイントなどを解説してきました。

どんなに信頼している会社であっても、業務を委託するのであれば契約書は欠かせないものです。それぞれの役割や責任の所在を契約書に明示することで、お互いに気持ちよく業務に取り組めるのはもちろん、万が一のトラブルが発生した際でも損害が抑えられるでしょう。

しかし、契約書の作成には法律に関する知識が求められる場面もあることから「自信がない」という方もいるのではないでしょうか。

そんなときは、ぜひ「アイミツ」へご相談ください。貴社のニーズや予算をうかがった上で、おすすめできる専門家を提案いたします。

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