イベント企画におけるコンセプトとは?役割&決め方を解説【完全版】【2024年最新版】
リアル・オンラインの場を問わず、スケジューリングやプログラム作成といった企画業務はイベントを開催するうえで欠かせません。なかでもイベント全体の方向性を占めるコンセプト設計は、企画のコアとなる作業です。
今回はそんなイベント企画における「コンセプト」に焦点を当てて、「テーマ」との違いや具体的な設計方法についてご紹介していきます。
コンセプトとは?
まずは日ごろから耳にすることが多い「コンセプト」という言葉について、正確な意味・使い方をあらためて整理しておきましょう。
コンセプト(英:concept)は日本語に訳すと「概念」「発想」「構想」などとなります。もともとは「着想」や「受胎」を示すラテン語「concepto」が語源とされており、ビジネスの世界では企画やプロジェクトの基本的な方向性、枠組みあるいは切り口といった意味で聞くことが多いでしょう。
セミナーや展示会、見本市といったイベントも、すべてはこの「コンセプト」があってこそです。イベント企画では、まず全体のコンセプトを練り上げてから、プログラムの構成や内容、演出方法、会場の装飾などをコンセプトに沿って決めていくのが一般的。
たとえば、今年2021年7月に開幕予定の東京オリンピック・パラリンピックでは、「全員が自己ベスト」「多様性と調和」「未来への継承」という3つのコンセプトを掲げています。開催について問題点が指摘されることも少なくありませんが、運営サイドはアスリート全員が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、開催が決まった2013年から世界最高水準のテクノロジーを取り入れた競技会場を整備してきました。
あわせて「多様性と調和」というコンセプトに沿って、性的マイノリティーや障がい者が安心して過ごせるホスピタリティー施設を開設。「未来への継承」という点では、遠隔地からアスリートとの握手・対話を疑似体験できるヒューマノイドロボットや、作業スタッフの負担を軽減するパワーアシストスーツを導入しています。
このように、イベントやプロジェクトにおける全体の骨組み・指針として、すべてのコンテンツ、ディテールのあり方を決めるのがコンセプトです。
テーマとの違い
コンセプトと混同されがちな言葉の1つに「テーマ」があります。テーマとコンセプトは具体的にどう違うのでしょうか?
テーマ(独:thema)とは、ものごとの主題、命題のこと。それに対してコンセプトは前述のとおり概念や観念を指す言葉です。何かを決めたり考えたりする前提・出発点がテーマで、そのテーマを実現(あるいは解決)するための枠組み・切り口がコンセプトだと言えます。
オリンピックの例に戻れば、オリンピック・パラリンピックそのもののテーマは「4年に一度のスポーツの祭典」。このテーマを起点に時勢やスポーツを取り巻く状況をふまえ、スポーツの祭典たらしめるための枠組み・切り口としてつくられたのが、東京大会における上記3つのコンセプトだというわけです。
東京五輪の事例を見てもわかるように、テーマがイベントやプロジェクトのあり方・目的に沿って1つに絞られるのに対し、コンセプトは必ずしも1つに限られません。
たとえば、近年多くの企業が手がけている経営やマーケティングに関するセミナーイベントの場合、テーマは「ビジネスの知識・ノウハウを提供・共有する場」となりますが、対するコンセプトは無数です。「新卒が〇〇分で理解できる」「意思決定を早める」「持ち帰って当日から実践できる」などのさまざまな切り口があり、コンセプトによって具体的なイベントの中身も大きく変わってきます。
イベントのコンセプトは誰が決める?
ビジネスセミナーや展示会、見本市といったイベントのコンセプトは基本的に主催者が決める形となります。
ただ、全体の方向性を示すものとして的確なキーワードに落とし込む必要があるため、外部のイベント会社、コンサルティング会社の力を借りながらコンセプト設計するケースもあるようです。
たとえば東京都中央区に本社を置くイベント会社・株式会社シスコムでは、イベントのコンセプト設計からツール制作・広報活動までカバーするワンストップソリューションを用意しています。設立から20年以上にわたって幅広いイベントを手がけ、朝日新聞、auグループといった有力企業との取引実績も豊富です。
イベント企画におけるコンセプトワークの進め方
続いてはコンセプトの具体的な決め方について。一般的にコンセプトを設計する作業はコンセプトワークと呼ばれ、イベント企画の場合は大きく以下4つのステップに分けられます。
イベントのテーマを整理する
前述のとおり、コンセプトとはイベントの全体のテーマ(主題)に紐づく指針・切り口のこと。まずはイベントそのもののあり方について、何を目的とするのか、参加者にどうしてほしいのか、テーマをきちんと整理しましょう。
この段階では難しく考える必要はありません。たとえば、新製品の発表会なら「認知度を高める」、セミナーやカンファレンスなら前述のように「知識・ノウハウを提供する」といった程度で大丈夫です。
外部のイベント会社と協力してコンセプトワークを行う場合は、認識のズレを防ぐためにPowerPointなどにまとめたうえで共有しましょう。
ターゲットを決める
イベントのテーマを整理したら次はターゲットの選定です。誰に向けてイベントを開催するのか、どんな人に参加してほしいのかを決めましょう。
具体的な方法としては、マーケティングで広く用いられるペルソナ設計がおすすめです。
ターゲットの属性(年齢・性別・居住地など)とあわせてライフスタイルや価値観、志向までを想定し、人物像を設計することで明確なコンセプトが見出せるようになります。さらにモデル画像も用意すれば、イベント関係者全員でイメージを共有しやすくなるでしょう。
ペルソナは1人に絞らなくても問題はありませんが、あまりに多いとコンセプトワーク自体が複雑になってしまうため、3~4人程度にとどめておくことをおすすめします。
提供できるバリューを洗い出す
続いては、イベントを通じてターゲットに提供できるバリュー(価値)を洗い出します。
たとえば新製品発表会なら「リリース前の製品を触ること・知ることができる」、オンラインセミナーなら「自宅にいながら学べる」といったことが参加者にとってのバリューです。ここでも難しく考える必要はありません。
それよりも大切なのは、イベントの形式や中身に引きずられないようにすること。繰り返しご説明してきたとおり、コンセプトとはあくまでもイベント全体に通底する骨組み、そして指針、切り口でもあります。イベントの形式・コンテンツありきでバリューを考えてしまうとかえってコンセプトの統一感がなくなるため、結果としてイベント全体の意義、方向性にもばらつきが生じやすくなるでしょう。
具体的な施策・コンテンツをいち早く決めたい気持ちはわかりますが、まずは一歩引くことが大事です。良い意味で抽象的にバリューを洗い出すのが先決だと言えます。
コンセプトを明文化する
ここまでの3つのステップが済んだら、次はいよいよコンセプトの作成。テーマ・ターゲット・バリューを照らし合わせ、イベント全体の方向性・枠組みを明文化します。
慣れないうちはwebでダウンロードできるコンセプトシート(情報を整理しやすいよう枠線や矢印などが付いたコンセプトワーク専用のフォーマット)を利用するのもよいでしょう。また、机の上にA3など大きめの用紙を広げ、思いついたキーワードを付箋に書いて貼り合わせながらコンセプトを練る人も多いようです。
いずれの場合も大切なのは、シンプルかつ具体的な言葉にすること。
最初にご紹介した東京オリンピックの事例は、公共性が高い特大規模のイベントです。そのため、抽象的なキーワードが使われていますが、一般企業が主催するイベントではシンプルな言葉を選びましょう。関係者の理解を得やすいうえ、作成したコンセプトを告知用のwebサイトなどでキャッチコピーとして利用すること可能です。
場合によっては数字(金額、時間など)も取り入れて、できるだけ平易でわかりやすいキーワードで表現しましょう。
イベント企画に関する費用の具体事例
関連する費用事例です。様々な企業の実績をベースに費用事例として紹介しておりますのでぜひご覧ください。
【31万円~50万円】 会員獲得イベント企画・制作・運営
- 業界
-
- 葬儀
- 発注元規模
- 3,000人以上
- 納期
- 1ヵ月~2カ月
- オプション業務
-
- 運営代行
- 会場手配
- スタッフ手配
- キャスティング
- 会場設営撤収
- 実績企業
- 株式会社スマートノート
- 課題
- 解決
- お客様が自社内でサービスの会員獲得イベントを開催していたが、会員獲得単価が高コストだった。
- 会場手配、調整
獲得オペレーション計画
運営スタッフ研修
運営管理
【51万円~100万円】 35周年記念式典
- 業界
-
- 通信・IT・ソフトウェア(その他)
- 発注元規模
- 3,000人以上
- 納期
- 3か月
- 実績企業
- 株式会社ブイキューブ
- 課題
- 解決
- コロナ禍で例年の交流するイベントが中止となり、従業員のコミュニケーション不足に課題を感じオンラインでの開催に踏み切られました
- オンラインでも、対面時と同じような交流をもたらすためにコンテンツを実施。周年も関わってくることで、遊び×記念式典のバランスを調整いたしました。
【101万円~300万円】 表彰式・周年イベント・社員総会
- 業界
-
- ブライダル
- 発注元規模
- 500人〜1,000人未満
- 納期
- 2か月
- オプション業務
-
- スタッフ手配
- 映像関連機器手配
- 照明関連機器手配
- 音響関連機器手配
- 進行スライド作成
- 台本作成
- 実績企業
- 株式会社ブイキューブ
- 課題
- 効果
- 創業20周年という節目の年に、表彰者はもちろんのこと全ての社員への労いや会社の発展に繋がるイベントにしたいという想い
- 幹事の負担軽減が可能となり、より企画内容・表彰選定などに力をいれていただけた。結果、参加者から「今までで一番良かった」という声をいただけた。
【601万円~1000万円】 劇場都市としまエンタメシアターin新文芸坐
- 業界
-
- 看板
- 芸能・映画・音楽
- 放送・新聞
- 広告・出版・マスコミ(その他)
- 官公庁・公社・団体
- サービス(その他)
- イベント
- 映画・アニメ
- 発注元規模
- 1,000人〜3,000人未満
- 納期
- 1ヶ月〜3ヶ月
- 実績企業
- 株式会社J-Rights
- 課題
- 解決
- 効果
- 池袋の名画座とよばれる映画館のリニュアルイベントでサブカル系(アニメ・アニソン・特撮ヒーロー・声優)などのコンテンツと映画の上映会をセットで実施。
豊島区との連携とコロナ渦での開催が課題に。
- 豊島区長のご挨拶、地元声優のタマゴとも言える方々の公開オーディション、声優プロダクションとの連携、専門学校の協力などを実現。
- 名作映画以外にもあらたな客層へのアプローチができました。
【1001万円〜】 ジャパニーズホラーアトラクションKYOKO in ベトナム
- 業界
-
- イベント
- 発注元規模
- 3,000人以上
- 納期
- 3ヶ月〜4ヶ月
- 実績企業
- 株式会社J-Rights
- 課題
- 解決
- 効果
- ベトナムのハノイにあるイオンモールでジャパニーズホラーを体験させる期間限定アトラクションを企画・施工・運営指導までを受注
- 現地のベトナム人に指導しながら施工・演出等を実施しました。日本にある表具という概念が無く全て壁紙を使わずに塗装で装飾するのが大変でした。
- オープン初日から長蛇の列で入場待ち列ができ盛況でした。外国人にも日本人以上の恐怖体験をしていただけました。
【まとめ】イベント企画で悩んだらプロへ相談を
今回はイベント企画におけるコンセプトの役割やテーマとの違い、コンセプトワークの進め方などについてご紹介しました。ここまで見てきたとおり、コンセプト設計は決して難しい作業ではありません。
キーワード選びに配慮する必要はあるものの、イベントにおけるコンセプトの意味・役割をきちんと理解したうえで進めれば、それほど苦労せず形にできるはずです。上記の内容を参考にぜひ実践していただければと思います。
それでも迷ってしまった場合は、ぜひアイミツまでお気軽にお問い合わせください。ご予算・ご要望を伺ったうえで、コンセプトワークに定評のあるイベント会社や卓越した実績を持つ制作会社をご紹介いたします。いつでもお気軽に無料相談をご利用ください。
イベント企画に関するその他記事は下記をご覧ください。
イベント企画会社の選び方ポイント
イベント企画外注のメリット・デメリット
イベント企画の費用・相場
イベント企画会社探しで、こんなお悩みありませんか?
-
一括見積もりサイトだと
多数の会社から電話が・・・ -
相場がわからないから
見積もりを取っても不安・・・ -
どの企業が優れているのか
判断できない・・・
PRONIアイミツなら
発注先決定まで
最短翌日
- 専門コンシェルジュが
あなたの要件をヒアリング! - 10万件の利用実績から
業界・相場情報をご提供! - あなたの要件にマッチした
優良企業のみご紹介!
診断とヒアリングから
お探しします