社員研修で身につくメンターのスキルとは?制度の目的やメリットも解説【2024年最新版】
現在、企業では様々な人材育成方法が導入されていますが、なかでも注目をされているのが「メンター制度」です。
メンター制度は若手社員が自発性、自律性を持って仕事に従事し、目まぐるしく変わる現代社会に対処できるように育てるための制度です。
今回は、メンター制度の導入を考えている方や、新たにメンターを任される方に向けて、メンター制度の目的、注意点、社員研修で身につくメンターのスキルについて詳しく解説します。
メンターとは
メンターとは「指導者」「助言者」「支援者」という意味を持つ言葉で、一般的に「人生や仕事における助言者」という意味合いで使われます。メンターから指導を受ける人をメンティーと言い、メンター制度を導入している企業では「指導者(先輩社員)=メンター」「指導を受ける若手社員=メンティー」という関係性を持って助言が行われています。
メンターの活躍するフィールドは企業、地域社会、学校など様々。とりわけ企業では、若手社員の成長を促すためにメンター制度が積極的に導入されています。メンターは一方的に指導や助言をするだけでなく、時には相談に乗り、気づきを与え、自発的に動けるよう支援していくのが特徴です。メンターはメンティーにとって、良き相談相手であるだけでなく、仕事上のロールモデルでもあり、成長に様々な影響を与えていく存在といえるでしょう。
メンター制度導入の目的
現在、人材育成方法として注目を集めているメンター制度ですが、そもそもメンター制度の導入にはどのような目的があるのか確認しておきましょう。
2-1.若手社員(メンティー)が企業に定着すること
メンター制度を導入すると、若手社員の企業への定着を図ることができます。少子高齢化の社会の中、人手不足は深刻な問題であり、費用をかけて採用した優秀な人材の流出は何としても避けたいところです。
しかし、現在新卒3年以内の離職率は3割にのぼり、早期離職者が後を絶たないのが現状。そうした背景には、業務内容のミスマッチ、キャリア形成が望めない、社風が合わない、福利厚生・給与への不満など、様々な理由があります。
メンター制度を導入すれば、成功している先輩をメンターとして配置するので、仕事のやりがい、楽しさ、成功体験について、メンティーに語ることができます。また、メンティーの悩みや課題についてもアドバイスをしていくので、メンティーは一人で思い悩むことがなくなります。仕事で一人前になるまでには様々な葛藤があるものですが、メンターの働きかけによりメンティーの離職原因の芽を早期に摘むことができるでしょう。
2-2.メンター自身の成長
メンター制度は、指導を受けるメンティーのためだけにある訳ではありません。指導者となるメンター自身の成長の機会にもなります。
人を指導するときは、無意識でやっていることを意識化、言語化して伝える必要があります。そのプロセスの中で、自らの知識を見直すことが可能です。また、仕事上もメンターとしてふさわしいクオリティーを心がけるようになるので、人として大きく成長することが期待できます。
メンティーは少し前の自分そのもの。メンティーと接することで自らの現在の成長を実感するとともに、さらなる飛躍へのモチベーションを得ることができるでしょう。メンターは責任重大ですが、新たなキャリア形成のきっかけにもなるので、長い目で見て自分自身にとって大きなメリットが多々ある役割です。
メンター制度導入時の注意点
それでは次に、メンター制度導入時の注意点についてお伝えします。
メンター制度を導入すると、若手もメンターも両方成長できるので、WIN-WINの関係になりますが、実際に制度を取り入れるときは次の2点に注意しておきましょう。
3-1.メンターの業務負荷が高くなる
メンター制度を導入すると、少なからずメンターとなる先輩社員の負担が増えます。それほど忙しくない時期であれば、メンターとして若手を指導する余裕はあるかもしれませんが、繁忙期の場合は業務だけで手一杯になるので、人の指導・相談に乗ることは難しくなります。
また、メンターと管理職が別である場合、メンターとメンティーの結びつきが深まるにつれ、メンティーが本来管理職へするべき相談をしなくなる可能性もあります。直属上司にしてみれば、メンターの存在が悪く映る可能性も。そうした人間関係の軋轢が生じることもメンターにとって負担となるでしょう。
3-2.メンターとメンティーのミスマッチ
人間同士である以上どうしても相性はあるので、メンターとメンティーのミスマッチが生じる可能性はあります。メンターとメンティーの相性が合わないと、指導する意欲がなくなることはもちろん、メンティー側もメンターのような存在を目指すことはないでしょう。これではメンター制度の意味をなさないので、マッチングには十分注意をしなければなりません。
メンターは優秀であるに越したことはありませんが、必ずしもトッププレーヤーである必要はありません。特別すぎる人だとリアリティがなくなり、メンティーが自らの将来の姿を想像しにくくなります。また、優秀過ぎるとメンティーがなぜできないのか理解できない可能性もあるでしょう。
メンターに適しているのは入社3~5年目で、面倒見がよく後輩の育成に興味を持っている社員です。さらに相性も大事になるので、お互いに本音で話ができそうで、若手が少し頑張れば先輩の様になれると思えるような人を選出することをおすすめします。
メンター研修の内容
メンター制度には一長一短ありますが、実際に制度を導入すると決めたら、まずはメンター研修受講することをおすすめします。メンター研修ではどのようなことを学べるのか、ここで詳しく解説します。
4-1.メンターの役割と心構えを理解する
メンター研修では、最初にメンターの役割と心構えを理解することを学びます。
メンターの役割は、大きく言えば会社の将来、新人の未来を作ること。新人が一人前になるには時間がかかり、その間には自信をなくすこともあるでしょう。また、会社への不適応や人間関係の悩みを抱えることもあります。そうしたときに、相談できる人がいるかいないかは大きな違いで、本音で相談できる人がいることが大きな救いになります。そうした思いが仕事への原動力となり、一人前の社員への成長を促していくのです。
メンターになるときは、役割をしっかりと認識して、粘り強く指導をしていく必要があります。ここでは、メンター研修で学ぶ心構えの一例を紹介します。
- メンター研修で学ぶ心構えの一例
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- 「命令はしないこと」
メンターは対話・質問によって気づきを与え、相手が自発的に動けるようにするのが第一の仕事であり、命令をするのが仕事ではありません。 - 「傾聴すること」
相手の言うことをよく聞き、相手の気持ちに寄り添いながら想いを尊重します。 - 「人の成長には時間がかかることを知る」
人が成長するには時間がかかるので、相手が伸び悩んでいても焦らず、長い目で応援しましょう。 - 「アドバイスに従わなくても良いと伝える」
メンターは上からやり方を押しつけるのではなく、相手が自発的に動けるようになるよう援助することが大切です。
- 「命令はしないこと」
上記はほんの一例に過ぎませんが、メンター制度の社員研修では実践に活かせるよう、メンターの理想的な在り方を学びます。
4-2.メンターに求められるコミュニケーション力について
メンターは新入社員の業務や精神的なサポートをする存在であり、一定のコミュニケーション能力が求められますが、特にどのようなことが大切なのかお伝えします。
相談しやすいメンターであること
メンターは相談しやすい雰囲気を持っていることが大切です。仮にコミュニケーション能力が高くても、相談しにくい雰囲気を醸し出していると、心を開いて話をすることはできません。
コーチであれば目標に向かって行動を支援していけば良いのですが、メンターはさらに行動だけでなく価値観、ミッション、悩みといった精神的なことも支援していく必要があります。
アドバイスを与えるのは、あくまでも気づきを与えるときのみです。相手の自発性を引き出すことがメンターの役割なので、相談しやすさというのはとりわけ大事な要素といえるでしょう。
モチベーションを上げるフィードバック
メンターは、モチベーションを上げるために適切なフィードバックを行う必要があります。
フィードバックとは目標達成に向けて、行動の軌道修正をしたり、問題解決のための方法を伝えたり、アクションへの内省を促すための指導です。フィードバックの方法次第で、新入社員はやる気になったり、反対にやる気を失ったりするので、やり方には十分注意する必要があるでしょう。フィードバックは、次のポイントを意識すればとりわけ上手く行えます。
- フォードバックで意識すべきポイント
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- 挑戦は結果よりプロセスを褒める
- 上手くいかない時に人格を非難しない
- 仕事の至らない点は言動に対してアドバイスを行う
- 課題を共有し、解決のための動機づけを行う
- 課題解決のアクションプランを本人に立ててもらう
- 課題達成期間、達成度を確かめられるようにする
上記のことを参考に、メンティーに気づきを与えられるよう、効果的なフィードバックの枠組みを作ることが必要です。メンター制度の社員研修ではその具体的な方法を学びます。
4-3.ケース別のロールプレイング
メンター研修では、ケース別のロールプレイングを行い、すぐに実践できるスキルを学ぶことも可能です。
メンターとメンティーとのコミュニケーションはどうあるべきか、頭ではわかっていても、実際に指導の現場になるとセオリー通りにいかないこともあります。よく傾聴すると言っても、つい話をさえぎってしまったり、知らず知らずのうちに価値観を押しつけていたりすることは珍しくありません。
研修ではよくありがちなパターン、陥りがちな失敗などを事前に想定し、メンターとメンティー役に分かれてロールプレイングを行います。ありがちな失敗、効果的な対処法が分かっていれば、それだけ余裕をもってメンティーと向かい合うことができ、実際の現場での対応力が高まります。
【まとめ】メンターに必要なスキルを社員研修で学ぼう!
メンター制度は、若手が自律的に仕事に取組めるようになるための制度です。メンターは、ときに若手社員から仕事の悩みや人生相談を受けることもあります。その時にメンターは答えを押しつけるのではなく、よく話を聞いて、メンティーが自ら気づき実践していく援助をしていくのが主な役割です。
メンター制度はメンター自身の成長の機会にもなるので、双方にとってWIN-WINの制度ですが、導入するときはメンターの負担と業務量を十分考慮する必要があります。また、メンターになるには一定の知識、スキルを必要とするので、メンター制度を導入するときは最初に社員研修を受けるのが理想的でしょう。
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