行政書士の依頼の流れ・手順を解説【2024年最新版】
会社を設立したり、新しい事業に参入したりする際は、行政窓口への申請、許認可の取得などさまざまな手続きが必要です。自社のスタッフだけで対応するのが難しい場合は、法律のプロである行政書士の力を借りましょう。
今回は行政書士が担っている役割を整理したうえで、行政書士の仕事の流れ、業務を委託する際の基本的な手順をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
行政書士とは?
行政書士は、行政と企業、市民の橋渡し役として、官公庁に提出する書類の作成や会社設立・開業にあたっての許認可申請の代行を行う国家資格です。業務内容は幅広く、知的財産権の登録、相続や法務におけるコンサルティングも行政書士が担う役割の一部です。
行政書士は司法書士と混同されることがありますがそれぞれの名前のとおり、前者は行政、後者は司法にまつわる業務を担当するという点で異なります。たとえば、会社設立の手続きを進める場合、法人登記に必要な定款の作成は行政書士が請け負いますが、登記手続きそのものは代行できません。定款の届け出先は法務局であり、司法機関である法務局との折衝は司法書士の独占業務だからです。このため行政書士事務所の多くは司法書士事務所と提携(あるいは所内に司法書士が在籍)しており、それぞれ役割を分担しながら会社設立や許認可の取得をサポートしています。
行政書士に依頼できること
ここからはより具体的に、行政書士の仕事・役割について見ていきましょう。前述のとおり、行政書士の業務は多岐にわたりますが、法人からの依頼という点では以下の3つが中心です。
1.定款の作成
定款とは、商号や事業目的、本社の所在地、発起人などを記載したドキュメントのこと。必ず明記すべき「絶対的記載事項」と、明記することで効力を発揮する「相対的記載事項」、「任意的記載事項」の3つの項目があり、会社を設立する際は、それぞれ正確に記載したうえで定款を法務局に提出し、認証を受けなければなりません。定款の作成には法律の知識も求められ、記載する情報を洗い出すにも相応の手間がかかりますが、行政書士に依頼すれば、おおむね2万円から5万円前後の報酬と引き換えに代行してもらうことが可能です。なお、定款の作成にあたっては、印紙代(4万円)と認証手数料(5万2,000円)も必要になります。このうち印紙代については、カードリーダーによるIC認証作業を行えば無料になるため、近年ではクライアントの負担を抑えるために定款の電子認証代行サービスを提供する行政書士事務所が増えています。
2.許認可の申請
建設業や運送業、古物商、酒類販売といった業種では、営業するにあたって免許・許認可を取得する必要があります。免許・許認可を得るために必要な書類の種類・フォーマットは業種ごとに異なり、運輸局、警察署、保健所など申請窓口もさまざま。定款の作成と同様、自社ですべての手続きを済ませようとすれば、大きな手間となってしまいますが、こうした許認可の申請も行政書士に委託することができます。報酬額は業種によってやや幅があり、相場としては5万円から20万円ほどです。
3.コンサルティング
法定業務、独占業務ではないものの、コンサルティングも行政書士が担う役割の1つです。会社設立、開業後の事業運営、相続、債務、人事労務など、行政書士の得意分野によってコンサルティングの対象はさまざま。中には、行政書士が社労士や税理士と連携し、外国人雇用や相続手続きなど幅広い分野のコンサルティングサービスを提供しているケースもあります。
自社対応と行政書士に依頼する場合のそれぞれの流れ
つづいては、行政書士の仕事の流れについてご紹介していきます。行政書士のメイン業務の1つである会社の定款作成を例に、自社で作成する場合と行政書士に委託する場合それぞれの違いを見ていきましょう。
1.自社で定款を作成する場合
定款には決められたフォーマットこそないものの、A4用紙に10pt~12pt前後の黒字で横書きするのが一般的です。「商号」「事業目的」「本店所在地」「出資額or最低額」「発起人の氏名・住所」の5点が絶対的記載事項(必須項目)として定められており、最低限この5点がもれなく正確に記載されていないと、認証を受けることはできません。また、認証後に記載内容を変更しようとすると、その都度3万円の登録免許税がかかってしまいます。作成にあたっては表記方法をはじめとするルールをきちんと理解したうえで、正確に作業を進めましょう。
・商号(会社名の確認)
商号(会社名)については、他の企業と重複しないかきちんとチェックしたうえで記載するようにしましょう。既に商標登録されていたり、誤認されやすく不正競争防止法に抵触する可能性があったりする社名はNGです。
・事業目的
事業目的については、将来的に行う可能性がある事業を含めて、すべてもれなく記載しましょう。のちのち追加すると、前述の登録免許税が発生します。また、寄付やボランティアといった営利性のない活動は事業目的として認められないので、その点の注意も忘れずに。
・本店所在地、出資額(or最低額)、発起人の氏名及び住所
住所や金額をそのまま記載する形になりますが、住所についてはハイフンで省略することはできません。〇丁目〇番〇号と記載する必要があります。同様に金額についても「¥」は使えないので、金〇〇万円と記載しましょう。
上記5点の絶対的記載事項を記載し、内容に間違いがないかチェックしたら、必要に応じて相対的・任意的記載事項(役員の任期、株券の発行、公告の方法など)を追加したうえで、前述の印紙代と認証手数料を支払い、法務局へ申請します。
2.行政書士に依頼する場合
行政書士に定款の作成を依頼する場合は、まず必要なデータを提供します。行政書士事務所の多くは定款作成用のヒアリングシートを用意しているので、メール添付などで送られてきたシートに会社名や出資額、本店所在地を記入し、間違いがないかチェックしたうえで返信しましょう。
その後は、行政書士が所定の書式・表記ルールに沿って定款を作成してくれるので、依頼者側で文面を調整したりする必要はありません。あわせて、前述の法定費用(印紙代、定款認証手数料)の支払いも代行してくれますし、司法書士とパートナーシップを持つ行政書士事務所なら、法人登記までワンストップで任せることが可能です。
行政書士業務を外注する場合のメリット・デメリット
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まとめ
今回は、行政書士を依頼した際の具体的な流れや手順を解説すると同時に、自社対応・外注のそれぞれのメリット・デメリット、行政書士の依頼先を探す際に注意しておきたいポイントなどを紹介してきました。
全体の流れを理解したうえで「手続きを自社で行うには意外にやることが多くて大変そうだ」「自社ではそこまで細かく対応できない」という場合は、行政書士に外注をするのも一つの手です。お悩みの場合には、ぜひ行政書士への依頼を検討してみましょう。
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