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絶対に失敗しない発注先探しの鉄則【便利な発注先チェックリスト20選付き】
事業企画 、総務 、情報システム
直接的な利益を生まない“ノンコア業務”が、日本のビジネスパーソンの平均労働時間における最大6割を占めているという調査結果がある。これこそが俗に言われる“日本の生産性の低さ”の要因のひとつになっているのは間違いないが、中小、スタートアップ企業にとってはさらに深刻だ。経営者自身がそのような状態に陥っていては、自社の発展にストップがかかってしまう可能性もある。そんな状況を打破し、日本の経営者を救う処方箋となりうるのが、インターネットを介し、自社のノンコア業務を社外のスタッフが代行してもらえるオンラインアシスタントサービスだ。今回は、オンラインアシスタント「フジ子さん」を展開するBPOテクノロジー株式会社代表・山田真也氏とPRONI代表・栗山が対談。オンラインアシスタントのサービス内容や活用事例、さらには、BPOの可能性まで、今、経営者が知るべきアウトソーシングの常識について語り合った。
インタビュー先のプロフィール
BPOテクノロジー株式会社は、「オンラインアシスタントを、日本でも当たり前に」というビジョンを掲げ、オンラインアシスタント「フジ子さん」を展開しています。「フジ子さん」のサービスは、多岐にわたるバックオフィス業務の対応に加え、アシスタントの立場から企業のDX推進実行や、SaaS を最大限活用した事務オペレーションの構築提案なども行っています。2015年のサービス開始以来、累積1000社以上に導入され、テレワーク先駆者百選にも選出されています。日本を含め、世界33ヵ国に在住する実務経験豊富なスタッフが夜間や休日対応など、時差を活かして持続可能な形で対応いたします。当社は、日本企業の人手不足を解消するインフラのような存在を目指しています。
山田 真也 様
聞き手
栗山規夫
PRONI株式会社 代表取締役 Founder
三菱商事、DeNAを経て、2012年にPRONI株式会社(旧社名ユニラボ)を創業。BtoB受発注プラットフォーム「PRONIアイミツ」を立ち上げ、10年で現在の規模に育てた。新たな仕事に挑戦するビジネスパーソンの「発注力」を上げることを目標に、日本のDXを進める優良企業の経営者、ビジネスリーダーのインタビューを実施。
栗山 まずは、貴社が提供するオンラインアシスタント「フジ子さん」のサービス概要からお聞かせください。
山田 オンラインアシスタントというサービスは、もともとアメリカで活用されていた「バーチャルアシスタント」がベースになっています。日本には約10年遅れて、最近ようやく普及してきました。サービス内容は、パソコンを使って行える事務作業を、オンラインを通じ、フジ子さんというアシスタントに頼めるといったシンプルなもので、経理や労務、ホームページの編集、テレアポなど幅広く対応しています。
弊社が提供する「フジ子さん」が支持を集める理由の一つは、チーム体制で対応しているということ。担当者が離職してしまうリスクや俗人化のリスクが軽減され、その安心感が他社にはない評価ポイントになっています。チーム体制とはいっても、毎回窓口担当者が変わるわけではなく、窓口はメインアシスタントが一貫して対応し、ご依頼履歴や背景もしっかり理解しているため、心配はありません。そして、人件費を変動費化できる点もメリットとして挙げられます。例えば、来月は繁忙期なので利用時間を2倍に、翌月は落ち着いたので半分にするといったことが容易に可能です。
さらに「フジ子さん」は出社をしないアシスタントなので、バーチャルオフィスに入居されている企業や、スペースの小さなレンタルオフィスに入居されている企業であっても、スペースの懸念なく、長く安定的に人材の確保ができる点にも評価が集まっています。この辺りをメリットとして考えていただく企業様の間で導入が進んでいる状況です。
栗山 業務時間を毎月変えられたり、あらゆる業務を行ってくれるなど、とても柔軟性が高いサービスですよね。
山田 そうですね。経理だけ、テレアポだけ、総務だけ、と決められた範囲のみを担当するのではなく、利用時間の範囲で、1時間はテレアポをして、1時間は経理、1時間は英語対応、そして最後の1時間は採用の管理をするということも可能です。月額3万円(税抜)からのご依頼が可能ですが、一人のパート従業員を雇用しても、誰もがそれほどに幅広い業務に対応できるわけではありません。
派遣社員との比較においても同様です。例えば経理を得意とする派遣が来た場合は、テレアポを頼めませんが、我々はチーム制なのでそれが可能です。「フジ子さん」はオンラインで対応するため、交通費やパソコンをはじめとしたオフィス備品は不要ですし、そういった間接費だけでもおよそ2割ほどコストダウンできていると思います。
栗山 実際に、クライアントは何種類もの業務を依頼されるケースが多いのでしょうか。
山田 多いですね。我々のコアターゲットが小規模企業なので、例えば経理業務だけでは、1カ月で4時間もあれば足りてしまうという企業もあります。そうすると余った時間に営業事務作業や販売促進など、企業のステージに合ったバラバラな業務をご依頼いただくケースが多いように思います。しかしその一方で、大企業のある一つの部門で導入いただき、特定の業務をまとまった時間分ご依頼いただいているケースもあり、企業規模やご依頼内容により、様々な場面でご活用をいただいています。
栗山 経理や採用、HPの更新など専門スキルが必要な業務まで対応されます。クオリティはどのように担保されるのでしょうか。
山田 経理や労務、採用等の専門性が高い分野にはエキスパートチームを用意しています。例えばお客様がクラウド会計ソフトを導入していない場合には、現在の会計ルールを読み解いて、クラウドツールを導入して、それを見ながら同じ設定をすることが可能です。また、ホームページもゼロからの作成ができますし、英語もネイティブレベルのチェックが可能です。さらにはEXCELのマクロ、RPAのシナリオ作成もできます。「アシスタント」というネーミングに引っ張られてしまいますが、窓口のメインアシスタントの背後にはエキスパートチームをはじめとした様々なスキルを持つ人材が控えているので、レベルの高い仕事にも対応できるようになっています。
栗山 フジ子さんのスキルは相当なものですね。一般の派遣社員さんの水準を大きく超えている感じを受けます。
山田 現在、世界33か国、そして全ての都道府県にアシスタントがいますが、オンラインで実技試験を行っており、その採用率は数%。狭き門を通過した方のみが働いているフジ子さんは、ITスキルが高い方の集団となっているので、パソコンを使った業務に関してはとても優れています。
一例ですが、転勤族のパートナーがいて、地方に行くためにキャリアを断念せざるを得ないという方もフジ子さんで働いてくださっています。フジ子さんを仕事として選んでくださる理由としては、働きやすさですね。世の中には、短時間且つフルリモートという2つが掛け合わされている仕事はほとんどないので、それを求めている方々にご応募いただいています。
栗山 採用人気度の高さがクオリティに繋がっていきますね。
山田 はい、また弊社には300以上のマニュアルや、定期的に行われるテストもあり、クオリティの維持には人一倍気を遣っています。求職者側からするとかなりハードルが高いかもしれませんが、これらの積み重ねがフジ子さんの高いクオリティにつながっていると自負しています。
栗山 かなり早いタイミングから「フジ子さん」というサービスは存じ上げていましたが、弊社は創業時に自社で在宅の方を数十名ネットワーク化して、経理や採用、ホームページ作成などをやっていただきました。それらを全て内製化してやっていましたが、やはり限界もきました。会社が大きくなってきた今では考えられませんね。最初からフジ子さんを使えば良かったと思いますね。企業がフジ子さんを活用するきっかけとしては、どのようなタイミングが多いのでしょうか。
山田 人手不足が発生するタイミングで多くご利用いただいています。例えば退職された社員の穴を埋めなければならないときや、事業拡大によって発生する人手不足、そして何らかの要因でアウトソースに対するニーズが高まったときがあげられます。
我々のサービスは全国からご利用が可能なので、地方の中小、特に従業員50人以下の企業にも多くご利用いただいています。また上場企業や医療機関、国公立大学、行政機関などにも幅広くご利用いただいています。
基本的にはパソコンを活用する業務が中心となりますが、他にも商談後のお礼のお手紙をアシスタントが直筆で書いて、郵送で送るといった営業事務の仕事のご依頼もあります。また、愛知県の岡崎市に弊社のBPOセンターがあり、オフラインの業務も行っています。例えば、書類の電子化をしたいお客様から、書類(紙)の束を送っていただくとスキャンし、ファイリングをして送り返すといった業務も対応しています。他にもチラシやノベルティグッズの郵送の業務も行っていますね。さらに英語対応やテレアポにも対応するなど、かなり幅広い業務の依頼があります。
栗山 テレアポ担当者の定着率に課題を抱えている企業も多いですよね。
山田 そうですね……。特に中小企業にとって、テレアポの担当者は採用も難しく、コストもかかります。内製化しても安定しないので、いっそのこと外注した方が良いと考える経営者も多いかと思います。
栗山 経営者は生産性に対する意識が高いので、フジ子さんのようなサービスを使おうと考える思考回路がありますよね。ところで、サポート体制の構築状況はいかがですか。はじめて依頼する企業に対して、ファーストステップのケアはどのようにされているのでしょうか。
山田 “どこまで依頼してよいかわからない”という場合には、とりあえず思いつくものをToDoリストのように書き出していただきます。業務によっては担当部門との調整が必要になる部分がありますが、役割分担の調整という意味でも、実際に手を動かす現場の方とすり合わせしながら手配をしていきます。
栗山 まずは利用者も“これはできないだろう”といった先入観を持たずに相談をしてみることが重要ということですね。話を伺う限りでも、オンラインアシスタントは人手不足の解消に寄与するような気がしますが、日本ではまだまだ一般的な手法とは言い切れませんよね。山田社長が考える普及へのトリガーはどのようなものでしょう。
山田 米国は大陸自体が大きいということがあり、例えばシリコンバレーのような地域では出社が必要でなくても人手がほしいという仕事がたくさんあったために普及が進んだのだと思います。一方で日本はというと、都市部の人口密度が高いため、人材の需要と供給が完結してしまい、トリガーが無かったと見ています。しかしコロナ禍をきっかけにリモートワークやテレビ会議が普及したため、企業でITを使うレベルが飛躍的に上がり、オンラインアシスタントが利用されるようになってきたものと考えています
実は米国では、7割の企業がバーチャルアシスタントを活用しているという統計がありますが、日本では弊社調べで3%程度となっています。米国とは市場規模が違うため、日本においては、様々な代替サービスとそのパイを奪い合い、多様化しするとみていますが、今後もさらにオンラインアシスタントの利用が進んでいくことは間違いありません。
栗山 代替サービスとしては、どのようなものがありますか。
山田 もともとあるものとしては基本的に自社採用や求人広告、人材派遣があります。しかし中小企業は大企業と比べて採用に苦戦する企業が多く、それらを活用して成功するのは簡単ではないですよね。そうすると社長が友達に声をかけたり、求人誌に広告を出して、面接に来た人をとりあえず採用するしかありません。また、社長や役員が手を動かさざるを得ないケースも往々にしてあるかと思います。中小企業においては、人を採用すること自体がリスクになりかねないので、採用を諦めて、どうしても既存メンバーで限界ギリギリまで頑張ってしまいがちです。
栗山 なぜアメリカではバーチャルアシスタントに投げることがポピュラーになったのでしょう。
山田 アメリカの起業チーム構成でよくあるのが、CEOとCTO、そしてバーチャルアシスタントの3人で、しかもバーチャルオフィスで起業するというパターンです。CEOはビジネスのスケールに、CTOはプロダクト開発に全力を尽くすので、ノンコア業務はアシスタントに任せているそうです。アメリカにはバーチャルアシスタントの登場以前からアシスタントを活用する文化がありました。ほとんどのエグゼクティブにアシスタントが付いているので、その流れから来ているのだと思います。
日本における秘書にも似ていますが、それは一部の大企業の役員のための制度でしかありません。アメリカにはアシスタントをうまく活用する文化があり、自分がすべきところと人がすべきところを分担し、合理的にビジネスを進める人が多い印象です。
栗山 先日、御社のプレスリリースで発表されていた、「日本のビジネスパーソンの3人に1人が、平均労働時間における最大6割もの時間をノンコア業務に追われている」という話が印象的でした。私自身も思い当たる節があります。
山田 “ノンコア業務を外にだしていこう”というマインドが、ようやく日本のビジネスパーソンの間でも徐々に生まれてきているように感じています。その一方で、ため込んでいる企業もまだまだたくさんあるということにも気づかされましたし、そういった会社ほど、コア業務に注力すれば伸ばせるポテンシャルがまだまだあるということです。
また、ノンコア業務を構築するためにみなさんは勉強されていますよね。スタートアップの起業家が経理を勉強したり、採用のために労務の勉強をしていますが、なんだかもったいないような気がします。私たちは企業の成長フェーズに応じてアドバイスできるので、コア業務だけに集中してもらい、一般的なノウハウやオペレーションの部分は頼っていただければと思います。ノンコア業務には各社共通部分がたくさんあるので、日本社会全体で共有できれば良いですよね。
栗山 頑張ったら自分でもできるので、スタートアップや中小企業はコスト的な観点でのガンバリズムがあるのでしょうね。確かに経営者としては、そこではなくもっとほかの仕事に注力すべきなのでしょうけれども……。本来であれば、起業家や経営者ほど、オンラインアシストを活用すべきなのでしょうね。
山田 おっしゃる通り、弊社サービスには起業するリスクを下げられるという側面があります。起業におけるコスト面での二大リスクは地代家賃と人件費。地代家賃は、バーチャルオフィスやレンタルオフィスが普及してきているので、かなり変動費化されかつリーズナブルになりました。人件費もオンラインアシスタントを活用すれば、地代家賃と同様に変動費化出来、リーズナブルになります。この2つが解消されることにより、起業家はこれまでよりもはるかに低リスクで起業することが可能になります。
弊社のサービスは月額3万円(税抜)からご利用可能です。法人だけでなく、個人事業主でも契約ができるので、この金額感であれば、例えば会社を設立する以前、副業から事業をはじめる際にも、本業のお給料の中からバーチャルオフィス代やバーチャルアシスタント代も賄える範疇かと思います。会社に属しながら、副業として起業をする準備を無理なく進めることができるので、こういった活用方法がマジョリティになってくれば、さらに起業家が安心して事業に取り組めるようになるのでないでしょうか。
栗山 しかも営業や経理など特定業務だけではなく、フジ子さんというひとつの窓口に様々な業務を依頼できるのは大きいですよね。
山田 最近は、会計ソフトを導入していれば、とても安価に対応してくれる税理士さんが増えてきました。その代わり、処理自体は自社でそれなりに対応しなければならないので、その点をハードルに感じる方もいらっしゃるかもしれません。フジ子さんは、会計ソフトの導入準備から導入後の運用まで対応しています。また給料計算や労務管理においても同様のことが言えます。安価で、洗練されたツールとそれを使いこなすフジ子さんがいれば、起業家はコア業務に専念できるのです。
栗山 SaaSを使いこなすにも人手が必要ですが、フジ子さんがSaaSの導入サポートだけでなく、オンボーディングまで回してくれるのであれば、こちらとして安心してトライができるということですね。
山田 おっしゃる通りです。我々は中立な立場でSaaSサービスを評価したうえでおすすめしています。フジ子さんを活用するようになって、自社のDXが進んだという企業様が多くいらっしゃいます。そもそも中小企業でDXが進まない理由として、“ITに関わる人材がいない”というものがあげられます。アナログな環境で業務を続けてきた社員のみなさんは、その会社の仕組み自体は理解していても、他社の効率的なやり方の事例を知っているわけではありません。フジ子さんは、そういった外部知見を持ち込み、その会社にとって最適なDXを提案できるのです。どんなツールを選択すべきか、どうやって使うのかと悩んだときに、フジ子さんに相談していただきたいのです。フジ子さんは「アシスタント」なので、そういった相談もできると思っていない方がたくさんいるというのが課題ですね。PRONIさんとも業務提携していて、発注先探しの課題や調べもの、相見積もりは「PRONIアイミツ」を使う仕組みも出来上がっています。
栗山 困っていることを何でも相談できるようになるには、利用者とフジ子さんと間の信頼関係が重要になりそうですね。
山田 そうですね。中には、依頼した仕事だけをしっかりやってくれればいいというスタンスのお客様もいらっしゃいますが、難しい仕事をどんどん依頼してくださっている方ほど、しっかり対応してきた実績が積みあがることで信頼関係も深まっているのではないかと感じています。弊社は毎月契約内容の見直しが可能ですが、95%以上の方が翌月も継続利用をされており、長い人では2017年の創業来から継続利用されている方もいます。
栗山 確かに、こちらが依頼したこと以上のものが返ってくると、さらに信頼関係も深まりますよね。素晴らしいサービスであることは間違いないのですが、さらにこのオンラインアシスタントという仕組みを、日本で普及させていくために御社はどのようなことに取り組んでいきますか。
山田 オンラインアシスタントを活用することで、業務の効率化が図れるのは間違いないので、その活用術をさらに練り上げていきたいと考えています。例えば「会計freee」と「労務freee」のそれぞれの作業を、エクセルのマクロやRPAで繋ぐケース。これまでに経験してきた数多くのケースを元に、これらをもっと練りに練って自動化する提案を行っていきたいと考えています。社名を「BPOテクノロジー」にリブランディングしたのも、そういった意味が込められています。ユーザーのみなさんには効率化で、ITの恩恵を還元していきたいです。
栗山 テクノロジードリブンな会社になっていくということだと思いますが、一方で御社の強みは温かみのある人であるフジ子さんだと思います。それは相反するものではなく、人とテックが両軸にあるという考え方でしょうか。
山田 時代によって、最適なブレンドが変わると考えています。領域によってヒトが担うものとテクノロジーが担うものが移り変わっていくはずです。例えば、現在のバックオフィス業務において、AIが担う領域はまだ数%であり、人がやることがたくさん残っています。しかしその割合が徐々に変わったとしても、人が行う絶対量は変わらないと考えています。むしろ人はAIのさらに先のことを行うことになると思います。
もちろん、弊社アシスタントに依頼する内容も変わってきます。例えば会社のチャットボットの調子がおかしいからと依頼され、フジ子さんがチャットボットを改修するということがあるかもしれません。役割が代わりながら進んでいくという感覚です。我々がITスキルの高さを武器に、ノーコードやローコード開発に対応していくことで、さらにご活用いただけるシーンは増えていくと想定しています。
栗山 1社に1人、フジ子さんがいてもおかしくない時代になりそうですね。日本全国の法人400万社に届くイメージはありますか。
山田 バーチャルアシスタントがレンタルオフィスやバーチャルオフィスと同じくらいに当たり前の選択肢になる未来を常に思い描いています。そのためには経営者の皆さんにも、“ノンコア業務については、誰かに聞けば教えてもらえる世の中になっている”ということをご理解いただきたいですね。世の中にすでにあるプログラムをコピーすればいいだけなのに、自分でイチから作ってしまうことを指す「車輪の再発明」というエンジニアの言葉があります。バックオフィスのノウハウも同様に、コピーすればいいだけなのにゼロから勉強しているということがあらゆる場面で起きています。それらに費やす時間をもっとプロダクトや顧客開発に注いでいただけるようフジ子さんがサポートしていきたいですね。
(PRONI代表 栗山規夫の編集後記)
ビジネスを推進するのに欠かせないのがオペレーションの確保ですが、このオペレーションに時間を割かれている経営者は意外と多いと思います。経理処理、採用業務、資料作成といったオペレーションをノンコア業務としたとき、私自身も主に創業時には20-30%の工数を割き、自分ひとりで取り組んでいたこともあります。夜遅くまで頑張っていることで遣り甲斐を感じてしまったり…というのは経営者であれば誰でも感じたことはあるでしょう。
各部門におけるオペレーションの「ムリ、ムダ、ムラ」は、ビジネスが未成熟な中小企業やスタートアップにとっては必ず存在するでしょう。日本の未来を見据えると、圧倒的な人手不足になることは確実です。経営者自らが率先してノンコア業務を手放し、会社全体の生産性を上げていく覚悟を持つことが必要になると思います。これまでのように、とにかく採用(パートや派遣社員を直接雇用)することを必ずしも美徳とせず、オンライン上にアシスタントを持つ発想は、これからのスタンダードとして広まっていくでしょう。