ホワイトペーパー
絶対に失敗しない発注先探しの鉄則【便利な発注先チェックリスト20選付き】
事業企画 、総務 、情報システム
集客力・売上を上げるために、検索エンジン上で上位表示を狙うSEO対策。BtoC、BtoBを問わず、ネットビジネスにおいて基本中の基本施策と認識されているが、自社にあった対策を講じている企業はそれほど多くはない。特に中小企業においてはその傾向は顕著で、自社の素晴らしいサービスの情報が消費者に届いていない、“もったいない”企業が多くあるという。Google社の激しい方針の変化にも併せながら、最適な施策を打つためには内製化ではなく、やはりプロの力が必要となる。今回は、2018年末にローンチ以来、圧倒的な支持を集めるSEOツール「TACT SEO」を提供する株式会社ウィルゲートを訪問。「TACT SEO」の事業責任者を務める、古谷勝氏とPRONI代表・栗山が、SEO最新動向と未来、そして「TACT SEO」の機能性について語り合った。
インタビュー先のプロフィール
ウィルゲートは、2006年に中小企業向けのWebマーケティング支援会社として創業。
現在は、SEOを中心としたWebマーケティングのコンサルティング・コンテンツ作成のリソースの提供・SEOの内製化を支援しています。「TACT SEO」はウィルゲートが累計3,300社(2023年4月時点)以上のSEOコンサルティングの知見をもとに開発した、狙ったキーワードで上位表示するためのSEOツールです。5,000社以上(2023年4月時点)のSEO対策に取り組む企業様にご利用いただいています。
古谷 勝 様
聞き手
栗山規夫
PRONI株式会社 代表取締役 Founder
三菱商事、DeNAを経て、2012年にPRONI株式会社(旧社名ユニラボ)を創業。BtoB受発注プラットフォーム「PRONIアイミツ」を立ち上げ、10年で現在の規模に育てた。新たな仕事に挑戦するビジネスパーソンの「発注力」を上げることを目標に、日本のDXを進める優良企業の経営者、ビジネスリーダーのインタビューを実施。
栗山 古谷さまの自己紹介からお願いできますか。
古谷 ウィルゲートには2011年に新卒の1期生として入社し、新規のお客様相手の営業を5年、SEOのコンサルタントを4年ほど担当しました。その後、「TACT SEO」の立ち上げに携わり、2018年末にローンチしました。
「TACT SEO」はもともと社内向けに立ち上げたツールです。以前は社内のSEOコンサルタントが1人で10社~20社ほどを担当していました。しかし、その過程で分析調査や記事の構成に多くの時間がかかっており、この効率性を改善しようという考えから生まれました。
このツールを活用した分析結果をお客様に見せていたところ、非常に反応が良く、「このツールを使わせてほしい」という声が何件か出てきました。その要望に応え、SEOツールとして世の中に広めていこうと考え、サービス化したという経緯があります。
栗山 社内で使っていたものをサービス化するというのは、理想的な流れですね。「TACT SEO」の機能について教えていただけますか。
古谷 「TACT SEO」はSEO課題の素早い抽出や業務効率化の機能を備えたSEOツールです。特徴は以下の4つです。
栗山 延べ5,000社を超えるお客様から支持を受ける理由は何だと考えていますか。
古谷 「TACT SEO」はお客様のSEO業務に合わせて設計され、使いやすさが高く評価されています。弊社も自社メディアの運営を通じて、社内でSEO業務を行っているため、お客様の業務フローに合致するツールを提供できている点が挙げられます。SEOで成果を出すにはいくつかのポイントがあり、それらを効率的に実現できるため、お客様から支持を得ていると考えています。
お客様は対策キーワードの決定から記事の構成、執筆、効果検証、リライトといった一連のフローを実施しますが、「TACT SEO」はこれらのフローをトータルサポートします。他社の製品では分析結果は提供されるものの、具体的な文章の校正は不可能だったりします。しかし、「TACT SEO」を使えばボタン操作だけで記事の骨組みを作成し、ChatGPTを活用して文章を生成できます。これにより、SEO要件を満たす記事をわずか30分で作成できるのです。
記事の執筆には通常、5~6時間かかるか、外注に時間とコストをかける必要がありますが、「TACT SEO」を活用すればこれらの作業の時間とコストを半減させることができます。ChatGPTとの機能連携により、上位表示したいキーワードを登録することで、上位表示しているページを参考とした効果的な記事構成を作成できるようになりました。これまでSEO対策の要件を盛り込んだ記事の執筆に困っていた方も、こちらの機能を活用することにより、SEO対策観点の質を向上させ、さらに作業の効率化をしていくことが可能になります。
栗山 どのような企業がどのようなニーズで契約されているのでしょうか。
古谷 弊社はツールを単純に提供するだけでなく、目標達成のための戦略設計も併せて提供しています。お客様の目標や課題に応じて「TACT SEO」を最適に活用する方法を提案し、お客様に貢献しています。
業界に関わらず、さまざまな企業から契約いただいています。また、お客様のSEOの知識レベルにも幅があり、初心者から上級者まで幅広い層に利用されています。具体的には、SEOの知識が豊富なお客様が約3割、あまり詳しくないお客様が約2割で、残りはその中間の層ですが、基本的にはSEOを自走して取り組んでいるお客様が多い点が特徴です。最近では、SEOの更なる内製化に向けて、コンサルティングを交えながら伴走していくサービスも人気が高いです。
また、BtoBの企業が3割、BtoCの企業が6割を占め、残りはSEO会社や広告代理店です。BtoCの企業の中には求人系、不動産、クリニックなど、さまざまな分野の企業が含まれています。
栗山 SEOに限らず、コンサルティングサービスとツール提供の組み合わせは相反する所があるので、相性が良くない感じもしますが、いかがですか。
古谷 確かに、コンサルティングとツールの組み合わせは難しい側面があります。最初のアプローチで、お客様のニーズが異なります。一部のお客様はSEOの改善提案や運用を完全に外部委託したいと考え、月額50万円ほどのコンサルティングサービスを選択します。一方、内製化を望むお客様はツールを希望します。そして、最初はコンサルティングを受けたいが将来的には内製化したいというお客様には、コンサルティングとツールの組み合わせを提供しています。お客様の現状コンディションと将来構想を踏まえて提案を変えていくような感じです。「TACT SEO」は無料でお試し利用も可能ですが、実践的なシーンでご活用いただく場合は、月額9万円~のプロフェッショナルプランを選択頂くことが多いです。
ツールの解約率はごく僅かですが、解約理由としては、ツールを使いこなせないことによって成果が出ないためという理由が多いと感じています。なのでここ1年で、カスタマーサクセスのサポートについては強化をしています。多くのSEOツールは1対1のサポートを数回して、「あとは自分たちでやってね」という感じのところが多いのですが、私たちは解約したお客様の要因を調査して、それに合わせた1対複数人の勉強会を週に2回行っています。そこに参加していただければ、ある程度は自分たちで作業していけるようになっています。それによって使いこなせるお客様も増えています。
栗山 「TACT SEO」を使おうとするお客様の心構えはどのようなものを想定していますか。
古谷 まだ事業が成熟していない企業や中小企業など、予算が限られている企業が主に対象となります。SEOの重要性は認識していても、大規模な投資は難しいと感じているお客様が多いです。そのため、中小企業のお客様が多い印象です。また、SEOに初めて取り組むというお客様よりは、すでにSEO対策をしていたが失敗してしまい、悩んだ結果「TACT SEO」を使うというお客様が多い印象です。多くのお客様はSEOに取り組む意欲はあるものの、実際の成果がどれくらい期待できるのかが見えないという方も多いです。そのため、営業の段階で「TACT SEO」を使ってここまでの成果が期待できます」と具体的な提案を行っています。
栗山 SEOコンサルティングの老舗企業は多く存在しますが、ツールの提供まで展開している会社はそれほど多くはなさそうですね。
古谷 同じようなSEOツールを提供する競合は5社ほど存在しますが、現時点でChatGPTを活用しているのは私たちを含めて2社だけです。他社との優位性は、「成果につながる分析機能」「充実したサポート体制」、そして「目標達成に向けた戦略設計」にあります。
栗山 発注される人のSEOリテラシーはどのように変化していると感じますか。
古谷 全体的には向上していると思います。昔は上位表示する方法などの前提知識が不足している方が多かったのですが、その部分は理解している方が少しずつ増えてきました。一方で、SEOに関する知識が不足している方も未だに存在します。SEOについては、改善の余地がある企業が依然として多いと考えています。検索結果で1位に表示される場合と5位に表示される場合では、クリックされる率が約5倍も異なります。したがって、1位や2位を独占している企業は非常に強力ですが、そうでない企業が圧倒的に多いのが現実です。そのため、2位以下の企業には改善の余地があることを示し、「TACT SEO」のツールの価値を理解していただけるお客様が増えています。多くの場合、うまくいっていると勘違いしている方もいらっしゃいますが、実際には改善の余地があるお客様がたくさんいらっしゃるというのが現状です。
栗山 分析してしっかりと見える化することも大切ですが、一方で適切なタイミングでの“辞め時の判断”が難しいこともあります。例えば、必ずしも3位以内を目指すのではなく10位以内入賞を合格ラインとする場合などもありえると思います。その場合、どのような提案を行いますか。
古谷 すべてのキーワードで1位を狙うのは無謀ですので、そのような提案は行いません。しかし、どこまで取り組むべきかについては、外部のツールを活用して競合他社との差を評価し、まだ成長の余地があるのか、あるいは現状を維持するべきかをお伝えします。
自社のウェブサイト単体を見ると、うまくいっているように思えることもありますが、私たちが提供するデータは競合他社との比較から派生します。このアプローチにより、成長ポテンシャルや改善すべき課題が明確になります。
栗山 経験や勘で判断するのではなく、きちんと数値で判断しているツールですね。SEOがうまくいかない理由はなんでしょうか。
古谷 SEOにおいて、上位表示を実現するためには主要な要因として、コンテンツの評価、リンクの評価、内部施策の評価という3つの要素があります。これらの要素のいずれかが欠けてしまうと、効果的な結果を得るのが難しくなります。重要なのは、どの要素に問題があるのかを正確に特定し、修正することです。一部の企業は、重要性の低い要素に時間とリソースを割いてしまうことがあります。たとえば、「とにかく多くのコンテンツを制作しよう」というアプローチは、本当に重要なところに手を回すことができないまま時間を浪費することになりかねません。
また、SEO戦略を立てる際には、一連のステップを踏む必要があります。それは「評価」「優先順位付け」「改善」「効果検証」といったステップです。このステップのいずれかを欠落させてしまうと、成果を上げるのが難しくなります。まず、「評価」では、自社がSEOを行うべきかどうか、競争相手との差異を評価することが求められます。さらに、自社サイトのドメインパワーも考慮する必要があります。次に、「優先順位付け」では、具体的なSEO課題を特定し、それらに優先度をつけてアクションプランを策定します。その後、「改善」フェーズで実際に課題に取り組み、最後に「効果検証」で取り組みの成果を評価します。これらのステップが欠けてしまうと、効果を上げるのが難しくなります。
栗山 クライアントの初期的な仮説や発注内容を疑い、「そもそも対策方針を変えましょう」といった提案も行うことはありますか。
古谷 営業段階で、クライアントに提案する際には、そのようなアプローチを取ることもあります。クライアントが攻略しようとしている分野が、検索ニーズが少ない場合などは、提案段階で調査を行い、営業プロセスで攻略しやすい方向性を示すようにしています。特に中小企業の経営者は、SEOの知識を持ちつつ、ビジネスの方向性を柔軟に変更する決断が重要であると考えています。
栗山 貴社ツールは、ChatGPTを活用している点がユニークだと思いますが、どのようなレベルの記事ができあがるのでしょうか。
古谷 当社では、SEOの記事品質を100点満点で評価すると、大よそSEO観点で50点、ユーザー観点で50点の内訳になると考えています。TACT SEOを活用すればSEO観点ではベストが尽くせますので50点評価として、問題はユーザ観点での評価です。現時点のChatGPTによる記事作成力では、内容の正しさや読みやすさの観点では、最大でも20点くらいと考えており、残りの30点は、ライターさんによる修正・加筆が必要になるとお伝えしてます。ただし、0から記事を作ることに比べると遥かに記事作成スピードが上がり、結果的にコスト削減に繋がりますのでChatGPTの活用は非常に有効であると言えます。
栗山 今後、進化が期待されている生成AIによって、Googleを始めとする検索エンジンの検索結果がどう変化すると考えていますか。
古谷 生成AIが進化し続けることで、検索結果は大きく変化する可能性が高いと考えています。生成AIによる検索結果がこれまでの検索結果に加わることで、検索ワードによって表示される結果が大きく変動する可能性も考えられます。
今年の夏にGoogleからも発表がありましたが、生成 AI による検索体験はSGE(Search Generative Experience)と呼ばれ、新しいタイプの質問に答えたり、情報整理の仕方が進化することに期待が高まっています。
栗山 ChatGPT の情報源は、従来のWebサイトからコンテンツを取っている訳ですよね。これはどう考えていけば良いですか?
古谷 これから研究が必要なテーマだと考えています。SGEは、Webサイト上の情報をGoogleが引っ張ってきています。SEOで言えばコンテンツの量やドメインのパワーが関係していますが、SGEはそれらが関係なく、コンテンツの中身の良し悪しで検索結果に表示されるかが変わってきます。そのロジックが分かれば、それに対応する新たなSEO対策の方針が作れるので、そこにチャンスが生まれるとも考えています。
栗山 これから数年は激動しそうですね。今まで以上にSEOのプロと一緒になって対策していかないと最新トレンドに追いつけないですね。
古谷 その通りです。SEOは複雑で頻繁に変化する分野であり、専門知識と経験が必要です。経営者の方もSEOに関する基本的な知識を持つことは重要ですが、専門的な戦略や対策については、私たちSEOのプロフェッショナルと連携し、戦略を立てて実行することが必要です。
栗山 SEO対策に失敗したくないと考えたとき、中小企業経営者が認識すべきことはありますか。
古谷 キーワードを決めて、調査やアイデア出し、タイトル作成などを進める中で、人がやるべきこととChatGPTがやるべきことを分けることが重要です。例えば、ChatGPTで生成した文章はどうしても似通ってしまうので、キーワードの適切な配置や工夫が必要ですが、そこは人間が得とする部分です。それぞれの役割を最適化させることが重要です。
また、SEOの成功にはドメインのパワーの向上も不可欠です。ドメインのパワーを高めるためには、高品質なバックリンクの獲得やコンテンツの質の向上が必要です。半年といった短期でもパワーを上げることが可能ですが、中長期目線でコツコツと積み上げて資産化していくことも重要です。この辺はこれまでと変わらないものと思います。
栗山 SEOは経営者と担当者、貴社のようなプロフェッショナルパートナー企業とのゴール目線のすり合わせがとても重要ですね。ありがとうございました。
(PRONI代表 栗山規夫の編集後記)
ChatGPTやBardなど、生成AIの台頭によって、検索エンジンの表示結果が大きく変わるであろうと言われています。この節目のような時代を目の前にし、従来のSEO対策の煩雑なコンテンツ作成ノウハウや対策フローを凝縮し、ツールとコンサルティングサービスの組み合わせで、事業拡大を図るウィルゲート社のように、SEO担当者の羅針盤となるような会社もまた業績を伸ばしています。多くの中小企業、スタートアップにとって、有料広告を始める前に取り組むことが多いとされるSEOですが、以前に比べてその難易度は高まっているように感じています。検索エンジンのアルゴリズム変更等、時世の流れに合わせながら、ユーザーニーズに答え続け、成果を上げるためには、その道のプロフェッショナルとの連携が必要になるときがくるのでしょう。SEOへの情熱の塊のようなウィルゲート社の皆さんからは、いつもそういった意気込みを感じることが多いです。