ホワイトペーパー
絶対に失敗しない発注先探しの鉄則【便利な発注先チェックリスト20選付き】
事業企画 、総務 、情報システム
B2B受発注プラットフォーム「PRONIアイミツ」を運営するPRONI。同社の急成長を支えるSEOに危機が迫った2021年春のGoogleコアアップデート。創業以来、プラットフォーム事業のSEO体制構築は、100%内製を貫いてきた同社だが、状況を打破する為に外部パートナーとのコンサルティング契約に踏み切る差配をしたのは、取締役の中村哲郎。中長期のビジョン達成を目指し、10年来の知人であるJADE社伊東に共同プロジェクトを打診、以来2年間に渡り信頼関係を築いてきた。数々の厳しい制約条件の中、見事にV字回復を遂げたその背景と手腕に迫る。
インタビュー先のプロフィール
JADEでは、「インターネットをよくする」をミッションに掲げ、検索エンジン最適化、Web広告運用、コンテンツマーケティング、GA4 (Google Analytics 4) 設定・運用、GA4 / GSC 向け BigQuery 管理代行などのサービスを展開しています。
SEOに関しては、大規模ウェブサービスから中規模サイトまで、日本でトップの知識と経験を持つメンバーが、独自のSEOフレームワークを用いて、検索エンジン最適化と検索体験最適化を同時に行い、検索流入とそこからの事業成長のご支援をいたします。
伊東 周晃 様
村山 佑介 様
聞き手
中村哲朗
PRONI株式会社 取締役
2007年に株式会社カカクコムへ入社。グルメサイト「食べログ」の初期に参画し事業化を推進。飲食店販促支援、ネット予約ビジネスを中心に拡大。2013年より食べログ本部長。2014年よりカカクコム執行役員。食べログの事業拡大を実現した後、2019年より飲食領域の中長期の成長戦略策定と新規事業を担当し複数事業を立ち上げる。2021年に株式会社ユニラボ(現PRONI株式会社)に入社。取締役を務める。
中村 2021年、春のコアアップデートにより、SEOの順位が一定程度下落してしまったことがきっかけです。それにより売上が短期的に下がるというビジネスモデルではありませんが、
「受発注のインフラ」を目指す弊社にとって、検索エンジンで発注先(ベンダー)探しをするユーザーへのリーチは非常に重要なチャネルとして、経営上の重点課題でもありました。
マーケティング部門、営業部門が協力し合い、私たちなりに情報収集や分析も行い、Core Web Vitalsの改善や大量投下していたコンテンツの改善という2軸で挽回を図っていました。ところが社内で把握している課題を解決しても簡単に順位は戻りませんでした。社内メンバーの知見だけでは回復が難しいと判断し、藁にもすがる思いで、急いで外部パートナー探しを始めました。
とはいえ、いくつもの会社を比較する時間もなく、ほぼJADE一択で検討を進めることにしました。実は、こちらの伊東代表とは10年ほど前からの知人で、JADEに転職をされたことは知っていました。そして、小手先のSEOテクニックだけでなく、本質的にwebサイトの運営をどうしていくかを考え、成果を出していることを聞いていました。
時間的に急いでいたのもありましたし、お話をさせていただいたときに“依頼した方がいい”という自分の中で納得感がありました。こういった状況下においては、3カ月でどうこうするのも難しいので、“一緒にやっていく”という思いを共有する必要があります。なので、商談の際、伊東さんに、その腹が据わっているかの確認をしたつもりでした。すると伊東さんから「成果が出なければ契約を打ち切っても良い」といわれて感銘を受け、発注を決めました。
伊東 PRONIの窓口の方々はとても熱心に情報収集などを行っていました。しかし若干偏っていたり、少々古かったり間違っている情報を真に受けていたりする部分もあったように感じました。検索エンジンでSEOに関する情報を収集する際、中には必ずしも正しくない情報も散らばっており、それを正として受け取ってしまうのは仕方がないことだと思っています。事業会社にとってはビジネスを伸ばすことが最重要で、SEOに関する情報収集だけを熱心にやれないのは当然のことと思います。それに比べると、PRONIは熱心に情報収集をしていると感じました。
確かに、コアアップデートのタイミングでトラフィックが落ちていると感じました。コアアップデートで落ちるというのは、ページ単位での評価の問題ではなく、サイトをトータルで見たときのGoogleからの評価の部分に課題があると考えられるので、個々を部分最適するというよりは、アイミツサイト全体の構造改革も必要だと思いました。また、実際にweb解析データも共有していただく中で、訪れるユーザーの体験部分をもう少し改善するアプローチも必要だと感じました。
当初Core Web Vitalsの低評価が自然検索順位に影響しているという見立てをお持ちのようだったのですが、たしかにGoogleはCore Web Vitalsを押してはいますが、実際Core Web Vitalsに関してはランキングに与える影響は基本的に軽微なので、それをメインイシューとして取り組んでも、大きな改善は難しいと感じました。また、コンテンツは確かに大量に投下していましたが、“サステイナブルではない”とも感じました。要するに、記事を作った分の成果しか出ない状態です。インデックスされていない記事があったり、意図的にインデックスを外している記事もあるので、どちらかと言うと量で攻めるより、大事な問題箇所を特定して、そこを磨くというアプローチで進むのが理想だと思いました。
村山 Googleのコアアップデートで評価が下がってしまうサイトの中には、メディア型のサイトが多くあります。コンテンツが大量にあり、webサイトがメディアと見なされてしまった結果、あるタイミングで失速してしまうという例は、これまでアイミツ以外のwebサイトでも拝見してきました。
反対に、そのタイミングで落ちにくいサイトの特徴としては、メディア型ではないサイトです。アイミツでいうと、今のサービスリストやサービスページのようなコンテンツを持っているwebサイトとなります。従来のアイミツでは、このままコンテンツを大量に投入し続けても、いつかはスケールしづらくなってしまうので、DB型に注力することにし、webサイトとしての評価やプロダクトの評価を再認識してもらうことを最終着目点にさせていただきました。
中村 アイミツは当時、システムリプレイスを始めている段階にありました。1年ほどかかる大型プロジェクトで、その期間は大きなシステム開発ができません。なのでサイトの構造改革をしなければならないとなっても、その期間でできることは限られています。しかも、短期の成果は追わなければならないという環境の中でどうするか、という答えを出さなくてはなりません。JADEはその状況を理解してくださいましたし、“短期の成果をどう出すか?” についても、共同プロジェクトとして考えてくださったので、一緒に歩んでいけそうだと考えました。
定例会議は月に一度、2時間程度行い、さらにSlackで随時相談させていただける環境にもなっています。しかし月に一度の定例ですべて済ませようということではなく、大きな開発ができない中で、細かな試行錯誤を続けていくので、一つの思想に基づいて進めない限り、部分最適の積み重ねになってしまいます。よって一つひとつの施策を共有させていただき、それに対するアドバイスも細かくいただきながら進めてきました。
中村 当初、私たちから契約期間を半年間でと依頼しましたが、SEOの性質上、半年間では難しいという回答でした。伊東さんからは「6カ月の支援だけをするのではなく、その後も貢献できるようなプロジェクトにしたい」とお話いただき、私もその気持ちで契約をさせていただきました。契約期間的には最初は半年でしたが、半年で終わるものではないという点は双方合意の上で開始となりました。
また、伊東さんからは「貢献できていないと感じれば、契約期間の途中でも解約して構わない」というお話もいただきました。それがハッピーな結果だとは思っていませんが、共同プロジェクトとして、運命共同体としてやっていくという気概が感じられる発言だと感銘を受けました。
伊東 私たちは、SEOの性質上、長期的に取り組んだ方が良いということを理解してくださったお客様と契約しています。3カ月という期間では、おそらくセットアップしただけで終わってしまいますので、「まず1年」という契約期間でお話をさせていただきます。そのうえで、予算などの関係で調整させていただくのが一般的な流れです。そうなると半年間になるケースもありますが、半年でゴールに至ることはほとんどありません。SEOはサイト運営そのものなので、広告とは少し違います。サイトの運営管理そのものを最適化した結果、集客に繋がるというものです。
中村 アイミツのシステムリプレイスが終わったのは2022年5月です。そこから開発が本格的に進めるようになったので、同年の年末頃から徐々に成果が出はじめました。新規事業として取り組んでいるアイミツSaaSについても早々に成果が上がっています。ご支援いただき、ご相談させていただきながら進めてきた施策が、プラスに働いているのは間違いないと感じています。
村山 弊社から提供している情報の中には、サイト分析によるご提案以外に、“このジャンルではこのようなサイトが伸びている、または下がっている”というトレンドであったり、webマーケティング全般に関するニュースなども提供させていただいています。中でも他社サイトの成功例として、「こうではないか」と情報提供するようなコンテンツを紹介させていただいたら、早速、貴社で採用いただき、webサイトの目立つところに「診断コンテンツ」という形で設置いただきました。これは非常にポジティブな変化のひとつだと感じています。
中村 他業界の成功手法については、表面上の変化は見たり聞いたりしていても、それが“実際にどうなのか”まではわかりません。JADEは、webサイトやデータをくまなく見ている中で、今のwebの中でユーザーに対してどう働いているか、なぜ良いのかという点のヒントをくれます。それを自分たちでも見て触って、どう応用するかを企画していきますが、そういった動きが以前に比べてはるかに多くなってきて、その結果、成果にも繋がっていると感じています。
中村 短期的な成果だけではなく、中長期で世の中に我々のサービスを広めるためにすべきことを、一緒にやらせていただいているパートナーだと思っています。外部のパートナーという垣根はあまりなく、同じ覚悟をもってやらせていただいているプロジェクトメンバーという感覚ですね。この2年間、ご一緒させていただいて、さらに最近ではお願いする範囲を拡大させていただきました。検索連動広告の運用も依頼し、すでに成果が上がり始めています。
伊東 私たちは、クライアントに対してご一緒させていただく際には事前にきちんとお話をさせていただき、お互いにしっかりと合意を取れるようにしています。その中で、万が一ギャップがあり期待に沿えない場合は、お互いにとって良くないことだと思っているので、無理に長くやったり、契約のための契約をするというのは意味がありません。また私の立場では、他のコンサルタントメンバーが望ましくない座組で支援し続けるという状況も見たくないので、支援したい会社を支援させていただくという姿勢は、大事なこととして追求していきたいですね。現実の状況と折り合いを付けながら、理想の形を追っていきたいと思っています。
中村 発注するのも簡単ですし、辞めることも簡単です。しかし発注することが目的ではありませんし、受注することが目的でもありません。かといって、成果が出なかったから辞めるということが目的でもない中で、お互いが同じゴールに向かう限りは、お互いがしっかりと続けられる状態になり続けることが重要だと思います。そして、お互いが「良かったね」と感じられる結果にする過程をどう作り上げるかが、中期プロジェクトにおいては重要だと思います。
伊東 おっしゃるとおり、同じ方向性を向いているかどうかが重要です。契約後のコアアップデートのタイミングで順位が落ちなかったというのがチェックポイントのひとつとしてあり、そのタイミングで伸び始めたのは村山とも一緒に喜びました。コアアップデートは半年ごとにあるので、我々から提案はしますが実際に実装するのはお客様です。今回は提案と実装の両輪がとても上手くいったと思っています。
中村 成果を出すのは我々の役割ですが、間違った方向性では成果も出ないので、そこをご支援いただいているという感覚ですね。そのためには、お互いが同じゴールを認識していなければ、方向性が正しいかどうかの認識もできません。プロジェクトの中で役割を分けているというイメージですね。
伊東 今、SEOに関する情報は世の中にたくさんあるので、「このサイトのSEOで大事なことをひとまずたくさん列挙して」というお題を出すと、我々が挙げるリストと事業会社でSEOに詳しい方が挙げるリストはあまり変わらないと思います。しかし、そこから本当に大切な1個を選ぶとなるとチョイスが変わってくるので、その1個が選べるかどうかが、プロとしてやらせてもらっているかどうかだと思います。今回はそれが良いチョイスだったから、成果につながったと思いますね。
伊東 弊社はもともとデータ分析に基づいた技術的なSEOの支援に強みを持っている会社で、トラフィックや取扱いアイテム数が多いなど大規模な会社との取引も多くさせていただいています。弊社ファウンダーの長山は、Googleで自然検索まわりの知見や実務、日本のwebマスターとのコミュニケーションを担っていた経験を生かし、これまでに多くのプロジェクトで監修を行っています。
そういった背景から大規模な会社の支援を強みとしている一方で、最近はメンバーが増えスキルの多様性が広がる中で、BtoBのサービスやコンテンツ周りのご支援も得意としています。共通しているのは“データドリブン”でご支援するという点です。トラフィックなどお客様がお持ちのデータをお預かりしながらですが、我々で編集加工させていただき、ダッシュボードを作って、お互いが見えるようにしています。提案プロセスに関してもなるべく透明性を持たせていて、基本的にNotionというツールを使い、資料など見える形にしています。
これまで支援させていただいた会社数は50社ほど、業種も多種多様です。お客様の中には大規模な会社もありますし、ビジネスとして芽が出るのはこれからという会社でも、“世の中にこんなサービスがあるといいな”と思えるものはご支援させていただいたこともあります。
村山 “データドリブン”について補足しますと、最近では、GA4やサーチコンソールなど、各種SEOまわりのデータをお客様と共有できるようなプラットフォームを構築しています。弊社だけでダッシュボードを触れるというわけではなく、お客様でもご自身でダッシュボードを操作していただき、そのデータに対してリーチできるのは、今、日本にあるSEOの企業のなかでもユニークだと思っています。
伊東 SEOに関しては、誠実な会社もちゃんとある一方で、検索エンジンのガイドラインを無視した提案をするところも少なからず存在するというのが悩ましいですし、私たちも課題だと思っています。見分けるポイントとしては、例えば成果コミットが強すぎる会社は怪しいかもしれませんね。発注される会社さんからすると、会社から預かっている予算でどのようなリターンがあるかという提示をしなければならないので、メッセージはとても魅力的に映るかもしれませんが、SEOは成果が保証されるものではありません。
初めてSEOの発注をされる際は、HTMLやリンク、キーワードなど表面的な話に終始する会社よりも、発注元企業の事業の内容や市場、顧客の特徴、ビジネスの流れなどについて興味をもって質問をするところのほうが良いように思います。NDA締結前だと全てをオープンにすることは難しいかもしれませんが、事業の在り方がウェブサイトに結局は反映されますので契約前の重要なディスカッションポイントだと思っています。
村山 業界的に実績を公開しづらいので、なかなか判断が難しいかもしれませんね。やはり仲の良い人に聞くのが良いかもしれません。
伊東 今回、ご依頼をいただいたときに、中村さんからのオーダーが明確だったので、最初に信頼してもらうという点でいうと、そのオーダーに応えていくことが重要でした。それはSEOを改善するために、どこにリソースを投下すべきかという方向性で納得感が得られるものを提示して、その方向に進めるというものでした。「短期的には大型の取り組みができないから、クイックなものを提示してほしい」というオーダーだったので、まずはそれに対してきちんとお応えしましたね。そして変化を感じていただければ、我々が考えている「アイミツがこうなるといいな」という提案も聞いていただく余地ができます。一番困ってしまうのは、オーダーが明確でないことです。それに対して我々が向き合うことが信用してもらうきっかけや、判断基準になります。
村山 今のJADEのお客様との理想的な関係性というのは、お客様がスポーツチームで、JADEが監督やコーチという関係性がいいのかなと思います。オーダーに対してアドバイスや戦術、戦略などを提示することで、パフォーマンスが上がるということを体現していただくことも重要ですし、選手独自の努力やアイデアなどが無ければ、突き抜けずに止まってしまいます。なので、同じゴールを目指せる関係性で取り組めるのが一番良いのかなと思いますね。
中村 契約前に“自分たちが何を目指しているのか”“相手はどのような人達なのか”を理解してから、プロジェクトをスタートさせることが大事だと改めて実感しました。また、お互いを認めた上でスタートしなければ、共通のゴールに進むことも難しいと思うので、最初に信頼関係がありつつ、協同プロジェクトの中でお互いが信頼を積み重ねるべく、お互いのプロフェッショナルさを発揮していくことが成果に繋がりますし、長いお付き合いにもなると思います。もちろん成果は上げたいのですが、SEOコンサルタントという領域においては、短期で成果を出すというよりは、我々が正しい方向性に進めているのかどうかということのチェックをお互いにできていたからこそ、この2年間があったのだと思います。成果を追っているのは我々ですが、その実現のためにどのような方向性で進むのかは、お互いに納得しながら進めていく、そのためにも信頼関係やコミットはとても重要だと思います。
納品や提案で終わりというものではないので、協働の成熟度をお互いに上げた方が良い状態になると思います。なので、双方がそれを意識できるかどうかが重要という話ですね。
会社名:株式会社JADE
JADEでは、「インターネットをよくする」をミッションに掲げ、検索エンジン最適化、Web広告運用、コンテンツマーケティング、GA4 (Google Analytics 4) 設定・運用、GA4 / GSC 向け BigQuery 管理代行などのサービスを展開しています。
SEOに関しては、大規模ウェブサービスから中規模サイトまで、日本でトップの知識と経験を持つメンバーが、独自のSEOフレームワークを用いて、検索エンジン最適化と検索体験最適化を同時に行い、検索流入とそこからの事業成長のご支援をいたします。
代表取締役:伊東 周晃
所在地:東京都千代田区外神田 4-7-11 クロスシー秋葉原ビル12階
設立 :2019年5月7日
URL :https://ja.dev/
事業内容: JADE は、自然なグロースとあるべきインテグリティをコンセプトに、ウェブサービス向けのコンサルティングなどの事業を展開しています。