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株式会社リチカ ロゴ

株式会社リチカ

組織と個人の変化を乗り越えられたのは、プロの存在があったから。外部の力を頼る際に意識したいリチカ流「2つの鉄則」とは?

2024.02.08
PRONIアイミツご活用事例 株式会社リチカ

会社を立ち上げグロースさせていく過程において、実現させたいことは次々と生まれる。しかしそこには「リソース不足の壁」が立ちはだかり、その度にさまざまな観点で悩むこととなる。

採用するか、外注するか。自社でノウハウを獲得するか、外部の知見を借りるか。そうして内製と外注を使い分けながら、会社のグロースの歴史は刻まれていく。

この度スタートするのは「内製vs外注」という観点で会社の歴史を振り返る新企画。第1弾となる今回は、株式会社リチカ取締役 Co-CEO・中西佑樹氏をお迎えし、組織と個人の変化のポイントで、どのようにして外部のプロの力を活用してきたかを伺った。

インタビュー先のプロフィール

株式会社リチカ

https://richka.co.jp/

2014年10月14日設立。「Switch to The RICH. クリエイティブで、世界を豊かに。」をミッションに、クリエイティブ領域に強みを持つテクノロジー企業。社名は「より良く、より豊かにする」という意味の「リッチ化」に由来する。高いソフトウェア開発力を強みとし、企業のデジタル広告やマーケティングの課題に取り組む。誰でも簡単にマーケティング動画や静止画を量産・改善できるクラウドサービス「リチカ クラウドスタジオ」、戦略・制作・運用までデジタル施策を一気通貫で支援するプロフェッショナルサービス「RICHKA CREATIVE FIRM」を中心にサービスを展開し、クリエイティブテックカンパニーとして数多くの企業を支援する。

中西 佑樹 様 写真

中西 佑樹 様

取締役 Co-CEO

聞き手

聞き手 栗山規夫

栗山規夫

PRONI株式会社 代表取締役 Founder

三菱商事、DeNAを経て、2012年にPRONI株式会社(旧社名ユニラボ)を創業。BtoB受発注プラットフォーム「PRONIアイミツ」を立ち上げ、10年で現在の規模に育てた。新たな仕事に挑戦するビジネスパーソンの「発注力」を上げることを目標に、日本のDXを進める優良企業の経営者、ビジネスリーダーのインタビューを実施。

スキルのみならず、“自分の考えに近いプロ”にどのようにして出会うのか


ーー本日は、「内製or外注」をテーマとした新シリーズの第1弾ということで、リチカのCo-CEO中西さんにお越しいただきました。まずは、リチカの事業と中西さんの現在の役割について教えていただけますか?


中西 2014年に設立した株式会社リチカは、「Switch to The RICH. クリエイティブで、世界を豊かに。」をミッションに掲げ、クリエイティブ領域に強みを持つテクノロジー企業です。誰でも簡単にマーケティング動画や静止画を量産・改善できるクラウドサービス「リチカ クラウドスタジオ」をはじめ、プロマーケターの業務を再現する生成AIプロダクトを「RICHKA AiDist」など、AIを活用した高いソフトウェア開発力を強みとしており、企業のデジタル広告やマーケティングの課題に取り組んでいます。


私の役割としては、2023年1月より取締役という立場と、Co-CEOという立場でコーポレート全般を見ています。私がリチカに参画した2019年まで遡ってお話しすると、当初は事業統括として、2021年より取締役COOという立場で仕事をしていました。そこから、今年1月に代表取締役の松尾との共同CEO制度を導入することになりCo-CEOに就任した流れです。


栗山 弊社が2012年設立なので、会社としてはほぼ同期なんですね。COOのときは、会社のどのような部分を見ていたのですか?


中西 事業サイドがメインで、事業計画と経営計画に基づき目標を達成する、という部分をやっていました。立場的には事業サイドという形なので、その中で事業管掌役員としてプロダクトやクリエイティブとのやり取りもしていたというのが、去年までですね。


栗山 そこから2023年1月にCo-CEOに就任されたのは、どのような流れがあったのでしょうか?


中西 リチカはこれから多角化していくことを経営目標の一つに置いているので、今のタイミングから新規事業をしっかりと仕込んだ方がいいね、という考えがありました。なので、代表取締役の松尾が新規事業を仕込む役割、私が既存事業を持つ役割ということで、Co-CEO体制でやっていこうとスタートしたのが、2023年でしたね。


リチカに参画する以前には経営者という立場も経験しましたが、キャリアを通じてずっと事業サイドを見てきたんです。それが、2023年11月からは組織管掌役員という未経験のポジションにつくことになりました。


これまでも経営陣としてコーポレートや組織という部分に関わってはいたものの、今のように完全に役割として担う経験はなかったんですよね。


ただ経営として、組織・コーポレートサイドを強化し、より筋肉質な組織を構築することは必須と考えていました。そのため、取締役かつCo-CEOという役割で組織・コーポレートにコミットすることが、よりレバレッジが効くと思い私が管掌することになりました。


インタビューの様子


栗山 なるほど、人事の専門家というバックグラウンドではないものの、中西さんの場合は創業に近いフェーズからリチカに所属されてきたからこそ、会社やカルチャーへの理解という部分がアドバンテージになっているんですね。


組織を率いるとなったときに、外部の知見を頼りにいったようなことはありましたか?


中西 まず前提の部分からお話しすると、人事をはじめとするバックオフィス組織というのは事業や企業価値を最大化させるために存在しています。現場で日々発生する個別の問題はもちろん解決しないといけないんですが、2〜4年ぐらい先の事業や会社を強くするためのバックオフィス・コーポレート組織であるべき、という考えです。


ただバックオフィスって、人事一筋なん十年、とか、管理担当から管理のトップになるとか、その畑をずっと行っている人が多いですよね。人事×経営みたいな人材となると非常に少ない。それだと、事業を伸ばすための組織とか、事業を伸ばすためのコーポレートを作る場合には、どこか抜けが生じるケースがあるかなと思っているんです。


その上で、私の考えに近いその道のプロの方を探したときに……なんと、出会えたんですよね(笑)。


栗山 その外部の方は、どうやって見つけたんですか?ご自身の思考と近い人であったり、その上で知見を得られそうな人って、出会うのが難しそうですが。


中西 その方は本当にたまたまなんですけど、採用の候補者としていらっしゃった方で。コンサルを経て、経営企画×人事みたいなことをされていました。


一度カジュアル面談をしてコミュニケーションを取ってみると、すぐに「この人すごいな」というのがわかったんです。そこで、お手伝いをお願いすることになったのが出会いでした。


栗山さんも、創業から社長業をする中でさまざまな役割の変化が生じてきたと思うのですが、その中でプロに頼ったのはどのようなタイミングでしたか?


栗山 そうですね。私は自己資本で経営する時代が長くあったのですが、そのときは経理みたいな機能はあるものの、ファイナンスの役割はなくて。それで、VCから出資を受けてグロースさせようとなった瞬間に「え、ファイナンスって何?」というところからのスタートだったんですよね。


DeNAという大きな会社で役員をやっていたので結構多くのものを見てきたつもりだったのですが、ファイナンスだけはまったく知見がなかった。PLは見ることができてもBSはほとんど知らない世界だったので、それこそイチから勉強しましたね。


そこで頼れる人を見つけて壁打ちをして、お腹いっぱいになるくらい散々やりました。やはり自分一人の力では決してできなかったんですよね。


中西 栗山さんの場合は、その専門家の方はどうやって見つけてきたんですか?


栗山 私は外部の業務委託や顧問の方など多くの方にお世話になったのですが、皆さん知人のネットワークでしたね。中西さんは、その業務委託の方にはどのような形で仕事をお願いしているんですか?


中西 2週間に1回、1〜2時間ディスカッションする感じです。私が今考えていることを実務的に落とすとどうなるのか、みたいな部分をアウトプットとして提出して、それに対してフィードバックをもらうような形でやっています。フィードバックをすることが彼の仕事なので、手を動かさなくていいということはお伝えしていますね。


例えば今だと、もうすぐ新しくリリースする評価制度の整備ですね。私が組織管掌役員になる前から、足掛け6ヶ月ぐらいで作り切っている感じです。


インタビューの様子


栗山 なるほど。そういった外部のアドバイザー的な方って、知見を出し切ってもらったらもう大丈夫です、となることもありますよね。でも、その方が価値を発揮し続けているのは、中西さん側からアウトプットを出し続けているというのも要因として大きいのかなと思ったのですが、外部の方を上手に活用するコツはありますか?


中西 外部の方にお願いする場合は、明確に役割を定義しますね。実は私がリチカに参画した最初は、業務委託からのスタートだったんです。当時はさまざまな会社に業務委託として関わっていたんですよね。


そこでの経験から、「なんとなくこの人は良さそうだから」と契約するのは、結果としてお互いハッピーではないと考えています。我々が先方に対して期待していることを言語化し、これでいけますか?どうですか?というすり合わせをした上でスタートするのは非常に大切かなと思います。逆に期待していないこと・やらなくていいことも明確にお伝えしていますね。


今回の人事アドバイザーの方についてでいうと、依頼事項は当初から明確に決まっていたんですよね。


私がCo-CEOになっての初仕事として、2023年の1月に我々のバリューズという行動指針を変えました。理由としては、会社が上手く機能していないなと思ったからなんです。じゃあ経営者でしか打てない手は何か?を考えたときに出てきたのが、バリューズやミッションを変えることだったんです。そこでまず、バリューズをまず変えたと。


次に、ミッションの定義も明確にしました。そして、そこからさらに生じた課題が、このミッションに紐付く評価制度になっていないことだったんですね。ここまで来たタイミングで、ちょうどその方と出会いました。


彼は、ミッションというところからすべての施策を考えなければいけない。ミッションに紐づいて、評価もあれば事業計画もある、というコンセプトをお持ちでした。それはまさに、私が今やろうとしていることであり、彼がこれまでずっとやってきたことだったんです。


なので、まずは評価制度を作るところを一緒にやらせてください、ということでスタートした感じですね。で、評価制度が整備されると、次はそれがマネジメントのシステムなんかに変わってくるんですよ。そうしてどんどん数珠繋ぎにやるべきことが増えてくる形で、「この人は底が知れないな」と感じて、長い期間にわたりお付き合いをさせていただいているんです。


プロの知見を活用しながら自走力をつける。リチカ流の外部のプロとの関わり方とは?


ーーここまでは、中西さんの役割の変遷と、その中でのプロの関わり方というお話を伺いました。ここからは、会社や事業のフェーズが変化する中で、どのようにリチカの顧客獲得手法が変化してきたかについてもお伺いしたいと思います。


中西 私が参画した2019年当時のリチカは、制作機能を持ちつつも、SaaSをスタートし始めたぐらいの時期で、今の「リチカ クラウドスタジオ」がリリースされてすぐのタイミングでした。


そこからさらに遡ると、純粋な制作会社として経営していた時期もあったんです。そのような背景から、制作会社の課題や、制作工程の大変な部分を解決したいという思いで、新規事業を展開していきました。プロダクト自体も「誰でも簡単に動画が作れる動画編集ツール」のようなコンセプトでしたね。


とにかく珍しかったということもあり、当初ターゲットとして想定していた制作会社の方以外にも、さまざまなお客様からお問い合わせをいただきました。


初手で一気にグンと伸びて、順調に事業が成長したのはよかったのですが……。一方で、さまざまなお客様がいらっしゃって、用途もニーズも多岐にわたる上に量も膨大なので、とにかくプロダクトの機能をどんどん拡張させたんです。


するとそれに伴って、カスタマーサクセスも当然複雑化していったんですよね。そうなると次は、それぞれの用途で専門性がある人間を採用する必要が出てくる。そうしてさまざまな要素が複雑性を増してきたところで、事業も伸びなくなりました。伸びなくなったというか、急拡大のあとに少し鈍化していった感じですね。あれは非常に辛かったです。


インタビューの様子


中西 そこで、顧客をフォーカスしなければならないという問題に辿り着いたんですよね。現状の顧客や外的要因を調べた中で見ると、とくにデジタル広告の領域が上手くいっていたんです。であれば、絞るなら広告領域だよね、と。


さらにその流れを後押ししてくれたのが、当時ヤフーやフェイスブックからクリエイティブパートナーのお声がけをいただいたことです。彼らには、広告主がクリエイティブを作れないゆえに、広告出稿量が伸びないということが課題としてありました。なので、我々のようなクリエイティブ作れるところを担いで広告主に使っていただき、広告出稿量を伸ばしたいという狙いがあったんだと思います。


そこから完全に顧客を広告領域にフォーカスしたら、またグッと伸びていったんです。そのタイミングで、次は顧客の規模を絞る決断もしました。


もともとは企業規模を絞らずにやっていたのですが、そうすると小規模、大規模それぞれでまったく異なる課題があったりして。そこで今後の戦略としてどちらに寄せるかという話になったときに、大企業に積極的に提案していこうとなりました。


栗山 なるほど。とはいえ、エンタープライズ向けにセールスを展開していくとなると、アカウントを開くところから苦戦するケースが多いと思うのですが。


中西 我々の場合は、それ以前から大手のお客様は結構いらっしゃったんですよね。それであればそうした特徴を生かして、完全に組織をエンタープライズ向けにグッと寄せて、SaaSのみならずプラスオンのソリューション型の提供をすることによって、事業を拡張できるのではないかと考えました。このタイミングで組織図をだいぶいじって、エンタープライズ組織を作りましたね。


栗山 エンタープライズのアカウントがそもそもあったことは当然強みだと思うのですが、すでに上手くいっている企業やセールス部隊の事例をしっかりと取り入れていく必要がありますよね。このあたりでも、外部のプロの力を頼ることがあったのでしょうか?


中西 そうですね。我々が取っているのはインターネット広告の三兆円の市場ですが、そこを大きく占めているのは広告代理店なんですよね。なので、彼らがどのように営業してきたのかということが結構大事だと考えていて。


ただ、我々がこれまで採用してきたのは、短期でスパンと案件を取ってくるような、いわゆるTHE MODEL型にアジャストできるような人材だったんですね。なので、いい感じに人間関係を構築しながらインサイドセールスしていくようなことに慣れているメンバーが、そもそもいませんでした。


なので、それに特化した人材を新規採用しつつ、それと並行して広告代理店のようなところに勤めている方やそこである程度の役職に就いている方、とくに営業戦略を考えてきたような方にアドバイザーで入っていただいています。この方も、たまたま採用面接でいらっしゃった方なんですが。今は営業戦略から組織図、それぞれのアカウントをどれだけ深掘りしていくかというABM戦略の部分を壁打ちしながらやっています。


栗山 壁打ちはどのように行っているんですか?


中西 その方とは、執行役員の長谷山がメインで会話しています。例えば、今何個かあるアカウントに対してどう深掘りするかだったり、これをどう作っていくか?みたいなところを、その日ごとにテーマを設定してやっていくような感じです。



インタビューの様子


栗山 なんでも任せるだけでは上手くいきませんよね。これまで外部のプロにお任せする中で、失敗した経験はありますか?


中西 我々はまあまあ失敗していますよ(笑)。なんとなく軽い感じで「手伝ってくださいよ」とゆるく始めてしまって、失敗しているケースがやはり多いですね。お互いに期待値調整をしないまま走り始めるような、今とは真逆のことをやっていましたね。


栗山 期待値調整は大事ですよね。


中西 そうですね。なので、今はオファーのドキュメントをかなり細かく書いているんです。なぜあなたにこのオファーを出しているのか、どのような役割をしてほしいのかを短・中・長期で期待値設定して、それをベースにオファー面談でディスカッションをして着地させます。それは業務委託でも中途採用でも同じですね。栗山さんは、印象的な失敗談はありますか?


栗山 超安い税理士にお願いしたこと(笑)。


中西 あるあるですね(笑)。


栗山 あとは、制作や開発なんかになると自分でもわからないので、期待値調整ができないまま進んでしまって、後々になって不満が生じるようなケースもありました。


中西 我々はずっと制作会社やってきたので、近いことが起きますね。最初は進捗いいんだけど、最後に出したらまったく違うみたいな。あとは例えば、もう少し高級感が欲しいんですよね、というふんわりしたオーダーに対して「高級感とは?」に悩んだりとか。


なので、外部の活用において事前の期待値調整は非常に大切な部分だと思います。



外部の力を頼るだけでなく、頼る側も主体的に動くことがプロの知見を最大限に活用する鍵となる


ーー中西さんの役割、そして会社のフェーズが変化する中で、外部のプロを活用したエピソードを伺いました。その中での失敗談も含めて、外部のプロを活用する際に大切なことがいくつか共通して見えてきましたね。


中西 振り返ってみると、そうですね。外部のプロを上手に活用する上では、最終的な成果をイニシエーション段階でしっかりと握ることが大切だと思います。あとは、活用する側である我々が、主体的にアウトプットを出し続けること。この2つに尽きると思います。


栗山 中西さんは、新しい領域で攻めようとなったときに、プロの知見を頼るというのもひとつの方法ですが、他にはどのようにアイデアを形成したり、ノウハウを仕入れたりしているのでしょうか?


中西 私は新しい領域に入るときは、その領域の本を死ぬほど読んでいます。十冊ぐらい読むと共通項が出てくるので、その共通項がおそらく本質であるというところからスタートしますね。それが個人であっても会社であっても、同じような感じで情報収集から始めます。


栗山 そういったやり方というのは、メンバーの方に教育もされているのでしょうか?


中西 そこが今まさに課題だと思っていて。私がコーポレートに入っているのも、まさにそういう上から下、下から上の情報流通が上手く機能していなかったと感じているからなんです。その情報流通の経路をどうするかという部分を、設計をしているところです。


栗山 仕組みが大切なんですね。


中西 確実にそうだといえます。誰がどう決めるかという権限を決めたものに関しては、それを守る。もし無理であれば、ルールを変えるみたいな。そのようにルールを軸に動くことを徹底して、会社に浸透させようとしているのが今のフェーズですね。


インタビューの様子


栗山 今後の会社経営にあたり、外部の知見を借りたいテーマはどのようなものがありますか?


中西 今だと、情報セキュリティ周りやIT周りというのは欲しいですね。


この部分って、会社のあらゆる業務を効率化することに繋がると思うんです。いわゆる社内DXに近いのかもしれないのですが、その部分は私がまだ触ったことがなかったり、詳しく聞きにいける人がいなかったりするので、アドバイスをいただける方がいればいいですね。


栗山 なるほど。情報セキュリティは、IPO準備の文脈だったりしますか?


中西 IPOのために必要だからやるというよりも、先人たちが会社を拡大するために取り組んできた「正しいこと」が、必然的にIPOの要件になってきたのだと思っているんですね。


なぜそのような制度が作られたのか、なぜこのようなことをしないといけないのかという本質的な部分まで理解して正しく実行することが、会社の成長に繋がると思ってやっています。


私のテーマはやはりどこまでいっても「事業を伸ばすために組織をどう作るか」です。だから、人事の仕事であれ、セキュリティの仕事であれ、すごく楽しいんです。これからも、プロの力を借りながら、フェーズごとに必要とされたポジションを担える存在でありたいですね。


発注の流儀


(PRONI代表 栗山規夫の編集後記)

今回は株式会社リチカ 中西さんを取材しました。自己資本によるweb制作会社の経営から、大型資金調達を経て、SaaS×Solutionというビジネスモデルに舵を切った同社の経営術について学ぶことができました。


遠くの経営ビジョンを見つめながら、足元の経営方針をその都度最適化することはそう簡単ではありません。経営における「転機」をどうデザインするか。組織を動かし、成功に繋げていく過程で多くの困難が生じます。中西さんは、数多くの外部知見を頼り、本を読み漁り、プロフェッショナルと出会い、必要な知見を取り入れてきたとのこと。内製vs外注というテーマで始まった取材でしたが、中西さんの経営哲学やビジネススタイルに大きな刺激を受け、勉強になりました。


より良く、より豊かにする「リッチ化」が社名由来との事ですが、積極的に外部知見を取り入れることで、会社を前進させ、ミッション実現に向けての組織づくりを目指しているという信念にも共感を持った次第です。


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