コミュニケーション研修の内容と効果を解説!おすすめのゲームも紹介【2024年最新版】
ビジネスにおいて、コミュニケーションが必要なのは社内だけではありません。社外の取引先や支社とのやりとり、場合によっては海外拠点などとの円滑なコミュニケーション能力も、ビジネスパーソンに求められます。また、近年在宅ワークやテレワークなど勤務形態が多様化するなかで、さらにコミュニケーションは重要となるでしょう。
しかしNHKの調査では、多くの会社が対面機会の減少とともに「個人のコミュニケーションスキル低下」も懸念しています。つまり、コミュニケーションに課題を感じる企業の64%が、社員のコミュニケーション能力に不安を持っている現状が明らかになっています。
このようにICTの発達により変化するコミュニケーション手段や、機会減少によるコミュニケーションスキルの低下などを背景に、組織内外での意思疎通スキルやコツを学べる「コミュニケーション研修」が注目されています。
本記事では、社員のコミュニケーションスキル向上を考える担当者の方に向けて、
・コミュニケーション研修を受講することでなにを学べるのか?
・スキルを学ぶことによってどのようなメリットが得られるのか?
など、具体的な研修方法を含めて解説していきます。
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コミュニケーション研修の内容
ビジネスシーンにおける意思疎通を円滑にするスキルや、コツを学ぶのがコミュニケーション研修ですが、社内での立場や役職によって学ぶべきことは微妙に異なります。
そのため、グループディスカッションで実施する社会人基礎コミュニケーション研修や、部下の指導に特化したロールプレイング研修、管理職に向けた面談力向上のためのコミュニケーション研修など、対象・目的に応じた多様な研修が存在するのです。
しかしどの研修を受講する場合でも、学ぶべきコミュニケーションスキルの基本は変わらないともいえます。具体的に解説していきましょう。
職場におけるコミュニケーションの現状把握
コミュニケーション能力の改善に限ったことではありませんが、課題を解決するにはまず現状を把握しなければなりません。ビジネスシーンにおける自分自身のコミュニケーション能力を正確に把握し、課題がどこにあるのかを明確にするのです。このため、コミュニケーション研修はアセスメント(評価テスト)の実施によって、自分自身の課題を理解することからはじめる場合が多くなります。
アセスメントによって明確にされた課題は、「アサーション」を基本にしたコミュニケーションスキルを学ぶことで改善していく、という流れの研修が増えているのも近年の特徴といえます。アサーションとは、相手を尊重しながらも、自身の要求や感情を誠実に率直に伝えられる態度や考え方のことです。
言葉遣い
アサーションを基本にしたコミュニケーション研修では、さまざまなビジネスシーンに応じた適切な「言葉遣い」の習得が土台になります。ビジネスマナーにも通じる要素ですが、立場や役職、世代や価値観も異なる相手との関係を良好に保ちながら信頼関係を築いていくには、TPOに応じた適切な言葉遣いで相手を尊重し、親しみのなかにもけじめを持った接し方を習得しなければなりません。
もちろん、コミュニケーション研修の目的や対象者によって、言葉遣いの習得がどの程度重視されるかは異なります。ビジネス経験の少ない、新入社員を対象にした社会人基礎コミュニケーション研修などでは、敬語の使い方をはじめ、重要視される要素だといえるでしょう。
傾聴力
円滑なコミュニケーションを実現するには、自分の意見を伝えるだけでなく、意思疎通の行き違いを減らし、相手の考えを理解しなければなりません。そのための重要な要素が「傾聴力」であり、コミュニケーション研修でも重視される要素です。
傾聴力とは、相手の言葉を理解するだけでなく、表情や声のトーンを含めて相手の考えや感情に寄り添う力であり、相手の話を聞くだけでなく注意深く聴くためのスキルだといえるでしょう。傾聴力が高ければ、多くを語らなくともスムーズなコミュニケーションが実現し、相手からの信頼感も得られます。
相手の動きと自分を同調させるミラーリング、相手の話を理解したことを確認させるバックトラッキングなど、コミュニケーション研修では傾聴力の具体的なテクニックも学ぶことができるでしょう。
伝える力
相手を尊重した言葉遣いや、相手を理解できる傾聴力を身につけても、自身の要求や感情を誠実に率直に伝えられなければ、スムーズなコミュニケーションは実現できません。特に商談や交渉の場で自身の要求を伝えられなければ、相手にとって有利な条件しか引き出せないでしょう。
アサーションを基本としたコミュニケーション研修では、自身の意見を「どう伝えるか?」に焦点が当てられており、以下のような自己表現方法スキルが求められます。
・感情を適切に表現できる
・対等な立場で相手と接することができる
・率直に依頼できる
・ノーを適切にいえる
・人を褒め、褒め言葉を受け入れられる
・怒りの感情をコントロールできる
・批判を建設的に行える
・相手の批判に対処できる
コミュニケーション研修ではこれらのスキルそれぞれを自己採点し、課題を意識しながらロールプレイングによる疑似体験を重ね、コミュニケーションスキルを学んでいきます。
コミュニケーション研修の効果
多くの企業が社員のコミュニケーション能力低下を不安視していること、コミュニケーション研修を受講することでどのようなスキルが学べるのかを解説してきました。
それでは、社員が高いコミュニケーションスキルを身に付けることによって、企業はどのようなメリットが得られるのでしょうか?2つに絞って解説していきます。
職場が活性化する
「ビジネス・コミュニケーション白書2018」の調査結果によれば、円滑な社内コミュニケーションを阻害する要因として、「世代間(意識や価値観)のギャップ」「インフォーマルな関係の減少」が挙げられています。
雇用形態の多様化や成果主義の進展、減らない業務量など、その要因はさまざまなものが考えられますが、社内コミュニケーション不全によって生じるのは「不機嫌な職場」に代表される、断絶された関係性から生じる停滞です。
コミュニケーション研修によって、従業員個々のコミュニケーションスキルを向上させ、タテ・ヨコ・全体の風通しが良くなれば、ビジョンの共有・情報やノウハウの共有による業務効率化・交流やお互いを高める意識が働き、職場がポジティブな方向に活性化されるでしょう。
コミュニケーション不足による伝達ミスが減る
NHK放送研修センターによる「ビジネス・コミュニケーション調査」の調査結果では、社員のコミュニケーションでもっとも大きな課題だと思われる要素として、「報告・連絡・相談が不足している」が挙げられています。対面コミュニケーション機会の減少とともに、多くの企業で報告・連絡・相談不足が生じている現状がわかります。
こうしたコミュニケーション不足は、情報共有が進まないばかりか、チーム間や上司・部下間での伝達ミスの要因となり、最悪取引先や顧客とのトラブルにも発展しかねません。重要な情報が共有されないことによって、業務の進行や目標達成にも支障をきたしてしまうでしょう。
コミュニケーション研修によって情報共有の重要度、報告・連絡・相談の重要度の理解が進めば、コミュニケーション不足による伝達ミス、それによって引き起こされるトラブルを未然に防ぐことができるのはもちろん、スムーズな業務進行も期待できます。
業務の効率化
社内でコミュニケーションが円滑に進まなければ、社員間での「報連相」の質が下がります。結果「必要な書類の作成についての連絡が遅れ、納期に間に合わなかった」「まったく同じ内容の仕事を別の人も行ってしまった」など、仕事の重複や抜けなどが頻発し、業務効率の低下を招きます。
しかし、コミュニケーションが盛んであれば、仕事に必要な情報をスムーズに共有できるため、連絡上のミスが起こりにくくなり、結果業務効率は向上するでしょう。また「報連相」がスムーズに行えれば仕事の失敗も減るため、社員の業務に対する意欲も上がり、個人個人の業務効率向上にも期待できます。
離職率の低下
リクナビが転職経験者100人に調査したところによれば、退職の理由として1位に上司・経営者との人間関係、3位に同僚・先輩・後輩との人間関係がランクインしています。1位と3位の合計は36%で、約4割が人間関係を原因に退職している計算です。
コミュニケーションは人と人の信頼を結ぶものであり、社員間でのつながりが強くなれば周囲の人間にも気軽に相談しやすくなります。また悩んでいる本人のコミュニケーションスキルが向上できれば、原因となっている人物との関係性改善にも期待ができるでしょう。
コミュニケーション研修で得られるスキル
ここでは、コミュニケーション研修で得られるスキルを2つご紹介します。
発言の真意を読み取る
日本人のコミュニケーション特性として、「本音をストレートにぶつけない」というものがあります。これは相手を傷つけず円満な関係を築くために大切なものですが、本当に伝えたいことが伝わりにくいという欠点があります。これにより意思疎通に時間がかかる、もしくは本来の意図と違う業務を行ってしまうなどのトラブルに繋がる可能性もあるでしょう。
しかし、コミュニケーションスキルが向上すれば、発言から真意を洞察することが可能です。意見の食い違いもなくなるため、結果的に「報連相」の質向上にも期待できます。
自分の意見が発言できる
社会で働いていると、クライアントや上司と関係が悪化することを恐れ、自分の考えを伝えることに躊躇することが多くあります。また一方で遠慮のいらない職場の仲間や家族に対しては感情的に要望を伝えてしまうなど、感情のコントロールができない人もいるでしょう。
しかし、コミュニケーションスキルが向上すれば、相手を尊重したままで、自分の気持ちを正しく伝えられるようになります。これは職場の関係性を円滑に進めるだけでなく、業績アップや顧客満足度の向上にも期待できるでしょう。
コミュニケーション研修は特に新入社員におすすめ
すでに解説したように、数多くの企業が社内コミュニケーションに課題を抱えるなか、対面機会の減少とともに、従業員間におけるタテ・ヨコ・全体のコミュニケーション不足が深刻化しています。企業内のあらゆる階層でコミュニケーションの問題が生じており、個々のスキル低下も改善していかなければならない問題だといえるでしょう。
なかでも、SNSがコミュニケーションの中心であり、ビジネス経験にも乏しい新入社員など若手社員の教育をどのように行うのかというのも、担当者にとって悩ましい問題です。テレワークをはじめとした雇用形態の多様化や、個人重視型の業務へのシフト傾向もあり、新入社員育成のリソースが社内に蓄積されていないケースが多いからです。
その意味においても、コミュニケーション研修は、新入社員を教育する手段のひとつとして非常に効果的だといえるでしょう。それは新入社員に求められるコミュニケーション能力として挙げられる要素のうち、「的確に説明・報告する能力」「相手の話をしっかり聞き取る能力」の2つが圧倒的な上位を占め、「適切な敬語を使う能力」がそれに続いていることからも明らかです。この3要素が、まさにコミュニケーション研修で学べることであるのは上述したとおりです。
もちろん中堅社員や管理層も、世代や価値観のギャップを乗り越え、新入社員とのスムーズなコミュニケーションを実現させる必要があります。タテのコミュニケーションを円滑にするためにも、目的や対象を中堅層に絞ったコミュニケーション研修実施も視野に入れるべきでしょう。
おすすめのコミュニケーションゲーム
それでは、従業員のコミュニケーションスキルを向上させるコミュニケーション研修は、具体的にどのような内容で進められるのでしょうか?新入社員向けに、グループディスカッションで実施する社会人基礎コミュニケーション研修を例に、ゲームを取り入れた研修方法をいくつか紹介していきます。
野球のポジション当てゲーム
「野球のポジション当てゲーム」は、1チーム4〜6名のグループを組み、30分という時間制限のなかでディスカッションし、適切な回答をグループ毎に導き出すゲームです。
明日の日曜日は関連会社の野球大会、ところが担当の係長は提出するはずのメンバー・ポジション表を出し忘れ、出張中のため連絡も取れません。土曜日のため野球部長や会社にも電話がつながらないなか、総務課員であるグループメンバーは、断片的に得られた情報を頼りに正確なメンバー・ポジション表を提出しなければならない、というのがゲームのルールです。
メンバーそれぞれに「センターはライトより背は高いが、足はライトの方が速い」など、断片的な情報が記載された「情報カード」が全部で14枚配られますが、お互いにカードを見せ合うのは禁止です。このため、グループメンバー全員が発言しなければ正解は導き出せません。
このゲームによって、得られることは大きく3つあります。
1.自分の持つ情報の報告・連絡、不明な情報についての相談という「コミュニケーションスキルの実践」
2.得られた情報から結論を論理的に導き出す「論理的な考え方・伝え方」
3.効率的に情報を伝えるための「辞表を使った情報整理」のノウハウ
NASAゲーム
「NASAゲーム」は、1チーム4〜6名のグループを組み、最初の5〜10分間を個人で考え、次の15〜20分間をグループ間の話し合いで合意形成した後、グループ毎に回答するコンセンサスゲームです。多数決などではないディスカッションを通じ、合意形成するのが目的です。
宇宙船の乗組員であるグループメンバーは、月面で待つ母船に向けて着陸を試みていました。しかし、故障のために母船から200マイル離れた場所に不時着せざるを得ず、その衝撃で宇宙船は破損して使用不能となったのです。母船に辿り着くには、完全な状態で残っていたアイテム15個とともに宇宙船を脱出しなければなりません。そのアイテムを重要度の高い順に1〜15位の順番を決定しなさい、というのがゲームのルールです。
15個のアイテムは「宇宙食」「ソーラー発電の携帯用暖房機」などであり、用意されたNASAの模範解答にもっとも近いチームが勝者です。
このゲームを通じて、
・「チームで考えることのメリット」が理解でき
・「合意形成する難しさ」を体感するとともに
・合意形成にいたるための「コミュニケーションスキル」のノウハウ
を養うことができると言われています。
ペーパータワーforビジネス
「ペーパータワーforビジネス」は、1チーム4〜6名のグループを組み、紙を使ってできるだけ高いペーパータワーを建てるチームビルディングに、経営の要素を加えた経営シミュレーションゲームです。
グループメンバーに与えられる紙は20枚。これを使って建てられたペーパータワーは1cm=10万円換算で売上として計上します。売上からチームメンバーへ給与を分配、税金を支払った残金で、次の期に備えた原材料=紙を1枚10万円で購入。このサイクルを4期繰り返し、最終的に給与の支払い総額がもっとも多かったチームが勝者、というのがゲームのルールです。
ルールの説明が行われた後は、紙を2枚だけ使用できる5分間の作戦タイム。次の5分間で話し合ったにようをもとに建築を実施します。計測・決算タイムを経て実際に行った建築の成功・失敗を振り返り、2〜4期に備えて準備する流れになります。
このゲームによって
・「企業経営の基礎」が学べるほか
・「チームビルディング」の体験や
・「PDCAサイクルによる改善方法」も学べるでしょう。
さらに、損益計算書の読み方や、PDCAチェックの実施方法などの講座を行うことで、より高い効果を得られるはずです。
【まとめ】コミュニケーション研修は職場環境の改善に役立つ!
ビジネス経験の浅い新入社員には、特に有効だと思われるコミュニケーション研修ですが、調査結果からもわかるように、コミュニケーション不足が顕著なのはチーム間・部署間などのヨコのつながりだけではありません。世代や価値観の違いから、若手社員とのコミュニケーションに悩む中間職・管理職の方も少なくないでしょう。
特に経験豊富な管理職であれば、自分自身のコミュニケーション能力を客観的に把握する機会も少なく、知らず知らずのうちにタテのコミュニケーションが断絶してしまっているケースもあります。こうした場合にもコミュニケーション研修は有効であり、タテ・ヨコ・全体の風通しが良くなってこそ、大きな職場環境の改善が期待できるのです。
しかし、目的や対象に応じたコミュニケーション研修を実施する研修会社は多数存在します。漠然と課題意識を抱えていても、実際に研修会社に依頼すべきなのか迷ってしまうことも多いでしょう。
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