クリティカルシンキングとは|ロジカルシンキングとの違いやメリット【2024年最新版】
これからの時代のビジネスシーンでは「考える力」がビジネスの成長や成否に大きく影響すると言われています。現在多くのビジネスマンが注目している思考法のひとつが、「クリティカルシンキング」です。当記事では、クリティカルシンキングの概要・メリット・デメリット・訓練方法について事例を交えてご紹介していきます。
【関連ページ】
社員研修にかかる費用・相場感や、あなたの目的別にクリティカルシンキング研修ができる社員研修会社をお探しいただけます。
社員研修を依頼する際の費用・相場
クリティカルシンキング研修ができる社員研修会社一覧
クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキング(critical thinking)とは、主観や思考の偏りを排除して物事を考える思考法のことです。「なぜ」「どうして」「本当か」といった批判的視点・疑問を持ち続けることで、考え方や意見をより実践的で妥当な方向へと振り向けることができるのが大きな特徴です。直訳すると批判的思考と訳されますが、物事を批判するのが目的ではなく、批判的視点から物事を捉えて考え方や意見に客観性を持たせることを目的としています。
クリティカルシンキングの重要性
かつては同じ価値観が長期的に継続していたため、物事の本質も普遍的であり見極めもさほど難しくははありませんでした。しかし、現代ではさまざまな価値観が入り乱れており短期間で変化してしまうため、物事の本質が見えづらくなっています。クリティカルシンキングの重要性が高まっている理由は、このような状況下でスムーズな問題解決や適切な判断を行うための有効な手段となるためです。実際に多くの企業・団体がクリティカルシンキングを活用しており、ビジネスの推進・成長に役立てています。
ロジカルシンキングとの違い
ロジカルシンキング、クリティカルシンキングはどちらもビジネスで活用される思考法ですが、以下の点において違いがあります。
・ロジカルシンキング(論理的思考)
直感や感覚を廃し、物事を論理的に考えて結論を導き出す思考法
・クリティカルシンキング(批判的思考)
物事を前提から疑い、状況・条件・考えを検証して本質を見極める思考法
前者だけでは前提となる情報の正誤を検証できず、後者だけではアクションに繋げることはできません。両者は相互に補完し合う関係性であり、基本的にセットで活用するものと認識しておきましょう。
クリティカルシンキングの例題
思考法の一種であるクリティカルシンキングは、概要や理論だけを学んでも活用方法・考え方のポイント・有用性を理解するのが難しい傾向にあります。そこでおすすめとなるのが、クリティカルシンキングの例題を参考にすることです。概要を理解しやすくなりますし、具体的な実践のイメージも掴むことができます。
クリティカルシンキングの例題1
【Aさんの主張】
「ECサイトの売上が伸び悩んでいる。新商品や目玉商品を増やすべきだ。」
【仮説】
・既存のアイテムが飽きられている
・顧客の興味を惹くアイテムが必要
・常に変化や刺激を提供すれば売上はあがるだろう
【批判・疑問】
・本当に既存アイテムは顧客に飽きられているのか?
・売上が伸び悩んでいるのはアイテムの魅力だけが原因か?
・まずは売上が伸び悩んでいる原因を徹底的に見直すのが先ではないか?
Aさんは自身の主観からアイテムの飽きが売上が伸びない原因と決めつけているが、根拠に乏しい。クリティカルシンキングを行ってみると考え方の方よりも明らかとなり、より現実的で妥当な打ち手が見出されている。
クリティカルシンキングの例題2
【Bさんの主張】
「コールセンター経験者を採用すれば離職率は低下するだろう。」
【仮説】
・不慣れな人材を採用するからすぐに辞めてしまう
・そもそも離職率が高い職種であるからある程度は仕方がない
・業務の厳しさを既に知っている人材であれば長く勤続してくれるだろう
【批判・疑問】
・離職率の高さは採用した人材のみに問題があるのか?
・職場環境や業務フローなど他に原因があるのではないか?
・根本的な問題を解決しなければ経験者でも辞めてしまうのではないか?
人材に問題があると決めつけているIさんの主張に対して、前提から疑うことでより客観的な視点から問題を捉えている。クリティカルシンキングを活用しなければ、自社の問題に目を向けることはできなかったでしょう。
「自社にあった会社が見つからない」「会社選びに時間が割けない」とお悩みの方は、お気軽に「アイミツ」にお問い合わせください。数ある社員研修会社からあなたの要望にあった会社をピックアップして無料でご紹介いたします。
クリティカルシンキング力の鍛え方
クリティカルシンキングは特別なスキルであるような印象を受けますが、概要・特性を理解して正しい訓練を繰り返せば、誰でもスキルを高めることができます。ここでは、クリティカルシンキング力の訓練方法について、具体事例を交えてご紹介します。これからクリティカルシンキングをビジネスに活用したい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
前提条件を疑い、本当に正しいか確認する
前提を疑い真偽を確認する力を鍛える方法は、以下のように前提となる情報から曖昧な言葉や不明瞭な言葉を意識的に探し出し、その真偽や根拠を調べることです。
「今回取り組む新規事業のマーケットは拡大傾向にある。広告予算を投下すれば売上が見込めるだろう。」
・マーケットの具体的な市場規模は?成長率は?
・広告予算はいくら?予想パフォーマンスは?
・いくらの売上が見込めるのか?
・経費は?利益率は?利益額は?
このように、前提に対して曖昧な箇所・不明瞭な言葉を抽出すると、確認すべき真偽・根拠が浮かび上がってきます。さまざまな情報で訓練を繰り返すことでスキルを養うことができます。
自分の固定観念や偏見に気づく
クリティカルシンキングでは、自身の固定観念・偏見を排除して客観的に物事を捉える力を養うことが重要。無意識下で作用する思考の癖や偏りを排除するには、以下のようなビジネスフレームワークを活用して物事を考える訓練を重ねるのがおすすめです。
・ロジックツリー
・3C
・PEST
・STP
・オズボーンのチェックリスト
一定の枠組みに当てはめることで、凝り固まった思考の癖や偏りを強制的に排除した思考を行うことができます。何度も繰り返し実践して、幅広く物事を捉える力を養っていきましょう。
クリティカルシンキングを身につけるプロセス
クリティカルシンキングを身に付けるには、まず概要・理論・事例をたくさん学んで知識的地盤を構築することが重要。しかし、それだけでは実践の場で活用できるスキルを身に付けることはできません。スキルを使いこなせるようになるには、以下のようなプロセスを何度も繰り返すことが必要です。
知識をインプットする
↓
自分なりにアウトプットしてみる
↓
アウトプットに対してフィードバックを受ける
↓
フィードバックをもとに考え方を改善
クリティカルシンキングは「思考法」であるため、獲得した知識をもとに実際に自分の頭で考えてみることが非常に重要です。他者からのフィードバックも加えることで、客観的視点を意識した思考力を身に付けることが可能となります。
クリティカルシンキングのメリット
ビジネスは決断や課題解決の連続であり、その精度が成果を大きく左右します。クリティカルシンキングを活用するメリットは、決断・課題解決の精度を高められることにあります。ここでは、ビジネスにクリティカルシンキングを活用することで得られる具体的なメリットについてご紹介します。
物事の本質を見極められる
情報が氾濫しており状況が目まぐるしく変化する現代のビジネスシーンでは、物事の本質が見え難くなっています。クリティカルシンキングでは、批判的な視点から物事の真偽・根拠・理由などについて繰り返し問うことで、本質を的確に見極められるのが大きなメリット。目標達成・課題解決の確度が高まり、決断・判断を誤るリスクも大きく低減することができます。現代のビジネスシーンで企業が継続的に事業を存続・成長させるためには必須のスキルと言えるでしょう。
幅広い視点が持てる
ビジネスシーンにおいて、目標達成や課題解決のために物事の本質を見極めなければならないケースは多くあります。しかし、物事を見極める際にはどうしても個人の主観が入り混じるため、視野狭窄・客観性欠如といった問題が生じがちです。クリティカルシンキングを活用すれば、多角的に何度も問いかけを行うことで、主観を排除して幅広い視点から物事を捉え、より良い判断や新しいアイデアの発想に繋げることが可能となります。得られる情報量・情報の質が高まることは、ビジネスを推進するうえで大きなメリットと言えるでしょう。
クリティカルシンキングのデメリット
クリティカルシンキングは、ビジネスにおいてさまざまなメリットをもたらす有用性の高いスキル・思考法となりますが、デメリットもあります。クリティカルシンキングを使いこなすのであれば、デメリットについて把握しておき、払拭する方法を考えておくことが重要。以下に解説していますので、ぜひご参考下さい。
ただの批判や否定になってしまうことがある
クリティカルシンキングの代表的なデメリットが、「批判的思考」という定義・概念に囚われてしまい、批判・否定に終始してしまいがちなことです。特に、実践回数や経験が少ない場合に多く見られます。クリティカルシンキングは批判的思考を通じて物事を客観的に捉え、本質を導き出したり適切な決断・判断を行うことが目的です。批判的思考を行うこと自体はあくまで結論を得るための手段であるため、本来の目的を履き違えないように注意しておく必要があります。
クリティカルシンキングが向いていないシーンもある
クリティカルシンキングでは、物事の前提について疑ってかかり、本質を見極めるのが大きな特徴です。考え方次第では前提が崩れてしまう場合も多々あるため、前提を崩したくないテーマを扱う場合には適していないことがデメリットとなります。以下はその一例です。
・現在の販売データ・顧客データから売上拡大のための戦略を考える
・一定の効果が認められている採用戦略をブラッシュアップする
テーマによっては別の思考法を活用した方が良いケースもある点に留意しておきましょう。
【まとめ】社員研修会社選びで迷ったらアイミツへ
クリティカルシンキングは、ビジネスに欠かせない決断力・課題解決力向上に役立つ重要なスキルです。クリティカルシンキングを学ぶのであれば、社員研修会社の講座で学ぶのがおすすめ。洗練されたカリキュラムで体系的に学ぶことができるため、短期間で効率的にスキルを習得することができます。「アイミツ」では、おすすめの社員研修会社の紹介を行っていますので、ぜひご相談下さい。
【相談前にまずは会社一覧を見たいという方はこちら】
クリティカルシンキング研修ができる社員研修会社一覧
【費用感を知りたいという方はこちら】
社員研修を依頼する際の費用・相場
社員研修会社探しで、こんなお悩みありませんか?
-
一括見積もりサイトだと
多数の会社から電話が・・・ -
相場がわからないから
見積もりを取っても不安・・・ -
どの企業が優れているのか
判断できない・・・
PRONIアイミツなら
発注先決定まで
最短翌日
- 専門コンシェルジュが
あなたの要件をヒアリング! - 10万件の利用実績から
業界・相場情報をご提供! - あなたの要件にマッチした
優良企業のみご紹介!
診断とヒアリングから
お探しします