グローバル人材研修とは|内容や費用、開催している会社まとめ【2024年最新版】
情報の入手スピードや豊富なコミュニケーション手段など、あらゆる意味で海外との心理的な距離が縮まったといえる現代では、企業が海外の巨大市場を視野に入れた事業展開を検討するのは当然の流れだといえます。特に、人口減少や競争激化などで国内市場の伸び悩みが深刻化する日本企業にとって、世界市場は膨大な開拓余地を秘める魅力的な市場に見えるでしょう。
そうした背景から、世界を舞台に活躍できるビジネスマンをグローバル人材へ育成するために注力する企業が増加傾向にあります。ビジネスのグローバル戦略を成功させるためには、優秀なグローバル人材の確保が不可欠といえるためです。
それでは「グローバル人材」とは、具体的にどのような人材のことを意味するのでしょうか?総務省によるグローバル人材の定義は「日本人としてのアイデンティティや文化に対する深い理解を前提に、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神などを身につけてさまざまな分野で活躍できる人材」とされています。
つまり、英語・外国語が堪能なだけではグローバル人材とはいえないのです。もちろん、英語をはじめとする外国語の習得も重要な要素ではありますが、グローバル人材育成に欠かせない要素は多岐に渡ると考えていいでしょう。そうしたグローバル人材に欠かせないスキルを養うために活用されているのが「グローバル人材研修」です。
本記事では、英語・外国語取得以外のグローバル人材研修とはなにか?その内容や受講するメリット、費用相場を解説するとともに、適切なグローバル人材研修を提供できる、おすすめの研修会社を厳選して紹介します。
なぜグローバル人材研修が必要なのか?受講するメリット
まず、「グローバル人材」の定義を踏まえた上で、多くの企業がグローバル人材に求める人物像を具体化していきましょう。経団連が実施したアンケートの結果によると、グローバルに活躍する日本人人材に求められる資質・能力として「既成概念にとらわれないチャレンジ精神」「外国語によるコミュニケーション能力」「異文化・価値観の違いを理解して柔軟に対応できる」「逆境に耐える粘り強さ」「ビジネスの専門知識」が挙げられています。
さらにいうと「マネジメント能力・リーダーシップ」「結果を出す成果力」などもグローバル人材に求められる能力です。現地法人ではトップマネジメントクラスの人材が必要とされるケースが多く、現地雇用者を含むチームメンバーを統率しつつ、明確な結果を残さなければならないためです。
しかし、本社のトップマネジメント人材が海外赴任するケースは多いとはいえず、マネジメント経験の少ない人材が担当者として抜擢される場合がほとんどなのが実情です。この場合、ビジネスの専門性や成果を出すための姿勢などの要素は、普段の業務を遂行するなかで培うことができますが、グローバル人材の育成に必要な要素をすべて社内リソースで賄うのは容易ではありません。
研修会社が実施しているグローバル人材研修では、専門性の高い育成プログラムが提供されています。グローバル人材の育成実績が豊富な講師による専門性の高いプログラムを通じて、効率的にスキルアップを図れることが最大のメリットです。
具体的には、「グローバル展開するなかでビジネスをどのように最適化させるか」「ダイバーシティを前提にしたコミュニケーション能力・マネジメント能力をどのように高めるか」といった実践的なノウハウを習得とともにグローバルビジネスへの適応力を高め、チャレンジするグローバルマインドを醸成していきます。
グローバル人材研修で学べること
グローバル人材研修を受講することによって、具体的にどのようなことが学べるのでしょうか。「グローバル人材育成」とひとくちにいっても、ビジネスを展開予定の国や地域、そこで必要となる人材の特性、育成対象となる人材のもつ資質・能力によてその内容は変化します。
そうした多様なニーズに応えるため、グローバル人材研修を提供する企業では、目的に応じた多彩なプログラムを用意しています。特定の国・地域に関するプログラムを選択するのはもちろん、場合によっては内容のカスタマイズも可能です。また、日本で働く外国人向けのプログラムが用意されているケースも少なくありません。
たとえば、グローバルマインド研修、ダイバーシティ推進研修、異文化理解研修、日本文化研修、国際ビジネスマナー研修などでは、日本と異なる海外文化を学び、多様な価値観を受け入れて柔軟に対応できるマインドを醸成できます。
現地法人幹部向け研修、海外赴任者研修、海外出張者研修、現地マネージャー研修などでは、現地法人や海外事業部で勤務し、チームメンバーを統括していくための実践的なマネジメントノウハウが学べるでしょう。
さらにより実践的なノウハウを習得できるプログラムとして、英語プレゼンテーション研修、ディベート研修、マーケティング研修、オフショア向けのビジネス英語研修などが用意されているケースもあります。
ただし、グローバル人材研修で提供される語学プログラムは、それぞれの狙いにフォーカスされた短期的なプログラムになっているのが特長です。語学の習得には長期的な取り組みが必要不可欠であるため、ほかのビジネス英語プログラムと併用しつつ、グローバル人材研修の英語プログラムを活用するケースが多いようです。
もちろん、グローバル人材研修を提供する企業が継続的なビジネス英会話プログラムも提供していることもあるため、あえて利用するサービス企業を分けなければならないというわけでもありません。
グローバル人材研修にかかる費用・料金相場
多様なグローバル人材研修プログラムが存在することからもわかるように、その受講方法や受講時間、研修費用もさまざまです。たとえば、グローバル人材育成に関する一般的な内容の公開講座を受講する場合、1日3〜8時間ほどのプログラムで1人2〜5万円、2日間で6〜16時間ほどのプログラムで1人4〜10万円ほどが料金の相場といわれています。
講師を派遣してグループ研修を実施する場合は、人数や受講時間、研修内容、開催場所によって費用も変動します。プログラムが多岐に渡るため、具体的な費用が明示されていないケースがほとんどですが、1日8時間程度の研修で35〜50万円、2日16時間程度の研修で70〜100万円というのが相場となっています。
また、数ある研修サービス企業のなかには現地滞在を含む1週間以上の研修プログラムを提供している企業もあります。1人50万円〜で滞在費・渡航費別というプログラムから、学費・一部滞在費込みで1人150万円〜300万円ほどが必要なものの、半年から1年に渡るというプログラムも存在します。管理職向け、新入社員向け、全社員向けなどプログラムの対象範囲もさまざまです。
いずれにしても、自社におけるグローバル人材の育成に必要なプログラムを明確にし、最適な研修を厳選することが重要です。育成対象の人材が現地滞在・視察を含む研修を必要としているのかどうか、受講の目的、予算なども含めて検討しなければなりません。
グローバル人材研修の受講方法
上述したように、グローバル人材研修の開催・受講方法はさまざまであり、これら以外の手法ももちろん考えられるでしょう。そのなかから、代表的な手法とされるものをピックアップし、メリットやデメリット面を含め、それぞれの手法が持つ特長を簡単に解説していきます。
公開講座に参加する
決められた日程・会場で実施される公開講座に、育成対象者が参加する手法です。この研修受講方法のメリットは、なんといっても研修費用を安価に抑えられることです。一部のサービス企業が実施する公開講座では参加者1名からでも受け付けている場合もあるため、スケジュール調整がしやすいといえるかもしれません。
その反面、どうしても内容が汎用的になりがちなため、ノウハウの習得・学習効果という点では、充分な効果が得られるかどうかには疑問が残ります。たとえば、ダイバーシティ推進研修では、全体的な傾向に関するものが中心となり、目的の国・地域についての知識が希薄になってしまう可能性が考えられます。
「グローバルに活躍するという全体的なイメージをつかむ」「将来的な海外赴任に向けてグローバルマインドを醸成する」といった目的で受講する場合には有効かもしれませんが、自社のニーズとズレがある場合はミスマッチとなることも多いといえます。
外部の講師を招く
外部サービス企業の専任講師を招き、社内でグローバル人材研修を開催する手法です。この研修受講方法のメリットは、「自社のニーズに沿ったプログラムのグローバル人材研修が実施できる」「基本プログラムの組み合わせやカスタマイズに対応できる」「スケジュール・会場・参加人数などを比較的柔軟に設定できる」などが挙げられます。
一方、全社員を対象にする場合は、拘束時間が長いことで機会損失が生じる、複数回の研修を実施しなければならない可能性があるなどのデメリットが考えられます。研修の目的が明確化されており、プログラム対象者が絞られていれば問題にならないかもしれませんが、その分研修費用が高額になるでしょう。
また、現地滞在研修を含む中〜長期グローバル人材研修は、公開講座・講師招聘を組み合わせた変形タイプだと考えられますが、内容によってプログラムが持つ意味合いは大きく異なり、費用も割高となるのが実情です。「具体的に何が学べるのか」「現地滞在によってなにが得られるのか」などプログラム内容を確認し、目的にマッチしているのかを慎重に見極めることが重要といえます。
社内で講座を開く
グローバル人材育成に関するすべてのプログラムを社内のリソースで賄い、必要に応じて研修・講座を実施する手法です。育成対象となる人材のスキルや状態にあわせたプログラムが実施可能なことや目的に最適化したプログラムを実行できることなど、柔軟に対応できることがメリットとして挙げられます。
しかし、この方法はグローバル人材育成プログラムのすべてを賄えるノウハウ、経験、リソースが自社内に揃っていることが大前提です。たとえば、世界各国に海外拠点を進出させた長い歴史を持つ大規模企業が、それぞれの拠点で活躍できるグローバル人材を育成したいと考えるのならば、それを実現させるのは困難ではありません。新たな地域に進出を考えるケースでも、過去のノウハウが活かせる可能性が高いでしょう。
一方で海外進出の経験がなく、これからグローバル展開にチャレンジしようとしている企業では、この手法を実行するのは不可能に近いといえます。もちろん、グローバル人材育成に必要なプログラムは多岐にわたるため、一部のプログラムは自社で賄えることもあるでしょう。しかし、社内にノウハウが蓄積されていなければ、外部の知恵を借りるしかないのです。
e-ラーニングを利用する
グローバル人材研修プログラムのなかには、e-ラーニングでの学習に適しているものもあります。語学習得などの汎用的なプログラムがそれに該当するため、こうしたプログラムをe-ラーニングで提供しているサービス企業もあります。この研修受講方法のメリットは、安価に学習できることにくわえて、受講者のスケジュールにあわせた学習が可能なことです。
反面、あらかじめ準備されるプログラムが語学などの汎用的なものに限られているため、非対応の言語があることなどがデメリットといえるでしょう。一部のサービス企業では、カスタマイズ研修の一環として、e-ラーニング教材の作成を請け負っている場合もあります。しかし、その場合は状況にあわせたアップデートや管理などは自社で負担する必要があります。
グローバル人材研修の選び方のポイント
グローバル人材育成プログラムは、リソースを有する一部の企業を除き、グローバル人材研修プログラムを提供するサービス企業をうまく活用しながら進めていくのが得策だといえます。最適なグローバル人材研修を提供するサービス企業を選択するには、どのようなポイントに気を付けるべきなのでしょうか?
まずグローバル戦略を進めるなかで「どのような人材が必要なのか」「必要な人材をどのように育成して活用していくのか」といった人材育成計画を策定することが重要です。計画を立てることによって、フェーズごとに必要な役職・役割などの人材像が明確になるため、その人材を育成するために必要なプログラムが具体的に見えてきます。
必要なプログラムが具体化したら、そのニーズに最適なグローバル人材研修を開催しているサービス企業のなかから最適なものを選定します。研修内容を柔軟にアレンジ・カスタマイズできるサービス企業を選定することによって、より理想に近いプログラムの受講が叶うといえます。
もうひとつは、グローバル人材育成プログラムを進行させるなかで効果測定を実施し、常に改善していける体制を整えておくことです。市場変化の激しい現代では、自社の進むべき方向性も常に修正していく必要がありますが、それは人材育成プログラムに関しても同じです。分析の結果を踏まえてプログラム内容の改善を行うなど、柔軟な対応ができるか否かも選択する際の重要なポイントになります。
グローバル人材研修を行っている企業3選
企業のグローバル戦略を担う人材育成において、グローバル人材研修を提供するサービス企業が重要な役割を果たすのがおわかりいただけたのではないでしょうか。しかし「自社のニーズに応えてくれるサービス企業をどのように選べばいいのかわからない」迷ってしまう方も少なくないでしょう。
これまでにご紹介したポイントを踏まえた上で、グローバル人材研修で定評のあるおすすめの研修会社を厳選して紹介していきます。
キャプラン株式会社
「キャプラン株式会社」は、人材教育・人材派遣・コンサルティング業務請け負いなどを事業の柱とする、パソナグループの総合人材・アウトソーシング企業です。グローバル人材育成研修は「Jプレゼンスアカデミー」が担当、グローバルマネジメント研修、グローバルビジネス交渉力研修、グローバルビジネスパーソンの心得、国際財務研修などが用意され、それぞれ1〜2日、3〜17時間程度のカリキュラムとなっています。
グローバル人材に欠かせないダイバーシティ関連の研修プログラムも充実しており、「異文化間コミュニケーション研修」「地域を限定したエリアスタディ」「国別異文化研修」「異文化環境下におけるプロジェクトマネジメント研修」などを提供しています。また、業種・職種など、個別企業に最適化したカリキュラムのカスタマイズにも対応しています。
語学関連の研修が充実しているのも特長で、「ビジネス英語研修」や「スキル英語研修」、「ビジネススピーキング力向上セミナー」「赴任前英語研修」「TOEIC対策コース」さまざまなニーズに沿ったプログラムを用意しています。e-ラーニング教材を併用した効果測定、継続的な学習管理も可能なほか、日本で働く外国人向けの研修も行っています。
- 詳細情報
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- 費用間:要問い合わせ
- 設立年:1986年
- 会社所在地:東京都千代田区大手町2-6-2
株式会社インソース
「株式会社インソース」は、東京都千代田区に本社を置き、北海道から九州まで全国各地に拠点をもつ会社です。コミュニケーション・チームビルディング・メンタルヘルス・マネジメントなどの講師派遣型研修、公開講座事業を手がけています。グローバル人材研修には3つの受講方法が用意されており、ニーズにあわせて選択することができます。同社のセミナールームを利用した公開講義なら、1名の参加から受け付けているのも魅力です。
講師派遣型研修では、「グローバルマインド醸成研修」「プレゼンテーション研修」など全社を対象にしたものから、「異文化理解研修」「国際ビジネスマナー」などのダイバーシティ推進研修、「海外事業戦略研修」「現地マネージャー研修」など現地法人の幹部を対象とした研修まで豊富なプログラムを用意しています。個別企業に最適化するカスタマイズにも対応しています。
また、e-ラーニングによる講座も豊富に提供しているので、さまざまなニーズにきめ細やかに対応ができる研修サービス企業といえるでしょう。
- 詳細情報
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- 費用感:要問い合わせ
- 設立年:2003年
- 会社所在地:東京都千代田区神田錦町1-19-1 神田橋パークビル 5階
グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
出典: グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社 https://www.globaledu-j.com/
「グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社」は、東京都渋谷区に本社を置き、語学学習や海外研修、人材育成コンサルティングを中心に事業を展開している企業です。「グローバル&自立型人材育成」を目指し、研修の企画・運営、コンサルティングのほか、海外での研修・留学などの計画にも対応しています。
管理職のマネジメント力向上、英語研修の費用対効果向上、すぐにパフォーマンスを発揮できる赴任前効果の実現、幹部育成に向けたビジネススクール派遣など、個別企業の目的や課題に応じ、一つひとつに最適化した解決策を提示することが可能です。グローバル人材研修・語学学習のデザイン・運営から、海外留学の手続きにいたるまで、あらゆる手段を駆使して最適な解決ソリューションを提案しています。
グローバル人材育成研究会、パーソナル・グローバリゼーションなどの公開セミナーも定期開催しています。異業種間の人材が集まり、グローバルマインドセットやリーダーシップについて交流する「Global Boot Camp」セミナーも好評です。
- 詳細情報
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- 費用感:要問い合わせ
- 設立年:2000年
- 会社所在地:東京都渋谷区代官山町9-15 BrickHills代官山
【まとめ】
企業のグローバル戦略が加速するなか、各国の環境に順応して大きな成果をあげるグローバル人材の需要はますます高まっているといえます。一方でグローバル人材を企業が育成するのは容易ではなく、中長期的な計画を策定した上で育成プログラムを進行していかなければなりません。
しかし、育成の対象になる人材のスキル・素養によっては、適用するプログラムを柔軟に変えていく必要があり、そのすべてを企業のリソースで賄えるわけではありません。専門性の高い育成プログラムは、グローバル人材研修を提供するサービス企業と連携して構築する必要があります。
さまざまなサービス・受講形態を提供する企業が多数存在するなか、自社に最適なサービス企業を探すのは容易ではないでしょう。そんなときは、グローバル人材研修を提供するさまざまな企業が登録する「アイミツ」までお問い合わせください。経験豊富なコンシェルジュが、あなたの要望をヒアリングしながら、最適な企業を選定するお手伝いをさせていただきます。
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