デプスインタビューとは?概要からインタビューのやり方までわかりやすく解説【2024年最新版】
デプスインタビューを行うことで、消費者の思いや意思決定プロセスを明らかにでき、マーケティングに役立てることができます。しかし、詳しいやり方がわからずに実施できない企業も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、デプスインタビューのやり方やメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
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デプスインタビューとは?
デプスインタビュー(depth interview:深層面接法)とは、対象者とインタビュアーが1対1で対話するインタビュー手法で、定性調査の1つです。デプス(深層)という言葉からもわかるように、表面的な情報収集ではなく、対象者が考えていることを深く聞き出すことを目的としています。決められた質問を実施するだけでなく、対象者の回答をもとにさらに質問を行い、より深い考えを聞き出すことが可能です。
定性調査とは?
定性調査とは、対象者の生の言葉や行動など、数値化が難しいデータの収集を目的とした調査で、インタビュー調査や行動観察などが当てはまります。一般化が困難な場合がある一方で、その人、その事象の意味や価値を導くのに優れている調査方法です。
定性調査とよく比較されるのが定量調査ですが、定量調査は収集したデータを数値化する前提で行われる調査で、選択肢によるアンケート調査などが当てはまります。
グループインタビュー・エスノグラフィ調査との違い
デプスインタビュー | グループインタビュー | エスノグラフィ調査 | |
調査対象人数 | 1名 | 複数人 | 1名~複数名 |
インタビュー時間 | 長い | 全体としては長くなるが、1人あたりの時間は短い | 長くなることが多い |
目的 | 対象者が考えていることを深く聞き出す | 対象者の考えを効率良く聞き出し評価の材料にする | 調査者が知りたい内容を様々な手段(基本は非侵略的な方法)を用いて明らかにする |
テーマ(議題) | 人前では聞きづらい内容企業にとって重要なテーマ など | 話しやすいテーマ や複数人で話すことで深掘りできるテーマ |
消費者が潜在的に持っているニーズなど |
デプスインタビューとよく似た調査として「グループインタビュー」と「エスノグラフィ調査」があります。
グループインタビューは、インタビューに3名以上が参加するインタビューを指します。例えば、インタビュアー2名が4名の対象者に対して実施するインタビューです。グループインタビューでは、短い時間で効率良くインタビューを行える、他人の意見をうまく活用できるか確認できるなどのメリットがある一方で、デプスインタビューのような内容の深掘りには適していません。
エスノグラフィ調査は、社会人類学や社会学の分野において利用されていた調査です。自分たちとは異なる文化の民族やコミュニティを観察、インタビューし、文化や考え方の違い等を明らかにすることを目的としています。デプスインタビューとの大きな違いは、インタビュー調査だけでなく観察や共同生活などの方法も実施される点です。また、エスノグラフィ調査は、非侵略的な観察が好まれるという特徴もあります。ただし、場合によってはエスノグラフィ調査の1つとしてデプスインタビューによく似たインタビューが取り入れられることもあります。
デプスインタビューの活用シーン
デプスインタビューはビジネス分野においても積極的に利用されています。主な活用シーンには以下のようなものがあります。
・既存の商品・サービスのマーケティング施策の改善
・ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成
・新商品開発における仮説立案
デプスインタビューは、社内の従業員に実施する場合もあれば、消費者に対して実施する場合もあります。従業員や消費者が考えていることを深く聞き出すことでマーケティング戦略の改善に役立つでしょう。
デプスインタビューのやり方
デプスインタビューの具体的なやり方について紹介します。
①調査仮説を立てる
まずは調査の目的や課題を整理し、調査仮説を立ててください。調査仮説を立てることはどの調査においても非常に重要です。特に、以下がぶれてしまうと成果につながりにくくなるため、しっかりと検討してください。
目的:何のために調査を行うのか。調査で達成したいことは何なのか。
課題:目的達成のためには、具体的に何を明らかにする必要があるのか。
②調査対象者を集める
続いて調査対象者の選定に入ります。デプスインタビューは対象者が持つ情報や思い、考えなどを聞き出す調査のため、調査対象者の選定が非常に重要です。自社の従業員に対して実施する場合には、企業にとってプラスになる情報を語れる人物を選ぶとよいでしょう。消費者に対して実施する場合には、無作為に調査者を選ぶ場合と、スクリーニング調査を実施し、最適な人物を特定したうえで実施する方法があります。よりよい成果を得るためにも、調査の目的に合う適切な対象者を選ぶようにしてください。
消費者に対してデプスインタビューを行う際には、報酬の支払いが発生します。報酬金額等は事前に社内で決めておくとよいでしょう。
③インタビューフローをつくる
デプスインタビューでより深い回答が得られるように、また、重要な質問の聞き漏らしがないように、インタビューする流れ(フロー)を決めていきます。インタビューフローの決定は、以下の順番で実施するとよいでしょう。
1.質問内容を洗い出す
2.質問の優先順位を決め、質問の順番を決める
3.質問ごとの想定時間と最大時間を決める(時間切れを防ぐため)
4.調査関係者の中で合意を図る
④インタビューを実施する
上記の準備ができたら、対象者に対してインタビューを実施します。デプスインタビューは時間がかかるため、長めの時間が確保されているのが一般的です。しかし、対象者によっては調査者の予想を超えて語り続ける場合もあるため、質問ごとの最大利用時間に従いながら調査を進めてください。
デプスインタビューは、重要な語りがあった場合にはさらに深掘りするなど、調査者の集中力が必要になる調査です。連続してデプスインタビューを設定した場合には、調査者が披露のために集中できない場合もあるため、1日に実施する件数を制限するほか、インタビューのインターバルをしっかりと確保するなどの配慮も必要でしょう。
⑤結果をまとめて分析する
インタビューで得られた情報をまとめ、分析します。定性調査であるデプスインタビューは、インタビュー内容を数量化できないため、分析には多くの時間がかかるもの。インタビュー内容を文字化してその中から重要な内容を抜き出すほか、対象者の共通の意見をまとめるなどといった作業には予想を超える時間がかかるため、時間に余裕を持って進めるとよいでしょう。
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デプスインタビューを成功させるコツ
デプスインタビューは、対象者が心の奥に抱えている思いや悩み、考えなどを聞き出す調査です。そのため、通常の調査以上にインタビュアーのスキルや経験が重要です。デプスインタビューを成功させるコツについて紹介します。
インタビュアーは聞き役に回る
対象者からより多くの思いを聞き出すために、インタビューはできる限り聞き役に回るようにしてください。対象者が自発的に話を拡げるようならば、質問内容から多少それてしまっても問題ありません。先ほどは〇〇と仰っていましたが、これについてもう少し詳しく教えてもらえますか?と質問をさらに深掘りするのもよいでしょう。
適度に共感・同調をして、対象者との距離を縮める
デプスインタビューでは、インタビュアーと対象者の関係性が重要です。1対1という形式上どうしても緊張してしまう、相手との距離感が原因で思ったことを口にできないという場合も多く、こうなると対象者の本当の気持ちを聞き出せません。
そのため、デプスインタビューを行う際には、まずは両者の関係づくりが重要です。相手が気持ちを開示できないようならば、インタビュアーが自身の経験を先に語るなど、まずは相手を安心させ、気持ちよく話せる基礎を作るとよいでしょう。
質問内容は臨機応変に対応
デプスインタビューではインタビューフローを決めて実施しますが、対象者の様子や発言内容によっては臨機応変に対応するのも重要です。マニュアル通りに聞くだけでは、表面的な内容しか得られません。対象者が自発的に話し出した内容の中にこそ重要な意見が入っている場合があります。
予定した内容すべてを質問することも重要ですが、機械的に質問を行うのではなく、相手の様子を見つつ、臨機応変に対応できるようにしてください。
デプスインタビューのメリット・デメリット
デプスインタビューを実施する際には、デプスインタビューのメリットとデメリットについても理解しておくとよいでしょう。
メリット
デプスインタビューは他の調査と比較し、以下のようなメリットがあります。
・意思決定プロセスの解明につながる
デプスインタビューは、長い時間を確保して実施できるため、より多くのことを聞き出すことができ、消費者の意思決定プロセスの解明につながります。なぜこの商品を選んだのか、どうしてこのタイミングで購入したのか、他の商品と差別化した理由は何かなど、普段はなかなか聞けない質問を積極的に組み込めます。これにより、マーケティング改善につながる貴重な意見が収集できます。
・大勢の前では話しにくいテーマについてインタビューできる
デプスインタビューは1対1で実施するため、大勢の前では話しにくいテーマであってもインタビューできます。また、インタビューの前に、氏名等は公表されないなど、調査結果の取扱いについて説明しておくことで、プライベートに関連した内容を聞き出すことも可能です。
デメリット
一方で、デプスインタビューは他の調査と比較し、以下のようなデメリットもあります。
・他の調査手法に比べ時間・費用・労力のコストがかかる
デプスインタビューは内容を深掘りするために、長めの調査時間が設定されています。また、インタビューも1対1で実施するため、得られるデータ量も多くはありません。そのため、十分なデータを集めるためには、時間、費用、労力などのコストがかかります。
・情報に偏りやバイアスが発生する可能性がある
デプスインタビューはサンプル数が少なくなりがちなため、情報に偏りやバイアスが発生する可能性があります。場合によっては、得られたデータが一般化できず、個人の事例としてしか利用できない場合もあります。
【まとめ】マーケティングリサーチでお悩みならアイミツへ
本記事では、デプスインタビューの特徴ややり方について詳しく紹介しました。
デプスインタビューによって消費者の意思決定プロセスが明らかになることで、より効果的なマーケティングが実行できます。しかし、デプスインタビューはインタビュアーのスキルが非常に重要なため、自社内で担当者を準備できない場合もあるでしょう。
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