シンクタンクとコンサルの違い│仕事内容や事業分野も解説【2024年最新版】

調査・分析や戦略の立案を担う会社としてあげられるコンサルとシンクタンクですが、「両者の違いがよくわからない」「仕事内容や事業の分野に違いがあるのか」といった疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、シンクタンクとコンサルの違いやそれぞれの仕事内容、事業分野などについて解説していきます。シンクタンクとコンサルの違いを理解したいという方は、ぜひ参考にしてください。

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シンクタンクは専門家・研究者が集まり、公共施策や社会問題に関する研究や分析、提言を行う非営利組織を指すものです。独自の研究やデータ分析を通じて問題解決を提案し、政策決定者や関係者へ影響を与える立場ですが、その領域はさまざまで国際関係や経済政策、環境問題、教育政策など広範囲にわたります。
独自の資金源があるのもシンクタンクの特徴で、寄付や契約研究、出版物の販売などを通じて資金を得ることで独立性・中立性を維持しながら研究活動を継続しています。

シンクタンクとコンサル（コンサルティングファーム）は、役割やサービス内容、顧客（依頼者）の部門が異なります。一般的に非営利組織であるシンクタンクは学術的なアプローチや中立性を重視しており、研究・分析に焦点を当てて公共施策や社会問題に関する提言や政策を「政府機関や国際機関、政治家」へ提案しています。
一方でコンサルは「企業や組織」における経営上の問題解決や戦略策定を支援するものです。業界に関する知識や専門的なスキルをもつコンサルタントが多く在籍し、利益を追求しながら顧客の要求に応じたサービスの提供を通じて問題解決を支援しています。

ここからは、シンクタンクとコンサルそれぞれの仕事内容について解説していきます。

シンクタンクの主な仕事は公共政策や社会問題に関する研究・分析を通じて、政策提案や意見形成を支援することです。ときには特定の政策課題について研究して現状分析や将来の展望を考察することや、分析結果をもとにセミナーやワークショップを開催して関係者の意見交換や知識共有の場を設けることもあります。また、必要に応じて調査の結果をレポートとして取りまとめることも少なくありません。

コンサルは、企業や組織の経営問題の解決や戦略策定の支援が主な仕事です。顧客の事業目標や競争環境から長期的な戦略計画を策定し、新製品の開発戦略やマーケティング戦略を立案することもあります。また、業務フローの見直し・改善や品質管理の導入、コスト削減対策などの提案もコンサルの仕事に含まれます。

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つづいては、シンクタンクとコンサルの事業分野について解説していきます。

シンクタンクの事業分野は多岐にわたりますが、一般的な例は以下のとおりです。
①公共政策
教育政策、経済政策、環境政策、保健政策など
②社会調査
格差問題、社会的包摂、人口動態変化など
③経済政策
経済成長、雇用政策、貿易政策、企業競争力など
④国際関係と安全保障
国際紛争、地域の安定、外交政策、国際協力など
⑤環境と持続可能性
気候変動、エネルギー政策、環境保護、サーキュラーエコノミーなど

コンサルの事業分野も、シンクタンクと同様に多岐にわたります。
①戦略コンサルティング
市場分析、競合分析、成長戦略、事業ポートフォリオ最適化など
②マネジメントコンサルティング業務
プロセス改善、リーダーシップ開発、組織変革、人材戦略など
③デジタルコンサルティング
データ分析、ITインフラ最適化など
④フィナンシャルコンサルティング
財務戦略や投資戦略の策定、資金調達、リスク管理、M&Aなど

ここからは、日本国内における代表的なシンクタンクを政府系・民間系に分けて紹介します。

政府系シンクタンクは、非営利団体として国・地方自治体に対して経済や産業、環境などの分野にける政策研究や調査を実施し政策を提案する組織です。経済社会総合研究所や経済産業研究所、日本国際問題研究所などが代表的な組織としてあげられます。

民間系シンクタンクは一般企業が運営しており、経済や社会、政策など幅広い分野に関する研究・調査を実施し、企業や政府機関に政策提言や戦略的なアドバイスを提供しています。代表的な例としては、日本総合研究所（日本総研）や三菱総合研究所、野村総合研究所などが該当しますが、業務内容はコンサルに近くなるのが特徴です。

1960年代後半に社会問題が浮き彫りになり、行政以外の政策提言や研究の需要が高まったことからシンクタンクが誕生しました。当初は民間企業が主な顧客だったものの、1973年のオイルショックによる不況で需要が減少したことで官公庁への依存度が上昇。1980年代にはシンクタンク設立ブームが起きますが、その後のバブル崩壊によって経営の安定化を求められるようになり、民間シンクタンクを中心としたコンサルティングの流れが生まれました。シンクタンクは民間企業向けにコンサルを提供することで利益の確保に成功しています。
民間のシンクタンクによるコンサルは政府や企業のニーズに応えることにつながり、経済や社会への貢献も見込めます。

つづいては、コンサルにかかる費用相場をご紹介します。コンサルティング費用は、依頼内容や契約形態などによって大きく変わります。契約形態別の費用目安は以下の通りです。

コンサルの費用相場を契約形態別にご紹介しました。より正確な費用を知りたい方は料金シミュレーターをご利用ください。

シンクタンクとコンサルの違いやそれぞれの仕事内容、事業分野などについて解説してきました。調査内容や求める報告内容によって異なるものの、多くの企業は民間のシンクタンクかコンサルへ依頼することで、期待どおりのサービスを受けられると考えられます。しかし、国内だけでも多くのシンクタンクやコンサルがある中では、自社に合った会社を選ぶのは容易ではありません。
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