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株式会社EVeM ロゴ

株式会社EVeM

100人の壁を越える!元同僚へのマネジメント研修の外注決断と、その成果とは。

2023.09.01
PRONIアイミツご活用事例 株式会社EVeM

2012年の創業以来、自己資本による経営を続けてきたPRONI。2019年に同社初となるエクイティファイナンス(シリーズA)を実施し、以来、急拡大を遂げている。今回は、PRONIの代表取締役COOの柴田大介が、急拡大する組織を率いるべく、同社初となるマネジメント研修を外部に委託した背景とその成果を取材した。柴田氏は、前職の株式会社ディ-・エヌ・エー(DeNA)において、約10年HR部門や経営企画部門、事業部門を統括する執行役員として活躍した後、PRONIにジョインした。前職では、スタートアップにとっては馴染みがないかもしれない、経営陣や幹部層のマネジメント、リーダーシップ、コーチング等の外部研修を導入して成果を上げた実績を持つ。今回は、成果を上げる為の人事研修の導入のポイントに迫る。

インタビュー先のプロフィール

株式会社EVeM

https://www.evem-management.com/

ベンチャー企業に必要なマネジメントの型をインストールすることを目的に設立された教育事業会社。2020年8月に設立以降、個人及び法人向け向けにマネジメントトレーニングを提供しています。

長村 禎庸 様 写真

長村 禎庸 様

代表取締役CEO

聞き手

聞き手 柴田大介

柴田大介

PRONI株式会社 代表取締役CEO

2003年に三井住友銀行を経て、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社。2009年より執行役員として広告事業、ゲーム3rdパーティー事業など事業部門を歴任。2014年からはコーポレート部門に異動し、HR本部長、経営企画本部長、マーケティング本部長、社長室長などを歴任。2018年より株式会社ユニラボ(現PRONI株式会社)に入社し、2020年より共同代表として代表取締役COOに就任。2023年10月より代表取締役CEOに就任。

EVeM様にマネジメント研修を発注した経緯をお聞かせください。


柴田 資金調達を終え、正社員も60人ほどの規模となり、ミドルのマネージャー層を増やしているタイミングでした。それまではスタートアップということもあり、私が営業と人事、代表の栗山が経営企画とマーケティング、ファイナンス領域を分担していましたが、“これからは人に任せていかなければならない時期に差し掛かってきた”と感じていました。しかし“任せる”といっても、私たち経営層がマネージャーの育成を行うのは難しく、社員も増え続ける中、彼らから「社員のマネジメントが分からない」という声も聞こえていました。もちろん、質問される度に私が正解だと思うことを伝えてはいましたが、それを自分たちで考えられるようになってほしいという思いがあったのも確かです。


そんな折、前職で長く一緒に働き、その能力の高さと人間性に信頼を寄せていた長村さんが起業し、スタートアップやベンチャーに特化したマネジメント研修をはじめたと聞き、情報収集のために彼のブログを見てみると、マネジメントに関する資料がアップされていました。それを見たとき、すぐに“これを社員に話してほしい”と思い、相談に乗ってもらうことにしました。やはり“ピープルマネジメントに対する根本的な考え方”が同じだったことも大きく、それは紛れもなく前職で共有していた考え方そのものでした。ですから、長村さんの考えるピープルマネジメントを最初にインストールしてもらえたらありがたいと思いました。


インタビューの様子


長村 我々が提供しているものは、いわば前職で柴田さんが行っていたマネジメントを型化したものです。当時のメンバーである私にとってそれは理想的なマネジメントでした。柴田さんのマネジメントを“柴田さんのセンス”で終わらせるのはもったいないと感じていたので、私が受けてきたものを言語化し、落とし込んだのがブログにアップした資料でした。なので、柴田さんに「考え方が同じ」と言っていただけたのは大変嬉しく思います。


具体的な研修内容をお聞かせください。


長村 研修で扱う領域は4つ。1つ目は「戦略」で、目標を設定し、どのようにして効率的に達成していくかという一連の流れについて学んでいただきます。2つ目は組織マネジメントですね。状況に応じて間に人を置くのか、すべて自分が直轄で見るのか。直轄で見る場合は権限の設計はどうあるべきかなどについて深めていくものです。3つ目はピープルマネジメントで、1対1のコミュニケーションをするときに大事なものを学びます。最後の4つ目がセルフマネジメントですね。これは特にベンチャーやスタートアップにおいては重要です。大手企業と違い、ベンチャーやスタートアップはしがみつく看板が弱いため、上司、つまりマネージャーとの関係性が重要になるため、セルフマネジメントが大切だという話です。


期間は3カ月間、隔週でセッションを実施します。予習として動画も見ていただくので、その期間はしっかり時間を使ってマネジメントに向き合えます。一般的には当日講義か、あるいは動画だけを配信する形式が多いと思いますが、我々はその両方を組み合わせています。また、1回の受講生の人数も最大5名とし、品質を保ち、インタラクティブな講義を実施します。


インタビューの様子


柴田 研修中にはSlackで質問に答えてもらったり、マネージャー同士が相談しあうこともありましたね。


長村 それも狙いのひとつです。マネージャー同士の関係性ができていれば、上司から指示をされなくても“これ必要だよね”と自分たちで動けるようになります。また、柴田さんは「研修は受けたければ受ける。研修を受けたいなら、なぜ受けたいのかを教えてほしい」とアプローチされたと思いますが、それはとても有効で、チームリーダーの方に研修をしたときのみなさんの目の色が違いました。どうしても法人のトレーニングでは、「上司から行けと言われたから来た」という人が多い中、PRONIの方々はマインドセットができていました。


部長クラスと若手にグループを分けて研修を実施しましたが、前者については、それまでベンチャー企業での経験がない方々も多くいて、当初はマネジメントが何を指すかについての認識がみなさん違っていました。それが、私の講義を受ける中で認識が揃っていった実感がありました。反対に、若手リーダーの方々はまだ評価権限をお持ちでなかったので、チームビルディングなどのライトなものではなく、人を評価したり、実際にチーム戦略立てるといったディープな内容について研修を行い、理解を深めていただきました。


これは御社のカルチャーかもしれませんが、みなさんは業務や戦略のマネジメントに強いのですが、ピープルマネジメントに関してはよく分からない、必要性をあまり感じていない方もいらっしゃったという印象を受けました。


柴田 一般的に業務のマネジメントとピープルマネジメントをごちゃ混ぜにして話す人が多いと思います。例えば、私が話しているマネジメントの話は、事業を上手くいかせるための計数管理や戦略のマネジメントの話なのか、それともピープルマネジメントの話なのかという認識も合っていませんでした。


大企業で階段を登っていく人は、業務マネジメントもピープルマネジメントもどちらも少しずつ教わっていきます。スタートアップ企業はどちらかができている人にどちらも任せてしまっている場合が多いと思っていますが、我々が研修を依頼したときは、大企業出身の人でもまだマネジメントの研修を受けた人は多くなかったと思います。


マネージャーは業務マネジメントもピープルマネジメントも必要ですが、ピープルマネジメントの中だけみても、目標管理や評価など様々な項目があるとことをそもそも知らない人もたくさんいました。なのでその区分けがわかり共通言語ができたことに大きな価値を感じています。


長村 マネジメントには業務の名前が付いていないものも多く、おそらくやってきたけれども何をやってきたか認識していないということでしょう。それを区分けしたり、図にしたり、言葉を付与しながら定義するのがマニュアルです。ベンチャー企業にしか発生しない業務というのもないので、大企業もベンチャー企業もマネジメントに大差はありません。


受講生からは「昔、上司がやってくれたことはこういう事だったのか」「自分が前職でマネジメントをしていたときは、これが出来ていなかったから失敗したのか」という声が届きます。一度見たことがある、接したことがあるものが言語化や体系化されて再認識できるのだと思います。


柴田 言語化されて、とても具体的な内容になっていて、とても感心しました。


長村 多くの研修会社が提供するコンテンツや研修は、業種問わず、様々なハイパフォーマーを研究し、そのハイパフォーマーがやっている良いことを抽象化しています。しかし我々のサービスは、私個人のオリジナルな体験で作っていて、言うなれば“社内勉強会のクオリティが高い版”です。そのような生まれ方をしているので、抽象度が他社のサービスよりも低くなっています。


例えば、ピープルマネジメントで言うと、巷ではよく「コーチングをしましょう」と言われています。しかし、コーチングはコミュニケーションの1つの手段でしかありません。人に教える「ティーチング」や「コーチング」、そして教えるわけでも引き出すわけでもないですが、その人が気づいていない点を指摘するという「フィードバック」の3種類があり、ピープルマネジメントはこの3種類全てを使えなければなりません。例えば何も知らない新人にコーチングをしても何も出てきませんし、反対にベテランの人に手取り足取り教える必要はありません。その人やシーンによって、ティーチングやコーチング、フィードバックを使い分けなければなりません。ピープルマネジメントはとにかく人の話を聞くということではないと私は考えているので、そういうのは使えるかも知れませんね。


支援において重要なこと


なぜスタートアップやベンチャーはマネジメント研修を外注するという発想にならないのでしょう。


長村 これは偏った仮説かもしれませんが、みなさん実務で成果を出さなければという切迫感の中で仕事をされているので、成果が無さそうなものには時間もお金も使いません。成果が残らなそうというのを分解すると、コンテンツが抽象的すぎたり、教えている人間がそもそもベンチャーの経営をしたことがないといったことが挙げられると思うので、そこが違うということが伝われば良いなとは思います。


柴田 それに加えて、経営者がピープルマネジメントの重要性を理解していなければ導入しませんよね。弊社の場合、当然、私はピープルマネジメントの重要性を理解していましたし、長村さんの資料はとても具体的でした。ピープルマネジメントの重要性は分かっていても、例えば市販のマネジメント本と研修内容があまり変わらなければ、わざわざ高いお金を払って研修を受けようとは思いませんよね。その点、長村さんの研修はとても具体的でしたし、実際に研修をしてくれる長村さんは前職での同僚だったので、外注化するハードルはありませんでした。


インタビューの様子



具体的にはどのような成果があったのでしょうか。


柴田 参加したメンバーは具体的にマネジメントの言語化や区分けができているので、話がしやすくなりました。また、ピープルマネジメントに対する興味や理解が深まったように感じています。長村さんのコンテンツのおかげだと思いますが、“ピープルマネジメントも成果を出すため”と理解できたのも良かったと思います。その前提を理解していなければ、働きやすい会社を作るためのピープルマネジメントがファーストプライオリティのようになってしまいますが、成果を出すための良いチームを作るためにピープルマネジメントが必要なので、その順番がきちんと伝わってメンバーも肚落ちできました。


そもそも参加者自身が本気でなければ意味がないので、例え私が長村さんの研修を導入したいと思っても、メンバーから消極的であれば導入するつもりはありませんでした。なので、まずメンバーにも事前に長村さんのコンテンツを見てもらって、その上でメンバー自ら“マネジメントをしたい”という気持ちになれたことも良かったと思っています。


長村 研修を受講した今泉さんは、当時はチームリーダーという立場でしたが、現在は30歳という若さで執行役員になり大活躍されていると伺っています。研修の回を重ねるごとにピープルマネジメントの必要性を感じてくれたようで、宿題シートへの書き込み内容が変わっていきました。研修前と後で、スタンスや考え方変化を感じ取ることができ、「伝わったのかな」と思いました。


受講者の心を動かすコンテンツとはどのようなものだったのでしょう。


柴田 私が見たのは、具体的でとても面白いスライドでした。誰かしら“あっ”と思えるものが盛り込まれていた印象です。また「成果を出すためにピープルマネジメントをする」というロジックは、事業や成果がとても好きなメンバーに刺さりました。研修から少し時間が経過した今でも、当時の資料を見返している若手を知っているので、研修が原点になっているのだと感じています。


ピープルマネジメントの技術



長村 “マネジメントは働きやすい会社を作ることが目的ではなく、事業の成果を上げるための手段である”という概念です。そして、選ばないという選択肢はない、実質は“必須の手段”です。だからこそ目的化しやすいのだと思います。しかし順番を間違え、“ピープルマネジメントのためのピープルマネジメント”となってしまったら危険ですね。手段としてやらない選択肢はありませんが、あくまで手段であることには間違いありません。


他社と比べてPRONIさんは、こういったマネジメントに対する考え方をすんなりと受け入れた印象です。PRONIの方々は“何のために”という目的思考が人一倍強いと感じていまして、とくに部長クラスの方々とは“それは何のためにやるのか”という議論を何度か実施した記憶があります。


柴田 メンバーの変化以外にも、大きな成果がありました。私自身は研修に参加しなかったので、後に研修中のメンバーの様子を長村さんからうかがうことができました。それによって自分では見えていなかったメンバーの強みや弱みを知ることができたと感じています。逆に私からメンバーに対して面と向かっては伝えづらいことでも、研修時に講師から伝えてもらえるというのは外注やパートナーに依頼するメリットのひとつだと思います。


コンテンツはとても具体的で、大企業でも通用するものだと思います。例えば大企業では、先輩社員や課長、部長、役員などで手分けしてマネジメントができますが、スタートアップでは社長が1人で行わなければなりません。しかし、理想的なマネジメントのあり方については社長の口からはなかなか言いにくいことです。それを講師が代弁してくれるという点が、まさにベンチャー特化の利点だと思います。


また、研修内容を見たときに“これなら自分でも話せる”という人もいるかもしれません。しかし、質問に対する回答のなかで部下に対して言いづらいことも全て話せるかというと、そうもいきません。その辺りも講師に依頼できるのが内製ではないメリットだと思います。部下に言いたいことはたくさん出てくると思いますが、その中の一部でも代弁してくれるのなら、自分はそれ以外の仕事に集中することができます。


長村 実際に、そういった理由で発注してくださる方もいらっしゃいます。また、自前で研修の準備をするのは時間がかかりますし、苦労した割にクオリティはそこまで高くならないものです。物理的な工数を捻出するのは厳しいですよね。私たちがコアターゲットはまさに当時のPRONIさんのイメージで、現在急成長中していて、はじめてマネージャーを作らなければならないという壁にぶつかっている会社です。また、「30人の壁」といった問題を引き合いに出し未然に避けたいというニーズで申し込まれる方も増えている印象です。



インタビューの様子


最後にマネジメント研修を外注する時のポイントについてお聞かせいただければと思います。


長村 どの研修会社に発注するときも、実利があるのか、実務に役に立つ内容なのかは徹底的に精査すべきです。研修会社の提案はどうしても抽象的になるので、提案資料だけでは判断が難しいです。なので体験セッションを受けるなどして、実務に使えそうかという視点で判断された方が良いと思います。


また教材や資産が残り、ゆくゆくは自分たちで内製ができると思えるところに発注した方が良いでしょう。先ほど自分たちで教えるのは難しいというお話をされていましたが、社長や経営者が教えるのは難しくとも、HRのヘッドであれば教えやすいと思います。なので中長期的にみて、自分たちで教えられると思えるような研修を選ぶといいですね。そう思える会社がなかなか無いという問題意識から、私自身、起業したという経緯があります。


できれば問題に直面する前に研修を受けるのが理想ですね。問題を感じているということは、すでに人がたくさん辞めてしまっていたり、マネージャーがいないせいで事業のチャンスを逃してしまったりといった状況なので、そうなる前に予防していただくのがベストです。



失敗しないパートナー選定の秘訣 人材研修会社編


会社名:株式会社EVeM


ベンチャー企業に必要なマネジメントの型をインストールすることを目的に設立された教育事業会社。2020年8月に設立以降、個人及び法人向け向けにマネジメントトレーニングを提供しています。


代表取締役:長村禎庸

所在地:東京都新宿区新宿1丁目30−12窪田ビル4階

設立 :2020年8月

URL :https://www.evem-management.com

事業内容:法人向けマネジメントトレーニングプログラム「EVeM for Business」の運営(https://www.evem-forbusiness.jp/)

個人向け実践型マネジメントスクール&コミュニティ「Emo」の運営(https://emo.evem-management.com/)


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