税理士に依頼するといくら?年末調整代行の費用相場【2024年最新版】
1年間の給与・賞与をもとに納めるべき所得税を計算し、源泉徴収税との差額を調整する年末調整。
従業員から提出してもらった書類に不備がないか確認したり、家族構成などによって1人ひとり異なる控除額を計算したりするのは、非常に手間がかかるものです。
毎年11月頃になると、「今年もこの時期がきたか……」という経理担当の方は非常に多いのではないでしょうか?
そうした際は年末調整を税理士に委託するのも1つ。
税務会計のプロである税理士に任せることで延滞税などのリスクも避けられるうえ、予算管理などほかの業務に時間を充てられるようになります。
この記事では税理士に年末調整を依頼する場合の費用相場や、税理士を選ぶうえで注意したいポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
年末調整の費用の算出方法
年末調整にかかる費用の一般的な内訳は、「基本料金+従業員1人あたりの手数料」。
多くの税理士事務所がこの料金体系をとっており、従業員の数が増えるほど(=給与額や控除額、税金の計算などが多くなるほど)、クライアントが支払う費用は高くなります。
そうした一方、最近ではクラウド給与計算ソフトなどへのデータ入力が済んでいることを前提に、年末調整の費用をディスカウントする税理士事務所も増えてきました。
年末調整の費用の相場
種類 | 価格帯 |
---|---|
基本料金 | 1万円~2万5,000円 |
従業員1人あたりの手数料 | 1,500円~3,000円 |
前述のとおり、年末調整については多くの税理士事務所が「基本料金+従業員1人あたりの手数料」という料金体系をとっています。それぞれの具体的な相場について見ていきましょう。
基本料金
基本料金の一般的な相場は、従業員数・売上高を問わずおおむね1万円~2万5,000円前後。
2002年に廃止された報酬規程をもとに料金を設定している税理士事務所もあるせいか、金額的にやや開きがあるものの、最近では1万円台で対応してくれるところが増えてきました。
また、なかには従業員数が少ない場合に限って、基本料金だけで対応してくれる税理士事務所も(例.従業員10名まで一律2万円。以降1人増えるごとに+1,500円など)。
そうした一方、社内で対応しようとした年末調整が間に合わず、年をまたいでしまった場合などに急ぎで税理士に依頼すると、特急料金(依頼時期によるがおおむね+2万円~3万円)が加算されます。
従業員1人あたりの手数料
手数料の相場は、従業員1人あたり1,500円~3,000円前後です。
年末調整の場合、家族構成や保険の加入状況によって控除額の計算などが1人ひとり異なり、流れ作業的に進めることはできないため、従業員数が増えても基本的に単価は下がりません。
ただし、税理士事務所によっては、依頼者側がクラウド給与計算ソフト(「マネーフォワードクラウド」など)へのデータ入力を済ませておくことを前提に、手数料を割引してくれるところもあります。
見落としがちな費用にも注意
法人の場合、ケースとしてはそれほど多くないようですが、年をまたいでの急ぎの依頼には前述の特急料金がかかるので注意が必要です。
また、税理士事務所になかには法定調書(源泉徴収票、支払調書)の作成を費用別途のオプション扱いにしているところもあるので、事前に確認しておきましょう。
- 【これだけは押さえておきたいポイント】
-
- 基本料金の一般的な相場は、1万円~2万5,000円前後
- 手数料の一般的な相場は、従業員1人あたり1,500円~3,000円前後
- クラウド給与計算ソフトへの入力を済ませておくことで、
手数料が割引されることも - 年をまたいでの急ぎの依頼には特急料金がかかるので注意
従業員数と依頼時期別の費用相場
従業員数/依頼時期 | 一般的な相場 |
---|---|
10名前後/通常の依頼 | 2万5,000円~3万5,000円 |
30名前後/通常の依頼 | 5万5,000円~7万5,000円 |
50名前後/特急依頼 | 10万5,000円~14万5,000円 |
続いてはより具体的に、従業員の数と依頼するタイミングによって年末調整の費用にどれくらい違いが出てくるのかご紹介していきます。
従業員数10名前後の会社が通常のタイミングで年末調整を依頼する場合
従業員10名前後の比較的小規模な会社が、通常のタイミングで税理士に年末調整を依頼する場合、一般的な相場は2万5,000円~3万5,000円前後(内訳 基本料金:1万円~1万5,000円 手数料:1,500円~2,000円×10名)となります。
ちなみに、給与体系や経理スタッフの数によりますが、この規模であれば自社で年末調整を行なうことも可能。
社内での業務コストと税理士に依頼した場合の費用を照らし合わせ、慎重に検討しましょう。
従業員数30名前後の会社が通常のタイミングで年末調整を依頼する場合
従業員30名前後の会社の場合、通常の年末調整の相場はおおむね5万5,000円~7万5,000円前後(内訳 基本料金:1万円~1万5,000円 手数料:1,500円~2,000円×30名)。
クラウド給与計算ソフトが導入済みで、そこから年末調整に必要なデータをすぐに引っ張ってこられる形にしておけば、上記の金額からさらに割引を受けられることもあります。
従業員数50名前後の会社が特急で年末調整を依頼する場合
従業員からの書類提出や経理での確認作業が遅れ、税理士への依頼が遅くなると前述のとおり特急対応の料金が加算されます。
仮に従業員50名前後の会社が、年をまたいで税理士に年末調整を依頼すると、一般的な費用の相場は10万5,000円~14万5,000円前後(内訳 基本料金:1万円~1万5,000円 手数料:1,500円~2,000円×50名 特急料金:2万円~3万円)。
当然ながら、依頼のタイミングが遅くなる分だけ特急料金は増し、場合によっては税理士側でも対応が間に合わず、延滞税などが課されるリスクもあるので注意しましょう。
- 【これだけは押さえておきたいポイント】
-
- 従業員10名前後の会社が年末調整を依頼すると、
費用の相場は2.5~3.5万円前後 - 従業員30名前後の会社が年末調整を依頼すると、
費用の相場は5.5~7.5万円前後 - 従業員50名前後の会社が特急で年末調整を依頼すると、
費用の相場は10.5~14.5万円前後
- 従業員10名前後の会社が年末調整を依頼すると、
なぜ価格が違う?価格差の出る理由
ここまでご紹介してきたように、年末調整の費用を大きく左右するのは、従業員数と依頼のタイミングです。
近年はクラウド給与計算ソフトが普及したこともあり、税理士事務所ごとにそれほど大きな金額差はありません。
ただし、提出した書類に不備が多く、税理士サイドでチェックに手間がかかる場合などは、料金が若干上乗せされるケースもあるようです。
できるだけ費用を抑えるためには…
年末調整の費用を抑えるためにコツは、税理士に依頼するほかの業務と同様、できることは社内で済ませ、かつ時間的に余裕をもって依頼すること。
書類に不備がないか確認し、さらに給与計算ソフトへの入力を済ませた状態で年内早めのうちに依頼すれば、費用が大きくかさむことはないでしょう。
また、税理士事務所によっては記帳代行や給与計算とセットで依頼したり、顧問契約を結んだりすることによって、年末調整の単価が抑えられることもあります。
- 【これだけは押さえておきたいポイント】
-
- 年末調整の費用は従業員数と依頼のタイミングで左右される。
業者ごとの金額差は小さい - ただし、書類に不備が多かったりすると税理士の工数がかかり、
料金に反映されることも - 費用を抑えるためには、できることは社内で済ませ、
早めに依頼すること
- 年末調整の費用は従業員数と依頼のタイミングで左右される。
実際に税理士の料金表を調べてみた
この記事を作成するにあたっていくつかのホームページをチェックしたところ、実際の料金表を公開している税理士事務所を見つけました。参考までにご紹介します。
費目 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
基本料金 | 2万円 | 給与計算とあわせて依頼する場合、1万5,000円 |
手数料 | 1人あたり3,000円 | 給与計算とあわせて依頼する場合、2,000円 |
費目 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
基本料金 | 2万円 | 給与計算とあわせて依頼する場合、1万円 |
手数料 | 1人あたり1,000円 | 従業員5名までは基本料金のみで対応 |
費目 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
基本料金 | 1万円 | 書類到着が年明けの場合、追加料金あり |
手数料 | 1人あたり2,000円 | 給与計算ソフト、必要書類の有無などによって変動 |
失敗しない税理士選びのためには…
最後は税理士選びのポイントについて。契約を結ぶ際は具体的にどんな点に目を向けるべきなのでしょうか。
レスポンスの早さ
年末調整が滞れば、法定調書や支払報告書の提出にも影響を及ぼし、場合によっては延滞金が課されることも。
依頼者側で余裕をもって対応するのはもちろん大事ですが、それに加えてメールの返信が遅い税理士事務所、担当税理士がつかまりにくい税理士事務所などは避けた方がいいでしょう。
また、スピードという点では税理士事務所の人員体制も大切な要素。
複数の税理士、複数のアシスタントスタッフが在籍しているところの方が、繁忙期もスムーズに対応できるはずです。
人柄&コミュニケーション力
給与計算や記帳代行とあわせて依頼する場合、税理士とは長い付き合いになります。
できれば契約前に直接顔を合わせ、ストレスなく接することができる税理士を選びましょう。
得意分野
ひと口に税理士といっても得意分野はさまざま。不動産や医療など特定の業種に強みを持つ税理士もいれば、中小零細企業の支援に特化した税理士もいます。
得意分野であれば年末調整とあわせて節税アドバイスなども受けられるので、自社の業態や規模に応じて、ホームページなどを参考にしながら、依頼先の候補を絞り込んでいきましょう。
今回ご紹介した内容が、年末調整に悩んでいる方、税理士への依頼を検討している方の役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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