【2024年最新版】蓄電システムとは｜創畜連携システムの詳細と蓄電システムの費用相場をご紹介！

蓄電システムの導入には、電気代を削減できる、停電でも電気を利用できるなどのメリットがあります。コスト削減やBCP対策の一環として、導入する企業も少なくありません。そのため、「自社でも蓄電システムを導入しよう」と考えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、蓄電システムの仕組みやメリット・デメリット、導入費用について解説します。蓄電システムの発注先を探している方のために、おすすめの蓄電池メーカーや電気工事会社もご紹介！蓄電システムの導入を検討中の方は、ぜひご覧ください。

蓄電システムとは、蓄えた電気を必要なときに利用できるシステムです。蓄電システムを導入していない場合、電気を利用するには電力会社から購入するか、発電設備を用意しなければなりません。蓄電システムを導入すれば、災害などで電力会社の送電網が利用できないときにも電気を利用できます。加えて、近年導入が進められている太陽光発電システムは、夜間に発電することはできません。太陽光発電システムと蓄電システムを組み合わせれば、昼前に蓄えておいた電気の夜間利用も可能です。蓄電システムによって、蓄えられる電気の容量と出力に違いがあります。容量の大きなシステムほど多くの電気を蓄えられ、出力が高いほど一度に利用できる電力も高いです。

蓄電システムでは、蓄電池に蓄えた電気を利用します。蓄電池は「鉛蓄電池」と「ニッケル水素電池」、「リチウムイオン電池」の3種類に分けられます。鉛蓄電池は、ほかの電池と比べて劣化が激しいものの安価で利用でき、歴史もあることから信頼性の高い電池と言えます。水素電池は環境への影響が少なく、安全性が高い電池。リチウムイオン電池は容量が大きく、自己放電が少ない電池です。大規模な蓄電設備では、より容量が大きな「NAS電池」が利用される場合もあります。蓄電池を利用するには、充電しなければなりません。蓄電池の充電方法として以下の2つが挙げられます。

・電力会社から電気を購入して蓄電
・発電システムを利用して蓄電

それぞれの充電方法について解説します。

蓄電システムの充電方法の中でもっとも普及している方法が、電力会社から購入した電気を利用する方法です。一般的な電化製品と同じように、発電所から供給される電気を利用します。購入した電気を利用して蓄電池を充電する場合、昼間に充電すると電気代が高額になってしまう可能性も。電気を購入して充電するタイプのシステムでは、夜間の電気代が安くなるプランを契約して、夜の間に充電するのが一般的です。夜間に蓄電池を充電して、昼間は充電した電気を利用すれば、電気代を節約できます。もし昼間に蓄電池の電気を使い果たしてしまったとしても、蓄電システムを導入していない場合と比較して、購入する電気の量を抑えられるでしょう。

蓄電池は、太陽光発電システムなどの自家発電設備を利用して充電することもできます。社屋や工場などに設置した太陽光発電システムを利用して充電すれば、電力会社から電気を購入せずに蓄電池を充電することも可能です。夜間や雨の日など、太陽光で充電できないときは、蓄電池の電気を利用し、蓄電池の電気がなくなったときにだけ電気を購入すればよいので、消費電力が少ない施設なら大幅に電気代を削減できるでしょう。災害などで停電が長期化した場合でも太陽光発電システムがあれば、自家発電した電気を利用できます。先に解説したように、電力会社から購入した電気で蓄電池を充電するシステムのほうが一般的です。しかし、最近では太陽光発電などの自家発電設備で充電するケースも増えています。

先述の太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムは、「創蓄連携システム」と呼ばれています。蓄電システムを導入する場合、太陽光発電システムと組み合わせて、創蓄連携システムを構築するのが近年のトレンドです。創蓄連携システムを導入するケースが増加している背景には、FIT（太陽光発電の固定価格買取制度）の期間満了を迎える人の増加があります。FIT満了後は、電気の買い取り価格が下がるため、売電よりも光熱費の節約を優先する人が増えているのです。また、近年の防災意識の高まりも蓄電システムの導入を後押ししています。非常用の電源を確保するために蓄電池の設置を検討している人が増えているのです。

創畜連携システムには、以下のようなメリットがあります。

・長い停電でも電気を利用できる
・天候の影響を受けにくい
・電気のロスを抑えられる

台風などによって、電力会社の送電網がダメージを受けると電気を利用できなくなる場合もあります。災害の規模によっては復旧が長引く恐れも。創畜連携システムであれば、昼間に太陽光で発電し、夜間は貯めておいた電気を利用できます。また、太陽光発電には、天候の影響を受けやすいという弱点があります。創畜連携システムでは、貯めておいた電気を利用できるので、購入する電気の量を抑えられるのです。加えて、創畜連携システムでは、ハイブリッドパワーコンディショナと呼ばれる効率のよい装置を利用するので、電気のロスを抑えられるメリットもあります。

蓄電市場は、今後もさらなる拡大が予想されています。富士経済が実施した調査によると、2021年の蓄電システムの世界市場規模は、「系統・再エネ併設用向け」が7,145億円、「住宅用向け」が1,481億円、「業務・産業用向け」が711億円、「その他」が5,090億円、全体では1兆4,428億円とされています。2035年には、「系統・再エネ併設用向け」が2兆220億円、「住宅用向け」が3131億円、「業務・産業用向け」が3487億円、「その他」が7621億円、全体では3兆4,460億円まで成長すると予測。蓄電市場全体で、2021年の2倍以上拡大するとされています。
出典：株式会社富士経済 エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2021 ESS・定置用蓄電池分野編 https://fuji-keizai.co.jp/market/detail.html?cid=21094&view_type=2

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蓄電システムには、以下のようなメリットがあります。

・電気代を節約できる
・非常用電源として利用できる

蓄電システムを導入すると、電気代を節約できます。夜間の電気代が安くなるプランを用意している電力会社も多数。電力の消費量が高くなる昼間を避けて充電し、充電した電気をピーク時に使用するピークシフトという使い方なら、電気代を抑えられます。蓄電システムには、ピークカットという使い方も。ピークカットとは、電気料金の高い昼間の電力を極力蓄電池で賄う使い方です。購入する電気を減らせるので、電気代を節約できます。加えて、停電時には非常用電源として活用できるメリットも。蓄電システムの導入には多くのメリットがあるのです。

メリットの多い蓄電システムですが、いくつかデメリットもあります。主なデメリットは以下のとおりです。

・蓄電池の劣化
・蓄電できる容量に上限がある
・蓄電システムを設置できるスペースが必要

蓄電池の種類によって劣化の進み具合は異なりますが、基本的に充電と放電を繰り返すうちに、電池の性能は低下していきます。充電と放電のサイクルを何回繰り返せるのかを表したのが、「サイクル回数」という数値です。蓄電システムを導入する際は、蓄電池のサイクル回数を確認しておきましょう。蓄電池には充電できる容量があります。太陽パネルを設置しておらず、停電している状態では使用できる電力が限られるのです。加えて、蓄電システムを設置するスペースを確保できなければ、設置できない可能性もあります。

家庭用の蓄電システムの導入費用の相場は100万～250万円です。蓄電システム導入に必要なコストは、蓄電システム本体のコストと工事費用によって決まります。蓄電システム本体のコストは、5～7kWh前後であれば90～150万円、8～12kWhであれば150～200万円前後が相場です。容量が大きい蓄電池ほど、コストも高くなる傾向にあります。15kWhを超えるような大容量の蓄電池を導入する場合、蓄電池だけで200万円を超えるケースも少なくありません。蓄電システムの工事は設置工事と電気工事に分けられます。工事費用は2つの工事を合わせて、30万円前後が相場です。
産業用の蓄電システムの相場も容量により変わるため、家庭用との差はそこまでありませんが、家庭用蓄電池の1.5倍程度とも言われています。また、電気工事会社によって、アフターサポートの範囲が異なるので、価格だけで発注先を決めないように注意しましょう。

電気工事の相場・費用を知りたい方はこちらの記事をぜひチェックしてみてください。 

先にご紹介したように、蓄電システムのマーケットは拡大傾向にあり、さまざまな企業が参入しています。蓄電システムの製造・販売だけではなく、設置やメンテナンスまで、トータルで対応している会社も多いです。一方で、どの会社を選択すべきか迷ってしまう方も少なくありません。会社選びで迷ってしまう場合は、一度は社名を聞いたことがある有名企業を選ぶとよいでしょう。蓄電システムの導入を検討している方におすすめの会社は以下の2社です。

・パナソニック
・京セラ

どちらの会社も太陽光発電システム・蓄電システムで実績のある会社です。それぞれの会社の蓄電システムやサービスについて解説します。

蓄電システムは一般の住宅だけではなく、商業施設や工場などでも利用されています。一般的に業務用の蓄電システムには、家庭用のシステムよりも大きな容量と出力が必要です。工場やビルなどに蓄電システムを設置したいのであれば、業務用のシステムを取り扱っている会社を選ばなければなりません。業務用の蓄電システムの発注先としておすすめの会社は以下のとおりです。

・村田製作所
・日立産機システム

製品だけではなく、保証内容やアフターサービスの内容も会社ごとに違いがあります。蓄電システムに限らず、電気設備は定期的な点検とメンテナンスが必要です。発注先を比較する際は、サポートの内容もしっかりチェックしておきましょう。

条件を満たせば、蓄電システムの導入に補助金を利用できる場合があります。家庭用蓄電池の導入に利用できる補助金として、DER補助金が挙げられます。DERとは地域内の住宅や工場に設置されている太陽光発電設備などを発電所として扱う考え方です。DER実証実験への参加を条件に、蓄電システムの購入価格を補助してもらえます。対象となるのは日本国内で事業を営む法人と個人事業主、個人です。補助を受けるには、蓄電池の購入価格と工事費の合計が15万5,000円/kWh以下でなければなりません。加えて、設置する機器が事前にSIIに登録されていることも条件です。自社で所有する蓄電システムを利用する場合は、最高で設備費・工事費の3分の1が補助されます。

蓄電システムや創畜連携システム、費用相場について解説しました。蓄電システムを導入すれば、電気代を節約できます。災害時には、非常用の電源としても活用できるので、災害時の事業への影響を低減したい方は導入を検討するとよいでしょう。一括見積もりサービス「アイミツ」では、蓄電システムの設置を依頼できる電気工事会社を、無料でご紹介しています。コンシェルジュがヒアリングを行い、条件とマッチする会社で一括見積もり！電気工事会社を探す手間を省けます。蓄電システムの導入でお困りの方は、お気軽にご相談ください。