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今さら聞けない「人材紹介」とは?派遣との違いや料金の仕組みを公開!【2024年最新版】

更新日:2024.01.24

多くの人事担当者が「会社の未来を担う人材を採用したい」と考えてはいるものの、実際にはなかなか難しいというのが現実です。なかでも医療やITといった専門分野では思うような採用活動が叶わず、慢性的な人材不足を課題とする会社も少なくないといわれています。

そうした際に心強い存在となるのが、人材紹介サービスです。本記事では、そんな人材紹介の概要や人材派遣との違い、サービスを利用する際の流れや注意点などをまとめて解説していきます。

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人材紹介とは?

まずは、人材紹介の仕組みや種類、手数料など概要を簡単に解説していきます。

人材紹介の仕組みと歴史

「人材紹介」とは、文字どおり働き手を求める企業に対して有料で労働者を紹介するサービスです。職業安定法で定められた正式名称は「有料職業紹介事業」で、厚生労働大臣の許可を得た会社のみが事業を行うことが可能。紹介する側の会社は「人材紹介会社」や「転職エージェント」と呼ばれています。

人材紹介会社は、人材を求める顧客企業の要望に合わせて選定した候補者の情報を共有し、顧客企業による書類選考を経て面接日程の調整や合否の連絡などを行い、正式に入社が決まった段階で紹介手数料を受け取るというのが大まかな流れです。

なお、人材紹介の歴史は古く、江戸時代にはすでに労働者を仲介するビジネスが成り立っていたといわれています。その後、日本では1962年にケンブリッジ・リサーチ研究所が設立されたのを皮切りに、多くの企業が採用戦略の一環として人材紹介を活用するようになりました。
2019年には人材紹介市場は3,000億円以上にのぼり、企業が優秀な人材を中途採用で確保するために欠かせない手段の1つとなっています。

人材紹介会社の存在は求職者にとってもメリットが大きく、アドバイスを受けながら転職活動が進められるだけでなく、場合によっては書類選考が免除されることも。そうした背景から、実務経験の豊富な求職者やキャリアアップに意欲的な求職者ほど、転職にあたって人材紹介サービスを利用する傾向にあるようです。

人材紹介の種類

人材紹介は人材紹介会社の業務の進め方によって大きく以下の3種類に分けられます。それぞれどんな違いがあるのか見ていきましょう。

1.登録型(一般紹介型)

求職者の年齢や性別、経歴、資格などの情報をデータベースへ登録し、そのなかから顧客企業の採用条件にマッチする人材を候補者として紹介するのが「登録型」の人材紹介です。一般的にいわれる人材紹介の大半が、この登録型を指しています。

2.サーチ型

「サーチ型」とは、自社のデータベースにくわえ、webサイトやSNSでの情報収集、イベント・セミナーでの名刺交換、電話営業などさまざまな手段を用いて求職者を確保し、企業へ人材を斡旋する方法です。

「ヘッドハンティング」「エグゼクティブサーチ」とも呼ばれ、年収1,000万円を超える医師やITエンジニアといったハイスキルな専門職や、CFOやCOOなどの経営層の人材紹介はこの形で進められることが多いとされています。

3.アウトプレースメント型

経営難や事業縮小によって人員を削減せざるを得ない企業の人材を他社へと斡旋するのが、アウトプレースメント型の人材紹介です。

登録型・サーチ型との大きな違いは、人員削減する側の企業が費用を負担する点。採用する側にとっては低コストで人材を確保できるメリットがあります。また、人材紹介会社へアウトプレースメントを依頼するのは大企業が大半なので、スキルと実務経験を兼ね備えた人材に出会いやすいというのも特徴です。

人材紹介の手数料

人材紹介の手数料は、採用された人材の理論年収*をベースに、人材紹介会社が設定した両立をかけ合わせて決定します。一般的な料率は30〜35%とされており、営業や総務、経理といった一般職の紹介手数料はこの範囲に収まることが多いようです。
*入社初年度の12ヵ月分の給与、残業代などを含む手当、賞与の総額

一方で、専門職やエグゼクティブ層の人材紹介は、そもそもの対象者の数が限られる上に採用難易度も高くなるため、紹介手数料の料率が40%を超えることも珍しくありません。さらに、在職中の人材をスカウト・ヘッドハンティングする場合は着手金の支払いが求められるケースもあるので、余裕をもって予算を確保しておくのがおすすめです。

なお、人材紹介における紹介手数料の料率は50%が上限。労働局へ有料職業紹介事業の許可を申請する際に、50%を超える料率を設定している場合は許可が下りないというのが理由です。

また、人材紹介会社が企業と契約を結ぶときには、「返金規定」を契約に盛り込むことが望ましいとされています。返金規定のある人材紹介サービスを利用すると、採用者が自己都合によって早期退職した場合は規定に応じて紹介手数料の一部が返金されます。

人材派遣との違い

人材派遣と人材紹介のもっとも大きな違いは、「雇用主の違い」です。

人材紹介会社・人材派遣会社へ手数料を支払い、紹介・斡旋を通じて人材を確保するという点は共通していますが、派遣社員の雇用主は人材派遣会社。実際の業務は就業先の指示・ルールのもとで進めるものの、派遣社員への給与・社会保険料の支払い、労働条件の改善などに対応する義務は人材派遣会社にあります。

一方で、人材紹介における雇用主は人材の紹介を依頼した企業であり、採用の決定後はほかの社員と同様に給与や各種手当て、社会保険料の支払いが必要です。

また、人材派遣には「3年ルール」*があるのに対して、人材紹介では雇用期間の制限がありません。人材紹介を通じて採用した社員を、定年まで20年、30年にわたって雇用し続けることも可能です。
*有期雇用の派遣社員が同じ事業所・組織で働ける期間を3年までとする労働派遣法の取り決め

そうした背景から、事務やカスタマーサポートといった職種は派遣社員やアルバイトを中心に構成し、管理職をはじめとする会社の中核を担う人材は人材紹介会社経由で採用するという企業も多いようです。

人材紹介サービスの流れ

続いては、人材紹介サービスを利用する際の一般的な流れ・進め方について解説します。

1.打ち合わせ

まずは人材紹介会社へコンタクトをとり、担当者に「求める人物像」や「具体的なスキル・実務経験年数」「年収」「採用を希望する背景」などを共有しましょう。

人材紹介会社はこれらの情報をもとに、「登録型」のサービスであれば自社のデータベース、「サーチ型」であればwebサイトやSNSなども活用して候補者を選出します。この段階では、人材紹介会社と候補者による面談や、適性検査が行われることも多いようです。

2.紹介

人材紹介会社が選出した候補者の紹介を受けます。候補者の履歴書や職務経歴書も見ることができるので、「採用の条件にマッチするか」「希望年収などの条件に齟齬はないか」などをしっかり確認しましょう。

なお、人材紹介は正式に採用が決定した段階で契約成立(報酬発生)となるため、着手金が設けられている場合を除いて、紹介の段階で費用が発生することはありません。

3.選考

ここからは、通常の採用と同様に候補者の選考を進めていきます。

人材紹介では、あらかじめ人材紹介会社が候補者の実務経験やスキルをフィルタリングするため、書類選考を行わずにすべての候補者と面接する企業も少なくないようです。

また、面接の日程調整や合否連絡も人材紹介会社が代行するため、候補者へ直接電話やメールで連絡する必要はありません。

4.採用

採用が決定したら対象者と雇用契約を結び、入社手続きに移ります。

前述のとおり、人材紹介では採用者の入社が決定してはじめて紹介手数料の支払いが発生します。所定の料率を紹介手数料として人材紹介会社へ支払うことで、人材紹介会社との契約が完了となります。

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人材紹介のメリット

人材紹介は、ほかの採用方法と比較してどのようなメリットがあるのでしょうか?解説していきます。

採用業務の工数を抑えられる

人材紹介のメリットとしてまずあげられるのは、「採用担当者の業務内容が抑えられる」ということです。

自社だけで採用活動を行う場合は、求人票の作成から面接日程の調整、合否連絡などをすべて社内で担いますが、人材紹介会社ではこうした業務をまとめて代行しています。

人材紹介会社を活用することで、採用に関するルーティンワークの工数を削減し、採用戦略の立案などより本質的な業務にリソースが充てられるでしょう。

費用の無駄打ちを防げる

求人サイトへの広告出稿や会社説明会の開催は、成果を問わず広告料や会場の利用料などが発生するのに対して、人材紹介はあくまでも成功報酬型のサービスです。

採用・入社が決定した段階ではじめて紹介手数料が発生するので、採用活動における費用の無駄打ちが抑えられます。

候補者の質が担保される

人材紹介では、人材紹介会社が採用条件にマッチする候補者を絞り込んだ上で候補者を紹介するため、求人サイトでの募集のように興味本位の応募や、条件を満たしていない応募への対応に時間をとられることがありません。

候補者の質が一定以上に担保され、余計な手間をかけずに優秀な人材を確保しやすいのも人材紹介の大きなメリットだといえるでしょう。

人材紹介のデメリット

一方で、人材紹介にはデメリットがあるというのも事実です。人材紹介を利用する際は、デメリットも理解した上で検討を進めましょう。

紹介手数料が高額

人材紹介における紹介手数料は、一般職が理論年収の30%~35%前後、専門職・エグゼクティブ職が40%前後が相場とされています。

仮に年収1,200万円のエンジニアを採用すれば最低でも480万円前後、年収400万円の経理スタッフや総務スタッフでも平均120万円~140万円前後の支払いが必要です。
リクルートキャリアが発表した「就職白書2019」によると、中途採用における平均採用費用は約85万円とされており、決して安い金額ではないことがわかります。

実際のところ、高額な紹介手数料を懸念して人材紹介サービスの利用に二の足を踏む企業も少なくないようです。

採用ノウハウが蓄積されにくい

これはメリットの裏返しではありますが、人材紹介では人材紹介会社が候補者の選定を行うため、webサイトやパンフレットなどの採用ツールの企画・制作、求人広告の運用といった採用活動に関するノウハウが社内に蓄積されにくくなると考えられます。

また、人材紹介会社の担当者が顧客企業と候補者の間をとりもつ形になるため、顧客企業は候補者と直接コンタクトをとることはできません。その結果として、求職者の本音や転職市場の動向が把握しにくくなるといったことも起こりえるのではないでしょうか。

紹介が禁止されている職種も

メーカーからIT・医療関連まで幅広い業種の企業が利用している人材紹介サービスですが、船内の荷役などを行う港湾運送業と土木建設業については、いずれも業務の専門性が高く、職業安定法で有料の人材紹介が禁止されています。

また、労働者保護の観点から、今後厚生労働所の取り決めによって紹介禁止の業種が追加される可能性もあります。

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人材紹介で失敗しないために

最後は人材紹介を利用するにあたって注意すべきポイントについて、大きく3つ分けて解説します。

業種・採用規模に合う人材紹介会社を選ぶ

なにより大切なのは、自社の業種・採用規模に合った人材紹介会社を選ぶことです。

近年ではITや医療、マスコミ・広告など特定の分野を専門とする人材紹介会社も増えています。そうした人材紹介会社は、各業界の動向や求職者の志向にも理解があると考えられるため、優秀な人材の紹介だけでなく採用戦略へのアドバイスなども期待できるのではないでしょうか。

一方で、新規事業の立ち上げなどで一度に複数人の人材を確保したいという場合には、登録者の多い大手人材紹介会社の活用がおすすめです。

要件をあますところなく共有する

「人材紹介サービスの流れ」でも説明したとおり、人材紹介会社は顧客企業から提示された情報をもとに候補者を絞り込みます。

実務経験年数や年収といった定量的なデータはもちろん、採用の背景やこれまでの採用課題、会社としての事業戦略、候補者に将来的に任せたいポジションなど、あますところなく情報を提供しましょう。

なお、昨今では対面にくわえて、オンラインで顧客企業と打ち合わせを行う人材紹介会社も多いよう。いずれの場合であっても認識の相違を防ぐために、あらかじめ要件をまとめた資料作成し、打ち合わせの際に共有するのがおすすめです。

過度な値引き交渉は避ける

採用コストを抑えたいからといって、紹介手数料の過度な値引きを求めるのは避けた方がよいでしょう。

なかには値引き交渉に応じる人材紹介会社もあるようですが、人材紹介事業は顧客企業からの手数料で成り立つものです。人材紹介会社としては、当然ながら「手数料率の高い顧客」「採用の本気度が高い顧客」へ優先的に人材を紹介します。

優秀な人材を逃さないためにも了解手数料は「将来への投資」ととらえ、十分な予算を用意しておきましょう。

まとめ

本記事では、人材紹介の仕組みや手数料、サービスを利用する際の流れなどについて解説してきました。

多くの求職者情報を抱えているだけでなく、独自のルートやノウハウをもつ人材紹介会社は、採用に悩む企業にとって心強い存在となるでしょう。しかし、総合型・専門型などさまざまなサービスを提供する会社が存在する中で、自社に合った会社を見極めるのは容易ではありません。

「アイミツ」では、人材紹介会社に関する相談を無料で受け付けています。人材紹介会社選びで迷っている方や、「自社に合う依頼先を教えてほしい」という方は、お気軽にお問い合わせください。

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