人材紹介のメリットとデメリットを解説！利用のポイントもご紹介します【2024年最新版】

人材を募集する企業と働きたい人とをつなぐ人材紹介サービス。

企業にとっては、時間をかけることなく人材を確保できるなど、多くのメリットがありますが、同時にデメリットや注意しなければならない点もあります。不利益を被らないためにも、事前にメリットとデメリットをよく把握しておきましょう。

本記事では、人材紹介サービスを利用するメリットとデメリットを解説します。人材紹介サービスを利用する際に重要なポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

まず、人材紹介サービスとはどのようなサービスなのか、ここであらためて確認しましょう。

人材紹介サービスとは、人材を採用したい企業と求職者をマッチングさせるサービスです。サービスの提供元は一般的に、「人材紹介会社」や「転職エージェント」と呼ばれており、以下のような形で企業と求職者の間に立ちます。

企業：人材紹介契約を結び、条件にマッチした求職者がいた場合に紹介を受ける。
求職者：人材紹介会社に登録し、人材紹介会社から転職先を紹介してもらう。

企業と求職者のニーズが一致し、転職が決まった場合に企業は人材紹介会社に紹介料を支払います。この紹介料が人材紹介会社の主な収益源です。そのため、人材紹介会社はマッチングの成立に尽力することとなります。

そのため、人材紹介会社を利用することによって、企業は採用する可能性が高い転職希望者に的を絞ることが可能です。

人材紹介と人材派遣では、提供するサービス内容が異なります。人材紹介は企業の条件に合わせて、社員として採用するための人材を紹介するサービスです。一方で、人材派遣では派遣先企業の業務に適した人材を派遣します。

なお、人材紹介会社は一般紹介・登録型とサーチ型の2種類に分かれます。一般紹介・登録型は、人材紹介会社としてもっとも一般的なスタイルで、人材を募集する企業と転職希望者の依頼にもとづいてマッチングを行うサービスです。

サーチ型は企業の依頼にもとづいて、条件にマッチした人材を探し出して紹介する方式。サーチ型の人材紹介会社をヘッドハンティング会社、スカウティング会社と呼ぶケースもあります。

人材紹介会社からの紹介を受けて人材を採用した場合、企業は人材紹介会社に手数料を支払います。初年度の理論年収の30％から50％を手数料として設定している人材紹介会社が大半で、35％程度が手数料の相場とされています。

理論年収とは、基本給に各種手当を合わせた月給の12ヵ月分に賞与を加えたものです。

たとえば、手数料が35％の場合、理論年収が600万円の人を採用するのであれば人材紹介会社へ支払う手数料は210万円。理論年収が800万円なら280万円です。専門的な知識や資格が要求される専門職や、役員などの経営を担う人材の場合は、手数料のパーセンテージも高くなります。

採用時のトラブルを回避するために人材紹介会社を利用したいという方もいるのではないでしょうか。

もちろん、人材紹介会社があらかじめ面接を行っているため、採用の精度は上がりますが、それでもトラブルは少なくありません。なかでももっとも多いのは、採用したもののすぐに辞めてしまうこと。

また、採用後に経歴の詐称や、心身に病が発覚するケースも多いようです。

大半の人材派遣会社では、このようなトラブルに対して返金条項を用意してますが、契約内容によっては条項を利用できる期間や返金可能な金額は異なります。そのため、必ず返金可能な期間と金額を確認したうえで人材紹介会社と契約を締結しましょう。

ここからは、人材紹介サービスを利用するメリットについてお伝えします。

人材紹介会社を利用する最大のメリットは、採用活動の初期費用がかからない点でしょう。自社で採用活動を行う場合は、初期費用が必要なうえ、希望する人材が採用できるとは限りません。

その点、人材紹介会社を利用すれば、最適な人材を採用できるまで費用は発生しません。人材紹介会社の料金体系は成果報酬型で、実際に採用されてはじめて費用が発生します。いくら採用活動が長引いても、採用活動自体には費用がかからないのです。

万が一、採用した人材が早期退職してしまっても、返金条項を用意している人材紹介会社が多いため、金銭的な損失も少なくて済むでしょう。初期費用がかからないというメリットを最大限に生かしながら、最適な人材に出会えるまで通年で採用活動を行うということも可能です。

人材紹介会社を利用すれば、採用担当者の負担を軽減できます。

求人情報の作成から面接日程の調整、給与などの条件面の調整、問い合わせや不採用時の対応など、自社で採用活動を行った場合は数多くの業務をこなさなければなりません。採用担当者が行わなければならないこれらの業務を、すべて人材紹介会社に代行してもらえるのは大きなメリットでしょう。

また、工数をかけることなく大きな母集団を形成できる点もメリットです。条件に合った人材に出会える可能性を上げるには、母集団を大きくするのがもっとも有効。人材紹介会社は膨大なデータベースを持っているため、採用担当者が工数をかけることなく大きな母集団のなかから適した人材を選考できます。

役員などのマネジメントを担う人材の募集や新規プロジェクトのメンバーを募集する際は、採用活動を知られたくない場合も考えられます。人材紹介会社を利用すれば、非公開求人という形で社内外に人材を募集していることを知られずに採用活動を進めることが可能です。

また、非公開求人には、効率的に採用活動を進められるというメリットもあります。公開求人の場合は、条件やスキルにマッチしていない応募者が殺到してしまい、採用担当者が対応しきれないケースも珍しくありません。

応募者が増えること自体は歓迎すべきですが、どうしても選考に時間や手間はかかってしまいます。非公開求人で採用活動を行うことで、あらかじめ応募者が絞られた状態から採用活動をスタートさせることが可能です。

人材紹介会社を利用するメリットには、求人募集までがスピーディーという点もあります。

人材を募集する企業は、人材紹介会社と契約を締結したあと、条件に合う人材がいればすぐにでも紹介を受けることが可能です。極端な例にはなりますが、人材紹介会社と契約を結んだ日や翌日にはもう人材を紹介してもらうことができます。

プロジェクトメンバーに急な欠員が出てしまうなど、今すぐにでも人材を採用したいと思うケースも少なくないはず。しかし、会社の規模や業種によって異なりますが、自社で採用活動を行った場合に必要な期間は平均2週間ほどです。こうしたケースでは、通常の採用活動のように時間はかけていられません。そこで、人材紹介会社の出番だというわけです。

能力が高い人材を獲得したい場合は、自社に魅力を感じてもらう必要があります。採用担当者はあの手この手で自社の魅力をアピールしますが、その工程には手間や時間、そしてセンスが必要です。採用担当者の負担は決して小さいものではないでしょう。

その点、人材紹介会社には専任担当者がいるため、求人票だけでは伝わりづらい自社の魅力を第三者の視点からアピールしてもらうことが可能です。自社で広報活動を行わなくても、求職者に説得力のある自社PRを行えます。

また、面接日程の調整や給与などの条件面の交渉なども任せることができるため、自社で行うよりもはるかに効率的に採用活動を進められるでしょう。採用担当者が最適な人材を選考することだけに注力できる点もメリットです。

人材紹介サービスはメリットだけではありません。デメリットも把握したうえで利用を検討しましょう。

人材紹介会社を利用するほか、自社による採用活動や人材派遣会社への依頼など、人材募集にはいくつかの方法があります。なかでもっとも1人あたりの採用コストが高いのは、人材紹介会社を利用した場合でしょう。

人材紹介会社には、希望する人材を獲得した際の手数料を支払います。一般的に理論年収の30～50％、平均すると35％もの手数料が必要です。理論年収が500万円の人を採用した場合、手数料35％では175万円もかかります。

もちろん、複数人採用する場合は人数分の手数料が必要。また、採用した人材が早期退職してしまった場合に返金規定はありますが、全額返金されるとは限りません。大量採用をする場合は、人材紹介会社ではなく別の方法を取ることをおすすめします。

人材紹介会社には、採用活動に関するさまざまな業務を代行してもらえるため、採用の工数を大幅に削減できます。採用担当者の業務負担を大きく軽減できるでしょう。

しかしその反面、採用活動のノウハウや、転職希望者が自社のどのような点に魅力を感じたのかなど、自社で採用活動を行っていれば蓄積できたはずのさまざまな情報が手に入らない可能性があります。

採用活動のノウハウが蓄積できなければ、自社だけで採用活動を行うことができず、いつまで経っても人材紹介会社に任せざるを得ないということも考えられるでしょう。その場合は、高い手数料を人材紹介会社に支払い続けなければなりません。

短期的に見れば効率的でも、長期的に見ればとてつもない採用コストがかかってしまう可能性もあります。

人材紹介会社から紹介される人材は、あくまでも人材紹介会社が保有する人材データベースのなかで条件にマッチした人材のみに限られます。登録者は首都圏や関西圏、中京圏などの人口が多く、産業が集中しているエリアに多い傾向があるため、地域によっては人材を紹介してもらえないケースも少なくありません。

その点では、自社で採用活動を行えば幅広い範囲から応募してもらえる可能性があります。人材紹介会社を利用すれば効率良く最適な人材に出会えますが、それは都市部に限ったことだと認識する必要があるでしょう。

また、現場職やサービス職など、一部の職種を取り扱っていない人材紹介会社もあるため、ニーズが叶うとは限らない点にも要注意です。

ここからは、人材紹介サービスを利用するうえで重要なポイントを解説します。

より自社の条件にマッチした人材に出会うためには、できるだけ多くの転職希望者に自社の魅力を伝える必要があります。人材紹介会社を使用する場合、自社の魅力をアピールするのは人材紹介会社の担当者です。そのため、担当者に自社の魅力を伝えることが応募数に直結すると言っても過言ではありません。

人材紹介会社を利用する際にはまず、自社と人材紹介会社との間でオリエンテーションやヒアリングが行われます。このときに、しっかりと自社の特徴や魅力、企業文化など細かく伝えましょう。限られた時間で余すところなく伝えるために、自社の特徴や魅力を把握できる資料などを用意しておくことをおすすめします。

また、求める人材像や募集の背景も担当者と共有しましょう。共有する情報が多ければ多いほど、担当者は転職希望者にアピールしやすくなります。

大手人材紹介会社の場合では、1万社以上もの求人情報が掲載されています。職種や地域をある程度限定しても、数千件の求人情報がヒットする場合も珍しくありません。

こうした大量の求人情報の中から、まずは転職希望者に選んでもらわなければなりません。ありきたりな求人情報では、競合に埋もれてしまう可能性があるでしょう。高い能力を持つ転職希望者に自社を選んでもらうには、自社ならではのメリットを提供する必要があります。給与や福利厚生、年間休日など、他社と差別化できるポイントを洗い出しましょう。

とはいえ、他社と明確に差別化できるポイントを見つけるのもなかなか困難なことです。さまざまな求人情報や転職希望者の要望を把握している人材紹介会社の担当者に相談しながら、アピールポイントを見つけていきましょう。

希望通りの人材を採用できた場合はもちろん、不採用となった場合も担当者にしっかりとフィードバックを行いましょう。とくに不採用になったときこそ丁寧にフィードバックする必要があります。なぜなら、不採用の理由や足りなかったスキルを担当者と共有することで、次回以降のミスマッチを減らせる可能性があるからです。

フィードバックが十分でない場合は、人材紹介会社もどこに不満があって不採用になったのかが正確に把握できません。ミスマッチが繰り返されることも考えられるため、自社と人材紹介会社が互いに効率良く採用を進めていくには、採用不採用に関わらずフィードバックをしっかり行うことが重要です。

初期費用がかからない点や採用担当者の負担を軽減できる点など、人材紹介会社の利用には多くのメリットがあります。自社による採用活動だけでは質の高い人材に出会えなかったという方は、ぜひ検討してみてください。

ただし、人材紹介会社にはそれぞれ特徴や強みがあります。最適な人材を採用するには、まず適切な会社を選ばなければなりません。

どのような基準で人材紹介会社を選定したらいいのかわからないという方は、ぜひアイミツにご相談ください。10万件以上の利用実績を持つアイミツが、ニーズやご予算に沿っておすすめな会社をご紹介いたします。