店舗デザインの仕事内容とは？依頼の流れや費用について徹底解説【2024年最新版】

お店の雰囲気作りに欠かせない店舗デザインは、スタッフが動きやすい環境を構築するだけでなく、集客効果も見込めるといったメリットがあります。実際に店舗デザイナーに依頼し、理想の店舗設計を叶えている方も少なくありません。

この記事では、店舗デザインの仕事とは何か、依頼から着手までの流れなどについてご紹介していきます。店舗デザインにかかる費用、そして依頼前の準備についても解説していきますので、ぜひ併せてご参考ください。

まず最初に、店舗デザインとは何か？そして店舗デザインが生み出す効果について解説します。

店舗デザインとは、店舗をデザインする仕事のことです。狭義では、専門のデザイナーが店舗に合ったお店のデザインを設計することだとされています。しかし、店舗デザインを仕事として請け負う会社では、設計から施工まで担当することが大半です。

どれだけ素晴らしい商品を取り扱っていても、お店の雰囲気や入りづらさから客足が遠のくこともあるため、店舗デザインが客売り上げに影響することも少なくありません。そのため、近年ではSNS映えなどを目的として、フォトジェニックな店舗デザインの仕事を依頼する方も多くなっています。

店舗デザインとは、そういった店側の要求にあわせたカラーリングや雰囲気作り、商品陳列棚などの空間デザインまでを綿密に設計することだと言えるでしょう。

店舗デザインにはさまざまなメリットや効果があり、専門のデザイナーへ仕事を依頼する方も多くなっています。なかでもとくに効果があらわれるのは、やはり集客や運営の面です。

コンセプトがあり統一されたデザインの店舗は、来客数が増えて売上も伸びるとされています。訪問者の動線をしっかりと設けることで、商品の魅力をより訴求しやすいといったメリットも。「長く滞在してもらいやすい」「さまざまな商品を見てもらいやすい」といった環境面での影響こそ、店舗デザインが発揮する効果だと言えます。

さらに、店舗設備を含めたデザインによって、働きやすい環境を作り出すことも可能。集客面だけでなく、内部スタッフのモチベーション維持にも効果的です。また、スケルトン物件の店舗デザインでは、給排水設備類の配置設計も行うなど、衛生環境面を含めて施設基準を満たした設計を依頼できます。

店舗デザインの仕事は、ただデザインを設計図を描く、というだけではありません。店舗デザイン会社の多くは実際の施工までを担当しており、店舗デザインの設計から、内装＆外装の施工といった一連の作業を担います。

また、店舗デザインの要として家具の製作から配置までを助力する店舗デザイン会社も。狭義では店舗のデザイン・設計を店舗デザインと呼びますが、実際に店舗を完成させるには設計だけでは足りないのも事実です。

現状では店舗デザインの仕事をするほとんどの会社が設計から工事までを担当しています。そのため、広義的には「店舗デザイン＝デザインから工事までを含んでいる」と言えるでしょう。

店舗デザインは、正しい効果を発揮するためにも専門家に依頼するのがベストです。具体的に誰に依頼すべきなのか、以下でご紹介します。

店舗デザインの依頼は、基本的に設計事務所や施工会社に相談することが大半です。場合によっては、店舗の設計デザインだけを設計事務所に依頼し、内装や外装などの工事を施工会社に依頼することもあります。

設計事務所に依頼すれば、緻密な店舗デザインに期待できるでしょう。そのため、とくにデザインや細部にこだわりがあり、明確なコンセプトがある場合は設計事務所に依頼してみるのも1つの手です。

また、設計を終えたあとに、実際に施工する会社を相見積もりすることで工事費用が安い発注先を見つけられるというメリットもあります。一方で、デザインの完成後に施工会社を探して見積もりをとる必要があるため、手間と時間的コストがかかってしまう点はデメリットだと言えるかもしれません。

さらに、工事の途中に問題が発覚し、デザインの変更を求められる場合あります。その際に調整を行わなければならないなど、店舗デザインと施工会社を分けることが意思疎通面ではネックになってしまうケースもあるでしょう。

店舗デザインの仕事をメインにしている店舗デザイン会社であれば、設計から内装・外装の施工、工事まで請け負うことが可能です。デザインから施工、プレオープンまでを任せられるため、各工程をスムーズに進められます。

また、店舗デザインを行うデザイナーと、現場で作業する施工者の意思疎通がスムーズなため、万が一のトラブルでも急な修正作業や調整がしやすいです。さらに、窓口が１ヵ所にまとまっているため、店舗デザインや工事に関する悩み事もスピーディーに対応してもらえるでしょう。

そして、デザイン設計から実際に工事してみると、予定よりも予算が高くなってしまうケースも。専門の店舗デザイン会社であれば、デザインから施工までのノウハウを培っているため、見積もり額が大きく上下する心配もありません。各工程の管理自体を外注することで担当者の負担を抑えたいという場合は、店舗デザインの仕事をメインにしている会社に依頼することをおすすめします。

実際に依頼する前に、各工程がどのようなものなのかチェックしておくことも大切です。ここでは、店舗デザインの仕事の流れについて解説します。

はじめに、どのような店舗を作りたいのか、お店のコンセプトなどを店舗デザイナーと打ち合わせることが必要。この際、デザイナー側からコンセプトを実施するための予算や要望などのヒアリングも行われます。

施主が抱く「作りたい店舗デザインのイメージ」をデザイナーに伝えることが、店舗デザインの第一歩です。「落ち着いたカフェを作りたい」「人が入りやすいお店にしたい」など、施主が抱えるさまざまな要望を店舗デザイナーに伝えましょう。

そういった情報をデザイナーがインプットし、実際にどのような完成図になるのか、イメージをデザインに起こします。可能であれば、事前に理想的な店舗の写真などのイメージを集めておきましょう。デザイナーとの共通認識の構築に役立つはずです。

コンセプトや予算を伝えたあと、デザイナーは仮イメージのデザインに入ります。スケッチや図面だけでなく、3DCGなどを駆使して提案するのが一般的です。また、必要に応じてクライアントからの提案や、予算都合のすり合わせも行います。

店舗デザインを作成する際は、デザインコンペを行ってみるのも1つの手。デザインコンペとは、複数の店舗デザイン会社に相談して、それぞれからデザインの提案を受けることです。「落ち着いたカフェ」というコンセプトから、「隠れ家的」「レトロ系」「自然的なデザイン」というように、さまざまなデザイナーの視点からコンセプトを満たした店舗デザインを設計してもらえます。

仮デザインを無料で行うデザイン会社も多いですが、デザインコンペの場合は「コンペフィー」として一定の報酬を支払いましょう。

店舗デザインの作成や提案が終わったら、実際に工事を行う施工会社を選定します。会社によっては、依頼したデザイン会社がそのまま施工会社まで紹介してくれる場合もあるでしょう。

もちろん、自社で施工会社を選定し、複数の候補から相見積もりを依頼することも可能です。各見積もりから予算内で施工できるかどうかなど、店舗デザインにかかる費用の確認を具体的に行えます。

とはいえ、金額だけで施工会社を選ぶのはおすすめできません。デザイン設計がどれだけ完璧でも、施工会社のスキルによっては忠実に再現できないケースもあるため注意が必要です。

金額だけに着目せずに、店舗デザイン会社などの専門家と相談しながら施工会社を選ぶことをおすすめします。

施工の依頼先が選定できたら実際の工事です。各業者や職人がそれぞれ携わるなか、施工会社が統括管理してデザイン通りに仕事を進めます。

また、工事中に店舗デザイナーが訪れることもあるでしょう。イメージ通りに施工が進んでいるかどうかの進捗具合を確認するためです。場合によっては、デザインを変更する必要や、工事費用が変動する場合もあります。店舗デザインの専門会社であれば一連の品質管理を委託できるため、施主が管理する必要はありません。

工事が終了し、実際に店舗デザインの反映を確認したら竣工・引き渡しの段階です。引き渡し前に水道やガスといった設備、商品陳列棚などの什器の配置をチェックし、実際の店舗運営に問題がないことを確認する必要があります。

そして、完成した店舗デザインのまま業務の開始が可能であることを確認できたら、施主がサインをして終了です。店舗デザインの仕事の流れは以上となります。

店舗デザインの費用は主に「設計費」と「施工費」の2つです。以下では店舗デザインの費用について解説します。

店舗デザインおける設計費には、さまざまな図面作成費用が含まれています。具体的には内外装や各設備の位置調整、来客の動線を含めたレイアウト、レジやテーブル・椅子の配置など。さらには空調設備やBGMを流すスピーカーも空間デザインのうちに入ります。

設計費は施工費総額に占める割合や、店舗の面積（坪数）に応じて決められるのが一般的です。施工費総額から割り出す場合、平均的な店舗デザインの費用は総施工費の10～15％前後になります。

店舗の面積に応じて算出するケースでは、1坪あたり3～10万円前後が相場です。ただし、店舗業態によって設計費が変動するケースもあります。たとえば、飲食店では保健所など法整備に配慮した店舗デザインが求められるため、店舗デザインの費用が高くなる傾向にあるようです。

施工費の内訳は、内外装の施工や電気・ガス・水道の設備工事、各家具の設置といった工事費用などです。また、前の借り主が残した設備をある程度利用できる「居抜き物件」や、コンクリートなどがむき出しの「スケルトン物件」など、物件の状況によって施工費は大きく変動します。

以前の設備（空調や厨房機器など）を利用できる居抜き物件の場合は、一般的に200～400万円前後が相場です。塗装や壁紙、照明の設置に加え、看板製作などが費用に含まれます。設備環境によっては店舗デザイン費用が高くなるケースもあるため、注意が必要です。

いちからすべてを施工するスケルトン物件は費用が割高になる傾向があります。店舗デザインにかかる施工費用は実際の業態や店舗規模によっても変動しますが、新設の商業施設でスケルトン物件に出店する場合は、20～30坪前後の飲食店で1,000～2,000万円前後の費用が必要になることもあるでしょう。

最後に、店舗デザインを依頼する前にしておきたい準備について解説します。

店舗デザインを作り上げる仕事は、デザイナー任せではいけません。依頼する施主がどのようなお店を作りたいのか、胸に抱えているコンセプトをしっかりと伝える必要があります。

決して丸投げにせず、店舗のコンセプトやイメージを明確にしておきましょう。その際に、デザイナーと認識をすり合わせるためにも、想像している店舗デザインに近いイメージの資料を用意するのがポイント。気に入った他店などの写真を参考にすることで、具体的な店舗デザインを提出してもらいやすくなります。

また、自身のこだわりポイントやお店に欲しい機能面なども合わせて相談しましょう。デザイナーが意見を店舗デザインに反映してくれます。「どのような物が欲しいのか」などといった具体性は店舗デザインの前準備として必要なだけでなく、トラブルを回避するためにも重要です。

店舗デザインを依頼する場合、デザイナーと予算を相談することになるでしょう。その際に店舗の物件情報が揃っていなければ、明確な見積もりを出してもらうことはできません。

場合によっては、店舗デザイン自体の設計が進まないケースもあります。そのため、最低でも「居抜き物件」なのか「スケルトン物件」なのか、契約状況を含めて確認しておくことが重要です。居抜き物件であっても「造作譲渡料」などが求められるため、店舗の物件情報を事前に収集しているかどうかによって全体のスケジュールも大きく変わります。

また、賃料や空家賃の発生などもチェックしておきましょう。店舗デザインの相談から着工、引き渡しまでに費用を払い続けなければならない場合もあるため、工事スケジュールを見返して各コストがどの程度発生するのかをあらかじめ確認してください。

店舗デザインの予算は多いほうが良いものの、設備コストなどを抑えるためにも、大まかな予算を定めておくことが大切です。また、工事中のトラブルで想定以上に費用がかかってしまうシーンもあります。

なかには、工事中のパーキング料金が経費として計上されることも少なくありません。「予算ギリギリの見積もりで施工会社に依頼したらオーバーしてしまった」というケースも考えられるでしょう。

そんなときトラブルに陥らないよう、各見積もりに加えて少しの余裕をもたせた予算を決めておくことをおすすめします。総合的な予算から少なめに見積もって店舗デザインを依頼するイメージで進めると、万が一のトラブルにも対応しやすくなるでしょう。

店舗デザインは、来客の動線設計からスタッフが働くための環境整備まで、さまざまな角度から設計されます。そして、お店の雰囲気を決める大切な工程です。一度営業をはじめてしまうと、店舗デザインを変更することが難しくなるため、お店をオープンする前にしっかりとコンセプトを固めておくことが重要です。

また、店舗デザインは条件によって費用が大きく異なるため、店舗デザイン会社をしっかりと選定して適切な予算で管理することも大切です。

「店舗デザインの仕事をどこに依頼すれば良いかわからない」という方は、ぜひアイミツまでご相談ください。条件にマッチした店舗デザイン会社をご予算の範囲でご紹介します。