ビジネスフォンの種類をタイプ別・メーカー別に紹介【2024年最新版】
ビジネスフォンには、いくつかの種類があることはご存じでしょうか?従来型のほか、IP‐PBX、クラウドPBXなどがあり、その特徴も異なります。
そしてビジネスフォンを最大限に生かすためには、自社のニーズにあったものを選ぶことが重要。しかし、皆さまのなかには「そもそもビジネスフォンにはどのような種類があるのかを知らない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、ビジネスフォンの種類をご紹介したうえで、その種類ごとの特徴についても詳しく解説していきます。ぜひご参考にしてください。
【タイプ別 】ビジネスフォンの種類
ビジネスフォンは、従来型である「レガシータイプ」と「IP-PBX」「クラウドPBX」の3種類に分かれます。ここでは、タイプごとの特徴や導入に向いている会社を解説します。
レガシータイプ(従来のビジネスフォン)
従来型のビジネスフォンはレガシータイプと呼ばれています。ビジネスフォンのなかではもっとも一般的で、使い慣れた方も多いのではないでしょうか。古くからあるタイプですが、ビジネスフォンとして必要十分な機能を備えています。
一番のメリットは、操作に慣れている人が多い点です。複雑な操作や使用するために特別に覚えるようなことはありません。多くの人が一度は使ったことがビジネスフォン型であるため、導入に際して特別なレクチャーをする必要はないでしょう。
また、レガシータイプのビジネスフォンは長く使われてきたタイプなだけに、中古市場に十分在庫がある点もメリットです。新品と中古とで機能に関する違いはほぼないため、電話機購入のコストや導入のトータルコストを少しでも抑えたい会社にはぴったりでしょう。
IP-PBX
IP-PBXは、電話回線を介さないタイプのビジネスフォンです。PBXという主装置と電話機を結び、IP電話のネットワーク回線により通話を行います。
電話回線を必要としないため、内線はすべて無料で通話できることに特徴があります。IP電話のネットワークさえあれば回線に接続でき、どこでも内線化が可能です。そのため、本社と拠点間、拠点と拠点間でも無料で通話できます。たとえ拠点が海外であっても内線通話が無料になるため、拠点が多い会社では大幅に通信コストを削減できるでしょう。
また、社員のスマートフォンやパソコンを内線化できるため、専用の端末を購入する必要もありません。さらに、情報漏洩などのリスクが少ない点もメリットです。
クラウドPBX
クラウドPBXは、インターネット上のインフラに用意されたサーバーを利用するタイプのビジネスフォンです。インターネット回線さえあればどこでも内線化できる点や、社員のスマートフォンを内線化できる点などはIP-PBXと同様です。IP-PBXとの大きな違いは、サーバーの場所とPBX本体の設置の有無、コストのかかり方にあります。
社内に主装置やサーバーを構築する必要があるIP-PBXに対し、クラウドPBXはインターネット上のサーバーを利用するため、社内に主装置を置く必要はありません。1台あたり15~30万円ほどするPBX本体も購入せずに利用できます。
初期費用を大幅に削減できる点が最大のメリットであるため、できるだけ導入コストを抑えたいという方には、3種類のなかでクラウドPBXがもっともおすすめです。
【メーカー別】ビジネスフォンの種類
ビジネスフォンは、メーカー各社からさまざまな製品がリリースされています。ここでは、メーカーごとの特徴を見ていきましょう。
日本電信電話株式会社
大手メーカーならではの安心感や信頼感により、ビジネスフォンメーカーのなかでも屈指の人気を得ているNTT。電話機が2~8台までの小規模事業者向けから、1,000台以上の導入も可能な大規模事業者向けまで、幅広いビジネスフォン製品をラインナップしているのが最大の特徴です。製品によって、最大電話機台数や最大チャンネル数が細かく設定されているため、自社のニーズを洗い出しさえすれば、製品選びに苦労する心配はないでしょう。
また、故障やトラブル時のサービスが手厚いのもポイント。回線のトラブルから電話機や主装置の故障までまとめて対応できます。一般のオフィスはもちろん、ホテルなどの宿泊施設向けや介護施設向け、月額レンタルで利用できる小規模事業者向けなど、業界ごとの課題に対応できる機種が用意されているのも魅力的です。
NECプラットフォームズ株式会社
規模の大小や業種を問わずに幅広い導入実績があるNECのビジネスフォン。さまざまな製品がリリースされているなかで、定番として長く愛されているブランドが「Aspire X」です。2008年のリリース以来、全世界で累計45万システムを出荷したブランドで、最新の「UNIVERGE Aspire WX」では、これまでの製品よりさらに機能が充実しています。
スマートフォンやPHSの内線化、ボイスメール管理・発着信情報管理などの管理者向け機能はもちろん、ビジネスフォンを利用したビデオチャットやweb会議システムも搭載されていることが特徴。アカウントをデバイス間で共有でき、スマートフォンやPCアプリ、ブラウザから利用できます。
テレワークやサテライトオフィスなど、多様な働き方に対応するためにビジネスフォンを導入したい方におすすめです。
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
大手メーカー日立は、ビジネスフォンの分野でも根強い人気を誇っています。一般的なビジネスフォンのほか、コードレスタイプや防水機能付き、センサー付きのものまで、幅広い製品をリリースしていることが特徴。ニーズに応じた製品の選び分けが可能です。
また、搭載されているる機能も多彩で、着信音とランプの色で発信者を識別する「発信者識別機能」や、着信中であっても優先したい着信に対応できる「優先応答機能」、着信時に顧客情報を電話機に表示できる「付加情報表示機能」などを利用できます。業務効率化に役立つでしょう。
さらに、携帯電話やスマートフォンの内線化はもちろん、チャット機能やメンバーの行動予定をパソコンやスマートフォンで確認できるなど、部署間のコミュニケーションを活性化させる機能も豊富です。
サクサ株式会社
大興電機製作所と田村電機製作所という、いずれも老舗電機メーカーである2社が経営統合したことによって、2004年に誕生したサクサ。設立当初からIP電話の製造・開発には参入していますが、ビジネスフォンでも高い評価を得ています。
ビジネスフォンでは、業務効率化、コスト削減、リスク回避を同時に叶えることを目指しており、ビジネスに便利な機能を豊富に搭載している点が特徴。たとえば、「自動録音機能」や「さかのぼり録音機能」を使えば、聞き逃しを防止でき、言った言わないのトラブルを回避できるでしょう。また、電話機には人感センサーが付いており、会社に不審者が侵入した場合は、電話機からの音と光で侵入者を威嚇したうえ、あらかじめ登録された電話番号に通知されます。
コミュニケーションやビジネスのツールとしてだけではなく、オフィスの防犯にも活用できるでしょう。
パナソニック株式会社
伝統的に白物家電に強かったパナソニックは、ビジネスフォンの性能も高いことで知られています。しっかりとした基本性能を備えるビジネスフォンを豊富にラインナップしており、連携機能が充実している点が最大の特徴です。
CTIシステムと連携可能なため、大幅な業務効率化が期待できます。また、電気錠やドアフォンとも連携でき、防犯ツールとしてビジネスフォンを利用することも可能です。
もちろん、電話機本体に搭載されている機能も多彩。たとえば、IP-PBXの最新機種には最大2,000時間録音可能な通話録音機能や自動音声対応機能を実装。スマートフォンの内線化にも対応しています。
ほかにも、働き方改革や業務・コストの効率化、ボイスマネジメントなど、各企業の課題に対応する機能を備えたビジネスフォンを取りそろえています。
ナカヨ電子サービス株式会社
優れた操作性とデザイン性によって、ビジネスフォン市場で国内上位のシェアを誇るナカヨ。コミュニケーションツールやコミュニケーションシステム、管理システムなどの開発でも知られる中堅メーカーです。高い国内シェアが示す通り、実際の評価も高いビジネスフォンでは、現在「NYC-Si」と「NYC-2S」の2つのシリーズをリリースしています。
中堅企業から大企業までの比較的規模が大きな会社におすすめなのが、「NYC-Si」です。着信履歴は最大で1万件、発信履歴は最大8,000件まで保存可能で、システム全体で最大1万件の電話帳登録が可能です。
小売店などの小規模店舗や小規模事業者には「NYC-2S」がおすすめ。「通常転送」はもちろん、「不応答後転送」「追っかけ転送」「不応答追っかけ転送」など、充実した転送機能が少人数経営を手助けしてくれるでしょう。
岩崎通信機株式会社
岩崎通信機は、1938年に設立された老舗メーカーです。情報通信、印刷システム、電子計測分野における機器を手掛けており、ビジネスフォンの評価も高いことで知られています。
ビジネスフォンのシリーズ「Frespec」では、高いパフォーマンスと軽量化の両立に成功。電話機がコードレス化されており、基地局の増設によって通話可能なエリアを自由に拡張できます。サテライトオフィスの増設やオフィスのレイアウト変更などにも柔軟に対応できるでしょう。
もう一つのシリーズ「LEVANCIO」では2つのタイプをラインナップ。小規模事業者向けの「LEVANCIO-S」は、コストダウンや業務効率化に効果的なビジネスフォンで、簡易防犯システムも構築可能です。中・大規模事業者に適した「LEVANCIO」は、社員間の連携強化やコスト削減のほか、安心・安全対策など企業が求めるあらゆる機能をパッケージ化しています。
おすすめはクラウドPBX
先述したように、ビジネスフォンの種類は「レガシータイプ」と「IP-PBX」、そして「クラウドPBX」の3種類。それぞれに異なる特徴があり、導入に向いている会社も異なります。
しかし、「操作に慣れたレガシータイプが良い」など、特定のニーズや要望がないようであれば、一番のおすすめはクラウドPBXだと言えるでしょう。なぜならば、クラウドPBXの方がレガシータイプやIP-PBXよりもメリットが多いからです。
クラウドPBXのメリットについては、次項から詳しく解説していきます。
クラウドPBXのメリット
それでは、クラウドPBXのメリットを解説します。どのタイプを導入すべきか迷っている方は、ぜひご参考にしてください。
初期費用が抑えられる
クラウドPBXの一番のメリットと言えば、初期費用の安さでしょう。
レガシータイプを導入するには主装置を購入する必要がありますし、IP-PBXの場合も主装置と同様の役割を担うPBX本体を購入しなければなりません。主装置の費用相場は15~30万円、PBX本体の費用は3~10万円ほどかかります。
一方でクラウドPBXは、主装置やPBX本体を購入する必要がありません。さらに、アプリをインストールすることでスマートフォンやパソコンをビジネスフォン化することも可能です。そのため、通信機器だけ出なく、電話機本体も購入する必要がないことから、初期費用を大きく抑えられます。
導入費用・工事費用が抑えられる
クラウドPBXとIP-PBX、レガシータイプには、導入の手順において大きな違いがあります。IP-PBXとレガシータイプには導入工事が必要なのに対して、クラウドPBXには必要ありません。
レガシータイプやIP-PBXを導入する際には、主装置やPBX本体と各電話機をつなぐ必要があります。主装置を設置するには、設置する電話の台数と単価をかけ合わせた工事費用も発生するでしょう。設置台数が10台で単価が8,000円なら、8万円の工事費用が必要だということです。また、PBXを設置する際にも工事が必要で、費用が発生します。
クラウドPBXの場合は、PBXがクラウド上にあるため、設置工事が必要ありません。そのため、工事費用もかからず初期コストを抑えられます。
通話料が抑えられる
通話料が抑えられる点もクラウドPBXの大きなメリットです。電話回線ではなくインターネット回線を利用するクラウドPBXでは、ネットにつながる環境なら、どこでも内線通話ができます。内線通話は無料なため、会社と社員間、本社と拠点間、拠点と拠点間などにおいて、すべて無料で通話可能です。
さらに、外線通話も安いというメリットもあります。通話料金は会社によって若干異なりますが、8円/3分というプランが多く、距離に関わらず一律です。レガシータイプのビジネスフォンよりも、クラウドPBXの方が総合的にコストを下げられると言えます。
既存資産を活用できる
クラウドPBXであれば、自社の既存資産を有効活用できます。なぜなら、クラウドPBXは携帯電話やスマートフォンを内線化することが可能だからです。
携帯電話やスマートフォンを内線化し、ビジネスフォンとして使用すれば、電話機の購入費用を最小限に抑えられます。すでに自社の携帯電話やスマートフォンがあるという方には大きなメリットでしょう。
また、社員用の携帯電話やスマートフォンがない場合でも、プライベート用のものを内線化することも可能。「プライベートのスマートフォンを社用として使用すると、清算の手間がかかる」と思う方もいるかもしれませんが、社員の私物でも社用として使った場合は、自動的に会社に請求される仕組みになっているため、心配ありません。
台数の増減・設定の変更が容易
台数の増減や設定の変更が容易な点もクラウドPBXのメリットです。
レガシータイプのビジネスフォンやIP-PBXの場合は、台数の増減が難しいことが大きなネックになるでしょう。とくに、スタッフが増員された場合にいちいち台数を増やすのは、非常に手間がかかります。
主装置やPBX本体には、あらかじめ接続可能な台数が決められているため、上限を超える接続が必要になった場合は、主装置やPBX本体ごと入れ替えなければなりません。入れ替え作業には、導入時と同様に工事が発生し、費用も必要。ここに、新たな主装置やPBX本体の購入費用も重なってきます。
一方でクラウドPBXの場合は、気軽にライセンス数を増減することが可能です。台数を増やす際に面倒な工事や手続きは必要ありません。
CRMなど各種ツールと連携できる
クラウドPBXの多くは、CRM(顧客管理システム)などの各種ツールと連携できます。CRMと連携することで、着信時の顧客情報表示や、顧客の購入履歴表示などが可能。顧客満足度の向上にも期待できるでしょう。
また、CRM以外にも連携できるツールは数多くあります。たとえば、スマートフォンで名刺を撮影するだけで名刺情報をデータ化できる名刺管理ツールとクラウドPBXを連携すれば、名刺情報を確認しながら電話に応対することが可能。また、コンピューター上の名刺情報からワンクリックで電話もかけられます。
勤怠管理システムやチャットシステム、ファイル共有システムなどとも連携可能なため、業務内容に合わせて便利にカスタマイズできるでしょう。
クラウドPBXのデメリット
メリットの多いクラウドPBXですが、デメリットも存在します。必ずデメリットも把握したうえで導入を検討しましょう。
毎月支払いが発生する
クラウドPBXの料金形態は会社によって多少異なりますが、毎月利用料が発生するのが一般的です。相場は1回線あたり1,500円から2,500円ほど。この点をデメリットだと感じる方も少なくないでしょう。
小規模事業者でビジネスフォンを導入しなくても事業に差し支えないという場合は、家庭用電話機を購入してIP電話の契約を結んだ方がコストは抑えられます。しかし、すでにビジネスフォンを利用している会社の場合なら、月額利用料はデメリットだとは言い切れません。なぜならクラウドPBXは主装置やPBX本体の購入費用、そして設置費用がかからず、通話料も削減できるからです。利用ケースによっては、メリットが「月額利用料を支払う」というデメリットを上回ります。
通話品質が安定しないこともある
電話回線ではなく、インターネット回線を利用して通話するクラウドPBXでは、通話品質がインターネット環境によって左右されます。インターネットがつながりにくい環境では、通話品質も低下する点がクラウドPBXの大きなデメリットです。
とはいえ、インターネット環境は年々整備が進み、クラウドPBXが登場した2010年代初頭と比べると通話品質も安定しています。音声品質に影響を与えるようなトラブルが起きる可能性は低いと言えるでしょう。とはいえ、多くの人がアクセスする時間帯はつながりにくかったり、通話品質が低下してしまう可能性もあります。オフィス内のネットワーク環境が悪い場合は、インターネット契約の見直しも必要かもしれません。
現在の電話番号を引き続き利用できないことがある
クラウドPBXを導入することで、現在の電話番号を使用できなくなる可能性があります。番号を変える必要があると、取引先や顧客などにあらためて電話番号を周知しなければなりません。そのうえ、電話番号が記載されている名刺なども刷り直しが必要です。電話番号を変更する場合、手間とコストがかかる点はデメリットだと言えるでしょう。
クラウドPBXには、電話番号の引継ぎができるタイプとできないタイプがあります。引継ぎができるタイプは、NTTの光回線を利用するクラウドPBXです。IP回線を利用するタイプのクラウドPBXは、電話番号の引継ぎができません。そのため、クラウドPBXを契約する前に、既存の電話場番号を引き続き使用できるかどうかは必ず確認しましょう。
まとめ:ビジネスフォンの種類を知って自社に合ったビジネスフォンを導入しよう
ビジネスフォンの種類と、タイプやメーカー別の特徴についてお伝えしました。
ビジネスフォンを導入する際にもっとも大切なのは、自社にあったものを導入することです。まずは、自社のニーズや課題を洗い出し、それを解決できるビジネスフォンを選びましょう。
どのようなビジネスフォンが自社に合っているのかわからない方は、ぜひアイミツにご相談ください。課題やご予算、ビジネスフォンの導入で実現したいことなどを伺ったうえで、おすすめな候補を複数社ご紹介いたします。
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