人材派遣の平均費用と料金相場【2024年最新版】
コストを抑えながらも優秀な人材を確保する手段として、さまざまな企業で活用されているのが人材派遣です。正社員と比較して短期間で採用できることから、急な退職の補充、事業拡大にともなう人員増加などを目的に人材派遣の利用を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、人材派遣の平均費用と料金相場について徹底解説します。人材派遣の利用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
業種・職種・地域別にみる人材派遣の費用相場
人材派遣の費用は、業種や職種、地域によって変動します。ここでは、業種・職種・地域別に人材派遣の費用相場について解説します。
業種別の人材派遣の費用相場
「人材派遣の費用相場は、業種によって違うのではないか」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、実は人材派遣の費用は業種によって大きく変わることはありません。人材派遣は、業種ではなく職種によって費用相場が大きく変動します。
厚生労働省が、派遣労働者数や賃金などの把握を目的に毎年行っている「労働者派遣事業報告書」の集計結果(速報)では、職種別の平均派遣料金は記載されているものの、業種別の平均派遣料金という項目はありません。それは、たとえ同じ業種であっても職種は多岐にわたり、平均派遣料金の算出にあまり意味がないからだと考えられます。
たとえば、製造業であっても一般事務と生産技術エンジニアでは、求められる知識やスキルは大きく異なります。メールやインターネット、オフィスソフトなどが使いこなせれば十分であることが多い一般事務と比べて、業務の遂行に専門的な知識が求められる生産管理エンジニアの方が派遣料金は高額になるでしょう。
職種別の人材派遣の費用相場
職種 | 1時間あたりの平均派遣料金 |
情報処理・通信技術者 | 約3,798円 |
建築・土木・測量技術者 | 約3,580円 |
営業職種従事者 | 約2,635円 |
厚生労働省が発表した「平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、もっとも人材派遣の費用相場が高い職種は、プログラムやソフトウェアの開発者、通信ネットワークの技術者を指す「情報処理・通信技術者」。1人あたり1日8時間の平均派遣料金は3万389円で、1時間あたりの平均派遣料金は約3,798円でした。
次いで派遣料金が高いのは「建築・土木・測量技術者」で、1人あたり1日8時間の平均派遣料金は2万8,647円、1時間あたりの平均派遣料金は約3,580円。営業職種従事者の1人あたり1日8時間の平均派遣料金は2万1,083円、1時間あたりの平均派遣料金は2,635円となっています。
職種 | 1日8時間の平均派遣料金 |
農業従事者 | 1万1,783円 |
飲食物調理従事者 | 1万2,671円 |
製品製造・加工処理従事者 | 1万4,575円 |
上記の職種が平均派遣料金が2万円を上回った一方で、平均派遣料金が低いのは農業従事者や飲食物調理従事者、製品製造・加工処理従事者。農業従事者の1人あたりの1日8時間の平均派遣料金は11,783円、飲食物調理従事者は1万2,671円、製品製造・加工処理従事者は、1万4,575円という結果でした。
専門的な技術が必要な職種はそれだけ派遣料金が高くなる傾向にあり、1日あたりの平均派遣料金は2〜3万円ほどが相場です。その他の職種の場合は、1万〜1万5,000円ほどが相場となっています。
地域別の人材派遣の費用相場
地域 | 平均時給 |
東京23区内 | 2,706円 |
北海道・札幌市 | 2,039円 |
中国・四国地方 | 1,896円 |
人材派遣の費用は、地域によっても大きな開きがあります。たとえば、大手派遣情報サイト「リクナビ派遣」によると、東京23区内勤務・ビジネスアプリケーション系システムエンジニアの時給は、2021年4月時点で平均時給が2,706円。これは派遣社員に支払われる時給であるため、派遣会社には1時間あたり約3,700~3,800円を支払う必要があります。
北海道・札幌市での平均時給は2,039円、中国・四国地方では1,896円と、同じ職種であっても東京23区と比較すると派遣社員に支払われる時給ベースで約1,000円もの開きが生まれます。
一般的に、案件の数が多い地域ほど人材派遣料金が高額になる傾向にあり、もっとも高いのが関東地方で、関西地方、東海地方が続きます。派遣社員の時給が高いということは、それだけ派遣会社に支払う料金も高くなるということです。
一方で、時給が低く、派遣会社へ支払う料金が低いとされているのは、北海等や東北地方、北信越地方。この傾向は、すべての職種に共通しています。
派遣会社に払う費用の主な内訳
派遣スタッフの賃金 | 全体の70〜80% |
営業利益(マージン) | 1.2% |
事務所費用、人材募集費用 | 13.7% |
社会保険料金 | 10.9% |
有給休暇費用 | 4.2% |
人材派遣会社に支払う派遣料金のなかで、もっとも大きな割合を占めるのは派遣スタッフの賃金です。割合の設定は人材派遣会社によって異なりますが、全体の70〜80%を派遣スタッフの賃金としている会社が多いとされています。たとえば、日給1万6,000円で派遣スタッフを雇用する場合は、人材派遣会社には1日あたり2万〜2万3,000円ほど支払う必要があります。
それでは、残りの20〜30%は何のための費用なのでしょうか。中には「中間マージンで人材派遣会社が搾取しているのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、実際には人材派遣会社の営業利益は低く、人材派遣会社の業界団体である「一般社団法人 日本人材派遣協会」によると、企業が支払う派遣料金のうち営業利益は1.2%。13.7%が派遣会社の事務所費用や人材募集費用といった諸経費で、10.9%が派遣スタッフの社会保険料金(労災保険、雇用保険、厚生年金保険、健康保険)です。また、4.2%が派遣スタッフの有給休暇費用となっています。
派遣会社におけるマージン率について
人材派遣会社のマージン率は、会社によってさまざまです。人材派遣の利用を検討する方の中には「マージン率が高い会社は悪徳企業なのではないか」と考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、マージン率の高い人材派遣会社=悪徳会社ということではありません。派遣会社のマージンは派遣スタッフの教育訓練や福利厚生、人材募集などに使用されており、利益は1%程度。マージン率の高い人材派遣会社は教育プログラムや福利厚生が充実している会社である可能性も十分に考えられます。
反対に、あまりにもマージン率の低い人材派遣会社は、派遣スタッフの教育体制が構築されていないことや、福利厚生が不十分である可能性もあるといえるでしょう。
アイミツでの取引事例
ここからは実際にあった取引事例をご紹介します。
費目 | 金額 | 備考 |
人件費 | 18000円/日(税抜) | 交通費・手数料を含む |
実際にあった取引事例をご紹介しました。ご自身の想定する人材派遣がいくらでできるのか気になりましたらお気軽にお問い合わせください。
なぜ価格が違う?価格差の出る理由
人材派遣会社に支払う金額は、求める派遣スタッフの職種やスキル、地域によって異なると説明しました。しかし、料金を決定する要素はそれだけではありません。
「すぐに就業開始してほしい」という場合や就業条件によっては、相場よりも高い料金が必要になるケースもあります。たとえば、急ぎで派遣スタッフを確保したい場合は、通常の募集では人材が集まらない可能性があります。その場合は派遣スタッフを募集するほかの会社よりも時給を高く設定するのが一般的ですが、上げられた時給分も派遣先(依頼主)が支払わなければなりません。
また、派遣スタッフの多くはフルタイムでの勤務を希望しており、勤務日数・時間が限られる求人には応募が集まりにくいことも考えられます。さらに、最寄駅からオフィスまで距離がある場合や、通勤にバスが必要となる求人も敬遠されがちなので、これらのケースも時給を高く設定する必要があるでしょう。
できるだけ費用を抑えるためには
派遣スタッフには十分な待遇を用意したいと思う一方で、できるだけ費用を抑えたいというのも本音ではないでしょうか。
人材派遣の料金にはもちろん相場がありますが、最終的には派遣会社との交渉によって決定することが多いものです。マージン率は20〜30%と人材派遣会社によってさまざまですが、交渉の末にマージンが抑えられれば、派遣スタッフの待遇を変えることなくコストの圧縮も叶います。
相場から乖離した会社を選んでしまうのを避けるためにも、複数の人材派遣会社から見積もりをとった上で価格交渉するのがおすすめです。
また、派遣スタッフの残業を減らすこともコスト削減には非常に有効です。会社全体・部署全体で業務効率の改善を図り、残業時間の削減に取り組みましょう。
実際に人材派遣の費用を調べてみた
前述のとおり、人材派遣会社へ支払う料金は派遣スタッフの職種・スキルによって大きく変動します。しかし、具体的にはどの程度の開きが生まれるのでしょうか。ここからは、ある人材派遣会社の料金表をもとに説明していきます。
一般スタッフA | 1万2,000円〜 |
一般スタッフB | 1万4,000円〜 |
主任スタッフ | 1万8,500円〜 |
専門スタッフ | 2万2,000円〜 |
この会社では派遣スタッフを「一般スタッフA」「一般スタッフB」「主任スタッフ」「専門スタッフ」とスキル別に4つのカテゴリーに分類しており、1日8時間拘束の場合、経験・能力等不問の職種「一般スタッフA」は1万2,000円から、経験・能力等の指定に応えられる「一般スタッフB」は1万4,000円から。現場における管理・指揮を担当する「主任スタッフ」は1万8,500円から、専門的な知識・技能をもつ「専門スタッフ」は2万2,000円から依頼が可能です。
もちろん人材派遣会社によって派遣料金の設定はさまざまですが、職種別の費用を把握しておくことで、予算の設定がスムーズになるでしょう。
人材派遣会社選びで失敗しないためには
本記事では、人材派遣の平均費用・料金相場について解説してきました。
人材派遣会社に支払う費用は、求める人材の職種・スキル、地域だけでなく、利用する会社によっても大きく異なります。人材派遣料金は最終的には交渉で決定することが多いため、まずは複数の候補から相見積もりをとり、相場を把握することが大切です。
とはいえ、さまざまな特徴をもつ派遣会社が存在する中で、はじめから自社の予算やニーズに合った会社を見極めるのは容易ではありません。実際に「どの会社に依頼すればいいのかわからない」とお困りの方もいるのではないでしょうか。
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