解体工事の平均費用と料金相場【2024年最新版】

建物を解体する際にかかる費用は、基本的にオーナーの実費負担。

自治体によっては補助金が出ることもありますが、一軒家やマンションを購入する時のようにローンを組むことはできず、費用面に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

この記事ではそうした方に向けて、家屋やビルの解体工事にかかる費用の相場を解説します。

まず、解体工事の費用がどのように決まるのか見ていきましょう。

解体工事の費用の主な内訳は、建物の解体と廃棄物の処理にかかるコストです。この2つで費用全体の70％から80％を占め、残り20％から30％に油圧ショベルやブルドーザーといった重機の回送費、整地費、付帯工事費、工事会社の利益などが含まれます。

解体費と廃棄物の処理費用は主に建坪、構造（建物強度）、立地条件によって決まり、たとえば15坪程度の木造家屋なら比較的安く収まる反面、40坪を超えるような軽量鉄骨・RC造（鉄筋コンクリート構造）の建物は高くなります。

また、隣の家屋と密接しているために防音対策が必要となる場合や、道路が狭くて重機が使えず手作業の割合が増得る場合には、やはり費用が高額になるケースがあるようです。

一般的な相場としては、30坪（約99平米）の木造家屋を取り壊す場合でトータル120万円から180万円前後。詳細は次章以降で解説します。

解体工事の費用の相場は20年前、30年前と比べてもそれほど大きく変わっていません。

工事に使われる重機の性能は進化し続けている反面、2000年代以降は建築工事リサイクル法（2002年施行）をはじめとする法律によって建材（コンクリート塊、木材、骨材など）の再資源化が定められ、手作業での分別が必要になったからです。

また、季節によって料金が変わることもほとんどないので、コストを抑えたいからといって無理な値引き交渉はしない方がいいでしょう。

家屋やビルを取り壊す際の費用です。解体工事を担当するスタッフの人件費が主な内訳となります。

解体の大まかな手順としては、まずクロスや床材、畳などを手作業で取り外し、処分しやすいよう分別。建物の骨組みだけになったところで重機を使って取り壊し、その後、地中に埋め込まれたガス管や水道管、基礎を取り除いて完了です。前述の通り、建築工事リサイクル法などの影響で近年は手作業の割合が増しています。

多くの工事会社は建物の構造・建材別に1坪（約3.3平米）あたりの料金を設定しており、木造家屋の場合は1坪あたり2万5,000円から4万円前後、鉄骨は3万5,000円から6万円前後、RC造の住宅は4万5,000円から8万円前後が一般的な相場です。

建物の解体後、木くずやコンクリート塊、タイル片などを処分する際にかかる費用です。散らばった廃棄物を油圧ショベルや手作業で回収し、分別したうえで4tトラックなどで処理場へ運搬します。

具体的な費用は廃棄物の種類によって異なり、木くずなどは比較的安価な一方、タイル、コンクリート塊といった重量物になると高くなります。おおむね1立方メートルあたり1万5,000円から4万円前後が相場です。

ちなみに木造2階建ての家屋を解体した場合、4tトラックに換算して5台分以上の廃棄物が出ることも。加えて、庭付き住宅の場合は庭石や植物の撤去費用も必要でしょう。

上記のほか、解体後の整地に別途費用がかかります。相場としては1坪1,500円前後から。庭木など障害物が多い場合や、売却にあたって地盤改良が必要な場合は、整地の費用が高額になることもあるので注意しましょう。
また、工事会社によってはガス管や水道管の撤去に解体工事と別の費用がかかることがあるようです。

続いて建物の構造・建坪別の費用の相場をご紹介します。

木造2階建て（30坪）の家屋を解体し、廃棄物の運搬処理まで工事会社に委託すると、{bold}トータルの費用は120万円から180万円前後。一般的な建坪の木造住宅でも解体工事は相応の出費をともなうので、余裕を持って予算を確保しておきましょう。

鉄骨やRC（鉄筋コンクリート）は強度が高く、解体作業にも手間がかかるため、木造より費用が増します。RC造2階建て（50坪）の住宅の解体工事を依頼すると、トータル280万円から400万円前後が一般的な相場です。

予算的に苦しい場合は、自治体の補助金を活用するのも1つ。たとえば愛知県春日井市は、空き家対策の一環として解体工事費の最大3分の2を給付する補助金制度を設けています。

工事会社の人件費の単価にそれほど大きな違いはない一方、壁材や床材によって見積もり金額が変わることも。

たとえば、内装にアスベストが使われている場合、飛散を防ぐために特殊な処理が必要となり、1平米あたり2万円前後からの追加費用が発生します。

1960年代から70年代前半に建てられた家屋には断熱材としてアスベストが使われていることが多いので、築45年以上の建物の取り壊しの際は注意した方がいいでしょう。

解体工事の費用を抑えるためには、できる限りの作業事を事前に済ませ、工事会社の負担を減らすこと。たとえば、不要になった家具や家電製品を事前に処分しておけば、当日の撤去作業がカットされ、コストダウンが見込めます。同様に敷地内の雑草や庭木、小石を取り除いておくのもおすすめです。

実際に解体工事の料金を公開している工事会社を見つけたので、参考までにご紹介します。

最後に工事会社を選ぶ際のポイントを4つに分けてご紹介します。

あくまで一部のケースではありますが、工事会社が無理にコストを抑えようとすると、養生を怠って隣の家の外壁に振動によるひび割れを生じさせてしまう、敷地内に廃棄物を埋めてしまうといったことがあるようです。

近隣に迷惑をかけると大きなトラブルにもつながりかねないので、不自然に安い料金をうたっている工事会社は避けた方がいいでしょう。

油圧ショベルやブルドーザーを自社で保有している工事会社の場合、料金が他社より安くなることがあります。コストを抑えるためには、工事会社の設備面に目を向けるのも大切です。

現場への距離が長くなれば、その分だけ機材の回送費や廃棄物の運搬費がかさみ、トータルのコストは増します。発注の際はエリアを絞り、近隣の工事会社から優先的に検討するのがおすすめ。土地勘のある工事会社なら、機材の手配や現場の段取りもスムーズに進むのではないでしょうか。

解体工事は騒音・振動をともなうため、工事の前には近隣への挨拶まわりが欠かせません。無駄なトラブルを避けるためにも、実際に現場監督や営業スタッフと顔をあわせてみて、ストレスなくやりとりできる工事会社を選びましょう。

今回は解体工事の費用の相場についてご紹介しました。発注先選びの際、みなさまの参考になれば幸いです。

なお、アイミツではコンシェルジュがみなさまからのご相談を無料で承っています。ご予算・ご要望に置応じて複数の工事会社をピックアップし、まとめて見積もりをとることも可能です。

解体工事会社選びで迷っている方は、アイミツのコンシェルジュまでお気軽にご連絡ください。