エクセルによる顧客管理の限界とCRM導入の必要性について

更新日:2017年04月02日 | 公開日:2017年04月02日

CRM導入の必要性

普段顧客の管理にエクセル(Microsoft Excel)を使っている現場の営業マンは多いです。しかし同時に「エクセルで顧客管理って限界あるな…」と感じている人も同じくらい多いのが現実です。

また、現場の営業マンだけでなく、システム導入責任者もエクセルの限界を感じています。「ライバル会社は、CRMを導入してエクセルによる一元管理をしているらしい。そろそろ我が社でも…?」と思いながらも製品チェックをしたり、売り込みに来るCRMベンダーやCRMソリューションを進めるSIerの話を聞いたりしている、という方も多いでしょう。

しかしこうした背景があっても、多くの企業では、CRM導入になかなか踏み切れません。これは実は、ただ「CRMが金額的にも手続き的にもかなり大きな導入へのハードルが存在する」というだけではないのです。

現在、様々な安価なクラウドCRMも用意されており、現場や導入担当者がそのことを知らないわけではありません。その理由を明確につかんでおかない限り、自社のCRM導入計画はいつまでたっても実現せず、その間に競争力はどんどん失われていくと言っても過言ではありません。

多くの企業にとってCRM導入に踏み切れない本当の理由は、意外なことに、エクセルで顧客管理である程度までできてしまっている、という現実にあるのです。

このことを直視することなくして、CRMを導入しよう! という全社的機運はいつまでたっても盛り上がりません。

CRM導入計画が進まない真の理由はエクセルにあった!?

「本格的CRMの導入の足かせになっているのは、エクセルの存在である」とはいったいどういうことでしょうか?

それは、「今のエクセルによる顧客管理のままでも、なんとなく目的が達成できているように思える…」という現場と導入担当者の漠然とした思いです。しかし、確信を持ってそう思っているわけではありません。したがって、冒頭に書いたように「このままではまずいのではないのか」という停滞した雰囲気だけが蔓延するわけです。

つまり問題は、「エクセルには何ができて何ができないのか」を現場も導入責任者も明確に理解していないところにあります。

なまじエクセルに慣れてしまい、現場ではエクセルの達人が便利なマクロを作って配布したりして、それなりには顧客管理はできてしまっている。また、今不便を感じているのは自分のエクセルの使い方が未熟だからだ、という思いもあるかもしれません。

そこで、この記事ではあらためて「エクセルによるCRMはどこまでできるのか、そしてその限界はどこにあるのか」を明確化することにします。

この点が明らかにならない限り、現場と導入責任者のモヤモヤ感はなくならない! ということははっきりしています。ぜひ、モヤモヤ感をすっきりさせ、自社にとって最適な顧客管理施策を見つけ出して下さい。

まずは「エクセルでできる顧客管理」と、「エクセルでは手に負えない顧客管理」を洗い出して整理し、自社にとって顧客管理をエクセルでやり続けるべきか、CRMを導入すべきなのかを明らかにしておきましょう。

エクセルでもここまでできる、という部分をとことん確認する

職場にはたいてい、エクセルの達人と呼ばれる人がいます。そうした方は、ビジネス文書の作成に長けているだけでなく、マクロに精通していて営業マンのリクエストに応えて簡単な顧客管理のシートを作ってくれたり、簡易顧客データベースを作成してくれたりといったこともできてしまいます。

そうすると、エクセルによるCRMのような顧客管理の一部は実現できてしまいます。

実際に部門の顧客管理をこうしたエクセルベースで行っている会社はかなり多いのが現状です。では、わざわざ高い費用を払ってまで有料のCRMを導入する必要はない、といえるかどうかですが、そこは慎重に判断する必要があります。

エクセルを利用した顧客管理は、中小企業にとっての標準手法といえるほどに、多くの企業において実践的に導入されている顧客管理の方法です。

エクセルは本来、表計算のソフトウェアとして開発されたものですが、データのフィルタリング機能を組み合わせることによって、簡易顧客データベースとしても機能します。

もちろん、顧客管理という面に特化されているCRMに比した時、機能面では劣るでしょう。けれども、無料で利用できるため、コスト面で非常に大きなメリットを抱えるほかに、名刺を代表とする顧客情報の一括管理や、新規営業の発掘、マーケティング、またその計算能力を利用した売り上げ管理などに成果を上げています。

まずはエクセルによって実現できる「顧客管理」を整理してみましょう。

―――――――――――――――――――――
1. 顧客基本情報保存(簡易顧客データベース)
2. 顧客訪問履歴管理(日報管理)
3. 顧客見積もり書、請求書管理(経理データ)
4. 各種レポート出力(営業成績集計)
―――――――――――――――――――――
5. 案件管理(顧客情報管理)
―――――――――――――――――――――

この中で、エクセルだけでは手に負えなくなるのが5の案件管理(顧客情報管理)です。順番に見ていきましょう。

【見出し】エクセルだけでもここまでできる

1. 顧客基本情報保存(簡易顧客データベース)

エクセルはデータ管理の特別のテーブルを持っているわけではありません。すべて可視化されているシートの上にデータを保存していきます。したがって、エクセルの顧客基本情報保存の欠点は、データが多くなりすぎるとスクロールが大変で項目ごとの見出しが見えなくなってしまうことです。

この欠点は、工夫によって回避することができます。

1. 罫線を利用して全体構造をはっきりさせる
2. 見出しの行など(一行目、一列目、重要行列)に色を付ける
3. 「ウィンドウの固定」を使う

特に3については使いこなすとシートの大きさが気にならなくなります。エクセルで顧客管理をする時にデータ数が増えてしまうと、縦スクロールする必要が出てきます。また情報項目が増えれば横スクロールする必要が出てきます。これにより全体を把握できなくなります。

そんな時「ウィンドウ枠の固定」という機能を利用すれば見出し行、見出し列のみを固定してデータのみスクロールすることが可能になります。

2. 顧客訪問履歴管理(日報管理)

日報のように決まったフォーマットで次々とデータを追加してく場合には、シートのコピーが便利です。雛形の日報フォーマットを作っておき、日付が変わるごとに新しくシートをコピーして、追加していくことができます。

といっても無限にシートを増やしても後からチェックするのが大変ですので、月ごとに30くらいのシートをまとめておき、「○月度営業部○○(氏名)日報」などのようにファイル名を付けて提出、管理しておくと良いでしょう。

また、ボタン一つでこのコピー作業を行うマクロなどを付けておけばいっそう使い勝手も良くなります。

3. 顧客見積もり書、請求書管理(経理データ)

見積書や請求書をきれいに仕上げるには、1行ごとに飛ばしながら色を付けてあげると、とても見やすくなります。方法は意外と簡単で「条件式の書式」という機能を利用すれば自動的に色を一行飛ばしにつけてくれます。

1. 一行目の項目を除いた全体を範囲選択した状態で「数式を使用して書式設定するセルを決定」という項目を選択します。
2. 入力欄に次の関数を入れます。
「=MOD(ROW(),2)=0」
3. 好みの色を選択します
見やすい色ということで蛍光や原色は避けた方が無難です。

これだけで、きれいな見積書や請求書ができてしまいます。

4. 各種レポート出力(営業成績集計)

エクセルは数式の取扱に優れていますので、営業データなどをグラフにしたり、数値計算をして分析したりすることはお手の物です。ただ、きれいな各種レポートを出力するには多少の工夫が必要となります。

レポートを出力する上で是非マスターしておきたいのが、エクセルの「フィルタ機能」です。エクセルにはVBAなどを使わなくても標準で「並び替え」機能があるので、セルの特定の列をキーにした並び替えで、一番強調したいデータ、分析したいデータにフォーカスしたデータのソートが可能です。

例えば、営業マンごとに成績をならび変えたり、エリアごとに売上が伸びている地域を順番に表示したりなどは、この「並び替え」で十分に対応することが可能です。

また、エクセルのデータ保存の弱点としてどうしても「重複データ」が出てきてしまうことがあげられます。CRMなどのデータベースの場合には入力時に重複チェックがかかりますが、エクセルの場合にはそうした機能がないからです。取引先に重複メールを送るなどは避けたいものです。

しかしこれについても、エクセルの中に便利な重複チェックに使える機能が隠れています。

1. 重複しているかもしれないと思われる項目を範囲指定してハイライトします。
2. 条件付き書式の「セル強調表示」を選択します。
3. メニューに「重複する値」というのが出てくるので、それをクリックすれば重複があるかわかります。


いかがでしたか? エクセルにも、データベース的に使える機能が沢山隠れており、こうした機能を使いこなせば確かにCRM的なことはやれてしまいます。

しかし、これは先程列挙したうちの下記の4つの部分にとどまっています。

ここまでで、エクセルにできることできないことが整理されました。このことを、定評あるエクセルテンプレートでもう一度確認してみましょう。

定評のある無料エクセル顧客管理ダウンロードサイト7選を検証する

冒頭に確認したように、CRMを導入するために意外な足かせがエクセルのある意味便利すぎるいろいろな機能でした。

「社内でもここまでエクセルでCRM的なことができるということは、高額で使いこなすのが大変そうなCRMをわざわざ導入しなくても、プロに頼めばエクセルベースでもっと高機能な顧客管理ができるのでは?」というわけです。

そこで、社員が片手間に作ったエクセル顧客管理ではなく、「顧客管理」そのものを目的として作られて一定の評価を得ているテンプレートを検証してみましょう。

これによって、自社のエクセルの達人の技術的ノウハウの限界ではなく、エクセルというツールそのもの限界が見えてくるはずです。

■ 書式の王様~ビズオーシャン

このソフトには顧客管理だけではない84種類とテンプレートが多いため利便性が高く、ダウンロードできるメニューも「新規顧客管理」から「粗利分析表」まで幅広く取り揃えています。非常に網羅的で、課題にピッタリのテンプレートが見つかりますが、やはり各シートを統合して顧客管理の現在進行系の状態を把握できる「案件管理」は見つかりません。

■ エクセルカードHARI

最もシンプルなソフトと言ってよいでしょう。そのためエクセルを使えるユーザーに機能をカスタマイズするのも利便性が高いです。ホームページできちんと説明がされているのもシンプルであるがゆえに嬉しいです。

実際にダウンロードしてみると、エクセル特有のデータの管理のしにくさという課題が、「フォーム機能」+VBAを使うことによって克服されています。

しかし、エクセルによるフォームはあくまで入力支援で、背後にデータベースがあるわけではないので、案件管理の進捗を統合的に管理することはできません。

■ 顧客管理名簿

このソフトの特徴は、ひとつまえの「エクセルカードHARI」で克服されていなかったデータの検索性を重視している点です。しかし、この「顧客管理名簿」の検索は、あくまでも入力されているデータを一定のルールに従って出力させるための検索です。

ソフトウェアの説明にあるように確かに、「エクセルができる限界に挑戦」しているといえますが、現在進行中の案件を自由に検索できるわけではありません。

■ UNITS顧客管理システム

このソフトには商談管理など、こまごました入力が事前にソフトに入っているのが魅力です。「顧客」「未顧客」や業種など細かい情報を登録できるなど、今まで検討してきたエクセルベースのツールの中で一番CRMに近いと言えるでしょう。

各営業マンが作ったエクセルデータを統合して管理することができるところも、これまでのエクセルベースのツールの中では群を抜いています。

ただし、このソフトも「顧客」「未顧客」などの分類には対応していますが、案件を管理しながら見込み客を育てていくというレベルでの「案件管理」には対応できていません。

■ エクセルでの顧客管理のノウハウ

エクセルだけですべての顧客管理を行おうという理念のもと、そのノウハウが公開されています。社内のエクセルの達人が喜びそうなサイトなのですが、完成する顧客管理ソフトを見てみると、メニューとして下記があがっており、やはり機能として「案件管理」が入っていないのが残念です。

・Step 1 顧客一覧シート
・Step 2 登録件数の表示
・Step 3 ソート項目用ユーザーフォームの作成
・Step 4 ソートの実行
・Step 5 昇順ソート、降順ソートに変更
・Step 6 抽出用ユーザーフォームの作成
・Step 7 抽出の実行
・Step 8 抽出の解除
・Step 9 抽出結果を別のシートにコピー
・Step 10 抽出結果を印刷
・Step 11 顧客一覧を印刷
・Step 12 はがき印刷
・Step 13 封筒印刷
・Step 14 シール印刷 準備
・Step 15 シール印刷シートの作成
・Step 16 シール印刷の実行
・Step 17 はがき連続印刷
・Step 18 はがき連続印刷の実行

■ エクセル Form 顧客管理

ダウンロードではなく圧縮されたものを解凍するだけでよいというのが最大の特徴です。自由度の高いものとなっており、一覧表を印刷したり形式はCVSで出力したりすることができます。売上履歴入力、売上集計表、宛名印刷等も可能ですが、「案件管理」がありません。

■ 顧客管理台帳(顧客台帳)

紹介されている中で最も「案件管理」に近いものを実現したものとなります。見込み客のリストの性格も併せ持っています。

名簿的・住所録的な顧客管理とは一線を画しており、「売上情報」「販売履歴」「営業履歴」など様々な顧客データ・顧客情報を管理することができ、これはCRMの「案件管理」に近いものだと言えるでしょう。

どうしてもエクセルを使った顧客管理にこだわりたい場合、エクセルでも「案件管理」がまったく不可能ではないという一つの例として、また、CRM導入の費用や手間を今は考えることができない場合の「案件管理」の候補として、本格的なCRMと並べて導入を検討して良いレベルと言っていいでしょう。


以上、定評のあるテンプレートやエクセルベースのソフトを見てきました。

「エクセルでうまくいかないのは、エクセルに工夫が足りないからだ…」と思いがちですが、人気度が高い洗練されたプロの手によるエクセル顧客管理であっても、詳しく見てみると、僅かな例外を除いて、下記の1〜4にしか対応していないことが分かります。

―――――――――――――――――――――
1. 顧客基本情報保存(簡易顧客データベース)
2. 顧客訪問履歴管理(日報管理)
3. 顧客見積もり書、請求書管理(経理データ)
4. 各種レポート出力(営業成績集計)
―――――――――――――――――――――
5. 案件管理(顧客情報管理)
―――――――――――――――――――――

では、5. の案件管理とはいったいどのような作業になるのでしょうか? エクセルでは案件管理ができないのでしょうか? だとすればCRMではどのようにエクセルにできない案件管理を行うのでしょうか。そこを確認していきましょう。

エクセルでできることできないことの分かれ目は「案件管理」にあり

案件管理では、見込み客や顧客の情報、そして個々の案件の情報、顧客からの情報の問い合わせへの対応についての情報も含め、営業活動にまつわるありとあらゆる情報を管理します。

先程の1.2.3.4でいうと、一番近いのが2の顧客訪問履歴管理(日報管理)になりますが、日報管理の目的はあくまで「その日」どういう営業活動をしたかを会社に報告することです。

これに対して案件管理では、下記のように顧客の現状をあらゆる角度から分析し、現状どのようなアプローチをすればよいのかを総合的に決定していきます。

【案件管理の内容】
■ 顧客情報 … 年間投資予算額、自社との過去の取引、今期におけるポテンシャル など
■ 案件の概要 … 顧客の抱える課題、それに対する解決策、パートナーの必要性 など
■ 商品選定 … 他社を視野に入れた金額調整、商品在庫確保、納期、利益、金額 など
■ 進捗状況 … ターゲット数、フェーズ、受注目標日の詳細 など
■ キーマン … 顧客担当者の詳細、決定者、エンドユーザーは誰かのヒアリングデータ など
■ 社内の協力者 … 上司、エンジニア、管理部門との連携の必要性 など

ざっとみて分かるように、これらはエクセルの手に余ります。その理由は、「案件管理」が複合的な要素を持っていることです。エクセルに得意な顧客管理は、顧客管理を「顧客基本情報保存」「顧客訪問履歴管理」「見積もり書、請求書管理」「各種レポート出力」などのフェーズごとに切り出して個別に管理することです。

これに対して「案件管理」とは、「案件管理」という単一のフェーズがあるのではなく、「顧客基本情報保存」「顧客訪問履歴管理」「見積もり書、請求書管理」「各種レポート出力」の各項目を総合的に活用しながら、最適な顧客アプローチの戦略を導くことにあるのです。

「案件管理」は「顧客基本情報保存」「顧客訪問履歴管理」「見積もり書、請求書管理」「各種レポート出力」の各項目を随時更新していき、営業チームが達成するべき目標の中で最も注力すべき案件をはじき出します。

見込み客がとの取引が成立しそうになってきた段階では、受注に関する期間の短縮活動や、競合対策、追加の提案活動も行います。

こうした戦略を導き出すためには、「案件管理」によって最適な顧客アプローチを導くという統一された目的が必要であり、それを可能にするために設計されたのがCRMツールなのです。

CRMで可能になる「案件管理」とは

CRMは顧客管理を「顧客基本情報保存」「顧客訪問履歴管理」「見積もり書、請求書管理」「各種レポート出力」などのフェーズごとに管理するとともに、「管理案件」においてある案件に対するあらゆる情報を集約し常に最新の情報をから顧客に対する最適なアプローチを導き出します。

「案件管理」の大きなメリットは進捗状況の適切な管理による高精度の売り上げ予測や、失注リスクの事前把握によるチームによる対策案を打ち、成約率の上昇を図れるということにあります。

また、CRMによる「案件管理」はエクセルのように個々の営業マンベースで情報が点在しているのではなく、どの顧客に対して、誰がどのような活動を行い、提案はどのようなものだったのかを一元管理します。このため、エクセルで属人化しがちだった営業資産が全社的な資産となり、ノウハウの共有が進むという利点があります。

この「案件管理」の全社的な資産化により、「担当者の感じている手ごたえ」と、まったく違った観点から上司が営業判断を下したり、同僚アドバイスをしたりするなどの活動が可能になります。

そのため、より客観的で多角的なアプローチが可能となり、高精度の受注見込みや、リスクを把握する観点でも大きな武器となりえるのです。

エクセルと対比するとCRMの案件管理の強みが見えてくる

エクセルによる「案件管理」での進捗報告は、営業担当者による自己申告がほとんどです。これは、エクセルというツールがもともと、個人のパソコンの中で使われることを前提に提供されていることと無関係ではありません。

このことは、「案件管理」にとっては致命的と言える限界です。「案件管理」はその名の通り、本人の自己申告で完結するものではなく、上司やチームによって管理されることで本来の機能を発揮します。

適切なタイミングで適切な営業活動を行うには、当該案件での評価について、本人以外から客観的に判断されるべきものにもかかわらず、属人的に担当者の感覚に依存するしかありません。これが日報管理の限界でもあり、同時にエクセルの案件管理の限界でもあります。

先程述べたように、先程の1. 顧客基本情報保存(簡易顧客データベース)2. 顧客訪問履歴管理(日報管理)3.
顧客見積もり書、請求書管理(経理データ)4. 各種レポート出力(営業成績集計)でいうと、一番近いのが2の顧客訪問履歴管理(日報管理)になりますが、日報管理の目的はあくまで「営業マン個人」が「その日」どういう営業活動をしたかを会社に報告することであり、そこには「全社的」で「長期的」な視点が欠落しているわけです。

例えば、大型案件にもかかわらず顧客役員との面談などの客観的な評価なしに、見積書を提出し、フェーズだけ進めたとしても、案件が進んでいると判断するのは危険ということになります。

エクセルベースの「案件管理」に近い機能では、こうしたチェックがずさんになる恐れが多くあります。

日報に書けるレベルの個別案件のフェーズに関する情報や、担当者の簡単なコメント程度であれば「案件管理」的なことも可能かもしれません。

しかし案件管理には、訪問だけでなく、電話や電子メールなど、さまざまな情報を随時登録し、整理していく必要があります。それらの情報を共有し、管理職は適切なアドバイスを行う必要があるのです。縦と横のマトリックスで表現をする表計算ソフトは、シンプルなまとめをつくるのには適していますが、複雑な情報を整理するのには適していません。結果的に表計算ソフトでは情報を集約することに時間がかかり、タイムリーな判断ができないケースが発生するでしょう。

また、表計算ソフトでの管理では、情報の更新も課題となります。いったん帰社し更新するか、同僚などに連絡して代理で記入してもらうか、いずれにせよ客先を出て“すぐに”というわけにはいきません。結果として、常に最新の情報が登録されていないということになります。

個別の営業マンのパソコンの中にあるエクセルベースの管理に任せてしまうのではなく、営業管理者も対策が可能なうちに手を打てる仕組みが必要です。 最後に案件管理に表計算ソフトを使う場合に発生する問題を列挙してみましょう。しかし、表計算ソフトはCRMの ために作られたソフトではないのですからこれもいたしかたないことです。

ここまで整理してきた「エクセルと対比するとCRMの案件管理の強み」をまとめると以下のようになります。

< エクセル >
■ 案件情報の全社共有が難しい
■ 顧客視点での複数案件の管理が難しい
■ 案件情報のリアルタイム更新が難しい
■ 案件情報の一元性の保持が難しい
■ 案件情報の精度の維持が難しい

< CRM >
□ 案件情報の全社共有、上司やチームによる客観的評価が可能
□ 顧客視点での複数案件の管理に力を発揮する
□ 案件情報のリアルタイム更新がシステム的な大前提となっている
□ 案件情報の一元性の保持が設計思想にある
□ 案件情報の精度を維持する多数仕組みが取り入れられている


それでは、次に、こうした特徴を持つCRMソリューションの例を見てみましょう。

エクセルでできなかったことが可能になるCRMソリューション例の紹介

マイクロソフトDynamic CRM

「マイクロソフトDynamic CRM」の公式ページには、製品説明として下記のような説明があります。

Office 365はウェブバージョンのオフィスソフトですので、ある意味でエクセルの限界を知り尽くしたマイクロソフトだからこそ、Office 365と連携することで、より高度に「顧客リレーションシップを見直し、次の一手を選択」=「案件管理」を含むCRMを実現しようという設計思想が出てきているのだとい言えるでしょう。

セールスフォース Sales Cloud Einstein

「セールスフォース Sales Cloud Einstein」の公式ページには、製品説明として下記のような説明があります。

「トラッキング=刻々と変化する顧客情報」=「案件管理」を重視した設計思想になっています。


以上、ビジネスシーンで大きなシェアを握るマイクロソフトとセールスフォースのCRMソリューションを見てみました。やはり、本格的なCRMにおいては「案件管理」がコアとなっていることが分かります。

「顧客リレーションシップを見直し、次の一手を選択」「トラッキング=刻々と変化する顧客情報」が顧客管理の機能として装備されていることは非常に重要です。

ビジネスは常に動いており、日々活発に営業活動を展開していく中で、新規の顧客 が追加されたり、案件が追加されたり、既存案件の状況も常に更新されていきます。

そのたびにPCの前に座ってエクセルを開いて情報を登録・更新していくといった作業は、忙しい営業担当者にとっては苦痛でしかありません。そしてもちろん、こうした作業は負担となるばかりか、実際の顧客対応などに費やすべき時間を削ってしまうことにもつながります。

そして、何より営業マンの属人的情報が客観的に上司や営業チームで評価される機械が失われます。営業活動は多様で複雑な情報を自動的に整理し、タイムリーに更新し、社内外からの協力を得なければなりません。ビジネスに寄与する案件管理は、こういった要件を満たすものでなければならないのです。表計算ソフトは手軽に表を作成できるツールとして、特に日本のビジネスの現場では広く用いられていますが、こうした点において限界があると言わざるを得ません。

【まとめ】

以上、エクセルとCRMとの違いを「案件管理」を軸に整理してきました。

最後に、冒頭の問題提「起多くの企業にとってCRM導入に踏み切れない本当の理由は、意外なことに、エクセルで顧客管理である程度までできてしまっていることにある」という現実を、自社に照らし合わせてみましょう。エクセルでの顧客管理である程度業務が回ってしまっている会社ほど、実はこのことの弊害にも何となく気がついているといえるのではないでしょうか。

もし、自社がこのエクセルの罠にハマってしまっているとしたら、思い切ってその罠から抜け出す覚悟を決めないと、CRM導入はいつまでたっても"永遠の未解決の課題"となってしまします。

エクセルの有用性と弊害は理解しつつも、次に何をしたら良いかわからない、というところまで状況がクリアになってきたら、ぜひ「アイミツ」 にご相談いただければと思います。

現在の業務システムの洗い出しや改善ポイントの提案から相談に乗ってくれる優良リセラー、ノウハウを蓄積したSIerをご紹介できます。

また、自社で現在使っているエクセルのシートやテンプレートを活かしながら、段階的にCRMに既存の業務ソリューションを吸収していくという無理のないシナリオでCRMを導入したい、とお考えの企業様もいらっしゃるでしょう。その場合には、同様の案件に実績のある業者をご紹介することも可能です。

ぜひ、ご検討ください。

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