【福利厚生】助成金の活用で「働き方」の充実度アップを目指そう!

助成金を活用する

更新日:2017年09月07日 | 公開日:2017年04月06日

会社の継続・成長に欠かせない資源はいくつもありますが、経営者や会社側が社内で最も重要視すべきは、「人」ではないでしょうか。
よい人材を確保するためには、給与など所得向上を考えるのはもちろんですが、福利厚生の一環として職場環境の改善、とりわけ長時間労働の改善やライフステージの変化などに対応した多様な働き方を実現することも極めて重要です。

「ウチは社内コミュニケーションがよく、個別にきちんと対応できる」と考えている人もいるかと思います。
そうした社内風土があることは重要ですが、やはり社内規定や労働協約などに規則・制度として明文化し、誰もが気兼ねなく必要に応じて子育てや介護などのための休暇取得や短時間勤務など選択できるようにすべきです。

この記事では、こうした多様な働き方を制度化するために利用できる「助成金」について説明します。

1. 福利厚生のために助成金は使える?

パソコンを見る女性

1-1. そもそも助成金とは

助成金とは、国や自治体など公的機関が政策を推進するために、その内容に沿った活動をする企業や団体、個人の活動を支援する目的で提供する、返済する必要のない資金です。
金利もつきませんから、これを利用しない手はありません。

「政策の内容に沿った活動を支援」するのが目的ですから、誰もが希望すればもらえるものではありません。
とはいえ、特に国がすすめる政策は多岐にわたっていますし、大企業に比べて資金面に不安がある中小企業に対する支援を念頭に置いたものが多いため、丹念に調べていけばほとんどの企業は何らかの形で助成金を利用することができます。

ところで、助成金と補助金という2つの言い方があり、「何か違いがあるの?」という疑問を持っている人もいると思います。
結論から言えば、いずれも公的機関が提供する返済する必要のない資金であることに違いはありません。

言い方の違いは、大まかには所管する役所によるもので、経済産業省系のものは主に「補助金」を、厚生労働省系のものは「助成金」を使っています。

福利厚生は、労働・雇用に関係するものですから、使えるのは基本的に「助成金」になるわけです。

2. 使える主な助成金

2-1. 従業員の処遇や職場環境の改善を図る場合の助成金

コーヒーと付箋とメモ帳

職場定着支援助成金

人材の定着・確保と魅力ある職場づくりのために雇用管理の改善に取り組む事業者を助成するものです。
新たな雇用管理制度(表参照)を導入・実施した場合と、それにより従業員の離職率の低下目標を達成した場合の2段階で助成金が支給されます。

導入する制度は1つでもよいので、福利厚生として利用するならば、「健康づくり制度」がまず候補となるでしょう。

制度導入助成 各10万円
イ.評価・処遇制度
ロ.研修制度
ハ.健康づくり制度
ニ.メンター制度
ホ.短時間正社員制度(保育事業者のみ)

目標達成助成 60万円

参照:厚生労働省ホームページ:職場定着支援助成金

キャリアアップ助成⾦ 処遇改善コース

「キャリアアップ助成⾦」は、いわゆる非正規雇用労働者(有期契約労働者等)の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善などの取組みを実施した事業主に対して助成する制度です。
対象となる取組みはいくつかありますが、福利厚生として導入を考えやすいのは、「健康診断制度(正規雇用労働者との共通の処遇制度)」でしょう。

これは、有期契約労働者等を対象に「法定外の健康診断制度」を新たに設け、延べ4⼈以上実施した場合に、1事業所当たり40万円(30万円)の助成が受けられます。

また、短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延⻑し、新たに社会保険に適用した場合に、1人当たり20万円が支給されます。

参照:厚生労働省ホームページ:キャリアアップ助成金

2-2. 仕事と家庭の両立に取り組む場合の助成金

幸せな家族

このジャンルには、子育て・介護支援のほか、女性活躍の促進を目的とした助成金があります。
子育て支援の助成金として用意されているのが「出生時両立支援助成金」「中小企業両立支援助成金(代替要員確保コース/育休復帰支援プランコース)」です。

これらは、支給要件として
(1)「育児休業の制度及び育児のための短時間勤務制度(育児・介護休業法に規定)について、労働協約または就業規則に規定していること」
(2)「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出・公表」
の2項目が共通して挙げられています。

したがって、出生時両立支援助成金は大企業も対象としているため名称が違っていますが、中小企業を対象に考えた場合、基本的に同じ制度のバリエーションと言えます。
前記の(1)、(2)以外の個別の支給要件については、それぞれの説明のなかで触れます。

出生時両立支援助成金

支給額 中小企業60万円、大企業30万円
支給要件(前記の(1)、(2)以外の個別要件)
● 男性が子どもの出生後8週間以内に開始する連続14日以上(中小企業は連続5日以上)の育児休業を取得。
● 男性が育児休業を取得しやすい職場風土づくりのための取組みの実施。

支給対象となるのは1年度につき1人までで、2年目(育休2人目)以降は支給額が15万円(一律)に引き下げられます。
また、過去3年以内に男性の育児休業取得者(連続14日以上、中小企業は連続5日以上)がいる企業は対象外となります。

厚生労働省ホームページ:平成28年度 両立支援等助成金のご案内(PDF)

中小企業両立支援助成金(代替要員確保コース)

支給額 50万円(対象労働者1人当たり)
支給要件(前記の(1)、(2)以外の個別要件)
● 中小企業事業主
● 対象者が3ヶ月以上(連続して1ヶ月以上の期間の合計)の育児休業を取得
● 育児休業取得者の職場復帰前に、就業規則などに「育児休業が終了した労働者を原職に復帰させる旨」を規定すること
● 育児休業取得者の代替要員を確保し、休業取得者を原職等に復帰させる
● 原職復帰後6ヶ月以上雇用していること

支給対象となるのは1年度当たり10人までで、5年間(最初の支給対象者の職場復帰から6ヶ月後の翌日から起算)となります。
なお、出生時両立支援助成金と重複して受給することはできません。

厚生労働省ホームページ:中小企業両立支援助成金(PDF)

中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)

この助成金は育休取得時と職場復帰時に支給され、それぞれに別個に要件が設定されています。

▼育休取得時
・支給額 育休取得時30万円、職場復帰時30万円
・支給要件(前記の(1)、(2)以外の個別要件)
・中小企業事業主
・育児休業取得者のための育休復帰支援プランを作成していること
・育休復帰支援プランに基づき、育休取得・職場復帰の支援措置を実施する旨を規定し、周知すること
・育休取得予定者とその上司または人事労務担当者との面談を行い、その結果を記録していること
・育休復帰支援プランに基づき、業務の引き継ぎを実施
・対象者が3ヶ月以上の育児休業(産後休業に引き続き育児休業をする場合には産後休業を含む)を取得

▼職場復帰時
・支給額 30万円
・支給要件(前記の(1)、(2)以外の個別要件)
・中小企業事業主
・育休復帰支援プランに基づき、育休取得者に育休中の職場に関する情報及び資料を提供
・育休取得者とその上司または人事労務担当者との面談を育休終了前後それぞれに行い、その結果を記録していること
・面談結果を踏まえ、育休取得者を原職等に復帰させ6ヶ月以上雇用

参照:厚生労働省ホームページ:育休復帰支援プランコース(PDF)

介護離職防止支援助成金

介護をする従業員が、そのために離職しなくてすむよう介護休業の取得や、仕事と介護の両立のための介護制度を利用した場合に支給される助成金です。

支給額 介護休業:中小企業60万円、大企業40万円
    介護制度:中小企業30万円、大企業20万円
※ いずれも1事業主2回まで支給(無期雇用者、期間雇用者各1回)

受給するためには、以下のステップが必要となります。

1 仕事と介護の両立のための職場環境整備
● 従業員の仕事と介護の両立に関する実態把握(社内アンケートの実施)
● 制度設計・見直し(介護休業関係制度に係る就業規則の整備)
● 介護にあたる前の従業員への支援(人事労務担当者などによる研修及び介護休業関係制度の周知)
● 介護に直面した従業員への支援(相談窓口の設置及び周知)

2 介護支援プランによる介護休業の取得等の支援について、就業規則などに明文化し、社内報などにより周知する

3 介護支援プランの作成(対象者と面談し、介護の状況や働き方の希望などを確認)

4 介護支援プランに沿った介護休業の取得等
(介護休業)
● 介護支援プランに基づき、介護休業開始日までに業務の引き継ぎを実施
● 連続1ヶ月以上(分割取得の場合は合計30日以上)の介護休業を取得
● 原職等に復帰後、今後の働き方などについてフォロー面談を行う
(介護制度)
● 介護支援プランに基づき、業務体制の検討を行う
● 連続3ヶ月以上(複数回利用の場合は合計90日以上)、下記の勤務制度を利用
● 制度利用後、今後の働き方などについてフォロー面談を行う
 ▼対象となる勤務制度
・所定外労働の制限制度
・時差出勤制度
・深夜業の制限制度

参照:厚生労働省ホームページ:介護離職防止支援助成金(PDF)

女性活躍加速化助成金

女性活躍推進法に基づき、自社の女性の活躍に関する「数値目標」と数値目標の達成に向けた「取組目標」を盛り込んだ行動計画を策定し、それぞれ目標を達成した事業主に対して支給されます。

・「加速化Aコース」(常用労働者数が300人以下の企業が対象)
支給額 30万円
支給要件 取組目標の達成(複数の取組目標がある場合、どれか1つを達成した時点で申請可能、1企業につき1回限り)。

・「加速化Nコース」
支給額 30万円
支給要件 取組目標を達成したうえで、数値目標を達成(1企業につき1回限り)。

参照:厚生労働省ホームページ:女性活躍加速化助成金のご案内(PDF)

2-3. 労働時間・賃金・健康確保・勤労者福祉関係の助成金

アドバイスする男性

職場意識改善助成金

この助成金は、中小企業における労働時間の短縮、有給休暇の取得や多様な働き方への対応の促進などを目的としたものです。
助成金は職場意識改善を図るための計画策定と、計画実施による成果目標の達成に対して支給され、対象や改善する内容によって次の4つのコースがあります。

◯ 職場環境改善コース
◯ 所定労働時間短縮コース
◯ 勤務間インターバル導入コース
◯ テレワークコース

対象となる中小企業とは、次の要件に該当(資本金あるいは労働者数のどちらか)する企業です。
・小売業(飲食店を含む) 資本金5,000万円以下、常時使用する労働者50人以下
・サービス業 資本金5,000万円以下、常時使用する労働者100人以下
・卸売業 資本金1億円以下、常時使用する労働者100人以下
・その他の業種 資本金3億円以下、常時使用する労働者300人以下

細かい適用要件や助成金の額はコースによって違います。
ここでは、最も利用する企業が多いと考えられる「職場環境改善コース」について具体的に見ていきます。

〇職場環境改善コース
適用要件 雇用する労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数が13日以下で、月間平均所定外労働時間数が10時間以上の企業で、次に挙げる取組みを1つ以上実施

○ 労務管理担当者に対する研修
○ 労働者に対する研修、周知・啓発
○ 外部専門家によるコンサルティング(社会保険労務士、中小企業診断士など)
○ 就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)
○下記の設備機器・ソフトウェアなどの導入・更新
・ 労務管理用ソフトウェア
・ 労務管理用機器
・ デジタル式運行記録計(デジタコ)
・ テレワーク用通信機器
・ 労働能率の増進に資する設備・機器等(小売業のPOS装置、自動車修理業の油圧式リフト、運送業の自動洗車機など)

参照:厚生労働省ホームページ:職場意識改善助成金(職場環境改善コース)

受動喫煙防止対策助成金

2015年6月1日から、職場の受動喫煙防止対策が事業者の努力義務となりました。
それに伴い、事業主が受動喫煙防止対策を行う際の費用を一部支援するものです。

対象となる事業主についてはいくつか規定がありますが、資本金が、「小売業・サービス業は5,000万円以下、卸売業は1億円以下、その他業種(建設業、製造業、運輸業、金融業、保険業など)は3億円以下」の場合は「中小企業」として該当しますので、大多数の企業は使えるはずです。

助成内容は、次のようになります。

助成対象経費            助成率      上限額
喫煙室の設置などにかかる工費、    1/2      200万円
設備費、備品費、機械装置費など

※交付は事業場単位とし1事業場につき1回(同じ事業場で複数の場所に措置を講じる場合は1件のとしてまとめて申請)

参照:厚生労働省ホームページ:受動喫煙防止対策助成金

2-4. 自治体の助成金(例:東京都)

高層ビル

国だけでなく、地方自治体もそれぞれに福利厚生で使える助成金(補助金などを含む)のメニューを用意しています。

ここでは東京都の例を紹介します。

●働き方改革宣言奨励金
(1) 働き方改革に向けた目標及び取組内容を設定し、「TOKYO働き方改革宣言企業」として承認 奨励金30万円
(2) 制度整備を新たに行い就業規則等に明文化(((1)を実施する場合のみ)
a.「働き方の改善」に掲げる制度を整備 奨励金 10万円
b.「休み方の改善」に掲げる制度を整備 奨励金 10万円
c. a, bを1つ以上含む5つ以上の制度を整備 奨励金 10万円

●働き方改革助成金
助成金 1制度の利用について10万円(上限40万円)

●東京都中小企業雇用環境整備推進奨励金
1企業当たり上限100万円
(1) 奨励金(仕事と育児の両立推進)
 a. 一般事業主行動計画策定10万円
 b. 仕事と育児の両立制度整備20万円
 c. 男性の育児参加推進20万円
(2) 奨励金(仕事と介護の両立推進)
 a. 仕事と介護の両立支援 40万円
 b. 仕事と介護の両立制度整備10万円
(3) 奨励金(非正規労働者の処遇改善)40万円
※(1)aを利用する場合は「とうきょう次世代育成サポート企業」に登録すること

●家事サービスを活用した両立支援推進事業
50万円(定額)
※上記に加え、企業が契約した家事サービス事業者を従業員が利用し、その利用料を企業が支払った場合、利用料に応じて最大100万円の助成金を支給

●女性の活躍推進等職場環境整備助成金
a. 女性の採用・職域拡大等に向けた職場環境整備に係る経費 助成金 費用の2/3(上限500万円)
b. 多様な勤務形態の実現に係る経費  助成金 費用の1/2(上限200万円)
※ a, bを両方実施する場合の上限は500万円

参照:東京都労働局:雇用就業部助成金等一覧

2-5. 助成金を利用する際の注意点

助成金の多くは年度単位で実施されています。
このため、応募期間が決まっているものが多く、年度前半で募集を終了するものも少なくありません。
さらに、予算枠も限られていますし、同じ助成金でも年度ごとに助成額や適用要件が変更になる場合もあります(この記事で紹介した助成金も平成28年度実施分のものです)。
助成金の申請をしようとするならば、年度当初に国や自治体のホームページなどで、内容などを確認しておくことが必要です。

紹介した内容を見ていただければわかるように、助成金にはプラン作成や制度化だけで受給できるもの、目標達成によって受給できるもの、それぞれについて段階的に受給できるものがあります。

「目標達成」に関しては、会社によって受給のハードルが高くなる場合もあります。
助成金が使えるからといって「あれもこれも」といくつも同時に進めるのではなく、必要性の高いものから導入し、確実に社内に制度として定着させるべきでしょう。

【まとめ】使える制度は有効に活用すべし

電卓とペン

職場環境の改善や多様な働き方への対応は、すでに働いている社員の定着だけでなく、採用においても重視される項目になっています。
また、制度として定着し、きちんと運用されていけば、それが企業風土や文化という形でより良い相乗効果を生み出すことにもつながるのではないでしょうか。

そうした幅広い視点から職場環境や働き方の在り様を考え、助成金を有効に活用して制度を整えていくことをお勧めします。

もし「人事や福利厚生に詳しい人材がいないので、助成金制度をじっくり検討する余裕がない」というようなことをお考えでしたら、福利厚生代行サービスや人事労務の専門家の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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