webサービス構築を成功させるために発注者がすべきこと

webサービス構築を成功させるために発注者がすべきこと

更新日:2017年11月21日 | 公開日:2017年07月29日

自社のコーポレートサイトを公開している企業はたくさんあります。
最近では単に紙で作った会社案内をwebサイトに公開するというだけではなく、webをマーケティング活動に積極的に活用するという企業が増えています。

例えば、社長や社員が自分の会社の製品を熱く語るようなコンテンツを定期的に公開しているサイトも増えてきました。
読者に向かってコンテンツを常に発信していき、読んでくれた訪問者を徐々に自社の製品の理解者に育て、最終的には自社製品の購買に結び付ける手法を「コンテンツマーケティング」と呼びます。
しっかりした効果が出るわりに、社内で手軽にスタートできるのですでに実施している会社も多数あります。

webサイトでマーケティングを行う場合、大きく分けて2つの手法があり、一つはこうした静的なコンテンツを充実させる方向です。
もう一つは、記事を執筆するというアナログ的な方法ではなく、webサーバー上にダイナミックなシステムを構築してwebサービスを展開する方法です。

例えば、弁護士ドットコムでは、地域や専門分野ごとの弁護士検索に加えて、アポイントの予約ができ、自分の相談状況はマイページで確認できるというシステムを提供しています。
またジョブセンスでは、高時給・短期・単発・朝/深夜・土日など、10万件以上の募集求人からこだわり条件でバイトを検索でき、バイトが決まったらお祝い金をプレゼントするなどの仕組みを提供しています。

コンテンツマーケティングの場合には、ホームページに載せる原稿を書けばよいのですが、「webサイト上でこんなマーケティングやサービスを展開したい!」という場合には、プログラミングを伴うシステム構築が必要です。

この記事ではどうやったらwebサービス構築を成功させることができるか、そのノウハウをお伝えします。

web開発はどんな流れで行うのか把握しておこう

ノートパソコンとコーヒー

webサービスの構築ではシステムを納品してもらったあとのメンテナンスや運用サポートなど、開発会社と長く良好な関係を築いていくことがポイントですので、相性の良い会社を探し出すことがとても重要になります。
インターネットで検索してみると、チェックしきれないほどのweb開発会社が出てきますが、web開発には大きく分けて2つの方法があります。
最初にこの2つの開発手法の違いを知っておくと、自社の企業文化やスタイルに合った開発会社が格段に見つけやすくなります。

何を作るか明確に決まっている場合にはウォーターフォール型

最初は何を作るか明確なイメージがありそのイメージ通りに作ってくれることが一番重要、というケースです。

例えば、会社の倉庫で毎月やっている会員向けの展示即売会をweb上でも行い、現在プラスチックのカードで発行している会員番号を打ち込んでログインしてもらって即売会と同じように商品を購入してもらいたい、というシンプルなものです。
会社で実施している即売会通りにシステムを組んでもらえればよく、ソーシャルメディアと連携した仕組みとか、定期的なお知らせメールで会員をフォローするというメールマーケティングなどの仕組みなどを加えるという予定はいまのところナシとします。
ただ、東京の会社に遠方のお客様が大阪や九州から月1回来てもらうという手間を解消してあげるということが目的だ、というようなケースです。

こうしたケースでは、現在実施されている展示即売会の業務フローをweb上のシステムに落とし込んで、一気に開発を行うことが適しています。
何を作るのかが明確なので、予算規模も納期も最初の段階で確定できますし、完成形のイメージが発注側と開発側で完全に共有されているので、最終納品時に「え? こんなシステム頼んでいません!」というようなミスマッチも起こりません。

この開発手法は「ウォーターフォール型」と呼ばれ、次のようなパターン化された手法で開発が進みます。

ウォーターフォール型の手法
  • サービス企画
    webサービス構築プロジェクトの背景や目的を明確化します
  • 要求定義
    発注者の要求やシステムの要件を定義します
  • 外部設計(基本設計、概要設計)
    システムのインタフェース部分を設計します
  • 内部設計(詳細設計、機能設計)
    プログラムをどう組むか設計します
  • 開発
    内部設計を元に実際のプログラミングを行います
  • 単体テスト
    要素に分解して進めているプログラムの動作を検証します
  • 結合テスト
    単体テストに合格したプログラム同士を結合してプログラムの動作を検証します
  • ユーザーテスト、運用テスト
    発注者が実際に使ってみてテストします

このようにパターン化されており一気通貫に開発が進むので、安心してwebサービス開発を外注できます。

ウォーターフォール型でのwebサービス構築

それでは「何を作るか明確に決まっている」場合に適したウォーターフォール型開発の流れを詳しく見てみましょう。

キーボードと手帳

1. 企画段階

ウォーターフォール型開発の全体像と基本的な流れは、最初にwebサービスの「企画」を説明します。
ウォーターフォール型開発の説明では「要件定義」から解説をスタートする場合もあるのですが、最近では「何のためにこの開発を行いたいのか」という発注側の目的を開発会社が共有することで、より顧客満足度の高いシステムが納品できると言われています。

webサービス構築において「企画」とは、「何のためにこの開発を行いたいのか」「そのためにどんなイメージのシステムを求めているのか」を明らかにする段階です。

2. 要件定義段階

このwebサービス構築で何をしたいのかを、具体的に伝えていきます。
「企画」の段階では大まかな方向性を共有しますが、「要件定義」の段階ではより具体的にwebサービスをイメージして、どんな機能が必要になるかを詰めていきます。
この段階で要望をうまく伝えられないと、当然のことながら開発側に伝えられなかった機能についてはシステムの設計に反映されないことになってしまいます。

「要件定義」の段階を通過して開発会社から提出されるシステムの設計書に、自社の要求が入っていないことを見抜いて指摘できる場合はまだよいのですが、設計書は専門用語やシステム図などを使って説明されているので、見逃してしまう場合もありえます。

また、セキュリティ対策やサービスのレベル(SLA=Service Level Agreement)などについてもしっかり確認しておきましょう。
このあたりの内容については、システムの受託開発契約書の中身にはっきりと明記しておくことが必要です。

3. 外部設計(基本設計、概要設計)段階

外部設計ではデザイン的な面を詰めていきます。
webサービスの開発ではホームページの作成と違い、システム的な仕組みについてたくさんの時間をかける傾向にあります。
しかし、最終的にシステムを使ってくれるのはアクセスしてくれるお客様ですので、ユーザーにとって使いやすいインタフェースはどうあるべきかについて、とことん議論してください。

webサービスではユーザーが操作するインタフェースはwebブラウザを使いますので、試作品を作ることにはそれほどの手間はかかりません。
動作はしなくても、だいたいどんなイメージになるかについて実際にHTMLやCSSを使って画面を作ってもらうことをお勧めします。

4. 内部設計(詳細設計、機能設計)段階

この段階では、発注者の要件を満たすためにどんなプログラムを組むか、という技術的な設計が行われますので、基本的には発注側はタッチしなくてもよい部分です。
ただし、最初に提示された全体スケジュール表を見ながら「内部設計」が予定通り進行していることを、時々確認しておきましょう。
開発会社が開発の進捗状況について明確に答えてくれない、という場合には何か問題が生じていることも考えられます。
「内部設計」段階に入ったから、連絡を待とう…と考え、開発会社と長期間コンタクトを取らないということがないようにしましょう。

5. 開発段階

内部設計を元に実際のプログラミングを行います。
この段階でも基本的に発注者が積極的にタッチすることはありません。
内部設計のときと同じく、時々進捗状況を確認しておきましょう。

6. 単体テスト

要素に分解して進めているプログラムの動作を検証します。
ウォーターフォール型開発の場合には、あとで説明する「アジャイル型開発」と違って、開発段階に入ったあとのこの段階でも基本的に発注者が積極的にタッチすることはありません。
開発段階のときと同じく、時々進捗状況を確認しておきましょう。

7. 結合テスト

単体テストに合格したプログラム同士で結合してプログラムの動作を検証します。
この段階でも基本的に発注者が積極的にタッチすることはありません。
単体テストのときと同じく、時々進捗状況を確認しておきましょう。

8. ユーザーテスト、運用テスト

発注者が実際に使ってみるテストです。
webシステムがきちんと動作するかどうかについては、6の単体テスト、7の結合テストで開発側がチェックしているので、このユーザーテスト、運用テストの段階では、実際に納品されたあとにシステムを既存顧客にモニターとして参加していただくということも有効です。

なお、納品物としてはプロダクトだけではなくドキュメントも確認しましょう。
マニュアル等に不備がある場合にはたとえシステムがテストに合格していたとしても、検収不合格として納品に待ったをかけます。

走りながら考える開発手法の「アジャイル型開発」

パソコンを操作中の女性

もう一つは、決まりきった目的に向かって一直線に開発を進めるタイプとは正反対の、「短期的に目標自体をどんどん更新していく」という走りながら最適なwebサービスを考える手法です。
先程のウォーターフォール型を指して「安心してwebサービスを外注できる」と言いましたが、もちろん「アジャイル型開発」が不安に満ちている、というわけではありません。
アジャイル型開発を「安心のウォーターフォール型」と対比して説明するなら「エキサイティングでダイナミックなアジャイル型開発」というのが特徴を最も特徴をよく表していると言えるでしょう。

アジャイル型開発でももちろん、ユーザーが何をしたいかについてのヒアリング(要件定義)からシステムへの落とし込み(設計)を行い、実際にプログラミング作業をして(開発)、検証(テスト)を経てゴール(納品)というプロセスを踏みます。
しかし、これをウォーターフォール型のように最終納品物に対してではなく、一つひとつの機能に対して繰り返し行うところが特徴です。

つまり、ウォーターフォール型開発では「要件定義」⇒「設計」⇒「開発」⇒「テスト」⇒「納品」の流れが1回であるのに対して、アジャイル型開発ではこの流れをたくさん繰り返すところがポイントなのです。

このタイプの開発に向いているのは、例えば、同じ物販サイトを構築するにしても先程の「会社で実施している即売会通りにシステムを組んでもらえればよい」というケースとは違って、ライバル会社の動向を見ながら、通常の通販に「オークション機能」を加えてみたり、以前は頻繁に買ってくれていたのに最近ご無沙汰状態になってしまった休眠客をデータベースから抽出して「お得意様キャンペーン」を実施したりといった機能を次々と加えていきたいというケースです。

細かくサービスを区切って「要件定義」⇒「設計」⇒「開発」⇒「テスト」⇒「納品」のサイクルを繰り返し、実際にwebサービスをリリースしてお客様の反応を見ながら、リリースしたシステムをバージョンアップしたり、まったく別の手法を試したり、という短期的なサイクルを繰り返します。

アジャイル型開発の流れ
  • 発注側と開発側からメンバーをピックアップしてチームを作ります。
  • 発注者の意向を尊重しながら開発範囲全体をいくつもの短い範囲に区分します。
  • 開発期限を2週間程度に区切り、どの機能から実装するか優先順位を付けます。
  • 区切られた開発単位に関して「実装」「テスト」「修正」「完成」まで実施します。
    このときテストには発注者も加わって、開発陣へ使い勝手など必要なフィードバックします。
  • 完成した範囲のサービスを評価し、次に着手するべき開発区分を決めます。
    (以下、4⇒5を繰り返す)

アジャイル型開発でのwebサービス構築

それでは「何を作るか走りながら考える」場合に適したアジャイル型開発の流れを詳しく見てみましょう。

コーヒーブレイク中の男性

1. メンバーをピックアップしてチームを作る

ウォーターフォール型開発とアジャイル型開発が決定的に違う点が、開発チームに発注側企業からもメンバーを入れるという点です。
もちろん、実際のプログラム開発の一部を発注者が担当するというわけではありません。
プログラミング自体はウォーターフォール型開発でもアジャイル型開発でも、開発会社のエンジニアが行うわけですが、アジャイル型開発の場合には、発注側企業が開発に対して積極的に口を挟む体制で開発が進みます。

開発チームはサッカーや野球のなどのチームスポーツのようにそれぞれのメンバーが協力し合って、同じゴールを常に意識してプロジェクトを進めます。

2. 開発範囲全体をいくつもの短い範囲に区分する

よくあるのが、「アジャイルだから企画や仕様は深く考えなくてもいいのだ」という思い込みです。
アジャイル型開発では、ウォーターフォール型開発のように、最終的な完成形の厳密な設計図は作りませんが、個々のフェーズにおける企画や仕様はきちんと深く考えて作ります。
アジャイルの特色は発注者の意向を尊重しながら、その企画や仕様を柔軟に変更していくことを許容する、という点です。

したがって、「アジャイル型開発を採用したのだからとりあえず適当に作ってみて、ユーザーの反応を見てみよう」という態度は間違っています。
むしろ「開発範囲全体をいくつもの短い範囲に区分」するということは、単体のサービスごとにユーザーに評価してもらえる完成度を持った製品を大量にリリースし続けていくということなので、きちんとした目論見が必要です。
思いつきでとりあえずやってみる、という態度からは一つひとつのサービスにユーザーを満足させる完成度など期待できません。

3. どの機能から実装するか優先順位を付ける

優先順位を付けるということは、「開発が簡単な部分から取りかかる」ということではありません。
これでは完全に開発者都合の発想なので、発注者を含めてチームを組む意味がありません。
アジャイル型開発における優先順位とは、ユーザーの反応を見ながら最も求められている機能を優先してリリースしていくということです。

もっとも最初は評価してもらう製品自体が完成していませんので、だいたいの戦略を練って仮に優先順位を付けたプロジェクトの全体図を作成しておくことが大切です。

「アジャイル型開発なのだから計画なんていらない、ホワイトボードでその都度打ち合わせをしましょう」というのは、アジャイル型開発を自社に都合のよいように解釈している開発会社だと言えます。

暫定的な計画であっても、必ずドキュメントに落とし込み、最初の目論見、仮説と市場の評価がどうして食い違ったのかなどを振り返ることが必要です。

4.「実装」「テスト」「修正」「完成」を繰り返す

このプロセスを繰り返さず1回完結として、しかも開発陣のみが担当するのが、「ウォーターフォール型開発」です。
アジャイル型開発では、発注者もチームに入っているので、「実装」(開発会社)⇒「テスト」(発注者と開発会社)⇒「修正」(開発会社)⇒「完成」(発注者と開発会社)となります。

開発のフェーズの中に発注者が関与するという仕組みは非常に斬新で、結果として市場に求められている製品を迅速にリリースできるというメリットがありますが、このアジャイル型開発をチームに浸透させるには、ある程度の時間やチーム内の相互理解が必須となります。

このため、アジャイル型で「実装」(開発会社)⇒「テスト」(発注者と開発会社)⇒「修正」(開発会社)⇒「完成」(発注者と開発会社)というチームプレイをうまく維持していくためには、案件ごとに短期の「受託開発契約」を結ぶのではなく、ある一定期間(半年や1年程度が基本)で発注する仕事量の最低保証を行う「ラボ型契約」が適しています。

5. サービスを評価し、次に着手するべき開発区分を決める

例えば、物販サイトを構築するプロジェクトで、最初に「簡単な通販機能」をリリースしたが思うように利用者が伸びなかった、しかし次の開発範囲である「オークション機能」を実施したら、ユーザーが10倍に伸びたというケースでは、次の開発アクションとして暫定的に決定されていた「簡単な通販機能の拡張」を行う前に「オークション機能の拡張」を行うべきだという判断が下されるでしょう。

アジャイル型開発をベースとしてチーム開発を効率的に行うことを整備した「スクラム」という手法では、プロジェクトを「計画ミーティング」「製品基準の調整・レビュー・配布」「スプリント(開発、まとめ、レビュー、調整の繰り返し)」「スプリントレビュー」「振り返り」「クロージャ」としていますが、もちろんこれはルーチンワークではありません。
それを回していくときのきっかけとなるのはユーザー(市場)であるというところがポイントです。

webサービス構築を成功させるためにRFPを作成しよう

キーボードとマウス

RFPとは、Request For Proposal(提案依頼書)の略で、発注側企業がwebサービス構築会社に具体的な提案を依頼するための資料です。
発注担当者のなかには、「わざわざ提案を依頼するためにこっちでドキュメントを作らなくてはいけないの?」と思う方もいるかもしれませんが、RFPを作ることには2つの大きなメリットがあります。

RFPを作成するメリット
  • どんな開発をしたいのかを文章化することで、依頼内容が明確化できる
  • 作成したRFPを複数の開発会社に出すことで、提出してもらった提案書を比較検討できる

ウォーターフォール型では、要件定義から設計、テスト、納品まで一直線に開発が進みますので、開発内容を最初に明確化することが重要ポイントですし、アジャイル型であっても、小さなサービスごとの開発内容についてどんなことをしたいのかをはっきりさせた上でプロジェクトをスタートさせることは同様に大切です。

また、外注先の選定では、できるだけ多くのwebサービス構築会社にコンタクトをして最適な会社を選ぶ必要があります。
このとき、バラバラに電話などで曖昧に希望を伝えていたのでは開発会社もはっきりした提案をしてくれない場合もあります。
要望がはっきりしていないのでは、各社と打ち合わせをして提案を受けてもその後の比較検討がむずかしいということがあります。
RFPを作っておけば、同一の前提条件で提案書を作ってもらうことになるので、比較検討が容易になります。

webサービス構築を成功させるためのRFPの書き方のポイント

それでは、実際に書くときのノウハウを見ていきましょう。
重要ポイントを7つお伝えしますので、この記事を参照しながら書いていただきたいと思います。

ノートパソコンや電卓、鉛筆

1. 分かりやすい開発プロジェクト名になっているか

開発プロジェクト名は、いったん付けてしまうと最後までその名前が使われます。
したがって、コードネームのような「Project Reality」(NINTENDO64、通称ロクヨンのコードネーム)とか「Orbis」(PlayStation4のコードネームで「世界、国、地域、円、輪、繰り返し」などの意味)などの凝った名前は避けましょう。

「○○株式会社 ○○展示会 webバージョン」のようなシンプルで、開発目的(現状の展示会のweb展開)がイメージできるシンプルなものがベストです。

2. 伝えるべき項目が含まれているか

RFPは、提案書を要求するものなので何について提案してほしいのかを過不足なく伝えることが大切です。

開発の背景や目的もとても重要ですが、抽象的な話だけになってしまうと的を射た提案書が集まりにくかったり、webサービス構築会社の方向性がバラバラで比較検討しにくい提案書が集まってきたりしまいます。

プロジェクトの全体像
  • 依頼するプロジェクトの背景や動機
  • ターゲットとするペルソナ
  • プロジェクトの目的
  • 達成したい目標や成果
  • サービスリリース予定日
  • 他社競合情報など
提案してほしい要件
  • 開発だけか運用委託までなのかなどの業務範囲
  • 開発費・運営委託費についてのざっくりした金額
  • どのような機能で要望を実現するか
  • システムだけでなくマニュアルなど具体的な納品成果物の一覧表
  • 採用予定の開発の手法(ウォーターフォール型/アジャイル型など)
  • 運用方法の提案
  • プロジェクト推進チーム体制
確認事項
  • 実績の提示
  • プロジェクト対応窓口(営業/技術それぞれの部門)
  • 発注先選定スケジュール
  • 発注先決定選定基準
  • プロジェクト契約条件
  • プロジェクトに関する守秘義務
  • 秘密保持契約書の締結
  • 情報漏洩時の罰則など

3. webサービス構築会社に何を期待するか明示してあるか

RFP作成の目的は「提案」(プロポーザル)を「依頼」(リクエスト)することです。
つまり提案を上手に引き出すような文章を入れておくことが質の高い提案書をもらうためには必須です。

例えば、「概算の開発予算は300万円」と伝え、「運営委託費については予算化できていないので、社内のスタッフでも運営ができるように、使いやすい管理画面を提案してください」などのリクエストをしておきます。
この一文がなく、「概算の開発予算は300万円」「運営委託費0円」という情報だけですと、開発会社側には「運営に関しては自社で頑張って行うのだな」という判断をされ、特別使い勝手の良い管理画面の提案などは出てこない可能性があります。

4. 開発体制についてはっきり聞いているか

「内部設計」以降は基本的には開発側に任せることが多くなるウォーターフォール型開発であっても、開発側がどんな技術者を何人アサインしてプロジェクトを実行するか、技術責任者の窓口は誰になるかなどをしっかり確認しておきます。

また、アジャイル型開発の場合には、開発側と発注側の担当者がチームを組んでプロジェクトを推進していきますので、メンバーの人選や、どのようにミーティングを進めていくのかなどについて具体的に分かるような提案を引き出しましょう。

5. 現時点で分からないことを箇条書きで列挙してあるか

発注担当者はよく勘違いしてしまうのですが、RFPは仕様書ではありません。
「要望を明確化しないといけない!」という思いにとらわれすぎて、本来ヒアリングを経て開発会社が作成すべき設計図(仕様書)のようにやりたいことをまとめようとして行き詰まってしまうケースがあります。

RFPはあくまでも提案を引き出すためのドキュメントですので、RFP作成の段階で不明な点は箇条書きに列挙して、「上記を課題と認識しておりますので、最適なソリューションをご提案ください」というように要望を伝えてかまいませんし、そのほうが各開発会社の強みを活かした特色ある提案書が出てきます。

6. 広報、集客、マーケティングのリクエストは入っているか

システムが立ち上がったときに一番困るのは、想定していたようなアクセスが集まらないことです。
せっかくwebサービスを構築しても、アクセスしてくれる人がほとんどいないという場合には、技術的にwebシステムは成功していても、サービスとしては大失敗だということになります。

冒頭にウォーターフォール型開発の例として挙げたような、新規顧客の募集は現段階でそれほど力を入れずにネット以外の既存会員を対象とする、という場合であっても肝心の既存顧客が来てくれないことには話になりません。
システムを作ったときにはそれを効果的に広報することが大切ですし、ネット上で新規の会員を増やしたいというケースでは集客やマーケティングに、開発と同程度の労力を割くことが重要になってきます。

こうした施策についても、webサービスを構築している会社は実績を持っているケースが少なくありません。
システムができ上がってから慌ててSEO対策やリスティング広告を検討するのではなく、開発を相談する段階で「効果的な広報、集客、マーケティングについてもご提案ください」という一言を入れることによって、具体的な施策が集まってきます。

7. セキュリティ対策についてもリクエストしているか

セキュリティについてまったく想定していなかったという場合、納品してもらったシステムにセキュリティ的なバグがあってサービス開始後わずか1ヶ月でサイトを閉鎖することになった…というような事態も起こり得ます。
セキュリティ対策と言うと個人のパソコンにセキュリティソフトを入れるようなイメージを持っている発注担当者の方も多いのですが、webサービスのセキュリティ対策で最も費用もかからず、効果的なのは発注段階でセキュリティ対策をしておくことです。

例えば、webサービスではブラウザ上のフォームから文字を打ち込んで運営者に対してメッセージを送信したり、検索したい単語を打ち込んで商品を表示させたりすることが普通に行われますが、「SQLインジェクション」という攻撃手法を使うと、このブラウザのフォーム画面に、サイトのデータを全部消去してしまうような命令を紛れ込ませることができます。

また、同じくブラウザのフォーム経由で実行される攻撃手法で「コマンドインジェクション」と呼ばれるものがありますが、この攻撃を受けると「情報漏えい、ファイルの改ざん・削除」「不正なシステム操作」「ウイルスなどのマルウェア感染」「踏み台にされて他サイトへ攻撃を仕掛ける」などの被害が発生します。

ほかにもwebサービス提供に必須なブラウザ経由の攻撃として、「パス(ディレクトリ)トラバーサル」「パラメータ改ざん」「クロスサイトスクリプティング」「バッファオーバーフロー」「Dos攻撃、DDos攻撃」などがあります。

こうした攻撃をサービスリリース後に防ぐにはWAF=Web Application Firewall(ウェブアプリケーション用のファイアウォール)などを導入する必要がありますが、より根本的な対策としては、開発段階で不正攻撃を受けにくい仕組みでシステムを構築することです。

以上、RFPを書く段階での成功ポイントを解説しました。
なお、フィードバックされた提案書の評価ポイントについてはこちらのアイミツまとめを参照してください。

経験と実績のある評判の良い開発会社をピックアップできるかがポイント

安心を表すポーズを取る男性

以上、webサービス構築を成功させるために発注者がやるべきことをお伝えしました。
成功の法則は非常にシンプルです。

まずは自社の案件にあった開発方法がウォーターフォール型開発なのか、アジャイル型開発なのかをはっきりさせましょう。
開発会社をネットなどで選ぶ場合には「受発注システムの経験があります」「ショッピングサイトの構築件数多数」などの実績に目が行ってしまいがちですが、実際に発注を検討する段階では、自分たちがどちらのスタイルで開発会社と関わるかというところが非常に重要です。

やりたいことが決まっていて、システムをオーダーしたあとは予定通りwebシステムが納品されればよいという場合には受託開発契約によるウォーターフォール型開発が適していますし、市場の反応について評価しながら理想のwebサービス構築を続けていくという場合には、ラボ型契約によるアジャイル型開発が向いています。

開発会社のタイプを決定したら、そのタイプの開発に実績にある会社を複数ピックアップして、RFPを渡します。
そしてフィードバックされた提案書を、先程ご紹介した「web開発を失敗させないための外注戦略とは」などを参考に比較検討します。

流れ自体は非常にシンプルですが、むずかしいところがあるとしたら、自社が求めるタイプの経験と実績のある評判のいい開発会社をピックアップできるかという部分でしょう。
いくら外注先との正しいコンタクトのとり方を理解していても、ホームページなどの公開情報だけから優良開発先をピックアップすることはむずかしいかもしれません。

そうした場合には、ぜひ「アイミツ」にご相談いただければと思います。
「アイミツ」では開発会社の公式サイトに載っている情報以外にも業界での評価など、さまざまな非公開情報を持っています。
御社の案件にピッタリの会社を複数ピックアップでいますので、業者選定の際にはぜひお声をかけてください。

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