名刺管理とは?現代社会における名刺管理ツールの役割・必要性を徹底解説!

名刺交換をするビジネスマン

更新日:2018年11月22日 | 公開日:2018年11月22日

名刺は今も重要なビジネスツール。自分の名前とどういう仕事、役割、所属、連絡先であるかを相手に伝えることで、将来に向けて関係を作り上げていくベースとなります。

名刺をきちんと管理することは、社会人の基本条件。名刺を有効活用できることは、できる社会人の必須条件。この記事では名刺管理をサポートしてくれる名刺管理ツールについて、名刺を持つすべての社会人に向けて徹底解説します。

1.名刺管理とは?

名刺管理とは、名刺に記載されている情報と付随する情報を記録し、最新情報を継続的に反映し、目的にあった形で整理して、活用することです。

名刺情報の活用というのは、連絡先を調べて連絡を取る、過去の面談記録を確認する、どの企業や組織に営業を行ったかを調べる、などがあります。

名刺の歴史

そもそも名刺はいつから、何のために使われていたのでしょうか。

名刺の発祥には諸説あるようですが、古代中国からというのが有力です。後漢(25〜220年)の頃、士大夫(豪族)階級の訪問の際に、門前の箱に「刺」と呼ばれる姓名と身分を書いた札を投じて取次を頼んだ習慣からとされています。

日本では江戸時代に使われていたことがわかっています。たとえば、根室に来航したロシア帝国の通称公証人に、松前藩士が渡した名刺がロシア国立古文書館に残っているとのこと。古代中国では竹が使われていた名刺も、江戸時代の日本では和紙が使われていました。明治以降は、さらに名刺の使用が広がりました。日本に印刷技術が伝えられたことから、名刺も手書きでなく印刷されたものが使われるようになりました。

中国や日本など名刺はアジア圏特有のもの、という印象があるかもしれません。しかし、欧米でも古くから名刺は使われていました。

16世紀ドイツでは、訪問先が留守の際に名前を書いた紙を残していました。印刷技術が進歩すると、美しさを競う名刺も登場します。18世紀にヨーロッパからアメリカに名刺は伝わり、まずは社交界で使われるようになります。20世紀になると名刺はビジネスの場面で使われるようになり、現在の形に至ります。

従来の名刺管理の方法

従来の名刺管理の方法には、アナログ管理とデジタル管理があります。

アナログ管理は、名刺ファイルや名刺ボックスなどに名刺を保管する昔ながらの方法です。あとで名刺を探すとき便利なように、企業名の五十音順・アルファベット順や時系列で保管するのが一般的でしょう。

名刺枚数が多くないうちはアナログ管理は有効です。ただし、名刺の枚数が増えて名刺ファイルが複数冊になったり、名刺ボックスに入りきらなくなると、名刺を探すのに手間と時間がかかるようになります。また、必要な保管場所も広がってしまいます。

そこで、PCやスマホなどのデジタル機器の広がりに合わせて、アナログ管理のデメリットを補うデジタル管理が普及しました。デジタル管理では名刺のデータをExcelに入力したり、スキャナーやOCRで名刺を読み込んだりすることで名刺情報をデジタル化します。

名刺管理ツールはなぜ必要なの?

名刺のデジタル管理が可能になり、名刺情報は格段に取り扱いやすくなりました。しかしデジタル管理であっても、名刺を取り込んだり情報を修正したりするのに案外手間がかかることもあります。そうなると管理はおろそかになり、結果名刺情報は活用されなくなってしまいます。

そこで名刺管理に特化した名刺管理ツールが登場しました。名刺管理ツールは、名刺管理を効率化するための機能や、名刺情報の活用を進めるための機能を提供します。名刺管理ツールは、人手によるアナログ管理や単純なデジタル管理レベルでは難しくなった、名刺管理の効率化・名刺情報の活用を進めるために必要とされているのです。

2.名刺管理ツールの主な機能

名刺管理ツールの機能は種類によってさまざまです。特に企業向けの名刺管理ツールには、個人向けの名刺管理アプリの機能に付随して企業として名刺情報を活用するための機能が加えられています。

ここでは、企業向け名刺管理ツールに一般的に求められる5つの機能について解説します。

名刺管理:取込・更新・活用

名刺情報を「取込・更新・活用」するための機能は、名刺管理ツールに必ず求められる基本かつ必須機能といえます。

名刺情報の「取込」については、名刺管理ツールによって様々な方法があります。

1. 名刺そのものを運営会社に送付して運営会社側で取込
2. スマホで撮影した名刺の写真をアプリでアップロードして、運営会社側で取込
3. スマホで撮影した名刺の写真をアプリでアップロードして取込
4. スキャナーで一括取込


1と2は、運営会社に名刺情報を取り込んでもらう方法です。3と4は、自分で名刺情報を取り込む方法です。

名刺情報の取込においては効率や正確さも大切です。しかし現実的には、名刺管理ツールの取込機能によって得意部分が違います。高速取込や大量取込か、正確な情報登録か。どこを重視するかが、名刺管理ツール選びの重要なポイントになります。

取り込んだ後の名刺情報を「更新」する機能も、継続的な情報活用のために重要な名刺管理機能のひとつです。というのも名刺を交換した相手が異動・昇進・転職などをすると、名刺情報を更新する必要が出てくるからです。名刺管理ツールには、同じ人から新しい名刺をもらったら、最新の名刺情報で登録情報を手間なく正確に更新できる機能が求められます。

取り込んだ名刺情報を「活用」するためには、名刺情報の分類・検索・加工のための機能が必要です。

・インデックスがつけられる
・グルーピングのためのタグがつけられる
・他のツールでのデータ加工のためにCSV形式で出力できるなど

名刺情報活用のための機能はツールによって多様です。名刺の多さや活用の目的に合った機能を持つ名刺管理ツールを選ぶのがよいでしょう。

名刺情報の社内共有

名刺は個人間で取り交わされるため、名刺管理は個人レベルから始めることが多いです。一方で、名刺は重要な顧客情報となり、企業レベルの資産と考えることもできます

たとえば前任者が面識のある取引先と後任者が会う場合、個人として「はじめまして」でも企業としては「お世話になっております」というステータスがあります。こういったケースの場合、前任者と取引先との間で、いつどこでどんな話が取り交わされたのか引き継いでおきたいですよね。社内で名刺情報を共有できれば、取引先ごとに過去の経緯がわかります。顧客情報管理として名刺が活用できるわけです。

このように、名刺情報の社内共有は、企業向け名刺管理ツールとして必須ともいえる機能です。

顧客管理・案件管理

顧客管理・案件管理は、名刺管理ツールの一歩進んだ機能といえます。

名刺管理ツールによっては、名刺を企業や組織単位で分類し、面談メモや案件情報と合わせて記録できるものがあります。名刺情報を顧客や案件の切り口でも検索できれば、顧客管理や案件管理としても活用できます。このように名刺管理ツールは、名刺情報から作った顧客や案件のデータベースとしても活用できます。

顧客データベースや案件管理システムがまだ整備されていない中小企業やベンチャーにおいても、名刺管理ツールから顧客管理・案件管理を始めることもできるわけです。

メール・メッセージ機能

名刺を探す主な目的に、名刺交換した相手に連絡を取りたいということがあります。このとき名刺管理ツールで探したい相手の名刺を検索し、すぐにメールやメッセージができれば迅速なコミュケーションに繋げられます。

たとえば名刺管理ツールで次回訪問相手の情報を検索してみたら、すでに社内の同僚の知り合いとわかったとき。「このお客様を紹介して!」と同僚にすぐメッセージしたいもの。そんな使い方ができれば、名刺管理ツールがビジネス発掘のためのツールに生まれ変わっていくでしょう。

セキュリティー

重要な顧客情報である名刺を扱う管理、セキュリティには十分気をつけておきたいところです。

自社での名刺情報の取り扱いに注意するのはもちろんのこと、名刺を送付して運営会社側で取り込んでくれるサービスや名刺情報をクラウド上で持つサービスについては、高いセキュリティ水準を求めたいものです。

具体的には、
名刺情報をオンラインで送受信するときに暗号化できる環境になっているか
スキャナーで名刺を読み取った後の画像データはきちんと削除しているか
クラウドシステムでセキュリティが考慮された設計になっているか、

などがチェックしておきたいポイントです。

運営会社がプライバシー・マークや情報セキュリティ管理システム(ISMS)などの情報セキュリティに関わる認証を取得していると、安心材料の一つとなりますね。

3.名刺管理ツールが解決する従来の名刺管理方法の6つの課題

従来の名刺管理方法ではできなかった課題を、名刺管理ツールが解決してくれます。ここでは、名刺管理ツールがどのような課題を解決してくれるのかを解説します。

大量の名刺整理に時間がかかる

名刺の枚数が増えてくると、手作業で名刺を整理するのは時間も手間もかかって大変です。名刺ファイルや名刺ボックスに一旦入れても、後から増えてくる名刺が多いと、並び直しやインデックスの作り直しに時間も手間もかかってしまいます。

名刺管理ツールの機能を使えば、氏名や企業名を五十音順やアルファベット順に並べることができます。名刺を企業や組織ごとに分類するのも簡単です。名刺管理ツールが最初に発揮する課題解決は、大量の名刺整理に時間がかかることについてだといえるでしょう。

パソコンへの入力に手間がかかる

名刺のデジタル管理であっても、名刺情報をツールに手入力する場合は、入力に手間がかかります。一度入力さえすれば、分類や検索は簡単にできるようになるからとがんばっている方もいらっしゃるかもしれません。しかしツールへの手入力の量が多いと、何を効率化しているのかわからなくなってしまいそうです。

名刺管理ツールを使えば、運営会社が手入力を代行したり、名刺の写真から自動取り込みしたり、スキャナーでまとめて入力したりといったことが可能になります。

ツールそれぞれの方法で、入力の手間の課題を解決しています。どれくらい手間が削減されるかは、取り込む名刺の量や情報と、名刺管理ツールの取り込み機能との組み合わせによります。自社にあった名刺管理ツールを選ぶために、複数の名刺管理ツールの取り込み機能について比較検討するのがよいでしょう。

複数枚ある名刺のうちどれが最新かわからない

名刺交換相手の異動・昇進・転職によって名刺情報は変わります。そのため、同じ相手の名刺が複数枚あると、どれが最新の名刺がわからなくなってしまうことがあります。

その際も名刺管理ツールに名刺をもらった順番に取り込んでおけば、最新がどれかはすぐにわかります。さらに名刺管理ツールによっては、名刺交換相手とインターネット越しにつながって、相手の最新の名刺情報をオンラインでこちらに自動反映してくれる機能もあります。

情報が社内で共有されておらず、同じところへ営業をかけてしまうことがある

「この間おたくの別の営業さんがいらっしゃいましたよ」訪問先からこのようなことを言われて、冷や汗をかいた人もいるのではないでしょうか。

名刺管理ツールを使って、社内の過去の名刺情報を顧客や組織ごとに参照できれば、こうした失敗を避けることもできるでしょう。名刺管理ツールを活用することによって、無駄な営業活動をなくすことができます。

持ち歩いていない名刺は外出先から確認できない

名刺を社内で共有しているといっても、名刺ファイルを事務所に保管しているケースがあります。そういったときは名刺を持ち歩かない限り、外出先から名刺を確認することはできません。場合によってはビジネスチャンスを逃してしまうこともあります。

名刺管理ツールがクラウド上にあれば、社内でも外出先でもどこからでも確認することができます。さらにスマホやタブレットからも名刺情報を検索できる名刺管理ツールならば、より手軽に名刺を確認できます。

名刺が企業ではなく営業担当者個人の資産となってしまっている

たとえ常に名刺を持ち歩いているとしても、名刺入れに入ったままでは、個人で参照するだけの情報です。一昔前は営業担当者ごとに個人で築いた人脈を、同じ会社であってもライバルである他人には教えないなんてこともありました。

しかし営業で築いた人脈は会社の資産でもあるはず。名刺管理ツールに名刺情報を登録し社内で共有することで、個人の資産に留まっていた情報と人脈を、会社の資産にすることができるようになります。

4.名刺管理ツール導入のメリット・デメリット

ここでは名刺管理ツールを企業に導入した場合のメリットと合わせてデメリットも確認しておきましょう。名刺管理ツールを導入した場合のメリットがデメリットを大幅に超えるならば、導入の価値ありと判断できますね。

メリット①名刺を探す時間を削減できる

まず名刺管理ツールなら、一箇所に名刺を集められます。名刺ファイルや名刺ボックスでのアナログ管理でも名刺を一箇所にまとめておくことはできますが、名刺が大量になってくると、名刺ファイルや名刺ボックスが複数必要となり、必要な名刺を探し出すのに手間がかかってしまいます。

さらに名刺管理ツールなら、名刺情報にインデックスやラベルを付けられるので、探したい名刺にすぐアクセスが可能です。検索機能がある名刺管理ツールなら、膨大な名刺の中からでも即座に必要な名刺にたどり着けるでしょう。名刺の枚数が多くなればなるほど、名刺管理ツールを使えば、名刺を探しまわる無駄な時間をなくすメリットが大きくなります。

メリット②外出先から会社に戻らなくても名刺情報にアクセスできる

一般的な企業向け名刺管理ツールは、インターネット経由でどこからでもアクセスできます。アナログ管理の場合は名刺は社内に保管して持ち運びしないため、通常外出先では参照できません。

特にクラウドタイプの名刺管理ツールや、オンプレミスでもインターネット経由でアクセスできる名刺管理ツールならば、社内・外出先問わずどこからでも名刺情報を参照できます。

さらに名刺管理ツールの多くはマルチデバイス対応しています。つまり、PCに加えてスマホやタブレットからでも名刺情報を参照できます。外出先で名刺が必要となったとき、即座にスマホやタブレットからアクセスできれば、仕事の効率化に加えて、スピードが問われるビジネスのチャンスを逃すことはありません。

メリット③社内の同僚と名刺情報を共有できる

名刺管理ツールで、社内の同僚が持っている名刺もアクセスできるようになると、営業の手法も変えることができます。

名刺管理ツールを活用することで同じ相手への無駄な営業活動を回避するだけでなく、過去の経緯や情報を同僚に確認してから顧客訪問することができるようになります。名刺管理ツールに会社として蓄積してきた情報を有効活用することは、営業活動の質を高めることにもつながるでしょう。

メリット④名刺情報を活用して仕事のチャンスを増やせる

名刺管理ツールで広がる社内外のつながりを活用することで、仕事のチャンスを増やすこともできます。名刺管理ツールの中で、名刺情報が社内のデータベースとなり、縦横無尽に分類・検索できることによって得られるメリットといえるでしょう。これは名刺管理ツール活用の最終目的ともいえるかもしれません。

デメリット①名刺を登録して活用できる形にするのに時間がかかる

名刺管理ツールには多くのメリットがありますが、デメリットと考えられる面も知っておく必要があるでしょう。

名刺管理ツールを使うことによって、名刺の登録は進んでいきますが、活用できるまでには時間がかかることがあります。

登録した名刺情報のグルーピングやインデックスの設定によって、情報の使い勝手は変わってきます。たとえ素晴らしい機能があり多くの情報が名刺管理ツールに入っていても、使い方が浸透していなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

名刺管理ツールを単に導入するだけではなく、誰がどのような観点で名刺情報を活用したいかをよく考えて、目的にあった設定やガイドをする必要があります。名刺管理ツールの導入においては、使いやすいアプリを選んだり、使い方を研修したりなどと合わせて計画するとよいでしょう。

デメリット②すでにある顧客管理と名刺管理ツールとで、顧客情報が二重管理になってしまう

多くの企業ではすでに顧客管理を別のツールで行なっています。そのため新しく名刺管理ツールを導入すると、顧客情報が二重管理になってしまうケースがあります。二重管理は手間がかかってしまうだけでなく、最新情報がどちらなのかといったデータの精度にも問題が発生しがちです。

顧客管理をすでに行なっているところに、新しく名刺管理ツールを導入する場合は、たとえば名刺管理ツールはあくまでも最新情報の登録用に利用し、名刺情報は既存の顧客管理データベースに反映させる、といった全社最適の設計方針が必要になります。

デメリット③コストがかかる

無料の名刺管理ツールもありますが、企業向けの名刺管理ツールは基本的に有料です。ツールやアプリの料金としてコストがかかることは一見デメリットに見えて、名刺管理ツール導入の障壁になりがちです。

ですが、名刺管理ツールを上手に導入すれば、従来の名刺管理で必要とされていた手間と時間、スペースが削減されるます。さらに名刺情報を効果的に活用することで、ビジネスチャンスも広がる可能性があります。逆に言うと、単純な名刺のデジタル保存だけでなく、名刺情報の有効活用ができれば、名刺管理ツールのコストを上回る効果が得られるでしょう。

5. まとめ

名刺管理は、単なる名刺の保管・整理に留まらず、名刺情報の活用次第で新しいビジネスチャンスにも繋げられる可能性を秘めていることがお分かりいただけたのではないかと思います。

名刺という、古くて新しいビジネスツール。どう活用できるかは、名刺管理をどう捉えるか。そして名刺管理ツールの選び方次第といえるでしょう。

ここで徹底解説した名刺管理を情報を、あなたの会社の無駄のない有効な名刺管理にぜひお役立てください。