BPMとは?工数の基本的な概念から活用法まで一挙ご紹介!

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更新日:2018年12月26日 | 公開日:2018年12月26日

BPMとは、Business Process Management(ビジネスプロセスマネジメント)の頭文字をとった用語です。多くの場合システムというのは、個別のシステムを効率化する目的で導入されます。多くの企業が導入している販売・在庫・購買・生産などのシステムはいつしか独立し、システム間連携が難しくなり、効率化が大きく損なわれることになるでしょう。営業部門が入力した商品データを、在庫管理部門で再入力する、こうした無駄は知らぬ間に増加したまっていくのです。 BPMは部分最適を目的に導入されたシステム運用の効率性に目を向け、全体最適を実現する可能性を秘めているのです。

1.BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)とは?

BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)とは、企業活動における業務プロセスを可視化し、全体最適の視点から行っていく改善活動のことです。働き方改革が叫ばれる中、業務の効率化は早急に行わなくてはなりません。こうした場合に目を向けがちなのが、個別の業務ごとの業務効率でしょう。実際に、営業支援システムのSFAや、プロジェクトを円滑するためのプロジェクト管理システム、その他にも経理システムや在庫管理システムなど、個別の業務効率化ツールは世にあふれています。しかも、その業務改善効果は低く、結果として個別最適化が優先されていくのです。しかし、このことこそがBPMが求められる理由なのです。

本来BPMは、ITとは関係なくビジネスプロセスを可視化し、改善して最適化する活動をそのものを指していました。しかし、業務とITが密接に結びついている現在は、BPMの考え方により業務システム間を連携させることが必要不可欠になっています。業務システム間が連携されるというプラットフォームがあるからこそ、その上で動く業務プロセスを連携させ全体最適を目指すことができるのです。このため、BPMは業務間のシステム間連携とは切っても切り離せません。そして、これを実行可能にするシステムアーキテクチャがSOA(エスオーエー)なのです。BPMを進めていくためには、SOAを使ったシステム間連携が欠かせないのです。

BPMの目的

BPMの目的は、業務プロセスを改善するためにPDCAを回し業務効率化を実現することです。しかし、業務とITが密接に結びついているため、単なる業務効率化だけではなく、複雑化したシステムを最適化することもBPMの重要な目的となっています。システムの側面から改善活動を検討する場合は、モデリング→シュミレーション→モニタリングを繰り返しながら継続的な業務の改善・最適化を目指していきます。
いずれにしても、BPMをすすめることで業務の無駄をなくして企業全体の業務効率を向上させ、生産性の向上や競争力強化を実現することができるでしょう。

BPMの重要性

BPMの重要性は、大きく分けて2つ挙げられます。
1つ目は、ビジネスプロセスを改善し生産性を向上させることで、企業の収益力強化や競争力強化につなげることです。無駄を省きより筋肉質的な企業に生まれ変わることができる、BPMにはそんな可能性を秘めています。生産性の向上は働き方改革にも直結します。残業時間を抑制し、ワークライフバランスを通じで従業員満足を向上させる、こうしたよい循環を生み出すことに繋がることです。近年注目されているRPA(Robotic Process Automation)の導入にも役立てることができるでしょう。なぜなら、RPA導入の最初の一歩はビジネスプロセスの可視化に他ならないのです。

2つ目の重要性は、従業員の自主的な活動を促しチームの結束力を高めやすいということです。BPMは、日々行う業務を見直し、無駄がなく、やりやすい仕事の進め方を現場の従業員が自ら考える必要があります。加えて、部門の垣根を超えたチームでプロジェクトを進める必要があり、チーム全体の結束力を高めやすくなるのです。そのため、従業員の個人のモチベーション向上だけではなく、チーム全体の組織風土を活性化させ、働きやすい環境づくりのきっかけとすることができるのです。

2.BPMの仕組み

BPMの仕組みの中心にあるのは、PDCAの考え方です。企業活動をビジネスプロセスの視点でとらえ継続的に改善していく必要があります。つまり、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)と繰り返しながらビジネスプロセスの実行と修正を繰り返し、業務の改善活動へと役立てていくことになるのです。ここからは、実際にBPMを実行に移していく中で、PDCAの各プロセスで具体的にどんなことを行っていくかを解説していきます。

Plan(企画)

BPMの最初の一歩は、計画を立てることです。しかし、計画を立てるためには、現状のビジネスプロセスを把握しなければなりません。そのため、この段階では、現状の業務内容を詳しくヒアリングし、ビジネスプロセスを把握したうえで業務フローに落とし込む必要があります。当然複数の部署にまたがる大がかかりな作業となるでしょう。BPMを導入する上では、最大の関門が一番最初に訪れることになります。この時同時に、業務上の無駄な個所や問題点を把握する必要があります。こうした活動の中で、ビジネスプロセスの理想形をビジョン化することができるのです。ここまでできれば、あるべき姿にするためのPlan(計画)に落とし込んでいきます。なお、このときBPM活動を円滑化するために、仕事の始め方や役割分担、仕事内容などを共通化することがあります。これが国際標準(ISO19510)で定義されているBPMN(Business Process Model & Notation)です。必要に応じて活用してください。

Do(実行)

計画した業務を実際の実行に移していきます。当然、一度でうまく行くことは少なく、様々な問題が起こることでしょう。システムに着目したBPMの場合、正常に動かずエラーが出力されるかもしれません。しかしそれは当たり前です。最初からうまく行くようなビジネスプロセスの改善はあり得ません。まずはやってみること、重要なことはそこから発生する新たな問題点に対し、組織的に対応できる体制を持っていることです。

Check(評価)

実際の行動結果(Do)と当初の目標(Plan)を比較し、評価を行うフェーズです。実際に行動に移すことによって得られた問題点を洗い出し、改善方法を検討します。この時、BPMツールを導入していれば、システム間連携が正常に動作しているのかといったシステムに着目した評価も行う必要があるでしょう。また、社員一人ひとりの作業量や負荷を把握し、タスクの進捗状況も確認する必要があります。

Action(改善)

計画や実施体制を見直すなど、必要な処置を加えるのが改善(Action)の役割です。人的資源の負荷状況から、従業員の異動や新たな人員の確保が必要かもしれません。システムの視点では、改修や新たな業務用システムへの投資が必要になるでしょう。また、製造業では新たな機械設備への投資が求められるかもしれません。いずれにしても、BPMが効果を発揮するためにはこのフェーズにおける改善活動が必ず必要になるのです。

3.BPMツールでできること

ここまでは、一般的なBPMの推進方法を見てきました。それでは、BPMツールを導入している場合、具体的にどのような手順でBPMを推進していくことなるのでしょうか。基本的な変え方は、PDCAと変わりはありませんが、BPMツールの場合、設計(モデリング)、予測(シミュレーション)、監視(モニタリング)の機能を提供するといわれています。それぞれの機能ごとに具体的に見ていきましょう。

設計(モデリング)

設計(モデリング)はビジネスプロセス、つまり業務の流れを図式化することです。Plan(計画)でも解説しましたが、ビジネスプロセスを見える形にし、図式化することはBPMを開始するうえで重要な一歩なのです。BPMツールを使えば、こうした図式化した業務フロー図を簡単に作ることができます。ブラウザ上を使って、距離的な制約を超えて同時進行的にモデリング作業を共有化して進めることができるツールもあります。
しかし、複数の部門にまたがる設計(モデリング)を進めるためには、ある程度の記述ルールの統一化も検討する必要があります。このため、モデリング手法は、標準化も進められるのです。もっとも基本的なモデリング手法は、ISO19510で定義されているBPMN(Business Process Model & Notation)。BPMツールがこうした標準化に準拠しているかどうかは、確認が必要であるといえます。
設計(モデリング)においては、As-IsモデルとTo-Beモデルについても意識する必要があります。As-Isモデルとは現状の業務プロセスをモデル化したもの。一方で、To-Beモデルは、理想の業務プロセスをモデル化したものです。つまり、現実と理想を明確化することでそのギャップを明らかにし、改善活動に役立てることができるのです。

予測(シミュレーション)

BPM活動におけるPDCAでは、P(計画)したビジネスモデルの改善計画は、D(実行)に移してみないとその効果や問題点は明らかにされませんでした。しかし、BPMツールの場合、予測(シミュレーション)することで、実際の実行に移す前に模擬的にビジネスプロセスを実行に移すことができます。このような予測(シミュレーション)を実現するのは、BPMツールの中でもシミュレータと呼ばれるITツールです。現実的には、現状のモデルであるAs-Isモデルを作成し、シミュレーションを実行します。そこで人的リソースや処理速度などを考慮に入れて問題点を改善、To-Beモデルを作り上げるといった地道な作業を繰り返すことになります。多くのBPMツールが提供するシミュレータを使えば、ボトルネックがどこなのか、処理件数がどの程度になるか、例外パスはどこかといった結果をグラフィカルに表示することができます。これにより予測(シミュレーション)作業はある程度軽減することができるでしょう。こうした作業を繰り返すことで、理想のビジネスモデルがパソコンの中で出来上がります。

監視(モニタリング)

設計(モデリング)と予測(シミュレーション)を繰り返すことで、ビジネスモデルは、理想形であるTo-Beモデルと近づくはずです。そして、そのためのシミュレーションも万全。ここまできて初めて、実際の業務で実行していきます。しかし、シミュレーションがうまくいったのは、あくまでパソコンの内部でのこと。実際の業務においてビジネスプロセスが想定通り動いてくれるとは限りません。また、当然改善点や新たな問題も明らかになるはずです。こうした場合に必要となるのが、監視(モニタリング)機能なのです。
このフェーズでは、業務における処理量や処理時間、データの内容を監視します。各作業ステップでの作業時間や作業の順序を把握し、ボトルネック作業の有無や作業の流れの妥当性を判断するのです。ここで重要なことは、BPMで解説したPDCAサイクルです。モニタリングで判明した様々な問題点をただ把握するだけでは何の解決にもなりません。設計(モデリング)と予測(シミュレーション)を繰り返すことで、ある程度ビジネスモデルは理想形に近づいているものの、実際のビジネスプロセスの効率化に繋げないと、BPMの目的を果たしたことになりません。モニタリングして満足するのではなく、実際の改善活動に役立てていくことが重要なのです。

BPMツールはなぜ必要か

BPMツールが必要な理由は、企業がこぞって実施してきたIT投資の効果を最大化させる必要があるからです。企業は巨額のIT投資を行ってきました。しかし、こうしたIT投資が生み出していることは、各ビジネスプロセスごとの部分最適にとどまります。こうした結果、企業全体の効率性をみた時には効率化とは程遠い、場合によってはITシステムに振り回される非効率が発生する、こうしたITシステムとなってしまっていることも多いのです。
このように複雑に絡み合ったITシステムを整理し、効率的な個別業務の遂行、ひいてはビジネスプロセス全体の効率化を実現するためにはどうすればよいのでしょうか。このような企業全体のITシステムの統合的な管理を実現するものがBPMツールでありSOAなのです。SOAによるITシステムの統合基盤が実現できるからこそ、そのプラットフォーム上でBPMツールを動かすことができます。
また、BPMツールが必要な理由は、近年活発化しているM&Aとも無関係ではありません。M&Aによって、異なる企業同士のシステムを統合し、ビジネスプロセスを再構築する必要があるからです。いずれにしても企業の競争力を左右するITシステムの効果を最大化するためには、BPMツールが欠かせないのです。

4.BPMが解決する課題

ここまでBPMやBPMツールが提供する機能について解説してきました。それでは、BPMが解決する企業活動における課題とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

高額なオペレーションコスト

BPMは、業務プロセスを流れを可視化し、業務フローを作成します。BPMツールを使えば、モデリングフェーズで必ず業務フローが完成します。こうした過程で、業務の標準化や共通化が自然と達成されます。このことが、オペレーションコストの低減に役立つのです。同時にBPMは、SOAによるIT情報システム基盤の統合化を実現します。これにより、IT部門の運用コストの削減にもつながるでしょう。
言うまでもありませんが、BPM本来の目的である各業務における業務効率は向上します。データの2重力の手間などが削減されるからです。こうしたことからも、BPMによるオペレーションコストの低減は明らかであるといえるのです。

不透明な社内ガバナンス

BPMにより業務の透明化によるガバナンスの実現も、解決できる大きな経営上の課題です。その理由は、BPMを実行に移す過程でその業務内容や業務の進め方が細部にわたるまで明らかになるためです。当然無駄な作業ややる必要のない仕事も明らかになりますが、不審な作業やデータ処理も丸裸になります。そのうえで、業務は標準化されシステム上で決まったルールで実行されます。そしてそうした業務は、BPMツールを導入していればモニタリングされることさえあるのです。統制のきいたガバナンスは、特にIR活動を通じて、株主とのコミュニケーションに役立てることができるでしょう。

企業内のコミュニケーション活発化

BPMを導入することで解決可能な課題としては、企業内のコミュニケーションを活発化されることも挙げられます。この効果は、BPMを導入する過程で得られる副次的な効果であるといえます。BPMは、一般的に部署横断的なプロジェクトを編成し進めていきます。そして全体最適の視点から、それぞれの部門のデータ連携経路を明らかにし、その業務効率化の方法をチームで検討していきます。こうした一連の流れの中で企業内のコミュニケーションは活性化されるのです。いわばBPMの副次的な課題解決ですが、その効果は決して小さくありません。BPMによる働き方改革との相乗効果もあり、組織的な風土改革にもつながっていくのです。

5. BPMと併せて知っておきたい◯◯

BPMは、抽象的な概念のため似たような用語とツールと混同することも多くあります。そこでまずは、ビジネス用語としてよく間違われるBPE(Business Process Engineering)とBPR(Business Process Reengineering)について、BPMとの違いを解説していきます。次に、機能面で間違えられやすいワークフローとの違いについても解説します。

5-1.BPMとの違い

BPEは、BPMと比較してより技術的な側面にフォーカスをおいた概念です。その目的とするところは、BPMとほとんど変わりませんが、方法が異なります。具体的には、BPMより細かなプロセスのモデリングやシミュレーションに重点を置いています。BPEの手法を発展させ、より幅広いステップでビジネスモデル改革を実現しようとする試みがBPMであるといえます。
BPRは、BPMより大胆な取り組みであるといえるでしょう。ビジネスモデルを改善していくことに主眼を置くBPMに対し、BPRはビジネスモデルそのものを再構築するという考え方です。
BPEもBPRも個別に使われることは少なく、BPMの中に包含されていると考えてよいでしょう。しかし、BPE的な側面からBPMを進めていく、BPRの思考で大胆にBPMを実行に移す、こうした使い方は今後も残るものと考えられます。

5-2.ワークフローシステム

BPMと混同しやすい概念としてワークフローが挙げられます。両者ともに業務フローを見直して効率化することに着目しているからです。しかし、両者は全く異なります。
これまで説明してきたように、BPMは各業務プロセスの関係性に着目し全体最適の視点から業務プロセスを見直す一連の活動です。活動の過程で業務フローを作成しますが、一連の活動のごく一部を占めるにすぎません。
一方でワークフローとは、各業務プロセスの内部における特定業務の効率化を目指します。効率化した業務フローの作成こそがワークフローの目的なのです。BPMとワークフローは、業務フローに着目するという点では同じですが、規模も目的も異なる全く別の考え方に基づく活動であるといえるでしょう。

6. まとめ

BPM(Business Process Management)は、ビジネスプロセスに着目して行う企業体質の改善活動です。もともともっていた経営の側面としての意味合いは、ITの劇的な進化で微妙に変わってきているともいえます。それは、個別最適のあまり複雑化したITシステムを統合し、全体最適の視点からビジネスプロセスの効率化を図るということ。
そして、ただ単に企業の体質改善という側面が強かった従来のBPMに対し、ITの重要性が高まっている今、BPMはより注目が高まっているといえます。ITの活用度が企業競争力を左右する現在、BPMの視点でITシステム基盤を統合させ、その効果を最大限に発揮させることは必要不可欠となっているのです。 複数のITシステムを統合し、ビジネスプロセスの最適化を進めることは決して簡単ではありません。しかも、莫大なIT投資も必要になるはずです。それでもその効果は決して小さくありません。ITシステムの能力を最大限発揮させ、生産性を向上させることだけではなく、働き方改革や部門間のコミュニケーションの活性化による企業風土改革も期待できます。ガバナンスの向上に役立てることもできるでしょう。BPMは、大企業であれば避けては通れないものとなっているのです。

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