【第6回今日役に立つビジネス法務】販売店契約を成功に導く4つのポイント

【今日役に立つビジネス法務第6回】アイミツ版六法全書

更新日:2017年09月08日 | 公開日:2017年09月08日

他社に販売を委ねて商品を売ってもらう契約の第2弾として、今回は「販売店契約」締結の際の主なチェックポイントをお伝えします。

第1弾では、販売代理店契約について解説しました。
おさらいすると、販売代理店契約は、代理店自身は売買の当事者にならず、メーカー等売主の売買契約を代わりに締結するものでした。
(詳細については、「今日役に立つビジネス法務」第4回「ここだけは押さえて!販売代理店契約を結ぶ際に失敗しない5つのポイント」をご確認ください)

これに対して、今回ご説明する「販売店契約」は、販売店がいったんメーカー等から商品を買い取って、販売店自身が売り主となってエンドの顧客に商品を販売する契約形態です。
販売店契約では、メーカー等が販売店に商品を売渡し(卸売)、販売店がそれを転売することになります。
転売の価格と、メーカー等からの買い入れ価格の差額が販売店の利益です。

販売代理店と違って、販売店自身がいったん商品を買い入れることから、販売代理店契約とは違った観点でのチェックが必要になります。

販売店契約締結の際の、主なチェックポイントを見ていきましょう。

販売店契約締結の4つのポイント

1.販売店にどのような権限を与えますか?

フードコーディネーター

販売店契約では、まず、メーカー等が販売店にどのような権限を付与するかがとても重要です。

具体的には、次の3つがポイントになります。

メーカー等が販売店にどのような権限を付与するポイント
  • どのような商品を取り扱うか
  • どのような性質(独占権の有無など)の販売権を与えるか
  • 地域の制限をするかどうか

この点は、販売代理店契約を締結するときとほぼ同様です。

販売店にとっては、独占的な販売権をもって販売をする方が商品の販売がおこないやすくなることが多く、メーカー等にとっては、商品の売上が販売店の販売力や意欲次第になってしまうというリスクがあります。

2.最低購入数量は定めますか?

スーパーマーケット

販売店契約では、まずは、メーカー等と販売店との間で売買がされることになります。
したがって、メーカー等は、エンドの顧客による代金未納リスクを負わずに販売店から商品代金収入を確保することができます。
もっとも、販売店がメーカー等から商品を仕入れないと、メーカーの売上は立たなくなってしまいます。
特に、販売店を独占的販売店にしている場合には、重大なリスクです。

そこで、メーカー側は、商品の最低購入数量や最低購入金額を定め、販売店に一定量や額の購入を義務付けることが多いです。

ただし、最低購入数量等の取り決めが正常な商慣習に照らして不当な場合には、独占禁止法の「優越的地位の濫用」に該当して違法となってしまうことがありますので、規定の導入前に商慣習に照らして不当でないかの確認が必要になります。

3.違法な価格拘束をしていませんか?

契約書

販売店契約は販売店が商品を買い取って転売するということを内容としていますので、販売店によるエンドの顧客への販売価格設定は、基本的には販売店が自由に決定して良いはずです。

しかしながら、メーカー等からすると、たとえば一部の販売店が商品を著しく安く売ってしまうことで、自社商品のブランド力が損ねられては困るので、販売店が転売をするときの価格についても口出しをしたくなる場合があるでしょう。
だからといって、メーカー等が販売店に対して販売価格を指定すると、「販売価格の不当な拘束」として独占禁止法違反となってしまう場合があります。

そこで、メーカー等の希望する価格を契約書に記載するとしても、「希望価格を述べることができる。」等にとどめ、独占禁止法違反にならないように注意するべきです。

4.在庫リスクをどう考える?

ダンボール

販売店はメーカー等から商品を買い取って転売しますので、仕入れた商品を売ることができずに在庫ができてしまった場合には、販売店が在庫リスクを負うのが原則です。

もっとも、販売店としては、営業努力をしたにもかかわらず売れ残りが出てしまった場合には、売れ残った在庫をメーカー等に返品することができるようにしておければ、在庫リスクを負わずに済みますので、契約条項にはぜひとも返品規定を入れておきたいところです。

その一方、メーカー等としては、一度販売した以上、返品は原則として禁止したいものです。
たとえ返品を受け入れるとしても、無制限に受け入れることにすると販売店が意欲的に商品を販売してくれなくなってしまうことや、過大なコストがかかることが懸念されますので、何らかの制限は設けたいところです。
たとえば、返品が可能な数量を契約で定めておくこと、返品を認める場合でも返金額は販売店の購入価格の一部とすること等が考えられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
販売店契約を締結するときには、少なくとも上記4つのポイントには注意して契約をする必要があります。

販売店契約は、メーカー等にとっては販路の拡大、販売店にとっては販売商品の拡充や売上アップ等、双方にメリットをもたらすことが可能になりうる契約ですので、契約時にしっかりと条件を確認して、ビジネスをwin-winで展開できるようにしたいですね。

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