【第18回今日役に立つビジネス法務】ソフトウェア特許のすすめ

【今日役に立つビジネス法務第18回】アイミツ版六法全書

更新日:2017年09月08日 | 公開日:2017年09月08日

ソフトウェア特許の取得

知的財産権が重要だ、という認識は広く共有されているようですが、ソフトウェアに関する特許権を取得することの重要性は、それほど意識されていないようです。

ソフトウェアの特許の取得が進んでいない理由は、(1)ソフトウェアの特許を取得する意義がよく分からない、(2)どのような場合に特許を取得できるのかが分からない、という大きく2つの点にあると思われます。

ソフトウェアの特許を取得する意義

液晶タッチパネル

ソフトウェアの特許を取得する意義はどこにあるのでしょうか?

機械や製造部品といった通常の製品では、開発・製造するためには大掛かりな製造設備が必要で、マネされる側も、マネする側も、大型の設備投資が必要となります。
これに対し、ソフトウェア製品は、基本的にはPCがあれば製造・開発をすることができます。
開発・製造が容易なため、この製品の模倣品が市場に出回りやすいでしょう。
模倣品の流通を防止し、市場における競争力を維持するために、これを権利化しておく必要性が高いのです。

特許の取得要件

書類と赤ペン

ある技術について特許を取得するための条件は、原則として次の3つが必要となります。

特許取得の条件
  • 発明であること
  • 新規性があること
  • 進歩性があること

(1)発明であることとは、当該技術が単なるアイディアではなく、それを技術的に実現したものであることをいいます。

(2)新規性があることとは、その技術が未公開であることを指します。
自分で当該ソフトウェアやその技術を公開や販売してしまった場合も新規性は失われてしまいますので、注意が必要です。

(3)進歩性があることとは、そのソフトウェアに用いられた技術が、単に新しいだけではなく、その技術領域において進歩的であることをいいます。
これは、簡単にいえば、その分野で専門的な知見をもつ人が容易に思いつくような内容でなく、それがなんらかの未解決問題の解決に役立つものであることを意味します。

特許の使い道

地球

では、取得できた特許には、どのような使い道があるのでしょうか?

1.侵害対応

自社の特許技術を利用している他社に対して、利用差止めや利用料の請求を行うことができます。
相手方が自社の特許技術を利用していることを確認できれば請求が認められますので、侵害の有無を立証するのが難しい著作権に比べ、確実かつ安全です。

2.クロスライセンス

仮に自社が使いたい他社の特許がある場合に、自社の有用な特許の利用を許諾することと引換えに、相手の特許を使わせてもらうといった交渉が可能となります。
創業間もないITベンチャーは大企業が相手ですとなかなか交渉力を発揮しにくい場合も多いと思いますが、有用な特許があれば、これを経営資源として対等に交渉することも可能です。

3.投資や融資

ITベンチャーがもっている技術力やその競争力の価値を、投資元・融資元に理解してもらうことが難しいケースも少なくありません。
しかし、有用な技術を特許として確保することで、自社の技術力を正当に評価してもらうことができ、投資や融資が受けやすくなる場面も増えてきます。

まとめ

ぜひ、(1)なぜソフトウェアに特許が必要なのか、(2)どのような場合に特許がとれるのか、という点を理解して、「ソフトウェアの特許を取得する」ということをビジネス上の選択肢にいれるようにしてみてはいかがでしょうか。

またソフトウェアの特許に関して、詳しく話を聞きたいという方がおられましたら、弊社『アイミツ』までご相談いただければと思います。
弁護士・行政書士といったその道の専門家をご紹介させていただきます。