【第7回今日役に立つビジネス法務】共同開発契約の5つの注意点

【今日役に立つビジネス法務第7回】アイミツ版六法全書

更新日:2017年09月08日 | 公開日:2017年09月08日

日本の競争力を確保するために、最近ではベンチャー企業と大企業との連携や産学連携の動きが強まってきています。
このような連携をするときに頻繁に登場するのが、共同開発契約です。

具体的なシーンとしては、次の3つのような場面のことを差します。

共同開発契約をするとき
  • 自社製品を元にした新製品開発を他社と行う場合
  • 事業者団体がその活動の一部として研究開発を行い、その成果を会員会社が利用する場合
  • 事業者が研究員と資金とを研究機関に注入し、当該研究機関で行われている研究をベースとして共同開発を行う場合

今回は、そのような共同開発契約を締結する際の注意点を紹介します。

共同開発契約を締結する際の注意点

1. NDA(秘密保持契約)をしっかりと結ぶこと

握手

共同開発契約では、開発に着手する以前の段階で、契約当事者がお互いどのようなノウハウをもっていて、どのように貢献できるのかについての協議が行われるのが一般的です。
つまり、開発に着手する以前の段階で、自社の秘密情報を相手に開示する場合も少なくないのです。
そこで、共同研究開発前の交渉段階からNDAを締結しておく必要があります。

2.試作品やサンプルの回収

薬

共同開発契約では、相手に試作品やサンプルを提供する場合があります。
このように提供すること自体、秘密保持義務を課していれば特段の問題はありません。
しかし、相手から第三者への試作品やサンプルの流出が絶対にないとは言えないでしょう。
そして秘密情報は、一度流出すると金銭的に解決する他がなくなってしまうのが実際のところです。

試作品やサンプルを利用しなければならない契約期間中は秘密保持義務にて手当てを行い、共同開発契約が終了した際には、提供した対社外秘扱いの試作品サンプルをきっちりと回収しておくことがリスク管理としては非常に重要です。

3.相手の就業規則を確認

歩くビジネスマン

例えば、共同研究開発に参加した相手方の技術者が退職し、ライバル会社に転職してしまうケースもあります。
この場合、その退職者に対して自社から何かを請求するのは非常に難しいので、相手方における、退職時の守秘義務等の規定の整備状況について確認しておく必要があります。

4.大学教官・学生からの情報流出に注意

講義

共同開発(研究)相手が大学である場合、共同開発(研究)相手の大学教官が、研究途中で学会発表をしてしまい、共同開発(研究)した発明の新規性が失われてしまうこともあるので、そのようなことが起きないように契約上の手当てを行っておく必要があるといえます。

また、共同研究相手の大学教官が指導していた学生が、卒業後にライバル企業に就職することもあります。
学生がライバル企業に入社することを禁止することはできませんので、研究室の学生に対してどこまで情報を開示するかを調整したり、その学生を自社に勧誘するなどの事実上の対応が求められるところです。

5.手続きは抜かり無く

資料とペンとクリップ

特許権を取得したい者は、発明者ではなく出願者(共有の場合は共同出願者)として出願しなければなりませんので、相手に言われるがままに特許出願を行ってしまうと、場合によっては権利を奪われてしまう可能性もあります。
どのような形で出願するのか、きちんと確認したうえで手続を進める必要があるでしょう。

また、出願後の特許を受ける権利の譲渡・特許権の移転・専用実施権の移転を行うには、特許庁への届出等が必要となります。
口約束は論外ですが、契約書に記載するだけでは不十分ですので注意が必要です。

まとめ

自社以外と<共同>して開発を行う場合、自社ではコントロールしきれない様々なリスクがついて回ります。
そのリスクを意識しておくことで、トラブルを可能な限り減らすことができるでしょう。
共同開発契約には他にも多くのリスクが潜んでいますが、まずは以上の5つに注意しておいてください。

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