【第1回今日役に立つビジネス法務】著作権トリセツ入門

【第1回今日役に立つビジネス法務】アイミツ版六法全書

更新日:2017年09月08日 | 公開日:2017年09月08日

本当に正確にできている?5分で分かる!他人の著作物のトリセツ入門

WEBやアプリ上には、たくさんのコンテンツがあふれています。
文章や写真、動画などを利用するコンテンツサービスと切っても切り離せないのが、著作権です。
今回は、著作権とその処理にちょっとくわしくなっておきましょう!

著作物って何?

眼鏡とメモ帳とペン

そもそも、著作物って何なのでしょうか。
著作物とは、簡単にいえば「創作的な表現」になります。
著作物として保護されるには、表現が「創作的」でなければいけません。
なにかを表現しようとする場合、ある程度制約や条件があるのが普通なので、例えば、「○○市で△△という事件が起こった」などの簡単な短信ニュースや、株価の変動をまとめた株価チャートなどは、おおよそ似通った内容になってしまうので、「ありふれた」表現であって「創作的」でなく、著作物としては保護されないと考えられています。

他人の著作物を使うためには?

会議中

それでは、他人の著作物を利用させてもらうにはどうすればいいのでしょうか。
他人の著作物を利用するための方法として、次の3つがあります。

他人の著作物を利用するための3つ方法
  • 著作権を「譲渡」してもらう
  • 著作物を使うことを「許諾」してもらう
  • 「引用」する

「著作者人格権」に注意しよう!

二人で話し合い

「譲渡」、「許諾」をしてもらう場合に重要なのは、同時に「著作者人格権」への手当てを行うことです。
著作者には、自らが創作した著作物がどのように扱われるべきかコントロールする権利があるとされています。
このような創作的な表現をした個人を守るための権利が、「著作者人格権」となります。

著作者は、この権利に基づいて著作物の在り方をコントロールすることができ、その意に反する改変をストップすることができるとされていますので、たとえば、小説中の表現の書き換えや動画の編集内容が著作者の意に反するものであれば、著作者はこれを差し止めることができます。
また、この権利は、著作者が著作権を誰かに譲渡したり許諾した後であっても行使することができます。

ポイントは、この著作者人格権は、著作物を創作した本人だけが行使できる権利であるということです。
このため、著作者人格権をあらかじめ譲り受けたり、その行使権の許諾を受けておくことができません。
このための対応として、「譲渡」や「許諾」を受けるだけでなく、著作物を創作した本人が「著作者人格権を譲渡/許諾の相手方に行使しない」こともあわせて合意しておくことが、著作物の権利処理の重要なポイントとなります。

正しい「引用」について

メモする人

「引用」についてですが、次の4つような条件を守れば、他人の著作物を、譲渡してもらったり許諾してもらったりしなくても利用することができるとされています。

引用するための4つの条件
  • 引用の必然性があること
  • かぎ括弧をつけるなど、「引用された部分」が他の部分とわかりやすく判別できること
  • 自分の著作物と、引用する著作物との「主従関係」が明確であること(自分の著作物が主体)
  • 誰の著作物であるか、その「出所」を明示すること

まず、引用する場合、1の「引用の必然性」が必要です。
自分の著作物で、自分の表現として伝えたい内容と無関係に他人の著作物を利用することはNGということになります。
次に、2の引用する他人の著作物が他の部分とわかりやすく区別できることが必要です。
引用箇所が自分の著作物とまざってしまうと、あたかも他人の著作物が自分のもののように見えてしまうので、引用と認められるにはカッコ書きなどにより区別がつくようにしておかないといけません。
また、3の「自分の著作物と引用著作物の主従関係」にも注意が必要です。
内容又は分量の面で、引用された著作物が「主」である場合は、正当な引用として認められないとされています。
最後に4の引用著作物の出所を明らかにすることが必要です。
書籍であれば著者、書籍名、出版社、出版年を示すのが一般的ですが、WEB上の引用であれば、出所のリンクを貼るという方法が多く用いられています。

まとめ

他人の著作物を利用してコンテンツを作成しているサービスの多くでは、今回紹介した譲渡、許諾、引用のいずれかの対応がなされています。
コンテンツを扱うサービスやメディアの展開を検討する場合は、著作権にまつわるポイントを必ずチェックするようにしましょう!