【第11回今日役に立つビジネス法務】アプリ開発契約のポイント

【今日役に立つビジネス法務第11回】アイミツ版六法全書

更新日:2017年09月08日 | 公開日:2017年09月08日

アプリ開発の紛争事例を知ることが最も重要

契約書を作成するそもそもの趣旨は、開発に関して結果的に紛争が生じてしまった際の取り決めが一切されていないために、紛争が泥沼化してしまうことを防止することにあります。
そのため、契約の予防的効果を最大限発揮させるためには、アプリ開発において、どのような紛争が生じてしまうのかを知ることがポイントになります。

今回は、紛争事例を紹介しながら、契約段階でどのような取り決めをしておくべきかを解説していきましょう。

アプリ開発の範囲の確定

スマホとパソコン

まず、アプリ開発契約を銘打っている以上、当然ながら、どのようなアプリ開発を委託/受託するのかという範囲を確定することが重要です。
通常の開発委託契約でも業務内容を具体的に記載しますが、とりわけ重要なのがどこまで責任を負うのか、という点になります。

例えば、iPhone端末向けに「App Store」経由で配信するアプリを開発する場合、開発・納品されたアプリがApp Storeのリジェクト審査基準に抵触し、アプリを配信することができなくなってしまうという事例も考えられるでしょう。
このような場合に、開発者は審査が通るまで無償修正を行う必要があるのかといった紛争が、実際に起きています。

このような事例は一例であり、イメージと違うアプリが開発されたこと、保守運用までを行ってもらえると思っていたこと、開発まではいいもののアップデートがしにくい仕様のアプリが開発されたことなど、契約段階でのイメージとの実際の成果物の相違に基づく紛争は非常に多いのが実情です。

そこで、紛争を未然に防止する意味でも、業務内容を明確化するべく、例えば仕様書を契約書に添付して、業務内容を具体化しておくようなことも一般的に行われています。
契約段階でここまで限定できていない場合でも、個別契約で業務内容を具体化・特定する方法もありますので、適宜具体化をすることを怠らないことが重要です。

納品・検収方法を確定して、事後的なクレームを防止する

相談する人たち

上記のように業務を確定したとして、その成果物をどのように納品するかが次のステップとなります。

この段階で想定される紛争事例としては、仕様書どおりに開発したものの、委託側が「納得できない」などとクレームをつけ、検収を理由なく不合格とし、追加開発を無償で求めてくるようなものがあります。
非常に多い紛争類型の一つです。仕様書どおりであるにもかかわらず、受託者が数百万円を要する追加開発を負担するような事例も少なくありません。

紛争予防の視点からは、検収審査の観点を「仕様書と一致しているか否か」に限定した上で、仮に委託側において不合格であると判断する場合には、具体的に不合格の理由を明示してもらうようなフローにすることが考えられます。
委託側にとっても特に過大な負担となるフローではありませんので、紛争予防を目的としてこのようなフローにすることが有効です。

知的財産権の処理をどのように設計するか

資料を読む人とスマホとペン

最後に、知的財産権の処理について触れておきます。

従来は、成果物の納品と同時に知的財産権も委託側に移転させることが当然でした。
しかし、このような運用ですと、受託側としては、一度受託で開発した成果物を次の開発においてはまたゼロから開発しなおさなければならなくなり、結果として開発期間の長期化、開発費用の高騰を招き、委託側にとっても好ましくない結果を生むことも考えられます。

そのため、最近では、「同種プログラムに共通に利用されるノウハウ、ルーチン、サブルーチン、モジュール」等については、著作権が移転されず、受託側に留保されたままになるといった文言の条項を設ける場合が多く見受けられるようになりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?上記以外についても、受託開発の効率化の観点から、著作権を留保しておきたいソフトウェアなどは移転せずに、あくまで著作権の「利用」を許諾するといった法務戦略も考えられます。
自社の開発を効率化すれば、開発期間の短縮により費用の高騰も防ぐことができますので、自社開発に共通して利用できるモジュール等の著作物の有無を確認してみてはいかがでしょうか。

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