ストレスチェック義務化の新制度マニュアルのポイントを解説!

ストレスチェック義務化の新制度マニュアル150ページをポイント解説

更新日:2017年11月29日 | 公開日:2017年08月30日

2014年に労働安全衛生法の一部を改正する法律が公布され、ストレスチェックや面接指導の実施など、メンタルヘルス対策における新たな制度が設けられました。
この法改正にのっとり、2015年12月より職場における従業員のストレスチェックが義務となります。
「マイナンバー対応は進めていたけれど、今からでも間に合うの⁉」「義務化なんて会社にとって負担」…そんな疑問や不安をポイント解説!ストレスチェック制度に対するストレスを一気に解消しましょう。

うちの会社は免除!? ストレスチェック義務化制度の「対象企業」

街中の交差点

法的に義務となる職場のストレスチェックですが、その対象は公民問わず従業員50名以上の事業所となります。
でも実は、義務化対象外となるケースがあるんです!
では、従業員50名未満という条件以外で、免除となる事業所は次のどれでしょうか。

従業員50名未満という条件以外で、免除となる事業所はどれ?
  • 現地法人化された海外の事業所
  • ストレスチェックマシンを導入したり、産業医によって定期面談を取り入れるなど、既に定期的にストレスチェックを実施している事業所
  • 従業員のうち過半数がパート・アルバイトで、正社員が50名以下の事業所

答えは1の「現地法人化された海外の事業所」です。
労働安全衛生法の適用は日本国内になるため、現地法人化された事業所は対象外となります。
2に関しては、今回の法改正の内容に沿ってストレスチェックを実施する必要があるため、現状を見直す必要があるので免除されません。
3に関しては、労働安全衛生法の規定で「常時使用する労働者」が対象となるため、正規・非正規の雇用形態は関係なく、従業員としてみなされます。

ただし1に関しても、日本から出向という形で働いている従業員はストレスチェックの対象です。
また、対象外の事業所も努力義務として実施が推奨されています。

問診に面談、結果分析…ストレスチェック義務化制度の「範囲とスケジュール」

先生とカレンダー

ストレスチェック義務化制度の施行日は、2015年12月1日です。
この日から1年に1回以上のストレスチェック実施が義務付けられます。
つまり、2016年11月30日までに第1回目のストレスチェックを実施すればOKです。
では、ストレスチェック制度で義務化される範囲を確認してみましょう。

ストレスチェック制度で義務化される範囲
  • すべての従業員へ医師、保健師による年に1回以上のストレスチェックを実施
  • 高ストレス状態の判定を受けた従業員のうち、希望する者への医師による面接を実施
  • 面接後の医師の意見に基づき、対象の従業員に対して必要な措置を実施
  • 労働基準監督署に実施状況を報告

以上の4点が、必須の対応となります。
なお前述のとおり、既に独自のストレスチェックを導入している企業も、今回の法改正に沿って内容や体制の見直しが必要となります。

「誰」が「何」をする? ストレスチェック義務化制度の「対応者と業務」

ミーティング

ストレスチェックは、定期健康診断と同様に「義務」となるため、人事担当者をはじめとする実施に関わる担当者に影響が生じます。
では、具体的に「誰」が「いつ」「何」をすれば良いのでしょうか。

誰が?

ストレスチェックは、社内専門組織のもと、実施者と実施事務従事者によって実施されます。

衛生委員会など社内専門組織

実施者(以下参照)を含めた、ストレスチェック実施を管轄する社内専門組織
50人以上の事業所において設置が義務化されている衛生委員会が望ましいとされていますが、細かい規定はありません。

実施者

ストレスチェックを実施する医師保健師、または研修を受けた看護師や精神保健福祉士
ストレスチェックの実施、実施後の面接指導ともに産業医が担当することが望ましいとされていますが、面接指導は別の医師にするなど、事業所の状況に合わせて手配しても問題はありません。

実施事務従事者

実施にあたる事務的な業務の担当者
チェック結果の回収、入出力や受検者とのやり取りなどにあたります。
従業員の進退に関して直接的な権限を持たないなど、一定の条件をクリアした人が対象です。

いつ?

ストレスチェックの流れは、大きく(1)実施前、(2)実施中、(3)実施後に分かれます。全体の流れは以下のとおりです。

ストレスチェックと面接指導の実施に係る流れ

何を?

ストレスチェックの実施前、実施中、実施後、それぞれの段階で必要な作業と対応者について、ポイントをご説明します。

* 対応者について厳密な指定はないため、事業所によって異なる場合があります。

(1)実施前

ストレスチェック実施前

ストレスチェック実施に関する調査、審議

事業者による実施指示のもと、実施方法や結果の分析方法、プライバシーに配慮した情報管理についてなど、一連の取り決めを審議します。

ストレスチェック実施に関する調査、審議内容
  • 実施の目的
  • 実施体制
  • 実施方法
  • ストレスチェック結果に基づく集団的な分析方法
  • ストレスチェック受検状況の確認方法
  • 個人の結果、集団的な分析結果の利用方法
  • 実施事務従事者による個人の結果の保存方法
  • 個人の結果に関する事業者への提供内容と取り扱いについて
  • 従業員に対する同意の取得方法、受検の選択権について
  • 従業員に対し受検後の不当な扱いを防止すること

ストレスチェック調査票の決定

ストレスチェックは、実施者のアドバイスのもと、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域における項目が必要となります。
厚生労働省による「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」が推奨されていますが、細かい形式の指定はありません。
また、アンケート用紙でもITを活用してもOKです。

* 本記事の下部に「職業性ストレス簡易調査票(標準版:57項目)フィードバックプログラム」に基づいて作成されたセルフチェックを掲載していますので、ご参照ください。

従業員への事前告知

実施における決定事項は、対象となる全従業員に告知する必要があります。
従業員には受検の義務はありませんが、何よりも従業員自身のためのものです。
多くの従業員が受検するよう、特に実施の目的や意義、プライバシー保護に関して徹底した周知が重要となります。

各担当者の手配、配置

実施の方針に沿って実施者、実施事務従事者をアサインします。
中でも実施者に関しては、事業所の規模によって現状の産業医や保健師などで対応しきれない可能性があり、手配が必要となることがあるでしょう。
看護師や精神保健福祉士を実施者として手配する場合は、研修が必須となります。

予算管理

ストレスチェック、面接ともに無料では行えません。
定期健康診断を参考に、各費用と従業員数から必要額を概算し、予算を確保する必要があります。

ITシステムの導入

ストレスチェックはITを活用することも可能です。
その場合、審議された内容のもと、システム導入から運用に至るまで管理するIT部門担当者もアサインする必要があるでしょう。

(2)実施中

ストレスチェック実施中

ストレス判定、結果の通知

ストレス判定、結果の通知ともに、審議内容に基づいて実施者が行います。
個人の結果は、従業員本人のみに通知します。
プライバシー保護は絶対で、本人の同意なく事業者へ結果を開示することは禁止です。
全体の結果は、企業のストレス状況を把握するため事業者へ提供されます。

(3)実施後

ストレスチェック実施後

面接の実施

高ストレスと判断された従業員が希望した場合、医師による面接指導の実施が必要となります。
申し出のない従業員に対しては、実施者が面接指導を推奨することも可能です。
申し出があった場合、従業員はチェック結果を事業者へ提供することに同意したとみなされます。

チェック結果の集団分析

実施者は個人の結果を通知する他、職場のストレス要因を客観的に把握できるよう集団分析を行い、結果を事業者に提供します。

チェック結果の取り扱い

チェック結果の集計や入出力などの取り扱いは、実施事務従事者によって行われます。
チェック結果は、産業医が5年間、従業員の同意によって事業者に提供された場合は事業者が5年間保存することが義務とされています。

面接を受けた従業員に対する就業措置

面接対象の従業員に対し、就業場所の変更や労働時間の調整をするなど、医師の説明に沿ったストレス軽減のための就業措置が必要です。
その際、結果を受けての不当な人事は禁止となります。

労働基準署への報告

ストレスチェック制度は、実施状況を所轄の労働基準監督署へ報告するまでが義務です。
報告内容は、実施時期、チェックの対象人数、受検人数、面接の実施人数。
年1回の定期的な報告を怠ると、罰則が科せられます。

集団分析結果を受けた職場の改善

集団分析結果を踏まえて、より働きやすい職場環境をつくることが努力義務として推奨されています。

経営戦略のひとつ!? ストレスチェック義務化制度の「目的」

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ストレスチェック義務化制度は、近年におけるストレスによる労災認定の増加に伴い、メンタルヘルス不調の第一次予防を目的として創設されました。
つまり、不調である従業員を洗い出すのではなく、不調になる前に労働者本人にストレスの自覚を促すとともに、企業へ職場環境の改善を促すことを目的としています。

職場環境の改善は、近年、企業の経営戦略における注目キーワードとしてあがる「ワークスタイル変革」に結びつきます。
「ワークスタイル変革」とは、高齢化やグローバル化など社会の変化によってワークスタイル、ライフスタイルが多様化する現代において、心身共により働きやすい職場環境をつくること。
その結果が、企業の業績アップにつながるとして、重要な経営戦略のひとつとなっています。

自社の業績をアップさせるチャンスとして、義務化のタイミングで積極的に職場環境の改善をめざしてみてはいかがでしょうか。

今すぐできる! まずは自分で「ストレスチェック」

最後に、厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票(標準版:57項目)フィードバックプログラム」に基づいて作成された「5分でできるストレスセルフチェック」を紹介します。
義務化への対応の前に、セルフチェックでストレスチェックについてイメージしてみてはいかがでしょうか。

厚生労働省:5分でできるストレスセルフチェック

5分でできる職場のストレスセルフチェック

「5分でできるストレスセルフチェック」は、集団ごとの集計・分析や高ストレス者の選定などができないため、義務化の対応として活用することはできません。

まとめ

以上がストレスチェック義務化制度の概要です。

実施にあたって、厚生労働省のWebサイトにてマニュアルの公開や無料の個別訪問指導、ストレスチェックを簡単に行えるプログラム(2015年8月時点で開発中)など、さまざまなサポートが公表されています。
努力義務とされている従業員数50名未満の事業所には、助成金も! また、ストレスチェック実施に関する業務はアウトソーシングすることも認められており、専門の請負企業も多く登場しています。
内容やリソースを確認し、自社ですべて行うかアウトソーシングするかを検討することもおすすめです。

ストレスチェック制度の詳細は下記をご覧ください。

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