『Pixta』VS『Fotolia』VS『ゲッティイメージズ』 を徹底比較

『Pixta』VS『Fotolia』VS『ゲッティイメージズ』 を徹底比較

更新日:2017年11月21日 | 公開日:2017年08月30日

今回は恒例の『VSシリーズ』というよりも、差別化(棲み分けと言ってもいいのかも知れません)されている3つの『ストックフォト』から、その『ストックフォト』らしい画像(又は売れ線画像)をピックアップし、印刷物として作成するとどうなるか?という検証レポートです。

それでは完成品のコストと画像の品質に注目してご覧下さい。

まず3つの『ストックフォト』の概要を説明いたします

Pixtaとは

Pixtaトップページ
出典Pixta

まずは、『Pixta』です。
東京都渋谷区に本社を置く、日本発の『ストックフォト』です。

『Pixta』は創業者の古俣大介氏がアマチュアカメラマンの撮った写真を投稿し合う掲示板を見て、そのレベルの高さに衝撃を受け思いついたサービスです。

アマチュアカメラマンの作品が充分に商品として成立すると確信したのでしょうね。
そのため価格は低価格路線です。

販売価格の50%がクリエイターに還元される仕組みでカメラマンの圧倒的な支持を集め、2006年のスタートから約10年で現在は写真・イラスト・動画素材合わせて、約1190万点の素材数を誇るまでになりました。

Fotoliaとは

Fotoliaトップページ
出典Fotolia

続いて、『Fotolia』です。
もともとはフランス発のサービスらしいのですが、現在は14カ国語に対応する世界的なサービスとなっています。

そのため3900万点のロイヤリティフリーの画像、ベクター、動画と圧倒的な数量を提供しています。
また、価格も1点約180円からと抜群に安いです。

作品を投稿するカメラマンによると審査基準がすごく厳しいらしく、通過率は平均10%のようです。
しかし、その通過基準がよくわからないという声を時折耳にします。

2015年1月にグラフィックソフトのフォトショップやイラストレーターでおなじみのアドビ社によって買収されました。
グラフィックソフトとの連携次第では、今後デザイナーからの支持が高まる可能性がありますね。

ゲッティイメージズとは

最後は、『ゲッティイメージズ』です。

世界的に有名な『ストックフォト』で、クオリティを追求したサービスです。

テレビのニュースでハリウッド等の有名人のスナップが映されると、よく画面下のテロップに『画像提供:ゲッティイメージズ』と出ますよね?
あの『ゲッティイメージズ』です。
価格とクオリティの高さは『アマナイメージズ』とよく比較されます。

『ゲッティイメージズ』はスポーツ分野にも強く、侍ジャパンの画像の独占的配信権を所有するオフィシャルフォトエージェンシーでもあります。

企業向けデザインの暑中見舞いはがきを作成してみます!

最近は1年に1度、年賀はがきのみになっている企業も多いようですが、他の企業が出さない分、目立つという理由で暑中見舞いを作成する企業も近年少しずつ増えているようです。

夏のビジュアルと言えば、DMを手に取った方に涼しさを感じていただけるような、清涼感溢れるビジュアルがいいですね!

『夏』『涼しげ』『清涼感』といえば、グラフィック業界にはすごく有名な広告があります。クライアントは『としまえん』です。

制作の参考になるコンテンツ

プール冷えてます

としまえんポスター(1986年)

1986年のポスターです。
この広告が当時大反響を呼びました。

クール・ミズ。

としまえんポスター(2005年)

2005年当時、社会現象となっていた『クールビズ』とかけたようですね。

この涼しげ感(こんな言葉があるのかはさておき)を踏襲したDMを作成いたします。

つまりビジュアルは『水』です。

Pixtaの場合

それでは、『Pixta』から画像検索をかけていきます。
検索語句は『水面』とします。

PIXTAで水面と検索した結果

画像を選択する上で、最初のページに表示されるものがこのサイト上の人気画像だろうと予測し、1ページ目の中から選ぶというルールにします。

『波』というタイトルがついた水を真横から撮影した画像が多いようですね。
今回の趣旨に合った、中央の花びらが浮かんだ涼しげな画像を選びます。

波というタイトルの画像を選択

この画像です。
ハガキサイズ(10×14.8cm)に印刷するので、M(12.7×16.9cm:300dpi)を選択します。
料金は1,620円です。

PIXTAの暑中見舞いサンプル

左上の気になる空きスペースに英文字の影付きタイポグラフィを入れ、レイアウトのバランスを調整しました。

Fotoliaの場合

続いて、『Fotolia』、検索語句は同じく『水面』です。

Fotoliaで水面と検索した結果

世界中から集められているせいか、『Pixta』よりも若干バラエティーに富んでいるように感じますね。
画像は2段目の左から2つ目の画像を選びます。

Fotoliaで水面の画像選択

こちらもサイズMを選択します。

クレジットとはFotoliaの通貨で、1クレジット = 185円です。
つまり185円×6クレジット =1,110円になります。

Fotoliaの暑中見舞いボツ

淡いビジュアルの上の視認性を考えスミ文字にしましたが、せっかくのビジュアルが持っている繊細さが損なわれてしまったので、ボツにします。

Fotoliaの暑中見舞い完成

文字の視認性は下がりましたが、暑中見舞いの定例文なので読めればいいわけですから、グラフィック処理を施したこちらを決定案にします。

ゲッティイメージの場合

最後は、『ゲッティイメージズ』です。

同じく『水面』で検索かけます。

ゲッティイメージで水面と検索した結果

さすが、クリエィティブの幅が広がっていますね。

『Pixta』や『Fotolia』では1ページ目にこないイメージの画像があちこちに掲載されています。

2段目の一番右(モデル入り)を選択します。

モデル入りの画像

印刷に最適な解像度300dpiだと最低でも15,000円です。
『Pixta』や『Fotolia』の約10倍ですね!

ゲッティイメージの完成画像

青の色味が濃いので文字は白抜きにしました。

暑中見舞い完成集

完成したDMとそれにともなう写真コストはこうなります。

かなり気の早い話ですが、来年の年賀状を作ってみます

先ほどの『書中見舞い』で『としまえん』の広告を登場させ色々と言わずもがなの説明をしてしまいましたが、今回は前置き一切なし、来年の干支『猿』の画像が持つビジュアルインパクトのみで各社の比較ができる作品を作成してみます。

Pixtaの場合

まずは、『Pixta』です。

先ほどの『水』よりも選択する画像によって出来上がりイメージにかなりの差がついてしまうので、選択のルールを少し変えます。
通常ベストセラー(もしくは一押し)を表示させているはずの左上の画像を各社ともに選択することにします。

PIXTAで猿の検索結果

左上のこの画像を選択しました。
お値段は先ほどと同様1,620円です。

PIXTAの猿画像

社名等は暑中見舞い同様、ハガキ宛名面に記載することとし、必要要素だけでレイアウトしました。

PIXTAの年賀はがき完成

せっかくなのでカレンダーも作成いたします。

PIXTAの猿のカレンダー

年間カレンダーなので、1枚もののビッグサイズ(A1やB1等)とします。
画像は最大サイズのXLを選択します。価格は5,400円になります。

Fotoliaの場合

続いて、『Fotolia』です。

『猿』で検索かけます。

Fotoliaで猿と検索した結果

『Pixta』よりもバリエーションが多いようですね。

奇しくも左上は『Pixta』同様、『温泉猿』です。

Fotoliaの猿画像

この画像のサイズMを選択します。
1クレジット = 185円なので、先ほどと同様185円×6クレジット =1,110円になります。

Fotolia完成形

タイポグラフィを右に持ってくると右にバランスが傾き過ぎてしまうので、左に要素を配置させます。

続いて、年間カレンダーです。

Fotoliaカレンダー

最大サイズのXXLを選択します。
Mサイズの2倍の12クレジットになります。
1クレジット = 185円なので、185円×12クレジット =2,220円になります。

ゲッティイメージズの場合

最後は、『ゲッティイメージズ』です。

同じく『猿』で検索かけます。

ゲッティイメージで猿と検索した結果

このようなラインナップになります。

すごくクリエイティビティが刺激されます。

特に1段目の右から2番目、抜けるような青空の下、不遜なポーズのゴリラ?グラフィックデザイナーとして、
「この画像に攻撃的なタイポグラフィを組み合わせたい!」という強い欲求に突き動かされそうになりますが、この衝動を必死でこらえて、最初に決めたルール通り左上の画像を選択します。

ゲッティイメージの猿

この画像です。
選択サイズはMで、価格は15,000円です。

ゲッティイメージの猿完成

猿の画像の溶かし込み加減にトーンを合わすため、タイポグラフィに近い効果のグラフィック処理を施しました。

続いてカレンダーですが、画像の最大サイズのお値段は、29,000円です。

グラフィックデザイナーの悲しい性で、こんなにコストがかかるのであればと、このビジュアルを最大限活かす為に全面写真にしてしまいます。

ゲッティイメージの猿カレンダー

このように仕上げました。

猿の画像のもつシュールというか、シリアスというか、この世界観を壊したくなかったので『2016』のタイポをくせのあるフォントを選び、猿の顔色をさし色とし、赤系の色ベタ+写真にハーフトーンでのせてみました。

完成した作品とそのコストを比較してみます。

まず年賀状です。

猿の年賀はがき

続いてカレンダーです。

猿のカレンダー

大判サイズになると3社の価格差が際立ってきましたね!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

デザイナーとしての好みや個人的な裁量がどうしても入ってしまうので、公正な比較が出来る作品作りが難しいのですが、その辺りは目をつぶって頂いて、支持されている『ストックフォト』3社のそれぞれの個性を感じて頂けたでしょうか?

低価格(最安値)で画像点数が圧倒的に多い『Fotolia』
クオリティも高いが料金も高い『ゲッティイメージズ』
価格・品揃え・クオリティともにバランスがとれた『Pixta』

各社の売りはこのようになっていますね!

自社で印刷物を作るときには、そのプロモーションの性質によって使い分けたいですね。

グラフィックデザイナー目線で、カンプ制作に『ストックフォト』3社を使い分けるとこうなると思います。

とにかくコストにシビアなクライアントA社には『Fotolia』
クオリティにはかなりこだわるが、撮影するほどのコストはかけたくないクライアントB社には『ゲッティイメージズ』
値段も平均点以上、クオリティも平均点以上、常に平均点以上を求めるクライアントC社には『Pixta』

『ストックフォト』として支持されているこの3社、差別化としても、棲み分けとしても見事だと思いませんか?