問い合わせ数が5倍以上に増加

深田パーカライジングのホームページ更新

永瀬 恒夫

日経BP社で経営誌・専門誌の記者、副編集長、書籍編集などを経験してきた、出版業界に携わって30年以上のベテラン。代表作に『ビジョナリーカンパニー』など。2017年より編集アドバイザーとしてユニラボに参加。

更新日:2019年03月14日

アイミツ編集部の永瀬です。今回は、東京都大田区で創業80年以上の歴史を誇るめっき加工メーカー・深田パーカライジング株式会社さんに、なぜホームページをリニューアルしたのか?制作会社を選んだ決め手は何だったのか?など本音ベースのインタビューをさせていただきました。

登場人物

  • 深田 明生 深田パーカライジング株式会社(専務取締役)
  • 石田 啓 アイミツ(担当コンシェルジュ)
  • 永瀬 恒夫アイミツ編集部(インタビュアー)
深田パーカライジング株式会社

必要な情報をお客様に伝えられないームページだった

本日はよろしくお願いいたします。まずは御社のことを簡単に紹介していただけますか。

深田:弊社は1934年の創業以来、80年以上にわたり一貫してめっきをメインに表面処理業を営んできた会社で、現在の従業員数は約50名です。

石田:失礼ですが、想像していた以上に規模が大きいので驚きました。めっき工場には、小さな町工場というイメージがあったものですから……。

深田:私は2年半ほど前にこの会社に入ったのですが、前の会社の同僚にホームページを見せたら同じようなことを言われました(笑)。大手になると数百人規模の会社もありますが、業界の大半は10人以下の規模ですから、業界のなかでは中堅といったところでしょうか。

やはりそう思うんですね(笑)。ところで、2年半ほど前に入社されたということですが、以前はどんな仕事をしていたのですか。

深田:キヤノンで複写機の研究開発をやっていました。この会社は祖父が作った会社なのですが、いろいろと縁がありまして技術者だった私に声がかかったんです。

深田パーカライジング 深田氏

石田:技術者とはいえ、めっきは畑違いの分野だったわけですよね。声をかけられたとき、率直にどのように感じましたか。

深田:祖父の作った会社だということを知っていたくらいだったので、正直なところとまどいましたね。

何が転職の決め手になったのでしょうか。

深田:何も知らない状態では決められないので、会社を見に来たのですが、そのときに思った以上に若い人もいて活気のあるところだなという印象を持ったんです。一方で、ベテランの人が自分の仕事にプライドを持ってやっている姿も見かけました。自分が何をできるかはまったく分かりませんでしたが、そういう会社がなくなってしまうのはもったいないなと思いまして。

石田:では、結構前向きに決断できたんですね。

深田:そうですね。

今回のテーマがホームページのリニューアルなのでうかがいたいのですが、優先順位はさておいて、入社を決めた時点でホームページに関する問題意識があったかどうか覚えていらっしゃいますか。

深田:先ほどもお話したように、前の会社の同僚にホームページを見せたところ、見た目はよくできていたので印象は悪くなく「ちゃんとした会社なんだね」と言ってもらえました。でも、そのうち「亜鉛めっきだ、鉛めっきだと言葉はいろいろ出てくるものの、仕事を出したいとなったときに、どう依頼すればいいのかよく分からない」という話もちらほら聞かされました。私も同じように感じたので、系統立てて分かりやすくめっきのことを説明する必要はあるなと思っていました。

石田:技術者の方でも、めっきについて用語だけでは分からないものなんですか。もちろん、担当している領域などにもよるのでしょうが。

深田:複写機でも当然、めっき加工した部品を使っていますが、それはデフォルトで与えられるようなものなので、亜鉛めっきだ、鉛めっきだといった加工方法についてはほとんど知らないんです。改めてめっきについて知ってみると、部材の見直しやコストダウンに利用できそうことがたくさんあるんですけどね。

深田パーカライジング 深田氏

誰でもがめっきの使い方が分かるホームページに

確かに、めっき加工したものは身近にたくさんありますが、業界に関係している人以外はほとんどめっきそのもののことを考えたりしませんもんね。

深田:そうだと思います。私にしても、この会社に入って初めて知ったことだらけですから。例えば、一口にめっきと言いますが、実は「乾式めっき」と「湿式めっき」という2つに大きく分かれているんですよ。

石田:いやー、全然知りませんでした。だいぶ違いがあるんですか。

深田:製造方法というか処理プロセスが異なり、設備はもちろん用途もまったく違います。「乾式めっき」の代表例である溶融亜鉛めっきは、錆びや腐食に強い処理法で、大型で重量があり屋外に置かれるもの、例えば駅舎の鉄骨やガードレール、信号や照明の支柱などで使われています。「湿式めっき」の代表例である電気めっきも錆びや腐食を防ぐ効果はありますが、それ以上に金属の機能性や装飾性を高めるために使われることが多い処理法です。

石田:本当に何から何まで違うんですね。

深田:ですから、たいていのめっき工場は、どちらかしかやっていません。皆さんがよくイメージされる「小さな町工場」は電気めっきのほうですね。小さな設備でできますし、処理法が細かく分かれていて、多くの工場が1つの方法に特化してやっているんです。同じ加工をするのでも、処理する際に使う溶液は一様ではなく、それぞれの工場のノウハウが詰まったもので、言わば”ウナギ屋さんの秘伝のタレ”のようなものになっているんです。

それは分かりやすいたとえですね。ちなみに、御社はどちらをやられているんですか。

深田:実は弊社は両方の方式を手がけている、数少ない会社なんです。そこは大きな特徴ですね。でも、ホームページを含めうまくPRできていなくて、取引先でも知らないところが多いんです。

市場規模なども違うんですか。

深田:市場規模としては、用途の裾野が広いので電気めっきのほうが圧倒的に大きいですね。企業数もまったく違います。

めっき業界の概要
出典:経済産業省「工業統計調査」各年

そうすると、御社の売り上げも電気めっきの割合が高いんですか。

深田:いえ、弊社の場合はほぼ半々です。逆張りではありませんが、溶融亜鉛めっきでもあまり大きくないものに特化しているため、一定のお客様に好んで使っていただいています。

そうした加工は、大物の溶融めっきをやっている工場では難しいんですか。

深田:ええ、設備などの関係で、技術面の問題があったり、コストも割高になってしまうんです。

ちなみに御社の場合、この業種が多いというのはあるんですか。

深田:業種としては電力関係が多いですね。発電、送電、配電など、あらゆる設備にめっきは使われていて、用途によって防食性や耐久性、伝導性など、求められる特性がいろいろ違い、それに合わせためっき加工をしています。

石田:こうしてお話をうかがうと、めっきの用途や技術の広がり、深みというのがよく分かりました。これを整理して肉付けしていけば、仕事で情報が必要な人はもちろん、技術に興味のある人にとっても魅力的なコンテンツになる気がします。

深田パーカライジング 深田氏

深田:ええ、そういうホームページにしたいと思ってはいました。以前のホームページは製品案内のカタログにはなっていましたが、そもそもカタログをどう使えばいいのが分からないようなものだったので。

表現がよくないかもしれませんが、「いまの時代、ホームページくらいないといけないから作っておこう」という感じだったんでしょうね。

深田:私が入社する前のことなので、正確には分かりませんが、おそらくそうだと思います。

制作会社の決め手は課題を的確に指摘してくれた信頼感

入社する時点で「手は入れたほうがいいな」という気持ちを持っていたということですが、リニューアルに向けて動き出す、何か具体的なきっかけはあったんですか。

深田:まったくの門外漢でしたから、めっきのことにしろ会社のことにしろ、勉強したり覚えたりすることがたくさんあって、なかなか手を付けられずにいたんです。そうこうしているうちに、一昨年の後半ごろだったと思うんですが、たまたま今回制作をしていただいたスターティアの方から電話があったんです。きっかけとしてはそれが一番大きいですかね。

なるほど。ずっと秘めていた気持ちに、電話がスイッチを入れてくれたという感じだったんですね。ちなみに、自分の手でやろうという考えはなかったんですか。

深田:コンテンツの内容だけでなく、構成や導線などすべてを根本的に見直す必要があったので、自分たちの手には負えないと思っていたんです。それもなかなか手を付けられなかった一因ですね。

スターティアさんの提案の何が深田さんに響いたんですか。

深田:普通に「ホームページを作り直しませんか」という話だったら、たぶん聞き流していたでしょうね。実際のそういうのもしょっちゅうありますから。でも、スターティアさんは、自分が感じていた問題点を的確に指摘してくれたので、ちゃんと弊社のホームページを見て分析してかけてきているなと思ったんです。

「御社のホームページは分かりにくいですよ」というようなことを言われたんですか。

深田パーカライジング 深田氏

深田:ネガティブな言い方ではなく、「機能別の説明といったものもあったほうが、お客様には分かりやすくなるのではないでしょうか」というような内容だった記憶しています。

石田:ちなみに、その話を聞いて同業他社のホームページを改めて見直してみたり、ということはされました?

深田:うーん、どうだったかな。ほとんどしなかったと思います。

そうすると、自分でこうしたいと考えていた部分と、提案の内容がマッチしたので、気持ちが一気にリニューアルを実行する方向へ向かったということでしょうか。

深田:そうですね。もう1つ、実際に来ていただいたときの話で、BowNowというMA(マーケティングオートメーション)ツールが導入できるという説明があった点もポイントになりました。弊社には、専任の営業が1人しかいなかったものですから。

営業には、新規開拓と既存のお客様への対応という2つがあると思いますが、両方合わせて1人でやられているのですか。

深田:はい。新規は基本的に同業などからの紹介なので、あまり人を必要としていなかったのですが、先々を考えると間口を広げておく必要はあるかなと考えていたんです。

石田:MAツールは、スターティアさんの売りの1つですもんね。

深田パーカライジング 深田氏

最終的にリニューアルすることを決めたのはいつごろですか。

深田:うーん、いつだったかな。そうだ!「おおた工業フェア」にスターティアの営業の方が来て、その場で契約書を渡したので、契約は昨年(2018年)の1月末ですね。

深田さんとして、契約の段階で改めて伝えた要望などはありましたか。

深田:改めてということはありませんでしたが、当初から話していたのは、分かりやすさ、具体的にはお客さんがどういう機能を求めているかによってめっきを選べるようなコンテンツを揃えることと、あとは発信力を持たせるということですね。

なるほど。その要望と分析に基づいてスターティアさんはプランを出してこられたと思うんですけど、どんな提案だったのですか。

深田:分かりやすさについては、スターティアさんも当初から指摘していたことで認識は一致していたため、用途別、機能別、業界別に解説するコンテンツをきちんと作りましょうという確認のような内容でした。もう1つの発信力に関しては、定期的に更新するコラムを設け、リンクする形でメールマガジンを配信したり、コラムを設けるというものです。また、MAツールを使うことで、誰が見に来ているかが分かるため、発信力の分析や営業に活用できるデータが取れるなど、大筋ではこちらの要望を満たすものだと思いました。

そうすると、大きな修正もなく、そのままスムーズに進んだ感じですか。

深田:普通にキャッチボールをして、細かいところを修正するぐらいで、大きな問題はありませんでしたね。

現場の社員が原稿を作成、モチベーション向上も期待

新しいホームページがオープンしたのはいつですか。

深田:2018年の4月中旬です。

深田パーカライジング ホームページ
リニューアル後のトップページ

すると、正味2ヵ月ぐらいでできたわけですね。めっきのことを解説するコンテンツは御社で用意したと思いますが、どのように作られたのですか。

深田:実際にめっき付けをしている若手の担当者に書いてもらい、私がチェックしてまとめました。自分がきちんと理解してないと人に対して説明できないじゃないですか。ですから、すぐ書けるに越したことはありませんが、書けないときに調べたり聞いたりすることも習熟につながるかなと思ったのです。

石田:確かにそう思いますね。それに、書いたコンテンツがマニュアルではないですけれど、初めての人が一通り読めば基本を押さえられるものになるので、その意味でもすごくいいですよね。

深田:そうですね。それと、自分がやっている仕事について書いた記事が公になるのは、単純にうれしいと思うんです。毎日同じ仕事を繰り返すだけでなく、いろいろ変化を感じてくれればいいなと。

ベテランの方は、自分の技術にプライドを持つぐらいまで仕事をやり込んでいるんだと思いますが、まだその手前の段階の人に、自信なりやる気を持たせようというニュアンスもあるわけですね。

石田:それを見てお客様が来たということが分かると、書いた人のモチベーションがすごく上がりそうですもんね。

深田:そうなってくれればいいなとは思っています。

深田パーカライジング ホームページ 用途
用途・素材から探せるようにした

メルマガについてはどうされたんですか。

深田:私の手が回らなかったことが理由なのですが、なかなかメルマガを立ち上げられなかったんです。そのときにスターティアさんから「『やるやる』と言って、メルマガを全然送ってないじゃないですか」と怒られたんですよね(笑)。

えー、そんなことがあったんですか。それで、どうされたんですか。

深田:スターティアさんと相談して、まず昨年の秋に、原稿を書く若手社員向けの講習会をやってもらったんです。そこから原稿を書き始めるのと並行して、私のほうで送付先のリストを整理し、結局、最初に送ったのは12月になってしまいました。

ちなみに、その講習会は費用がかかったんですか。

深田:いいえ、無料です。その意味では、制作だけでなく運用の部分まできちんとフォローしていただけているので、本当に感謝しています。

問い合わせ数が5倍以上になり、今後に向け確かな手応え

メルマガも始めて、定常的な運用フェーズに入ったと思うんですが、スターティアさんとは定期的なやり取りをされているんですか。

深田:メルマガを始動するときには頻繁に来てもらいましたが、今はそうでもありません。

そうすると、何かあれば連絡を取ってという感じで。

深田:そうですね。一時期は営業担当の方ではなく、BowNow(MAツール)のサポートをしてくれる技術系の方とよく連絡を取っていました。

その辺は臨機応変に代わっていくようなイメージなんですね。新しいホームページの手応えはいかがですか。

深田パーカライジング ホームページ コラム
コラムを活用して積極的に情報発信

深田:これまで月に1、2件しかなかった問い合わせが2桁にはなりました。数字としては微々たるものかもしれませんが、比較で言えば5倍以上になったので、これをもっと伸ばしていければと思っています。また、既存のお客様からコラムに対する評価の声もいただいています。

石田:ホームページのリニューアルとBowNowの導入をセットにして良かったと思われますか。

深田:そうですね、本当に良かったですね。

メルマガにしても、本当の意味で成果につなげようなとすると、BowNowのようなツールが不可欠ですもんね。

深田:ええ。前もGoogleアナリティクスで来訪者のデータを見たりはしていましたが、やっぱり細かいところまでは分からないんですよね。今はあそこの会社が見に来てるとか、こんな大学からもアクセスがあるんだというのが分かりますから。

ちなみに、メルマガは何通ぐらい送っているんですか。

深田:そんなに多くないですよ。300から400通ほどですから。ただ、最初のほうでもお話しましたが、弊社が溶融亜鉛と電気の両方をやっていることを知らない既存のお客様も多いんです。ですから、まずはそれを周知できれば成果だと思っています。

それは、簡単に言えば、溶融亜鉛めっきを依頼しているお客様が、電気めっきもできることを知って、そちらも発注してくれるようになればということですね。

深田:そうです。「えっ、電気もやっているの?じゃあ今度考えてみる」といった反応が意外とありますね。ホームページやメルマガ経由ではないのですが、電気めっき系の処理で最近取引を始めた電力系の大手企業とお話をするなかで、溶融亜鉛めっきもやっていることを知っていただいたら、結構な量の発注があったんです。ですから、情報発信をしていないことによる機会損失は結構あるのかなと思いましたね。

そういう意味では、既存のお客に会社をもっと知ってもらうことで、需要を喚起できるということの手応えは得ているわけですね。

深田パーカライジング 深田氏

深田:はい。

石田:前職の立場でめっき加工についてよく知っていれば、部材の見直しやコストダウンに利用できそうだというお話がありましたが、いずれはそういうことにつながる発信をしていくことも考えられますね。

深田:そうですね。そこまでいければと思っています。これまでは新しいことをやるにしても現場ベースで動いていたんですが、実は研究開発の部署を設け、そのための建物も新設中なんです。それが軌道に乗れば、お客様に対していろいろなアプローチができるようになるはずですし、発信する情報に厚みも持たせられると思っています。

どんな体制でやるか、もう決まっているんですか。

深田:課長は決めていて、あとは5人、6人ぐらいは入れようかという話をしています。すべて兼任ですけどね。

研究開発グループから情報発信ができたら、イメージ的にはすごいいいですよね。

石田:情報発信というのは当然外に向けてやるものですが、実は内部的なプラス要素もすごくあると思うんですよ、刺激とか自信といった面で。

深田:そこは期待しています。

深田パーカライジング 深田氏

編集後記

「スターティアさんから電話が、リニューアルに動き出す直接のきっかけとなった」というお話が、意外でありとても印象に残りました。何かを変えたいと思っても、それなりに機能していて目に見えるマイナスがないと、なかなか業務の優先順位として上がらないということは、自分に照らし合わせてもありがちです。外から受ける刺激の重要性を、改めて考えさせられたインタビューでした。その意味では、新しく会社に入った深田さん自身が、会社にとっての「外的刺激」と言えるのかもしれません。

ホームページ制作会社を選ぶポイント

・既存のホームページについて、しっかりと分析しているか
・要望を満たした上に、プラスアルファの要素が提案に入っているか
・公開後も必要に応じた柔軟なサポートをしてくれるか

企画制作:アイミツ編集部
撮影協力:深田パーカライジング株式会社 ホームページはこちら

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