【10.1問題とは?】必ず知っておきたい「改正労働者派遣法」の背景と内容

2015年11月17日
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メディアでも随分と取り上げられていましたが、本年9月11日に、改正労働者派遣法が成立し、わずか数週間後の同月30日から施行されています。

改正労働者派遣法では、今まで業種によって制限されていた「派遣期間」について大幅な見直しが行われましたが、その背後には、いわゆる「10.1問題」と呼ばれる問題があると聞き及んでおられる方も多いでしょう。

そこで、今回は、改正労働者派遣法について、その背景を踏まえて概要を説明します。

 

1.「10.1問題」とは?

「10.1問題」の話をするためには、平成24年の労働者派遣法改正にまで遡る必要があります。労働者派遣法は、比較的頻繁に改正が行われていますが、この平成24年改正では、日雇い派遣の原則禁止やグループ企業内派遣の8割規制、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れる事の禁止などが制定されました。

この改正には1つの大きな特徴がありました。それが、「労働契約申込みみなし制度」の創設です。「労働契約申込みみなし制度」とは、派遣先企業が以下のいずれかに該当する行為を行った場合に、派遣先企業が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだとみなす制度のことです。

  • 派遣労働者を禁止業務に従事させること
  • 無許可又は無届出の派遣会社から派遣を受け入れること
  • 派遣期間制限に違反して派遣を受け入れること
  • いわゆる偽装請負等

「みなし制度」と呼ばれるだけあって、この制度は、当事者間のやり取りの内容を問わず、上記のいずれかに該当した場合に、派遣労働者としてではなく、社員として直接雇用するよう申し込んだと扱われるものです。

この制度は、改正から3年経過後に施行されるという猶予期間が定められていましたが、施行日である平成27年10月1日以降は、正社員として直接雇用してもらいたい派遣労働者と、あくまでも派遣労働者として働いてもらいたい企業との間に、大量の紛争が生じてしまうことが予想され、それが「10.1問題」と呼ばれるようになりました。

 

2.平成27年改正の内容は?

本年の改正労働者派遣法は、上記のような「10.1問題」を回避する目的が多分に含まれています。

「労働契約申込みみなし制度」が適用される場合の1つとして、「派遣期間制限に違反して派遣を受け入れ」た場合があるというのは上述しました。しかし、改正前の労働者派遣法は、業務(政令26業務と呼ばれます)により派遣期間制限に違いがあり、その判別は容易ではありませんでした。

そこで、今回の改正では、業務よる派遣期間制限そのものを撤廃し、派遣期間制限に違反するか否かを容易に判別できるようにすることで、「10.1問題」を回避しようとしています。

具体的に、改正労働者派遣法は、全ての業務について以下のような期間制限を定めました。

● 派遣先事業所単位の期間制限

→ 派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は、原則3年に限定。

→ 派遣先が3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、派遣先の事業所の過半数労働組合等からの意見を聴く必要がある。

● 派遣労働者個人単位の期間制限

→ 派遣労働者を、派遣先の同一の組織単位に対し派遣できる期間は、原則3年に限定。

→ 「同一の組織単位」とはいわゆる「課」や「グループ」などの単位のことを言い、実態に即して判断される。

なお、上記の期間制限の対象となる場合であっても、派遣労働者が以下のいずれかに該当する場合であれば、そもそも期間制限は適用されないという例外も定められています。

  • 派遣労働者が派遣元に無期雇用されている場合
  • 派遣労働者が60歳以上の場合

 

3.まとめ

以上、労働者派遣法の改正について、その背景と「期間制限」という最も大きな改正内容について簡単に説明させて頂きました。この改正は、これまで政令26業務か否かによって大きく区分されてきた派遣の仕組み・派遣の活用方法が大きく変わるものですので、今後の動向についても引き続き注意していく必要があります。

 

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